907 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 18:37:11 ID:Deb85wzg0
「地下のネガティブ反応、急速拡大! レベル……計測不可能!?」

「消失したんじゃなかったのか!?」

「一旦は確かに反応が微弱になりました! ですが!」

「くそっ! 二人の信号は!」

「依然地下にあります!」

ξ;゚听)ξ「ブーン! 応答しなさい!」

「コード:ネガティブ、コード:ポジティブ、共に反応がありません!」

(;´∀`)「今二人を失うわけにはいかないモナ! なんとかして二人を脱出させるモナ!」

ξ;゚听)ξ「大至急偵察機を! 出口まで誘導して!」

「既に送っています!」

909 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 18:54:16 ID:Deb85wzg0
「ネガティブ反応、絶えず膨張しています!!」

「こんなの見たことがない! エネルギーモニタが真っ赤に……!」

「なんて大きさなの!?」

(;´∀`)「規模は!」

「貯水施設全域です!」

ξ;゚听)ξ「まずいわ……。さっきの戦闘で二人ともかなり消耗してるはず」

(;´∀`)「その上、どっちも水中戦用には作ってないモナ! 水没すればエネルギーの枯渇より先に溺死する!」

ξ;゚听)ξ「レスキューの水害用ポジティブスーツ隊に連絡を! 酸素ボンベ投入準備して!」

「了解しました!」

「……雨量、増加! 膨張速度、比例しています!」

ξ;゚听)ξ(二人とも……!!)

911 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 19:05:44 ID:Deb85wzg0
ゴゴゴゴゴゴゴゴ...

『お前らだけは! 絶対に! 許さない!』

( ◎н◎)(デカい……どんどん大きくなる……)

( ОΜО)「……」

『死ぬことが! どれほどの苦痛か! 教えてやる!』

( ◎н◎)(モララーは恐らく戦えない。戦わない)

( ◎н◎)(なにより、ポジティブがほとんど失われていると考えて間違いないだろう)

『お前らがやったように胴を裂いてやる! 頭を砕き、潰してやる!』

( ◎н◎)(既に水位は腰より上。時間がない……)

『オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』

ビリビリビリビリ

( ◎н◎)(来る!)

912 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 19:15:41 ID:Deb85wzg0
ドババババババ

( ◎н◎)(まるで津波だ……)

( ◎н◎)「跳ぶぞ」

( ОΜО)「……はい」

( ◎н◎)ガシッ

( ОΜО)「……一人で大丈夫です」

( ◎н◎)「うそこけ」

バシャシャッ

『逃ィげェるゥなァ!!』

( ◎н◎)(今度は水の砲弾。複数)

( ◎н◎)
  つ=|ニニニニニフ シャガッ

ヒュッ

ズパッ ザッパン

『オオオオオオオオオオオオオ!!!!』

913 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 19:25:43 ID:Deb85wzg0
『くそおおおおお!!!!』

( ◎н◎)(手応えは、かなり堅い……)

( ◎н◎)(さっきまでと液体の質が違うのか)

( ОΜО)「大丈夫です。離してください」

( ◎н◎)「……壁を蹴る。もう少し跳ぶぞ」

ガッ

トォン

『どこだ!! どこにいる!!』

( ◎н◎)(見失っている……)

( ◎н◎)(この暗い視界。どうやらヤツにも不利に働くらしい)

( ОΜО)「内藤さん、離してください。あなたもやられる」

( ◎н◎)「喋る元気があるなら頭を働かせろ」

ヒュゥゥゥゥゥ

バシャンッ

『そこかァッ!!!!』

914 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 19:38:58 ID:Deb85wzg0
バジャアァッ

( ◎н◎)(細かい散弾、早、回避、間に合わ――)

ビュンビュンビュン

( ◎н◎)「ぐっ!!」

( ОΜО)「うあっ!!」

ドバシャァァン

( ◎н◎)(装甲を貫通こそしなかったがそれでも――)

『当たったな!? あははははははは!!』

( ◎н◎)(――なんて威力)

