388 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 17:30:09 ID:wjRPKWH20
最初は興味本位のつもりだった



ただの遊び半分のつもりだったのに……



ちょっと辛いことがあると、最近のわたしは『これ』に頼ることをやめられなくなってしまっていた……



从 ー 从「…………」チキチキ…



わたしはカッターナイフの刀身を自分の手首にあてがい……




つぷ……




ゆっくりと……



ゆっくりと……沈め込ませていった



最初は痛みと恐怖が勝り、浅くしか切り込みを入れることが出来なかった……



……しかし、どうやら最近はこの皮膚の千切れるもどかしい感覚がだんだんとクセになってきたようだ

389 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 17:33:07 ID:wjRPKWH20
傷口から赤黒く粘り気のある血液がゆっくりと垂れてきて、机の上に落ちた




ぽたっ……




そして、紅色の水たまりを作っていく



水たまりはどんどん大きくなっていく……




从 ー 从「あは、はははぁ……!」




どくん……!どくん……!




その紅色に触発されて心臓が大きく高鳴っている



体がふわふわしていて、まるで雲の上を歩いているような陶酔感に陥った



頭の中がフィルターにかかったようにぼやけて、どんどん霧がかかっていく……

390 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 17:36:08 ID:wjRPKWH20
世界が揺れている……



揺れている……



从 ー 从「いけない……そろそろ帰って来ないと……」



戻れなくなる……!



わたしの理性がそう警鐘を鳴らしている



……でも!



从 ー;从「もう……」




从;ー;从「もう、何もかもどうだっていいよぉ……!」




無機質な色をした天井に向かってわたしは自嘲気味に呟いた



灰色の天井は今のわたしの心境をそのまま代弁しているようにも見えた……

391 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 17:39:10 ID:wjRPKWH20
「先輩、起きてくださーい!」



('A-)「ん……」



('A`)「なんだクーか……」



川 ゚ -゚)「……むぅ!なんですかそれは?まるで私じゃ不満だというような物言いですね!」



いじけた表情のクーが頬っぺたを膨らませている



それで自分の怒りの度合いを表現しているようだが、残念ながらその気迫は全然伝わってこない……



('A`)「そういうわけじゃないさ ただ……」



川 ゚ -゚)「……ただ?」



('A`)「なんか、足りないな……って、思っただけだよ」



川;゚ -゚)「……あ」



その言葉にクーがハッとしたような表情を浮かべた

392 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 17:42:37 ID:wjRPKWH20
川 - )「……渡辺先輩、ですね」



('A`)「ああ、そうだな……」



川 - )「どうして、あんなことになったのでしょうか……?」



('A`)「……原因が分かっていれば苦労はしないよ」



ある日を境にして渡辺が自分の家へと戻って行った



それだけなら何も問題はないのだが……



俺たちはその日以降、彼女とは会話も一切交わしていなかったのだ



それどころか彼女の姿をあの日以来誰も目撃していない



心配になったので、家まで直接会いに行ってみたが「会いたくない!」の一点張りで面会を拒絶されてしまった……

393 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 17:45:12 ID:wjRPKWH20
川 -;)「私のせい、でしょうか……?」



川 ; -;)「私が嫌いだったから……!私が鬱陶しかったから……ッ!!」



( A )「……違う!」



( A )「あいつは、そんな奴じゃない……!」



( A )「あいつは、俺たちのことを嫌いになったわけじゃない……!」



( A )「だから、そんなこと悲しいこと言うなよ……」



( A )「俺たちが信じてあげないで、誰があいつのことを信じてあげられるって言うんだよ……!!」



川 ; -;)「せ、んぱい……」


川 ; -;)「すみま、せん……」



( A )「…………」


( A )「悪い……1人にしてくれないか」

394 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 17:48:07 ID:wjRPKWH20
川 ; -;)「…………」


そして、クーは無言で部屋を出て行った



( A )「嫌いになったわけじゃない……か」



それは何の根拠も無く口から出た言葉だった


渡辺にそう思っていて欲しいというただの願望に過ぎない


恐らく、今の自分を安心させるために自然と口から出ただけの気休めの言葉だったのかもしれない



( A )「わかんねえ……何もわかんねえよ……!」



思わず部屋の壁に自分の拳を思いっきり叩きつけてしまっていた


しかし、皮が擦りむけて拳が血で赤く滲んだだけだった……


いくら悪あがきをしても余計に虚しくなるだけだった……

396 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 18:14:16 ID:wjRPKWH20
今は心と体が疲れているのかもしれない


こんな時は……



('A`)「さて、どうしようか?」



1、今日はサボる


2、学校にちゃんと行く!


