- 641 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 22:00:27 ID:rdD2yrzU0
- 【7月21日】
('A-)「ん……」
カーテンから差し込む光がまぶしい……
そのせいで目が自然と覚めてしまった
('A`)「ふあーーーーー……」
携帯の画面を確認してみると、今の時刻は5時50分……
('A`)「…………」
いつもの俺にしては珍しく早起きだった
('A`)「…………」
('A`)「もうひと眠りするか?」
- 642 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 22:03:39 ID:rdD2yrzU0
- ('A`)「さて、どうしようか?」
1、おやすみ!
2、……ちょっと待て
3、自由安価
安価>>643
- 643 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 22:04:43 ID:rdD2yrzU0
- ('A`)「さて、どうしようか?」
1、おやすみ!
2、……ちょっと待て
3、自由安価
安価>>643
- 644 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 22:06:00 ID:rdD2yrzU0
- 再安価>>645
- 645 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 22:06:53 ID:U0k1lFr.C
- 2
- 646 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 22:13:45 ID:rdD2yrzU0
- ('A`)「……ちょっと待て」
俺は何か大事なことを忘れてないか?
('A`)「…………」
今日の朝……
(;'A`)「今日の、朝……?」
そういえば昨日……
≪ ζ( ー *ζ「いい?明日の朝の6時に私の部屋に来なさい 遅刻なんてしたらそこで全部おしまいにするから」 ≫
(゚A゚)
(;゚A゚)
すさまじい悪寒が背中から伝わってきた……
今の時刻をチラッと目で確認するともう既に5時55分を回っていた
- 647 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 22:22:51 ID:rdD2yrzU0
- (;゚A゚)「ふおおおおおおおおおおおおッ!!!!」
全てが終わってしまう……
いつも夢見ていた俺と姫の甘い蜜月生活が始まる前に全てが終わってしまう……!!
(;゚A゚)「早く!早くしないとっ!!」
今の俺には服を着ている時間さえも惜しい
今は非常事態なんだ……
だから、細かいことを気にしている暇なんてない
俺はパジャマ姿のまま部屋を飛び出して行った
- 649 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 22:33:25 ID:rdD2yrzU0
- ('A`)「ん?」
_
( ∀ )
ミ,, Д 彡
廊下を走っている途中、大きな塊が二つほど転がっていることに気づいた
多分、猪の死骸か何かなんだろう……
俺は気にしないことにした
――――――――
――――
――
―
(;'A`)「はあはあ……」
それからしばらくして俺はようやく姫の部屋の前にたどり着いた
そして、ドアノブに手をかけて一気に引いた……!
- 651 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 22:42:23 ID:rdD2yrzU0
- ζ(-△-#ζ「遅い」
ドアを開くと俺の目の前には姫が腕を組んで突っ立っていた
その表情から察するにどうやら相当にご立腹なようだが……
(;'A`)「あうあう」
ζ(-ー-*ζ「…………」
ζ(-△-*ζ「はあああああああああ……」
俺の戸惑っている様子を目にした姫は大きくため息をついたあと――
ζ(-△-*ζ「ドクオくん……あなた、やる気あるの?」
そんな言葉を口にした
- 652 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 22:47:58 ID:rdD2yrzU0
- (;'A`)「さて、どうしようか?」
俺は姫に対して……
1、素直に謝る
2、誤解を解くように努める
3、とりあえずツンさんを起こす
4、自由安価
安価>>654
- 654 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 22:54:47 ID:siemhBog0
- 4.「うるせぇ!やる気なんてあるわけねーだろ!」
- 656 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 23:03:17 ID:rdD2yrzU0
- (# A )「……るせぇ」
ζ(゚ー゚*ζ「ん?」
(#'A`)「うるせぇ!やる気なんてあるわけねーだろ!」
ζ(゚ー゚*ζ「……はい?」
(#'A`)
ζ(゚ー゚*ζ
その場の空気が一瞬固まった――
(#'A`)
('A`)「あ」
……俺は今なんてことを口走った?
