93 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:45:54 ID:r.IZzUkU0

【第4話 : Ichamon】

※前回のあらすじ
 ブーンはショボンに勧誘された


――ヴィップ城――

ブーンとショボンは一緒に歩いていた。

( ^ω^)「それでドクオのやつが『それはデミソースだろぉっ!?』って叫んで……」

(´^ω^`)「マジっすかあ!マジ笑えるんですけど!」

意気投合していた。
二人はこれからみんなに内緒の秘密特訓なのだ。


( ^ω^)「秘密特訓ってのは内緒なんですおね?」

(´・ω・`)「そうそう。読んで字のごとく秘密。 やっぱ新兵一人ひいきにしてるとあれじゃん?」

( ^ω^)「でも食堂で絡んでるの見られてるからもうバレバレじゃないっすかお〜?」

(´^ω^`)「いっやぁ、慌ててたからさあ。だって、配属が……」

94 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:46:36 ID:r.IZzUkU0

( ゚∀゚)「配属が、なんだ?」

ドンッ!

(;´・ω・`)「ジョルジュ!?」

ドンッ!

(;^ω^)「ジョルジュ大将!?」


( ゚∀゚)

ゴゴゴゴゴ


(´・ω・`)「なんでもないですよ。ジョルジュ大将こそ、どうされました? 調練の時間では?」

( ゚∀゚)「あぁ、これから行くよ……その前に、聞きてーことがあんだけどな」

 ジョルジュの視線が、間違いなくこちらに向いた。
 ショボンの体の影に隠れた、ブーンに。

95 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:47:19 ID:r.IZzUkU0

( ゚∀゚)「そいつは、新兵だろ? 引き連れて、一体どこへ行く気だ?」

 ショボンは何も答えない。
 その空白の間、返答を考えているのか、無言を貫こうとしているのか、分からなかった。
 上の階を、大勢が歩く音が聞こえる。新兵たちが移動しているようだった。


( ゚∀゚)「ブーン=トルネード……新兵テストでアルファベットを発熱させたらしいな」

(´・ω・`)「それが、どうかしましたか?」

( ゚∀゚)「おもしれぇなぁ、と思ってよ。
    状況を考えたら、発熱の理由は一つしかない――――だから、連れてるんだろ?」

(´・ω・`)「……」

 ジョルジュの視線が、言葉が、突き刺さりそうだった。
 しかし、ショボンは微動だにしない。

96 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:48:08 ID:r.IZzUkU0

 あまりに冷静なジョルジュ、あまりに冷静なショボン。
 浮き足立っているのは、自分だけだ。

(´・ω・`)「……仰っている意味が、よく分かりません」

( ゚∀゚)「……さっき新兵たちの紙を調べてたら――――見当たらねーんだ。
     ブーンの紙だけが、どうしてもな」

(´・ω・`)「私が持っています。食堂にブーンがいなかったら部屋まで直接行くつもりでしたので、番号を忘れないために」

( ゚∀゚)「本当に、ブーンの書いた紙か? お前が捏造した可能性は?」

(;´・ω・)「してませんよ」

( ゚∀゚)「俺の目を見て言え」

(;´・ω・)「……」

( ゚∀゚)「……」

(#´゚ω゚`) クワッ!!

(#´゚ω゚`)「してねえよ!イチャモンつけんな!」





( ゚∀゚)「……俺、実は一度見てんだぜ。配属の紙」

(;´・ω・`) Σ

(;^ω^) Σ

( ゚∀゚) ドドンッ!