『どうだ!? どうだ、貴様ら!! それが痛みだ!!』

( ОΜО)「……ぐ、は」ヨロォッ

( ◎н◎)(ダメージ量が違う。やはり、モララーのポジティブは既に)

『さあ!! さあ!! 殺してやるよ!!』

916 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 19:51:36 ID:Deb85wzg0
( ОΜО)「……逃げて、ください。内藤、さん」

( ◎н◎)「……」

( ОΜО)「この、ままじゃあ、二人とも」

( ОΜО)ゲボッ

『潰れろ!!』

( ◎н◎)(また砲弾。切断することができる分、こっちの方が)

( ◎н◎)
  つ=|ニニニニニニニフ シャガッ

ヒュン

ズパッ

( ◎н◎)(ひとつ……)
  つ=|ニニニニニニフ

ヒュパッ

バジャッ

( ◎н◎)(ふたつ)
  つ=|ニニニニフ

( ◎н◎)(出力が落ちて――)

917 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 19:54:35 ID:Deb85wzg0
ヒュゥン

バッシャ

( ◎н◎)(しまったこれだと)
  つ=|ニニフ

( ◎н◎)(モララーまで守れ――)

( ОΜО)「……!」

ドガァッ

( ОΜО)ゴブォッ

( ОΜО)「あ、が! あ、あ、あ、あ、あ、あ!!」

『あっははははははははは!!!!』

919 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 20:09:17 ID:Deb85wzg0
『いい声だ!! やはりお前は人間だ!! ただの人間でしかないんだよ!!』

( ОΜО)「――――!!」

( ОΜО)ガフッ ゲボォッ

::( ОΜО)::「……!!」ガクガク

『内臓のひとつやふたつは潰れたか!! いいぞ、いいぞ!! その調子で苦しめ!!』

( ◎н◎)「モララー」ガシッ

::( ОΜО)::ビクッビクッ

( ◎н◎)(装甲が……。ポジティブが相殺されて消滅しかかっている)

( ◎н◎)(……両脚も完全に折れたか)

『苦しんで、苦しんで、苦しんで、その上で!!』

920 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 20:10:10 ID:Deb85wzg0


『――父さんと母さんのように死ね!!』

.

922 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 20:29:30 ID:Deb85wzg0
「偵察機からの映像です! 二人の姿を確認しました!」

「コード:ネガティブ、コード:ポジティブを背負って逃げています!」

「コード:ポジティブ、生命反応薄弱……!! 危険です!!」

ξ;゚听)ξ「モララーくん!」

(;´∀`)「まだレスキューは到着しないモナか!?」

「既に施設入り口には到着しています! ですが現場まで距離が!」

ξ;゚听)ξ「ブーンに早く出口の場所を伝えて!!」

「戦闘が激しすぎて音声の伝わる場所まで接近できません! 破壊されてしまいます!」

ξ;゚听)ξ「そんな……。指をくわえて見ているしかないっていうの……?

924 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 20:40:08 ID:Deb85wzg0
(;´∀`)「どうして内藤くんはいつものように変身しないんだモナ!?」

「そうだ……そうすれば戦況は好転するはず!」

「コード:ネガティブのネガティブエネルギーは!?」

「最大観測時の約1/3です!」

「ネガティブ・ブレードの出力もかなり低い……」

「消耗しすぎてるんだ……」

ξ;゚听)ξ(それでも、この減少量はおかしい。……ネガティブは否定の力)

ξ;゚听)ξ(追い詰められるほど、絶望に近付くほど強くなるはずなのに……)

ξ;゚听)ξハッ

ξ;゚听)ξ「……まさか」

(;´∀`)「どうしたモナ、ツンくん!」

925 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 20:42:51 ID:Deb85wzg0


ξ;゚听)ξ「モララーくんを『守ろうとする気持ち』が邪魔をしている……?」

.