だがそれに気が付いた時には既に遅かったのかもしれない……
遅すぎたのかもしれない……
- 659 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 23:14:32 ID:rdD2yrzU0
- ζ( ー *ζ「ふーん、ドクオくんごときが私に対してそんなこと言っていいんだあ……」
ζ( ー *ζ「随分と偉くなったわね?」
(;'A`)「ちちち違うんだ!姫!!これはそのぉ!!」
俺は必死に弁解しようと試みるが――
ζ(゚ー゚#ζ「問答無用……ねっ!」
ζ(゚△゚#ζ「せいッ!!」
(;'A`)「!!」
有無を言わさずに勢いのある蹴りが飛んできた……!
(゚A゚)「うぼああああっ!!」
そして、俺の腹部に深くめり込んだ
- 660 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 23:31:46 ID:rdD2yrzU0
- (;゚A゚)「かはぁ……げほっ!げほっ!」
ζ(゚ー゚*ζ「気が変わったわ これじゃあテストするまでも無かったわね」
( A )「え?」
まさかこれで全てが終わり……?
だが――
ζ(゚ー゚*ζ「私に真正面から刃向かってくる馬鹿なんてあなたが今までで初めてよ」
どうやら姫はそこまで怒っているわけでもないらしい
むしろさっきよりは若干機嫌がよさそうにも見える……
ζ(゚ー゚*ζ「……決めたわ」
('A`)「え?」
そして、彼女は地面にうつ伏せに倒れている俺の頭を踏みつけながらそのまま言葉を続ける……
- 661 名前:名も無きAAのようです :2013/10/29(火) 23:47:52 ID:rdD2yrzU0
- ζ(゚ー゚*ζ「私、あなたが心から服従する姿を見てみたくなったの」
ζ(^ー^*ζ「ドクオくんには私の教育が必要なのよ」
(;'A`)「あ、れ……?」
チョットマテ……
なんだかおかしな方向に向かってませんか?
姫に許してもらったのは嬉しいけど、俺が求めているものとはちょっと違うぞ
ζ(゚ー゚*ζ「いいわね?私は欲しい物は絶対に諦めないタイプだから手は抜かないわよ?」
ζ(゚ー゚*ζ「これからは私のために精一杯頑張りなさいね いい?」
(;'A`)「は」
(;'A`)「は、い……」
どうやら逃げ道はどこにも無いようだった
事態をよく理解できないままに流される形で返事をしてしまったが果たしてこれでよかったのだろうか?
今の俺には一体何が正しい答えなのかは分からなかった……
- 662 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 00:01:42 ID:MDl8uMsI0
- ミ,,゚Д゚彡「……ったく昨日は酷い目にあったよな〜〜〜」
_
( -∀-)「だな……まさにこの世の地獄ってものを体験した気分だったぜ」
( ゚д゚ ) 「ばふん!」
(;'A`)「…………」
その後の俺たちは部屋で雑談に明け暮れていた
あいつらに昨日何があったのかは聞かないことにする……
('A`)「ところでさあ……これからどうするよ?」
とりあえずこの話題から離れることにした
俺のことを下手に詮索されるのも困るしな!
( ゚д゚ ) 「どうするもなにも私は姫のお傍に……
('A`)「いえ、そうじゃなくてなんというか……」
ミ,,-Д゚彡「……わかってる」
澄ました顔のフサギコがそんな俺の顔の前に手を突き出した
ちょっとうざいぞ
- 664 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 00:13:01 ID:MDl8uMsI0
- ミ,,*゚Д゚彡「青少年の抑えきれない欲望……それを発散するのは……!!」
_
( -∀゚)「ちょっとしたイベント……ってやつだろ?」
ミ,,゚Д;彡「…………」
ジョルジュがその続きを言った
フサギコは自分の言葉を取られてちょっと不貞腐れたような表情を浮かべているが……
('A`)「まあ、そうだよなあ……」
もちろん、やましいことは一切しないぞ?