3、自由安価



>>398

398 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 18:37:03 ID:Ku2T7PSM0
渡辺の下着をかぶりにい

400 名前:ドクオ空気読めwwww :2013/10/09(水) 18:52:46 ID:FVnzBMHk0
('A`)「脱ぎたてのパンツ……」



あの下着事件のあと、俺はパンツをかぶることが密かな趣味になっていた


やっぱり落ち込んだ時はこれに限るぜ!



('A`)「最近はクーとツンさんの下着だけだったから正直マンネリ気味なんだよなあ……」



たまには趣向を変えてみよう!



('A`)「というわけで、渡辺の家まで行ってみるか?」



あの下着事件の日以来、渡辺は家に戻ることになってしまったからなあ……


渡辺の匂いも嗅いでみたかったのに……



('A`)「ん?」



(;'A`)「……あれ?」



……待てよ?下着事件の日以来……?

401 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 19:01:11 ID:FVnzBMHk0
(;'A`)「そ、そういえばあの日の渡辺は……」



≪    从 ー 从     ≫



なんだか暗い表情をしていたような……



(;'A`)「もしかして、俺のせい……?」



……俺が渡辺を傷つけた?



もし、そうだとしたら……



( A )「俺は……馬鹿だ」

403 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 19:07:36 ID:FVnzBMHk0
('A`)「下着をかぶりにいくとしても俺は……」


恐らく中には入れてもらえないだろう……



('A`)「さて、どうしようか?」


1、諦めて学校へ


2、窓を突き破ってでも渡辺の部屋に入る


3、寝る


4、自由安価



安価>>404

404 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 19:09:09 ID:/2lVQ7xA0
2

405 名前:名も無きAAのようです :2013/10/09(水) 19:09:51 ID:fIoK3WYI0
道行く人のパンツを奪いながら学校へ

406 名前:>>405選んでたらBAD ENDでした :2013/10/09(水) 19:22:03 ID:FVnzBMHk0
('A`)「あいつの心を開くには……」


多少強引じゃないとテコでも動かないかもしれない


('A`)「よし!そうと決まったらさっさと準備するか!」


そして、俺は玄関に金属バットを取りに行った


ξ゚听)ξ「あれ?どっくん!どっくん!どうしたの?早く学校行かないとっ!」


玄関では既にツンさんが学校に向かう用意を済ませていた


('A`)「すいません!俺、今日は体調が悪いんで休みます!それじゃ!」


ξ;゚听)ξ「……えっ?きゃっ!!」


そう言って俺は階段を勢いよく駆け上って行った



ξ;゚听)ξ「どっくん……むちゃくちゃ元気だよね……?」

415 名前:名も無きAAのようです :2013/10/10(木) 10:40:02 ID:RkzlbyOk0
川 ゚ -゚)「ツン先輩、そんなところで呆けて……どうなされたんですか?」


ドクオと入れ違いで今度はクーが玄関の方にやってきた


ξ゚听)ξ「くーちゃん!いや、あのねー!わたしのどっくんがね!今日の学校休むって言ってたから〜……」


川 ゚ -゚)「さりげなく先輩を独占しようとしないでください!あ、今はそれよりも……」


川;゚ -゚)そ「せ、先輩が学校を休む……ですって!?」



予想外の事態に彼女が驚いた、その時だった……




……がしゃあああああああああああんっ!!!!




ξ;;)ξそ「……きゃうんっ!!」



川;゚ -゚)そ「……ッ!!」



2階の方からガラスの割れた、耳をつんざくような破壊音が彼女たちを襲った……!!