926 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 20:57:00 ID:Deb85wzg0
ザッブザッブザッブザッブ

( ◎н◎)(まずい、水位がかなり上がってきた)

『そいつをかばってどこまで逃げられる!!』

( ◎н◎)(父さんと母さんのように……)

『死にかけのゴミを背負ってどれだけ生き延びられるかなあああ!!』

( ◎н◎)(どういう意味だ。さっきの話と関連性が見えない)

『目の前で母さんを殺された父さんの苦しみが分かるか!! なあ、貴様らあああ!!』

ドバババババババ

( ◎н◎)(津波。さっきよりもかなりデカい)

ザッバァアアン

( ◎н◎)(何とか跳べたけど、さすがに重い……)

( ◎н◎)つ=|ニニフ シャガッ

ヒュカッ ヒュッ

( ◎н◎)(壁に窪みを作って)

ガシッ

( ◎н◎)(掴む)

『ちぃぃっ!! 今度はどこに逃げたああああ!!』

927 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 21:05:44 ID:Deb85wzg0
( ◎н◎)(今分かっていることは、水の中に浸かっている間は大まかな位置がバレるということ)

( ◎н◎)(この暗闇だ。視認はしてない。大雑把な攻撃しかしてこないことから、それは明らかだ)

( ◎н◎)(戦略もお粗末。地上での戦闘のように足元に粘液を張る様子もない)

( ◎н◎)(別物のネガティブ……と考えるべきかもしれない)

( ◎н◎)(……別物)

( ◎н◎)(父さんと母さん。……まさか)

( ◎н◎)「……おい」

::( ОΜО)::「は……い……」

( ◎н◎)「生きてるな。まだ持ちこたえられるか」

::( ОΜО)::「わか、りません……ゴホッ」

( ◎н◎)「喋れるだけの元気はあるか。よし」

928 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 21:18:09 ID:Deb85wzg0
( ◎н◎)「これから僕は賭けに出る」

::( ОΜО)::「かけ……?」

( ◎н◎)「かなり分の悪い賭けだ。失敗すればもちろん二人とも死ぬ」

::( ОΜО)::「……」

( ◎н◎)「勝つためにはお前の協力が必要だ」

『オオオオオオオオオオオオ!!!!』

( ◎н◎)「いいか」

::( ОΜО)::「は、い」

( ◎н◎)「分かった」

『どこだ!! どこにいる!!』

( ◎н◎)「……じゃあ頼んだぞ」グイッ

::( ОΜО)::「――!?」



「……!? コード:ネガティブ、コード:ポジティブをネガティブに向けて投げ捨てました!」

930 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 21:25:48 ID:Deb85wzg0
ξ;゚听)ξ「!?」

(;´∀`)「何を!!」

「コード:ポジティブ、着水! ネガティブに捕獲されます!」

「なんてこと……ここまできて味方を囮に!?」

「自分が助かるために……!?」

ξ;゚听)ξ「ブーンはそんなことしないわ!!」

「しかし!!」

(;´∀`)「待つモナ!」

「えっ!?」

ξ;゚听)ξ「あの姿勢……!」

「コード:ネガティブ、壁を蹴って――自らもネガティブに特攻します!!」

931 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 21:33:24 ID:Deb85wzg0
『まずは一人捕まえ――』

ヒュゥゥゥゥ

( ◎н◎)スゥゥ

ドッボォォン

『――!?』

( ◎н◎)ゴポッ

『……馬鹿め! 自分から突っ込んでくるとは!!』

( ОΜО)(内藤さん、何を……)ゴボボッ

『水圧を上げる!! このまま潰れて死ね!!』

ギュウウウゥゥゥ

( ОΜО)「!!」ガバッ

932 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 21:37:53 ID:Deb85wzg0
( ◎н◎)(僕のスーツも耐久力はもうない。時間はごくわずか)

( ◎н◎)(ネガティブも残っていない。チャンスも一度切り)

( ◎н◎)(集中しろ……)

( ◎н◎)(見つけるんだ……)

( ОΜО)(呼吸の問題じゃない、圧力で……ッ)

( ОΜО)(耐えられない……!!)