ミ,,*゚Д゚彡「くああああああ!!何しよっかなー?何しよっかなーー?」
_
( ゚∀゚)「……とまあ、フサギコはこんな調子だ これじゃあ夕方になっても決まりそうにねえ」
_
( -∀-)「どうするかはドクオが決めろ 俺は別になんでも構わねえ」
- 665 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 00:18:17 ID:MDl8uMsI0
- ('A`)「さて、どうしようか?」
俺が選んだのは……
1、肝試し
2、花火
3、自由安価
安価>>667
- 667 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 00:22:21 ID:IMyRhJ060
- 1
- 668 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 00:39:47 ID:MDl8uMsI0
- ('A`)「肝試し……なんてどうだ?」
定番中の定番だ
まあ、無難と言っちゃ無難だが選んでおいて間違いはないだろう
ミ,,*゚Д゚彡「ふひひひ!いいね〜!ドクオにしてはやるじゃん!いよっ!このムッツリスケベ〜〜〜」
('A`)「違う」
スケベなのはむしろこいつの方だ
多分今のこいつの頭の中では桃色空間が形成されているに違いない
その証拠にだらしもなく鼻の下を伸ばしている
_
( ゚∀゚)「ところでよぉ、一つ聞きてえんだが……脅かす役は誰がやるんだよ」
(;'A`)「あ」
そうだった……
正直そこまで深く考えていなかった
- 669 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 00:51:32 ID:MDl8uMsI0
- ( ゚д゚ ) 「それはジャンケンで決めればよかろう」
ミ,,;゚Д゚彡「げっ!!マジですかよ」
_
( -∀-)「ま、順当だな!」
('A`)「だな」
それが一番確実というものだろう
(#゚д゚ ) 「うおっほぉん!!この勝負、絶対に負けられん!!今の私のオーラ力は最高出力……つまり全力というわけだ!!」
ミ,,#゚Д゚彡「いいぜぇ、かかってこい!!やるからには本気でやってやる!!戦いは、生か死だッ!!」
両者ともに向かい合って構えの体勢に入る
まさに気合十分と言ったところだ
('A`)「…………」
そもそもジャンケンに本気とか関係ないような気がするんだが……
突っ込んだら負けのような気がしたのでやめた
- 670 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 00:58:20 ID:MDl8uMsI0
- (#゚д゚ ) 「はあああああああッ!!ジャンケン……!!」
ミ,,#゚Д゚彡「ホイィィィィィィ!!!!」
(;'A`)「……ッ!!」
_
( -∀-)「これが、戦争か……」
俺たちの勝負の行方は……
1、ミルナとフサギコの負け
2、ミルナとジョルジュの負け
3、フサギコとジョルジュの負け
4、自由安価
安価>>672
- 672 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 01:17:52 ID:IMyRhJ060
- 4、ドクオ一人勝ち
- 674 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 01:41:23 ID:MDl8uMsI0
- _
( -∀-)「フサギコ……もうその辺にしておけよ」
ミ,,;Д;彡「ジョル、ジュ……」
_
( -∀-)「いいか?ミルナさんをよーーーく見てみやがれ」
ミ,,゚Д;彡「えっ?」
フサギコがミルナさんの方向に目を向けると――
( -д- ) 「ふぅ……」
自分の与えられた運命を受け入れた漢の姿がそこにはあった
全てを悟りきった表情――それは気持ちいいぐらいに清々しい顔つきだった
ミ,, Д 彡「あ……」
_
( -∀-)「わかるだろ?今の俺たちにできることは……」
ミ,, Д 彡「このイベントを全力で盛り上げる……」
ミ,,゚Д゚彡「……みんなの笑顔のために!」
_
( -∀゚)b「……ビンゴ!」
ジョルジュが親指をグッと突き立てた……!
- 676 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 01:55:26 ID:MDl8uMsI0
- ( ゚д゚ ) 「フサギコ……今のお前に贈る言葉がある」
言いながらミルナさんはフサギコの目の前に一歩踏み出して――
( ゚д゚ )b「『来年もある!!』」
ジョルジュと同じようにサムズアップをした……!
ミ,, Д 彡「ミルナ、さん……」
ミ,,゚Д゚彡「……そうだ!そうだよな!!」
ミ,,゚Д゚彡「俺やってみるよ!いや、やってやる!!ベストを尽くしてやるッ!!」
フサギコは俯いていた顔を上げ声高々にそう宣言した……!
_
( -∀゚)「……もう迷いはねえみたいだな?」
ミ,,゚Д゚彡「…………」
ミ,,゚Д゚彡「へっ!決まってんだろ!!」
そう告げたフサギコの顔にはいつもの笑顔が浮かんでいた――
('A`)(だけどミルナさんには……来年ないよな?)