416 名前:名も無きAAのようです :2013/10/10(木) 10:45:07 ID:RkzlbyOk0
川;゚ -゚)「な」



川;゚ -゚)「な、何事ですかッ!?なんなんですかッ!!これは一体ッ!?」



川;゚ -゚)そ「……ハッ!」



川;゚ -゚)「ま、まさか泥棒が……?だとしたら……」



川;゚ -゚)そ「……先輩が危ないッ!!!!」



クーは今の状況を確認するために階段を全速力で上って行った




川#゚ -゚)「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!」




……その手には一本の包丁を握りしめて

417 名前:名も無きAAのようです :2013/10/10(木) 10:47:14 ID:RkzlbyOk0
ξ;;)ξ「ま、待って!待って!待って!わ、わたしも行くから!!」



ξ;;)ξ「……って、あれ?なにこれ?」



ξ;;)ξ「……あ、あれ?ねえ、おかしいよ!腰が動かないよおおおおおおお!!立てないよおおおおおおおおお!!全然動けないよおおおおおおおおおおおおおッ!!!!」



ξ;;)ξ「うわああああああああああああああああん!!くーちゃあああああああん!!待ってよおおおおおおおお!!わたしを置いてかないでええええええええええええッ!!!!」



一方でツンは腰を抜かしてしまっていて、その場に力なく座り込んでいた……

422 名前:名も無きAAのようです :2013/10/10(木) 21:52:04 ID:4/H017B60
川#゚ -゚)「……くそっ!間に合えっ!!」


クーは階段をのぼりきり、そのままの勢いで廊下を疾駆していく


川#゚ -゚)「……ッ!!」



そして、ドクオの部屋のドアノブに手をかけてそれを一気に引いた……!!



川#゚ -゚)「先輩ッ!!!!」



部屋の中には……



川#゚ -゚)


川 ゚ -゚)


川;゚ -゚)


川;゚ -゚)「……あれ?」



……誰もいなかった


そこにはガラスの破片のひとかけらも存在していなかったのだ……

423 名前:名も無きAAのようです :2013/10/10(木) 21:59:21 ID:4/H017B60
川;゚ -゚)「う〜ん、おかしいなあ……確かに音がしたはずなのに……」


部屋の中をキョロキョロと見渡して見るがどこにも異変は見当たらない


川;゚ -゚)「……もしかして、お隣さんがケンカでもしたのかな?」


川;゚ -゚)「はあ……戻ろう」


そして、クーは落ち着いた足取りで部屋を出て行った


彼女はある一点を見落としていた


それは『部屋の窓が開いていた』ということだ



その開いている窓から1m離れた先が……



从 ― 从「……どっくん、何考えてるの?」


从 ― 从「ふざけるのもいい加減にしてよぉ……!」


( A )「…………」



……先ほどの音の発生源だった


そこは渡辺の部屋で、その至るところには粉々に砕け散ったガラス片が散らばっている

424 名前:名も無きAAのようです :2013/10/10(木) 22:04:52 ID:4/H017B60
从 ― 从「…………」


渡辺は俺に対して背を向けている


気怠そうな様子で部屋の壁に頭をもたれながら……


その表情はこちらからは窺い知ることは出来ないが、あいつがどんな顔をしているのかはおおよその見当がついている


今の渡辺をこのまま放っておくとどこかへ消えてしまう……


何の根拠もないが、俺の中の勘がはっきりとそう告げている



( A )「…………」



( A )「あのなあ、渡辺……1つ言わせてもらうぜ?」



( A )「実際にふざけてるのはお前のほうだろ」



( A )「携帯に電話かけても一切繋がらないし、一週間も無断で学校サボりやがるし……」



( A )「お前はどれだけ俺たちに迷惑かけてると……心配かけてると思ってるんだよ!!」



从 ― 从「…………」

427 名前:名も無きAAのようです :2013/10/10(木) 22:16:54 ID:4/H017B60
( A )「クーだって……さっきはお前のことで泣いてたんだぞ」