( ОΜО)ガブォッ

( ОΜО)(意識が……)

933 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 21:48:56 ID:Deb85wzg0
(ネガティブに情けをかけた挙句これか)

(やっぱり、ネガティブは、敵だった)

(どう死んだとしても、どんな過去があったとしても)

(敵には変わりないんだ)

(きっとこいつはこのあと大勢を殺すだろう)

(僕の力が及ばないばかりに)

(僕の心が弱かったばかりに)

(力があれば)

(もっと、純粋な、力があれば)

(そう)

(こいつらを完膚なきまでに殺し切るだけの力があれば)



( ОΜО)(ポジティブ――僕に力を――くれ――)


カッ

934 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 21:52:10 ID:Deb85wzg0


『なんだ、この光……』


( ◎н◎)「!」


( ◎н◎)(見えた、あれだ――!)


     シャガッ


     ヒュカッ


『――――!!』

.

936 名前:名も無きAAのようです :2014/01/16(木) 22:03:19 ID:Deb85wzg0
「何かが光って……!!」

「コード:ネガティブ、ネガティブ体内でネガティブ・ブレードを展開!」

「何かを切り裂いた! ……あれは、女型ネガティブの残骸!?」

「ネガティブ反応急速に減少!! 」

「大型ネガティブ、形状を失っていきます!」

「な、なにが、起こったの?」

「……コード:ポジティブ、生命反応復活!?」

「崩壊したネガティブの体内から二人が出てきました!」

「無傷? そんな、まさか」

「……奇跡だ」

954 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 02:00:23 ID:eHIWqFrI0
「内藤さん。やりましたね」

「ああ、なんとか間に合った。……明かりを」

(∩ОΜО)「ポジティブラスト」

ビカッ

「そこか。今行く」

ザブザブザブザブ

( ◎н◎)「立てるのか」

( ОΜО)「ええ、もう大丈夫です」

( ◎н◎)(おかしい。あれだけの重傷を負っておきながら……)

( ОΜО)「見てください。うちの偵察機です。近付いてくる」

『二人とも無事!?』

( ОΜО)「ええ! 問題ありません!」

( ◎н◎)(ポジティブスーツの消滅しかけた装甲も復活している。どういうことだ)

『内藤くんはどうモナ!?』

( ◎н◎)「……かなり疲れただけ。たぶん」

『よかった……。出口まで誘導するわ! ついてきて!』

( ОΜО)「行きましょう」

955 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 02:19:34 ID:eHIWqFrI0
ザブザブザブザブ

( ОΜО)「本体は子供だった?」

( ◎н◎)「そう。今回ネガティブは『三体』いた」

( ОΜО)「どういうことですか。あの場には男型と女型しか……。子供なんてどこにも」

( ◎н◎)「女の方は妊娠していたんだよ」

( ОΜО)「妊娠……」

( ◎н◎)「あの話からすると、誰の子かは分からない」

( ОΜО)「……」

( ◎н◎)「ただ、本人はあの二人の子供だと思ってたんだろうね」

( ОΜО)「それで、父さん、母さん、ですか」

( ◎н◎)「そういうこと」

( ОΜО)「あの状況でよく気付きましたね」

( ◎н◎)「どのネガティブも基本は人の形をしていると聞いていたから」

956 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 02:31:51 ID:eHIWqFrI0
( ОΜО)「それでも、幼体を核にあれだけの大きさを形成するとは驚きました」

( ◎н◎)(幼体……)

( ОΜО)「やはり、ネガティブは人ならざるもの、ということですか」

( ◎н◎)「……」

( ОΜО)「内藤さん?」

( ◎н◎)「……そうだね」

( ОΜО)「でもひどいですよ、内藤さん。僕を投げ込むなんて」

( ◎н◎)「本体を近くへ誘い出すためには必要だった」

( ОΜО)「どうしてです?」

( ◎н◎)「子供なら、獲物が近付けば必ずそれを捕まえに手を出すと思って」

( ОΜО)「……確実性に乏しい考えですけど、結果オーライ、ですか」

957 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 02:41:19 ID:eHIWqFrI0
( ОΜО)「しかし、危なかった。あと少し遅れていたら潰されてましたね」