97 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:48:57 ID:r.IZzUkU0

( ゚∀゚)「確か、ブーンの配属先は西塔だったと思うんだけどなあ……?」

(;´・ω・)「ほ、本人に聞けば早いでしょう」


( ゚∀゚)「ブーン、お前。西塔希望したよな」

 二人の視線が、集まった。
 焦りと緊張で上手く口が開かない。しどろもどろになりながら搾り出した声は、震えていた。


(;^ω^)「ひ、東塔を希望しましたお!」

( ゚∀゚)「西だろ?」

(;^ω^)「東ですお」


( ゚∀゚)「太陽はどの方角に沈む?」

(;^ω^)「に、西ですお」

( ゚∀゚)「ほらあ、西だって言ってる」

(´・ω・`)「新兵をイジるのはやめてください」

98 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:49:44 ID:r.IZzUkU0

( ゚∀゚)「脅迫されてるんじゃねーのか? そう言え、って」

(;^ω^)「違いますお! ブーンはホントに」

(´・ω・`)「大体、そうまでしてブーンを東塔に引き入れる理由がありません。
     そして……ジョルジュ大将がそこまで固執する理由も、ないでしょう?」

(#゚∀゚)「固執する理由がないだと!?」

ドンッ!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

――ヴィップ山・ヴィップ渓流――

( ゚∀゚)「フィーッシュッ!」

( ^ω^)「すっげえお!ジョルジュ大将、入れ食いだお!」

( ゚∀゚)「おっ、お前の竿も引いてるぞ!」

(;^ω^)「おっ、おおん?」

( ゚∀゚)「ほら、今だ引けっ!」

(*^ω^)「つ、釣れたおーっ!」

( ゚∀゚)「上手上手」

(*^ω^)「わーいっ!」

  *  *  *

99 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:50:26 ID:r.IZzUkU0

(*^ω^)「ちょっと糸たらしただけでこんなに釣れちゃったお!こんな場所があったなんて知らなかったですお!」

( ゚∀゚)「ここは俺だけの穴場だからな!また連れてきてやるよ!」

(*^ω^)「やったあ!ジョルジュ大将に一生ついていきますお!」

(*゚∀゚)「はっはっは!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     oO
     ゚
(#゚∀゚)「お前に何が分かる!お前にっ!俺の何がわかるってんだ!?」

(´・ω・`)「なんでしょうか。教えてもらえますかねえ?」


(;゚∀゚) (はっ、いかん。 西塔希望の新兵がいたのはほんとうに嬉しい。
     でもそいつを裏でこっそり奪われて悔しいとか言ったら、影でこそこそ笑われちまう……
     ここは冷静にいこう。落ち着いて、こう冷静にな。)

100 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:51:24 ID:r.IZzUkU0

( ゚∀゚)「こっちはソウサク戦が近いんだ。少しでも戦力が要る。
    アラマキ皇帝も、次のソウサク戦での勝利に期待している……勝たなきゃいけねーんだ」

(´・ω・`)「新兵一人で勝敗が動くものでもないでしょう。それならば、こちらから将をお貸しします」

( ゚∀゚)「……じゃあモララーをくれ」

(´・ω・`)「それは、無理」

( ゚∀゚)「じゃあギコ」

(´・ω・`)「それも、無理」

( ゚∀゚)「無理無理ってお前」


(´・ω・`)「プギャーでどうです?」

( ゚∀゚)「それはいらん」

101 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:52:08 ID:r.IZzUkU0

( ゚∀゚)「やっぱブーンをよこせ」

(´・ω・`)「ダメです。ブーン本人が東塔を望んでいる以上、西塔にお渡しするつもりはありません」

( ゚∀゚)「……」

 そのまま、すれ違った。
 ジョルジュの表情は、素に戻っているように見えた。

 ジョルジュが立ち去る音が、徐々に遠くなり、やがて消えた。


(´・ω・`)「さぁ、行くぞ」

(;^ω^)「ジョルジュ大将、一体、なんだったんですかお?」

(´・ω・`)「実は、西塔を希望する奴はここ数年一人もいないんだ」

(;^ω^)「……あ」

(´・ω・`)「それで東塔希望者の中から半分西塔に割いているんだ」


(´・ω・`)「奴は新兵を一刀両断するからな。毎年」

(;^ω^)「あれ、すっごい怖かったですお」


(´・ω・`)「まあなんにせよ。邪魔者は追い返した」

(´^ω^`)「これからは一緒に東塔で頑張ろうな!」

( ^ω^)「はいですおっ!」

102 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:53:45 ID:r.IZzUkU0

――帰らずの森――


ドオオオオオオオオオオ!!

   ゴオオオオオオオオオオオオ!!