从 ― 从「……ッ!!」



( A )「あいつは何かと気負いやすい性格だからな……真面目過ぎるんだよ」



( A )「だから、ひどいぐらいに自己嫌悪に陥っててな……あれは見ていて痛々しかったぐらいだったな」



从 ― 从「…………」



( A )「ツンさんや俺だってもちろんそうさ 根底ではクーと同じ気持ちなんだよ」



( A )「だから……」



( A )「だから、戻ってこい……渡辺」



( A )「俺たち4人で、もう一度やり直そう!」



( A )「離れる痛みを、辛さを知った今の俺たちなら……今度こそは絶対に……」



( A )「絶対に、お互いのことを思いやることが出来るはずだ……そうだろ?」

429 名前:名も無きAAのようです :2013/10/10(木) 22:21:22 ID:4/H017B60
( A )「…………」



从 ― 从「…………」



つかの間の沈黙が俺たちの間に訪れる……


しばらくその状態が続いたあと渡辺の唇がかすかに動いた



从 ― 从「……ごめんね、明日からは元のわたしにちゃんと戻るから」



从 ― 从「……だから」



从 ― 从「だから、今日だけは帰って……?」



( A )「…………」



从 ― 从「おね、がい……!」



从 ― 从「帰って……!!」



そう告げた渡辺の声は心なしか震えていたように思えた……

431 名前:名も無きAAのようです :2013/10/10(木) 22:33:30 ID:4/H017B60
( A )「理由を……」



( A )「理由を、聞かせろよ……」



はっきり言ってこのままでは正直納得がいかなかった



从 ー 从「…………」



从 ― 从「ものもらい……」



( A )「…………」



(; A )「……は?」



……なんだって?



从 ― 从「ものもらいで今は人前に出られるような顔じゃないの……」



从 ― 从「見られるの恥ずかしいから……」



渡辺は俺の耳にギリギリ届くぐらいに小さく呟いた

432 名前:名も無きAAのようです :2013/10/10(木) 22:42:51 ID:4/H017B60
( A )「…………」


('A`)「…………」


('A`)「なんだよ、そういうことだったのか!それならそうと早く言えよな!」


从 ー 从「ご、ごめんね!ちょっと人には話しづらいことだったからっ!」


从 ー 从「で、でも眼帯つければ大丈夫だから安心してね……?ちょっと恥ずかしいけど……」


('A`)「おう!それならクーやツンさんに早速連絡しないとな!2人とも泣いて喜んでくれるに違いないぜ!きっと!」


从 ー 从「そ、そうかなぁ?」


('A`)「おっと、こうしちゃいられない!学校に行かないとな!渡辺は今日は安静にしてろよ!」


从 ー 从「ど、どっくん、大袈裟だよぉ!」


('A`)「ははっ!というわけでじゃあな!」


从 ー 从「う、うん!またね〜!」


そして、俺は渡辺の部屋を出て行った


先ほどまでの暗い考えはもうどこか遠くの彼方へと消え失せていた

433 名前:名も無きAAのようです :2013/10/10(木) 22:49:19 ID:4/H017B60
从 ー 从「…………」



从 ― 从「…………」



从 ― 从「……なんで、気づかないのかな?」



从 ― 从「……なんで、気づいてくれないのかなぁ……」



从 ―;从



从 ―;从「どっくんの……」



从;―;从「どっくん、の……!」



从;―;从「大馬鹿……ッ!!」

434 名前:名も無きAAのようです :2013/10/10(木) 23:02:58 ID:4/H017B60
(おまけ)


('A`)「えーと、渡辺の下着は……」


('A`)「なん、だと……?」


(*'A`)「黒のTバック……だと?」


(*'A`)「あいつ、小生意気にも色っぽいものを……!」


(*'A`)「こうしちゃおれん!!」


スポッ!


(*')(`) クンクン…


<あのー……


(')(`)「え?」


从;-∀从「どっくん……それあたしの勝負下着」


おばさんの……勝負下着?


(')(`)「…………」


……ドクオは熟女に目覚めた!


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