( ◎н◎)「ソード・スプラッターもそれほど伸ばせなかったから、かなり危なかった」

( ОΜО)「本体が見つかってよかったですよ」

( ◎н◎)「……あの一瞬の光で影ができたから」

( ОΜО)「光?」

( ◎н◎)「モララーくんが何かしたんじゃないの」

( ОΜО)「僕は何も……。体内に取り込まれてから、記憶が曖昧で」

( ◎н◎)「そう」

『もうじき階段に着くわ!』

( ОΜО)「かなり、長い階段ですね」

( ◎н◎)「……」フラッ

( ОΜО)「おっと。大丈夫ですか」

958 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 02:48:39 ID:eHIWqFrI0
( ◎н◎)「少し、頑張りすぎた」

( ОΜО)「……」

ザブ

( ОΜО)「はい。おぶさってください」

( ◎н◎)「大丈夫。自分で歩ける」

( ОΜО)「うつなんだから、これ以上頑張っちゃだめですよ」

( ◎н◎)「いいって」

( ОΜО)「……僕を守って力を使い過ぎたんです。今度は僕を頼ってください」

( ◎н◎)「じゃあ、まあ」

グッ ザバッ

( ОΜО)「さあ、しっかり掴まっててください。行きますよ」

( ◎н◎)「よろしく」

959 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 03:02:05 ID:eHIWqFrI0
( ОΜО)「僕は、決めました」

( ◎н◎)「何を」

( ОΜО)「もう迷いません。僕は戦います」

( ◎н◎)「そう」

( ОΜО)「絶対に悪を許しません。見逃しません」

( ◎н◎)「へえ」

( ОΜО)「この力を使って、全てのネガティブを殲滅します」

( ◎н◎)「……」

( ОΜО)「力こそが正義だと、今回の件で分かりました」

( ◎н◎)「……正義の盾じゃなかったのか」

( ОΜО)「それはただの理想でした。僕が甘かった」

ガチャガチャガチャ

「いたぞ、あそこだ! 二人とも無事だ!」

( ОΜО)「レスキューだ。助けに来てくれたんですね」

「こっちへ! 外に救急車が待ってます!」

( ОΜО)「さあ、もう少しです、内藤さん」

960 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 03:12:11 ID:eHIWqFrI0
「出てきました! ヒーローのお二人です!」

「モララーさん、一言お願いします!」

「今回の事件はいかがでしたか? かなり大規模な戦闘だったようですが」

「道路を崩壊させた件について責任が問われるかと思いますが、そちらについては?」

「怪物と何を話されていたんですか!?」

「パートナーの方も何か一言!」

「下がって! 救急車に乗せられない!」

「邪魔邪魔! どいてくれ!」

961 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 03:20:35 ID:eHIWqFrI0
( ОΜО)「僕はこのまま研究所の回収車を待って、帰投します」

( ◎н◎)「分かった」

「こちらへ。病院へ搬送します」

( ОΜО)「それでは、後で。お疲れ様でした」

( ◎н◎)「うん。じゃあ」

バタン

(∩◎н◎)

( ´ω`)
  つ( ◎н◎)

( ´ω`)「……」フラ...