俺は胸に浮かんだその言葉を奥に押し込めた……
- 682 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 17:54:39 ID:zmAZRiis0
- 陽はすっかり落ちて、空の色は既に漆黒に染まっていた――
……だというのに、今の俺たちは外に集まっている
それはこれから始まるイベントに向けてのことだった……
川; - )「肝試し、ですか……」
从*^ー^从「ふぇぇ、わたしはいいと思うな〜!肝試し!」
ξ;凵G)ξ「えええええええええ!!ちょちょちょちょっと待ってよ!!待ってよお!!」
(゚、゚トソン「…………」
ζ(-ー-*ζ「なんかありきたりね〜……」
肝試しという俺たちの出した提案……
それに対する女性陣の反応は各々に違っていた
- 683 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 18:04:02 ID:zmAZRiis0
- ('A`)「あれ?」
俺はふと誰かが足りないことに気づいた……
('A`)「……じぃさんは?」
ミ,,゚Д゚彡そ「え?ああ……」
ミ,,゚Д゚彡「あ〜〜〜……あの人は……」
ミ,,;゚Д゚彡「脅かし役……」
フサギコが俺の耳元でそうボソッと囁いた
('A`)「あ」
なるほど、そういうことか!
よく見てみるとフサギコを除く男連中の姿も見当たらない……
この様子だと司会進行のこいつを残して、どうやら準備に行ったらしいな
- 684 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 18:13:58 ID:zmAZRiis0
- ミ,,゚Д゚彡「ん?おっと……」
なにやら携帯のブザー音が聞こえる
フサギコはその画面を覗き込んでから――
ミ,,゚Д゚彡「あいつらの準備が今終わったってよ だからそろそろ始めるぞー!みなさーーーん!!集合集合ーーー!!」
そう言ってみんなを呼び寄せた
('A`)「いよいよか……」
無事何事もなく終わればいいが……
俺は平穏を願った
- 685 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 18:23:18 ID:zmAZRiis0
- ミ,,゚Д゚彡「とりあえず今からくじ引きで二人組を決めてもらいます!」
言いながらフサギコが俺たちの目の前に割り箸が何本も入っている容器を差し出してくる
どうやらこれでくじ引きを行うらしい……
从 ー 从「…………」
川; - )「…………」
ξ;凵G)ξ「…………」
(゚、゚トソン「…………」
ζ(゚ー゚*ζ「…………」
みんなそれぞれに緊張した面持ちを見せている
中には例外もいくつか存在しているが……
- 686 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 18:29:18 ID:zmAZRiis0
- ('A`)「……ッ!!」
そして、俺たちはくじを一斉に引いた……!
俺のペアは……
1、渡辺
2、ツンさん
3、クー
4、姫
5、トソンさん
6、自由安価
安価>>688
- 688 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 18:31:30 ID:kOyFfZpQ0
- 2
- 689 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 18:43:20 ID:zmAZRiis0
- ミ,,゚Д゚彡「はい!みなさん引き終わりましたね〜?」
ミ,,゚Д゚彡「それじゃあ、くじに書いてある同じ数字の人同士でペアを組んでくださーい!」
俺がくじを確認してみると――
('A`)「2……」
そんな数字が黒色のマジックで書かれていた
ξ )ξ「え……!?」
そんな俺の言葉にツンさんが驚いたような声を上げた
('A`)「もしかして……ツンさん」
ξ///)ξ「ひゃ、ひゃいっ!!」
(;'A`)「…………」
これじゃあ聞くまでもなさそうだった
俺のペアは間違いなくツンさんだ
- 690 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 19:00:01 ID:zmAZRiis0
- 一組目の渡辺とクーのペアが出発してからしばらくして……
<きゃああああああああああああ
(;'A`)「な、なんだあッ!?」
ξ;凵G)ξ「ひ、ひいいいぃぃぃぃッ!!」
森の中から誰かの切り裂くような悲鳴が聞こえてきた
それは出発前の俺たちを動揺させるには十分だった……
ミ,,゚Д゚彡「はい!次はドクオとツンさんペアどうぞ!」
(;'A`)「え、ちょ、おま!」
よりにもよってこのタイミングかよ!