(兵1 ̄〜 ̄)「水だーっ!水を持ってこいーっ!」

(兵2 ̄〜 ̄)「なんだってこんないきなり火事にーっ!?!?」


ドオオオオオオオオオオ!!

   ゴオオオオオオオオオオオオ!!


(´・ω・`)「……」

( ^ω^)「森が、燃えてる……」

無論、ショボンが火をつけて窓から放り捨てたブーンの配属希望の紙が原因である。

104 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:56:31 ID:r.IZzUkU0

――帰らずの森・入口付近の避難所――

(´・ω・`)「この方は忍者刀職人のツンさん。」

 ,.::.⌒⌒::::ヽ
(:::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::人::::::::ノ
(::::ξ゚听):ノ「はじめまして。ブーン君?よろしくね」

( ^ω^)「よろしくですお。火事、大変でしたね」

 ,.::.⌒⌒::::ヽ
(:::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::人::::::::ノ
(::::ξ゚听):ノ「ホントよ。もう、ひどい目にあったわ。髪の毛もこんなギャグみたいなアフロになっちゃったし」

(´・ω・`)「いやあ、本当ですねえ。空気が乾燥しているからかな?」

( ^ω^)「無事で何よりですお」

105 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:57:22 ID:r.IZzUkU0

(´・ω・`)「実は、ツンさんにブーン専用の忍者刀を作ってもらってたんだけど……」

(;^ω^)「ええっ!?僕専用!?」


 ,.::.⌒⌒::::ヽ
(:::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::人::::::::ノ
(::::ξ゚听):ノ「でも全部燃えちゃいましたよ。家と工房直すのに半月は掛かりますよ」

(´・ω・`)「だよねー。はあ、ごめんなブーン。忍者刀はもう少し待ってくれるか?」

( ^ω^)「待ちますお!ていうかショボン大将が僕に忍者刀をプレゼントしてくれようとしてくれたことが嬉しいですお!」

(´^ω^`)「そう?そう言ってもらえるとあれだなあ。こっちまで嬉しいや!」

 ,.::.⌒⌒::::ヽ
(:::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::人::::::::ノ
(::::ξ゚听):ノ「仲いいわねー。おふたりとも」

忍者刀を手に入れることはできなかったブーン。
しかし、ショボンの心意気に心を強く打たれた。

そして、初対面的にツンとのラブロマンスは始まりそうになかった。

106 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:58:03 ID:r.IZzUkU0

――ヴィップ城・東寮塔――

(*'A`)「すげえな、じゃあ火事がなけりゃあブーンは専用忍者刀を手に入れられてたわけか!」

( ^ω^)「そうなんだおー。ヘタしたらショボン大将の個別指導まで受けられてたんだおー」

(*'A`)「すげえや、俺も頑張ろー」

そんなこんなでブーンは普通の訓練をみんなといっしょに受けることになったのだ。



――明朝――

――ヴィップ城・練兵場――

( ^Д^)「新兵集合!」

('A`)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)
( ^ω^)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)

ザザザザッ!!

( ^Д^)「声が小さい!」

     ゴンッ!
( ^Д^)つ)新`・ロ・)

(新;・ロ・)「ぐはっ!」

('A`;) (な、なんだ!?)

(;^ω^) (声?声って・・・?)

107 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:58:45 ID:r.IZzUkU0

( ^Д^)「気をつけぇっ!」

('A`)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)
( ^ω^)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)

ザザザザッ!!

( ^Д^)「声が小さい!」

     ゴンッ!
( ^Д^)つ)新`・ロ・)

(新;・ロ・)「ぐはっ!」


( ^Д^)「休めっ!」

   \ オ オ オ ー ッ ッ ! ! /

 ('A`)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)
( ^ω^)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)

( ^Д^)「うるさいっ!」

     ゴンッ!
( ^Д^)つ)新`・ロ・)

(新;・ロ・)「ぐはっ!」


('A`;) (これは…… 軍隊名物の新兵イビリだ!!)