「おっとォ」ガシ

( ´ω`)「……ん」

「大丈夫か? 旦那ァ」

962 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 03:31:05 ID:eHIWqFrI0
( ´ω`)「お前はまさか……」

「そ、俺、俺。かなり苦戦したみたいだなァ?」

( ´ω`)「勘弁してくれ……。こっちは疲れてるんだ」

「わあってるよ、そんくらい。ちょっと伝言があるだけだっつの」

( ´ω`)「なに」

「『今晩、病院の屋上で話がしたい』だそうだ」

( ´ω`)「誰だよ、そいつ」

「俺たちのリーダーさ。確かに伝えたぜェ? そんじゃ、な」

「――――」フッ

「うん? 俺は、一体?」

( ´ω`)「……」

964 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 03:42:08 ID:eHIWqFrI0
( ・∀・)「ただいま戻りました!」

「おかえり、モララーくん!」

「よくやってくれたよ!」

「本当にお疲れ様!」

( ・∀・)「ええ、ありがとうございます!」

ξ゚听)ξ「よかった、生きててホントによかった……」

( ・∀・)「見ての通りぴんぴんしてますよ! 内藤さんもたぶん、すぐ戻って来られます!」

「さ、装備外してきて!」

「今晩はお祝いだな!」

「飲むぞー!!」

(;・∀・)「僕をまた潰す気ですか?」

「はははwww」

( ´∀`)「……」

965 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 03:49:35 ID:eHIWqFrI0
( ´∀`)「モララーくん」

( ・∀・)「はい?」

( ´∀`)「今回の指示違反の件で、君に謹慎処分を下す」

「えっ?」

「謹慎?」

ザワザワ

ξ;゚听)ξ「モナーさん、そんな」

( ´∀`)「内藤くんにも何らかの処罰を与える」

「でも、二人とも頑張って戦ったのに」

「何も今言わなくたって」

( ´∀`)「……これは誰にも口出しさせない。分かったか」

( ・∀・)「……分かりました」

966 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 03:57:41 ID:eHIWqFrI0
( ・∀・)「装備を外して自室に戻ります」

ξ;゚听)ξ「モララーくん」

( ´∀`)「解散モナ」

「……」

( ´∀`)「さあ、事後処理が待ってるモナ。仕事に戻った戻った」

「分かりました」



( ・∀・)「……」

( ・∀・)つ ガンッ

「あなたはよくやりましたよ。本当に、よくやりました」

( ・∀・)「……」

「あれだけの傷を負っていながら、生き延びた」

967 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 04:15:41 ID:eHIWqFrI0
( ・∀・)(確かに僕は死にかけた)

「あなたはポジティブの力で奇跡を起こしているのです」

( ・∀・)「僕が、奇跡を」

「それはあなたにしか成しえなかったこと。本当に力のある人間にしか成しえなかったこと」

( ・∀・)「本当に力のある人間……」

「モララー、あなたには正義を執行する使命があります。それは誰も邪魔をしてはならない」

( ・∀・)「そうだ、僕は悪を滅ぼすために」

「それは誰にも邪魔できないこと」

( ・∀・)「……」

「理解される必要はない。縛られることもない。何故なら」

「何故なら、あなたは純然たる正義なのだから」

( ・∀・)「!?」

( ・∀・)(胸が、心臓が熱い――)

968 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 04:25:41 ID:eHIWqFrI0
( ・∀・)バッ

( ・∀・)「なんだ、これは……」

「それこそが、あなたが正義である証」

( ・∀・)「胸に結晶が――ポジティブの結晶が同化してる?」

「感じませんか。その腕に、脚に、肌に、血に、流れる力を」

( ・∀・)「力。ポジティブの力」

「正義の力です」

( ・∀・)「正義……」

「悪を打ち砕く唯一無二の力」

969 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 04:26:29 ID:eHIWqFrI0


( ・∀・)「僕こそが正義……!!」

.

970 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 04:33:14 ID:eHIWqFrI0
ガチャ ギィィ

「……雨が上がってよかった。月が綺麗だ」

( ´ω`)「あんたか。『ディストピア』のリーダーってのは」

「待っていたよ、内藤くん。お疲れのところ申し訳ないね」

( ´ω`)(……ん)

「兄者たちが何か失礼をしていないだろうか。それだけが心配だよ」

( ´ω`)「この声はまさか」

川 ゚ -゚)「久しぶりだな」

( ´ω`)「……クーさん」

971 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 04:44:39 ID:eHIWqFrI0
川 ゚ -゚)「フィレンクトから聞いたよ。ドクオから自分の記憶を消したそうじゃないか」