ミ,,゚Д゚彡「はいはい!さっさと行ってこーい!!」
ξ;凵G)ξ「ひぅっ!!」
(;'A`)「わ、わかったから押すなって!」
そして、俺たちはフサギコに押し出される形で出発することになった……
- 694 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 19:10:26 ID:zmAZRiis0
- ('A`)「…………」
ξ;凵G)ξ「…………」
ツンさんが俺の背後にぴったりとくっついて歩いている
どうやらその様子から察するに相当に怖い物が苦手らしいな
('A`)「ツンさん、そんなに怖がらなくても大丈夫だよ どうせ大したものなんて出てこないって」
俺がそうやって励まそうとしても――
ξ;凵G)ξ「……!!」ブンブンブンブン!!
無言で頭を何度も横に振るだけだった
ツンさんを説得するのはなかなかに骨が折れそうだ……
- 695 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 19:16:35 ID:zmAZRiis0
- なにか……なにかこの状況を改善できそうな打開案はないか?
俺は頭を振り絞った……
('A`)「さて、どうしようか?」
1、手を握る
2、ババチョップ
3、怖い話をする
4、自由安価
安価>>697
- 697 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 19:32:11 ID:TYPsNs0c0
- 4 おんぶ
- 701 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 19:44:49 ID:zmAZRiis0
- ('A`)「ツンさん」
ξ;凵G)ξ「え……どっくん?」
俺はツンさんのスベスベとした太ももに手を伸ばし、一気に抱え込んだ……!
ξ;凵G)ξ「どどどどっくん!!どっくん!!何やってるの!?は、恥ずかしいよ!!」
そんな俺の行動に対してツンさんは必死に抵抗しようと試みるが――
('A`)「俺、ほっとけないんだよ」
ξ )ξ「え?」
('A`)「なんでだろうな?」
同情とはちょっと違う……
ただ本当にほっとけないというか……危なっかしくて見ているこっちが不安になるんだよなあ……
- 703 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 19:55:39 ID:zmAZRiis0
- ξ )ξ「…………」
ツンさんは何も言わずに俺のシャツの握ってきた
そして、言葉をゆっくりと紡ぎ始めた――
ξ )ξ「やっぱり、どっくんって優しいね……」
ξ )ξ「わたし、ホントはわかってたよ……どっくんはわたしのこと好きじゃないんだって」
ξ )ξ「わたしのこと迷惑に思ってるんだって……だから」
一瞬の間のあとに……
ξ )ξ「だから……これ以上嫌われないように距離、保ってたのになあ……」
そう続けた――
- 706 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 20:07:23 ID:zmAZRiis0
- ( A )「え?」
ξ )ξ「お願いだから、同情なんかしないでよ……そんなの悲しいだけなのに……!苦しい、だけなのに……!!」
ξ )ξ「諦めようって……ずっと、ずっと思ってたのに……!!」
ξ 凵G)ξ「わたし……期待しちゃうよ?」
ξ;凵G)ξ「わた、し……バカだから、勘違いしちゃうよ?」
そう言ってツンさんは俺の背中に顔をうずめた……
その涙を吸い取ってシャツはどんどんシミを作っていく
ξ;凵G)ξ「ごめ、ん……今だけは、許してね」
そんな声が耳に聞こえたような気がした――
- 708 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 20:19:14 ID:zmAZRiis0
- ( A )「ツン、さん……」
俺は彼女のことを何一つ分かってあげられてなかった
考えてあげられなかった……
いつも明るく振る舞っていたツンさん――彼女は実際はこんなにも深く傷ついていた
それに今頃になって俺は気づくなんて……
( A )「…………」
ξ;凵G)ξ「ひっく……ひっく……」
俺たちの間には何も会話は無かった
そこにあるのはツンさんのすすり泣く声……
ただ、それだけだった――
- 711 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 20:59:45 ID:zmAZRiis0
- / ̄ ̄ ̄ ̄\
/;;:: ::;ヽ
|;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;|