(;^ω^) (やばいお、目を付けられないようにするお……)

108 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 01:59:49 ID:r.IZzUkU0

( ^Д^)「今から貴様らの忍者服の着こなし度をチェックする!」

( ^Д^)「ちゃんと着れてなかったらペナルティだ!」

  ザワザワ  ザワザワ
(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)(新`・ロ・)

('A`;) (ううーっ、いきなりなんてこった)

(;^ω^) (寝ぐせとか注意されたら困るお。襟も大丈夫かな……)


( ^Д^)「0点っ!総てがダメ!」

     ゴンッ!
( ^Д^)つ)新`・ロ・)

( ^Д^)「腕立て100回!」


( ^Д^)「お前も0点っ!何もかもがダメ!」

     ゴンッ!
( ^Д^)つ)新`・ロ・)

( ^Д^)「腕立て100回!」


('A`;) (なんて辛口評価だ。ピーコか、こいつ)

(;^ω^) (腕立て100回なんてやらされたら腕が折れちまうお……)

109 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 02:00:34 ID:r.IZzUkU0

( ^Д^)「お前は確か……」

(;^ω^)「お、押忍っ!ブーンですおっ!」

( ^Д^) (ブーン、こいつはショボン大将のお気に入りだったな……)


( ^Д^)「文句なしっ!着こなし度100点だっ!」

(;^ω^)「ほっ……」


( ^Д^)「君は向こうの涼しい木陰で休憩しているといい。あとで部下にジュースを持って行かせるから」

(;^ω^)「は、はいっ!」


(新1`・ロ・)「なんだあ、あいつばっかり」

(新2`・ロ・)「あれヒイキだろ」

(新3`・ロ・)「ブーンとか言ったな、許せん」

('A`) (ブーン……)

110 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 02:01:17 ID:r.IZzUkU0

――ヴィップ城・食堂――

( ^ω^)「色々あったけどごはんだお!」

('A`)「こっちの席で食べようぜー」

( ^ω^)「おーん。今日も美味しそうだお」


(新4`・ロ・)「おっとごめんよー!」

ドンッ!

(;゚ω゚)「あっ……」

ガッシャーン!


(;゚ω゚)「ブーンのご飯が……」

(新5`・ロ・)「ダッセー……」

(新6`・ロ・)「クスクス」

111 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 02:01:58 ID:r.IZzUkU0

食堂長「コラア!何をぼさっとしとるか!そんなことで戦場で生き残れるのか!?」

(;^ω^)「うう、すみませんお。すみませんお」

(新7`・ロ・)「怒られちゃってるよ、かーわいそ。クククッ」

(新8`・ロ・)「ちゃんと片付けろよー(笑)」


('A`)「そうだ、このパンをブーンに……」

(新9`・ロ・)「おい、手心無用だぞ」

(新10`・ロ・)「ブーンを助けたらお前もハブだぞ」

('A`)「……それでも俺はブーンにパンをあげるぜ!」

(;^ω^)「ドクオ……」


(;^ω^)「い、いらねえお!そんなもんオメエが食えお!」

ダダダダッ!

('A`;)「ブーンッ!待てよっ!」


(新11`・ロ・)「ほらな? あいつは上司に媚びて贔屓(ひいき)されてるヤなやつなんだよ」

(新12`・ロ・)「わかったろ?俺達と一緒に仲良くやろうぜドクオ」

('A`) (ブーン……)

112 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 02:02:39 ID:r.IZzUkU0

――その夜――

――東塔最上階・ショボンの部屋――

(´・ω・`)「呼び出して済まないな」

( ^ω^)「いえ、大丈夫ですお」

(´・ω・`)「今日の身体能力検査、足の速さでトップだったらしいな」

( ^ω^)「まあなんとか、ギリギリですけど」

(´・ω・`)「ん?そうか。 聞いた話じゃ忍者服の着こなし度もトップだったとか」

(´^ω^`)「こりゃあ将来はヴィップのファッションリーダーかなあ。あはは」

( ^ω^)「は、はい。それじゃ失礼しますお」

(´・ω・`) (……元気が無いな。どうしたんだろう)