( ´ω`)「……」

川 ゚ -゚)「現状を見られるのが耐えられなかった、というところかな」

( ´ω`)「……」

川 ゚ -゚)「まあ、私はその是非を問うためにここに呼んだわけじゃないんだ。そう気を悪くしないでくれ」

( ´ω`)「……何の用なんだ」

川 ゚ -゚)「私たちの目指すところが、君の求めるところとそう違いがない、という話がしたくてね」

( ´ω`)「要点だけ言ってくれ」

川 ゚ -゚)「君は前からそうだね。やはり、いい王になれる」

( ´ω`)「なにが」

川 ゚ -゚)「なんだかんだでちゃんと話を聞いてくれるっていうことさ」

972 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 04:53:22 ID:eHIWqFrI0
川 ゚ -゚)「私たちの求めるのは、穏やかな世界。ただそれだけなんだ」

( ´ω`)「そんな世界を夢見たネガティブを知ってる」

川 ゚ -゚)「ああ、あれはただの幻想だよ。人は強欲だ。全世界を包括的に救済することなんてできるわけがない」

( ´ω`)「クー、さんの――」

川 ゚ -゚)「呼び捨てでもいいし、お前、でもいい」

( ´ω`)「……お前らの理想と何が違う」

川 ゚ -゚)「私たちの理想は、無菌状態の箱庭じゃあない。ただ、ありふれた幸せのある世界だよ」

( ´ω`)「……僕の力を求める時点で、恐怖政治をすることが目に見えてる。それが幸せなのか」

973 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 05:04:59 ID:eHIWqFrI0
川 ゚ -゚)「どうしても必要なんだよ。暴力は。幸福を保証するにはね」

( ´ω`)「保証」

川 ゚ -゚)「抑止力さ。行使する前提で持つつもりはない」

( ´ω`)「人間が力を持てば、結局使うことになる」

川 ゚ -゚)「なら、ネガティブなら? 絶望・失望・落胆を知っている、新人類なら? 死を経験した存在ならどうだ?」

( ´ω`)「……」

川 ゚ -゚)「私たちは理性を保った者しか認めない。だからこそ、殺傷本能に溺れた同族は消してきた」

( ´ω`)「なんだと」

974 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 05:18:56 ID:eHIWqFrI0
川 ゚ -゚)「君がネガティブの存在を認知したのは、最近だな」

( ´ω`)「ああ。それが」

川 ゚ -゚)「私は、既に200年以上ネガティブとして生きてきた」

( ´ω`)「なん、だって」

川 ゚ -゚)「さあ、その間、私以外にネガティブは誕生しなかったか? 答えは、否。数は、そう多くなかったがね」

( ´ω`)「じゃあ、お前らのような集団は」

川 ゚ -゚)「点在しているよ。全世界にね」

( ´ω`)「……」

川 ゚ -゚)「……それらを統治できるほどの、ネガティブの力を持った者はいなかった。ここ、最近までな」

( ´ω`)「……買いかぶりすぎだ」

川 ゚ -゚)「いいや、事実だよ」

975 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 05:27:42 ID:eHIWqFrI0
川 ゚ -゚)「内藤くん。君の空虚な精神が持つネガティブは、凄まじいものだ」

川 ゚ -゚)「今はまだ人間の限界の中にあるが、死を乗り越えれば確実に素晴らしいネガティブになる」

川 ゚ -゚)「現代の科学ではかれない、何かが君の中には広がっている」

川 ゚ -゚)「君が真の平穏を得るのは、それを手にし、そして世界を治めてからだ」

川 ゚ -゚)「私たちはその導きを待っている。それに従う準備がある」

川 ゚ -゚)「答えは今すぐでなくていい」

川 ゚ -゚)「なんせ、私たちはいつまでも待てる」

976 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 05:28:25 ID:eHIWqFrI0


川 ゚ー゚)「――君が死ぬまで、ね」

.