|;;:: ::;;|
|;;:: c{ っ ::;;|
|;;:: __ ::;;;|
ヽ;;:: ー ::;;/
\;;:: ::;;/
|;;:: ::;;|
|;;:: ::;;|
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄\
|;;:: ::;;|
|;;:: ::;;|
( A )「…………」
ィ●ァ ィ●ァ「……うぬ?」
ィ●ァ ィ●ァ「全く反応がない……だと?一体どうしたというのだ!今の私のマナは最大限だというにッ!!」
- 713 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 21:01:48 ID:zmAZRiis0
- <_プー゚)フ「ひゅ〜〜〜どろどろ〜〜〜」
ξ )ξ「…………」
<_プー゚)フ「…………」
<_プー゚)フ「あーあ、ダメだこりゃ……こいつら俺たちのことがまるで目に入っちゃいねえ」
爪゚ -゚) 「ドクオ様がツン様に何かよからぬことでもなされたのでしょうか?」
<_プー゚)フ「いや、それは違うでしょ だって、仮にもおんぶしてるみてえだぜ」
ィ●ァ ィ●ァ「ところでじぃ殿……その物騒な包丁はしまっていただけぬだろうか?この暗闇ではいささか不気味に映るのでな……」
爪゚ -゚) 「あら、私としたことが申し訳ありません ドクオ様を見てるとつい手が勝手に……」
<_プー゚)フ「……やれやれ」
- 716 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 21:15:50 ID:zmAZRiis0
- ( A )「ん?」
誰かの話声が聞こえてきたが俺たちは特別気に留めることはしなかった
はっきり言って今はそんなことはどうでもよかったのかもしれない
肝試しのことなんて今の俺の頭からは綺麗さっぱりに消え去っていた……
ξ )ξ「あ」
気がつけば目の前にはゴールが見える……
どうやら長かったこの時間もついに終わりを迎えるらしい
そして、ツンさんは――
ξ )ξ「どっくん……」
ξ )ξ「……もう、そろそろ降ろして?」
俺の背中にそんな言葉をつぶやいた――
- 717 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 21:22:03 ID:zmAZRiis0
- ( A )「…………」
1、わかった
2、嫌だ
3、自由安価
安価>>719
- 719 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 21:33:06 ID:IMyRhJ060
- >>718
- 718 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 21:32:17 ID:dyxiiWWsC
- 3 お姫さまだっこする
- 723 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 21:50:14 ID:zmAZRiis0
- ( A )「わかった」
そう言って俺はツンさんを背中から降ろした……
ξ )ξ「…………」
ξ )ξ「ありがと、どっくん……」
ξ )ξ「悪いけど、先行っててくれる?今だけは泣き顔見られたくないの」
俺に背中を向けたまま、ツンさんはそう告げた
その声はほんの少しだけ震えている気がした……
( A )(俺は本当にこれでいいのか……?)
はい!明日からは元通りです!
これからも今まで通り友達として仲良くしましょう!
……なんて単純に終わる話なのか?
俺たちは本当に元に戻れるのか?
今までと同じ関係でいられるのか?
- 725 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 22:01:02 ID:zmAZRiis0
- ( A )(俺は……)
たしかに最初の頃はただの変な人だと思っていた
だけど、今の俺はツンさんのことが好きだ
照れ屋なところ、一生懸命なところ、一途なところ、ちょっとドジなところ……
俺はそんなツンさんのことが好きなんだ
この好きがどういう種類のものなのかは今はまだ分からない……
だけど――
ξ )ξ「きゃあッ!!」
ξ;凵G)ξ「どっ、くん……?」
気がついた時には俺はツンさんの体を膝から抱え上げ、お姫様抱っこしていた
( A )「ツンさんごめん……勝手なことだって分かってる……けど!」
('A`)「俺は、ツンさんのことが好きなんだよ」
ξ;凵G)ξ「ひゃえっ!?」
そして、戸惑う表情のツンさんをそのままに俺は勢いよく駆け出した……!