(´・ω・`)「あ、呼び出したのに用件伝えるの忘れちゃった。秘密訓練しようと思ったのに」

それから一ヶ月間、ブーンはイジメられまくった。
それはもうイジメられまくった。
ドクオとの関係もぎくしゃくし、なんだかなあ、と言った具合であった

113 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 02:04:18 ID:r.IZzUkU0

――ヴィップ城・廊下――

( ゚∀゚)「クックク、随分と可愛がられているみたいじゃねえか」

(;^ω^)「ジョルジュ大将!」

( ゚∀゚)「あれだけあからさまにヒイキされたら、反感も買うってもんだ」

(;^ω^)「見てらっしゃったんですか」

( ゚∀゚)「丸っと一部始終な」


( ゚∀゚)「訓練も進んでて、そろそろ自分だけの忍者刀がほしい頃だろ?ん?」

(;^ω^)「いえ、別に……」

( ゚∀゚)「そう?欲しくないんだ、ふーん」 (なんだぁ、折角用意させてたのになぁ……)


( ゚∀゚)「そういやあ、聞くところによるとお前は忍者刀訓練も結構免除されてて逆に上達していないらしいじゃないか」

( ^ω^)「そ、それはケガをする恐れとか色々でプギャーさんが判断してて……」

( ゚∀゚)「あのプギャーとか言う奴はただの雑魚だぜ。お前の先輩や指導役にはふさわしくない」

( ^ω^)「先輩を馬鹿にするのはやめてくださいお!」

( ゚∀゚)「事実を言っているだけなんだがなあ。クックク」

114 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 02:05:19 ID:r.IZzUkU0

( ゚∀゚)「ブーン、西塔に来い。西塔は実力至上主義。忍者刀"と"を握れたお前には西塔こそが相応しい」

( ゚∀゚)「東塔は仲良しさんの集まりだ。本人のせいじゃなくとも和を乱す奴は徹底的に排除されるぜ?」

( ゚∀゚)「お前が上司から気に入られているのはもうしかたがないことだし、これからもハブられたりイジメられたりするだろう」

( ゚∀゚)「西塔に来れば。総てが解決するんだがなあ」

(;^ω^)「西塔にこいこいって、どうしてそんなに僕をスカウティングするんですかお」

(;゚∀゚)「むっ、それは……」

(;゚∀゚) (立場上、仲良くしたいからとも言えんしなあ……)


( ゚∀゚)「さあな、お前が自分で考えてみればいい?」

(;^ω^)「……」



(;^ω^) ハッ!!

(;^ω^)「まさかジョルジュ大将。あなたの指示で僕へのイジメを……」

(;゚∀゚)「そ、それは誤解だ!お前ちょっと考え過ぎだって。俺は何もしていないぜ」

( ^ω^)「……もう起きたことですからどうでもいいですけどね。西塔には行きません。失礼します」

トタトタトタ


(;゚∀゚)「ジーザス!誤解されちまったぜ」

(;゚∀゚)「もう、こうなったら……」

115 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 02:06:10 ID:r.IZzUkU0

 翌日。
 ブーンの部屋の扉が叩かれる。

 扉を開けた先に居た兵士から、伝えられる、言葉。
 全く想定していなかった、言葉。

 兵士の言い間違いか、聞き間違いだ、と思った。
 そうであってほしかった。

(;^ω^)「……お?」

(;'A`)「なんだよ、それ……どういうことだよ!」

(兵-ロ-)「どういうこと、と言われても、俺は知らん。
     ただ、ジョルジュ大将がそう言っている以上、いかに東塔の人間であろうと、
     従わなきゃならんぞ。ブーン=トルネード」

 伝言を終えた兵士は、素っ気無くそう言って、立ち去った。

 ドクオと、見合う。二人揃って、言葉が出なかった。

116 名前:宇宙忍者クロカゲ ◆BL/KGtS44s :2013/12/03(火) 02:06:51 ID:r.IZzUkU0


 四日後、対ラウンジ軍の本隊を率いてジョルジュ大将が北のハルヒ城に向かう。

 ブーン=トルネードはそれに同行せよ。





 第4話 終わり

     〜to be continued


←【第3話 : Kakisonji】 / 戻る / 【第5話 : Ashi】→




inserted by FC2 system