977 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 05:34:04 ID:eHIWqFrI0
( ´ω`)「……」

ピッピッピッ

プシュッ

( ´ω`)「ただいま」

从 -∀从スピュ

( ´ω`)「……また、パンツ見えてる。っていうか床で寝るな」

( ´ω`)「よ、いしょ、と」グイッ

( ´ω`)「……どっこい、せ」ポスッ

从 -∀从スピュルル

从 -∀从ムニャ

( ´ω`)「はあ……」

978 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 05:37:36 ID:eHIWqFrI0
( ´ω`)きゅっ
  つ□

( ´ω`)「……すっげ疲れたな」

( ´ω`)きゅうっ
  つ□

( ´ω`)「僕はうつじゃないのか」

( ´ω`)「なんでこんな風になってるんだ」

( ´ω`)「治療はできない、のか」

( ´ω`)「……」

( ´ω`)きゅっ
  つ□

979 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 05:43:40 ID:eHIWqFrI0
( ´ω`)「薬は無駄なのか。環境を変えたことに意味はないのか」

( ´ω`)きゅ...
  つ□

( ´ω`)
  つ□

( ´ω`)つ□ トン

( ´ω`)「眠れず、不安を抱え、吐きそうになりながらも、アルコールに逃げ……」

( ´ω`)「このみっともない状況はどうすればいい……」

( ´ω`)「何をすれば僕は救われるんだ……」

( ´ω`)「……」

( ´ω`)「……死ぬしかないのか」

980 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 05:48:49 ID:eHIWqFrI0
( ´ω`)「ネガティブスーツの着用者は表舞台に立たない方がいい」

( ´ω`)「原動力が希望ではないから」

( ´ω`)「ネガティブを殺すためだけの兵器」

( ´ω`)「ネガティブを――自分がその内、堕ちる先であろう存在を殺すための兵器」

( ´ω`)「僕は、今まで何体……何人殺してきた」

( ´ω`)「思い出せない」

( ´ω`)「どうやって殺したかも」

( ´ω`)「……ひたすら、否定してきた」

( ´ω`)「……」

( ´ω`)「僕自身のなれの果てを否定してきたのか……」

981 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 05:50:46 ID:eHIWqFrI0


( ´ω`)「ああ……」


( ´ω`)「実に……」


( ´ω`)「うつだ……」

.

982 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 05:57:01 ID:eHIWqFrI0
,,,( ´ω`)(また眠れなかった……)

「いたか!?」

「カフェテリアにはいません!」

「中庭にもです!」

「トレーニングルームを探せ!」

「もうすでに人が行ってます!」

「どこに行ったんだ!」

「監視カメラには映ってなかったんだろう!?」

,,,( ´ω`)(なんか騒がしいな……。食事、後にしようかな……)

ξ;゚听)ξ「ブーン! ここにいたのね!」

( ´ω`)「どうしたの。息切らせて」

ξ;゚听)ξ「いないの!」

( ´ω`)「誰が」

983 名前:名も無きAAのようです :2014/01/17(金) 05:57:46 ID:eHIWqFrI0


「モララーくんがポジティブスーツを着たまま消えたのよ!!」

.

87 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 01:55:17 ID:Kz/z1PYg0
かいせつ

・( ´ω`)
  内藤ホライゾン ブーン
  すごいうつの人 もうなんか自分がよくわからなくなってきた

・ξ゚听)ξ
  ツン
  すごい誘導の人 あと、焦った顔しかしてない人

・( ´∀`)
  モナー所長
  すごい処罰の人 この人のせいで一人まずいことに

・从 ゚∀从
  高岡
  すごい夢見がちな人だった何か 戦闘パートの間は皆に放置されて寂しい

・( ・∀・)
  モララー
  すごい正義の人 ついに覚醒、本当の正義(自称)

・川 ゚ -゚)
  クー
  すごい長寿の人だった何か 好きな組織の形は少数精鋭

・ネガティブ幼体
  名もなきネガティブラー
  すごい胎児の人だった何か 父親は不明


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