48 名前:名も無きAAのようです :2013/11/30(土) 22:20:47 ID:BfQ2OWs.O
制作秘話


 この日、作者の脳内会議場には、やり手の新人から腰の重い代表取締役までが勢揃いしていた。

( ^ω^)「今日は皆さんに報告したいことがありますお」

('A`)「どうされました?」

( ^ω^)「なんとブーン系嘘予告総選挙で、私達の作品に一票が投じられましたお」

(´・ω・`)「作品はΣz ゚ー )リ 対ヒーロー殲滅用特殊戦闘員は走るようです、辺りですかな?」

( ^ω^)「いいえ、かなり初期の作品ですお」
  _
( ゚∀゚)「ということは(´<_` )阿修羅の狂宴のようです、ですかね」

 上げられたのは奇をてらわない、熱血感動系の上品な作品群だ。
 しかし内藤は「いいえ」と首を横に振る。

49 名前:名も無きAAのようです :2013/11/30(土) 22:22:12 ID:BfQ2OWs.O
( ^ω^)「l从・∀・ノ!リ人魔法少女もなにかと大変なようです、が選ばれましたお」

 皆が驚愕に目を見開いた。

/ ,' 3「なっ!? あれは設定もほぼ作っていない、本当の本当にリアルな嘘じゃぞ!」

(;´∀`)「だいたい、僕達はギャグなんて書いたことがない! あれは数レスだからギャグ仕立てにできたのですモナ!」

('A`)「それに自分達は魔法少女アニメを見たことがない。どうやって話を作るのですか!」

 越えなければならない壁、そのどれもが高過ぎる。
 誰もが無理だと諦めたそのとき、内藤が力強く口を開いた。

( ^ω^)「でも、あれは! ――男の娘モノなんですよっ!!」

 男達は返す言葉を失った。

 だが、すぐさま瞳に決意の光を灯し、互いの顔を見合せて頷く。
 一人の男の熱い言葉が、水を打ったように会議場全体へと伝播したのだ。

「……やろう。俺達の手で男の娘モノをやりましょう!」

 魔法少女と男の娘、それ以外の方向性はまったく見えていない。
 しかし、皆が男の娘という響きへの、無限の可能性を信じた。
 自分達の中にまだ、これほどまでに燃える想いが残っていたのかと興奮しながら。


 男達の、男の娘への挑戦は、まだ始まったばかりだ。


fin


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