- 728 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 22:18:55 ID:zmAZRiis0
- ξ;凵G)ξ「意味が、わかんないよ!!わたしなんか……わたしなんかあッ!!」
ツンさんが俺の腕の中でジタバタと抗議してくる
その姿はまるで駄々をこねる子どものようだった……
('A`)「ツンさんは……合宿が終わったら俺たちと距離を空けるつもりなんだろ?」
ξ;凵G)ξ「あ」
('A`)「……図星って顔してるな」
ξ;凵G)ξ「だって……」
ξ;凵G)ξ「だって、わたしはここにいちゃいけないんだって……居場所がないんだってそう思ったから!!」
ξ;凵G)ξ「ホントはどっくんのそばにずっといたいよ!!だけど……」
ξ;凵G)ξ「だけど、わたしにはこうするしかないんだって思えたから!!こうなっちゃったからッ!!」
- 729 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 22:35:34 ID:zmAZRiis0
- ( A )「ツンさん……」
( A )「無理なんだよ」
ξ;凵G)ξ「え?」
( A )「今更俺たちは離れ離れになるなんて無理なんだよ」
( A )「離れるには遅すぎたんだよ!長い時間を過ごしすぎたんだよ!!」
( A )「俺たちはこんなにも一緒の時間を過ごしたじゃないか!たくさん想い出を作ったじゃないか!!」
( A )「だから忘れたくても忘れられないんだよ!人間そんなにうまくできちゃいないんだよ!!」
( A )「ツンさんは違うのか!俺たちと……俺と過ごした時間を……
俺は息切れを起こしてしまい途中で言葉を止めてしまった……
ξ;凵G)ξ「……ッ!!」
ツンさんは肩を震わせながらそんな俺の顔を見上げていた
目は赤く腫れたままで……
そして――
- 730 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 22:53:16 ID:zmAZRiis0
- ξ;凵G)ξ「どっくんのバカバカバカバカバカッ!!!!」
ξ;凵G)ξ「そんな言い方ズルいよ!!」
ξ;凵G)ξ「忘れるわけない!忘れることなんてできないよ!!」
ξ;凵G)ξ「でもわたしはきっとどっくんにものすごく迷惑かけちゃうから!!だから……!!」
まくしたてられるツンさんの言葉の嵐……
いつもなら流される俺だけど――
( A )「馬鹿はあんたの方だッ!!」
ξ;凵G)ξ「なあっ!?」
今の俺はそんなツンさんに対して容赦なく切り返した……!
( A )「……迷惑をかけるだって?今更何言ってんだよ、あんたは」
( A )「俺はそんなに頼りないってのか?馬鹿にすんなよ!」
( A )「真正面から受け止める!全力で向き合う!もうその覚悟は決めてあるんだ!」
( A )「だから、俺にツンさんの心を見せてくれ!」
( A )「今度は……今度こそは絶対に逃げ出さないって約束するから!!」
- 731 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 22:59:57 ID:zmAZRiis0
- ξ;凵G)ξ「行動が……」
ξ;凵G)ξ「行動が、伴ってないよ」
ξ;凵G)ξ「言葉だけなんてわたし信じないから」
( A )「…………」
俺は……
1、小指を差し出した
2、抱きしめた
3、キスをした
4、自由安価
安価>>733
- 733 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 23:05:57 ID:eSAUqzKY0
- 3
- 735 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 23:28:01 ID:zmAZRiis0
- ('A`)「…………」
俺はツンさんにゆっくりと顔を近づけて――
ξ///)ξ「……きゃっ!」
そのおでこに優しいキスをした
その表情はみるみるうちに赤色に染まっていく……
ξ///)ξ「ひひひひどいよ!どうして唇にしてくれないの!?」
ツンさんの今の表情は怒り半分嬉しさ半分といった複雑な心境のようだ
そんなツンさんに向かって俺は言った――
('A`)「別に急ぐ必要はないだろ?焦ったら大事なものを見失ってしまうかもしれない」
('A`)「俺はツンさんを大切にしたいんだよ だから今はこれで十分なんだ」
そんな俺の言葉にツンさんは――
- 736 名前:名も無きAAのようです :2013/10/30(水) 23:35:56 ID:FVDof0UE0
- (おまけ)
少し離れた草陰……
从 ー 从「…………」
从 ー 从(どっくんとツンさん……なにやってるの?)
从 ー 从(わたしに言ってくれた言葉は嘘だったのかなぁ)
从 ー 从(わたし、最近のどっくんの考えてること全然わかんないよ)
从 ー 从(いい加減にしないとわたし……)
从 ー 从「……怒っちゃうよぉ?」
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