- 109 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 17:28:54 ID:6BOuA9X20
- ピンポン
『はい』
( ´ω`)「……僕だお」
『入ってくれモナ』
プシュッ
( ´ω`)「お待たせしまして」
( ´∀`)「かなり消耗してたみたいだから仕方ないモナ。検査の結果は?」
( ´ω`)「打撲と裂傷がいくらか。でもどれも軽傷」
( ´∀`)「そうモナか。まずはお疲れ様」
( ´ω`)「地面、大穴開けて申し訳ない」
( ´∀`)「……モナはそれについては仕方ないと思ってるモナ。ネガティブを逃がすよりかはいい」
( ´ω`)「で」
( ´∀`)「……」
- 110 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 17:35:08 ID:6BOuA9X20
- ( ´∀`)「知っての通り、モララーくんがいなくなったモナ」
( ´ω`)「聞いた。いついなくなったの」
( ´∀`)「昨晩彼が帰還してから、未明のうちに」
( ´ω`)「どこに」
( ´∀`)「……発信機が外されたみたいで、行方不明モナ」
( ´ω`)「へえ」
( ´∀`)「彼の様子で変わったことがなかったか訊きたい」
( ´ω`)「……なかったわけじゃあない」
( ´∀`)「座って。あの時の状況を教えて欲しいモナ」
( ´ω`)「ん。ここ、タバコは」
( ´∀`)「いいモナよ」
( ´ω`)y-・ シボッ
- 111 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 17:52:28 ID:6BOuA9X20
- ( ´∀`)「灰皿を」
( ´ω`)y-・~「ん」
( ´∀`)「それで? 君が通信機を破壊した後は?」
( ´ω`)y-・~「……やっぱりバレてたか」
( ´∀`)「その件については後で」
( ´ω`)y-・~「……始めはネガティブに同情したみたいだった」
( ´∀`)「やはり……」
( ´ω`)y-・~「ネガティブの言葉にかなり揺れてた。戦うことに躊躇いが見えた」
( ´∀`)「ポジティブの減少はそれが原因モナか」
( ´ω`)y-・~「気付いた」
( ´∀`)「たとえ、相性の良くないネガティブだったとしても、ポジティブラストがあそこまで簡単に打ち消されるわけがない」
( ´ω`)y-・~「……」
- 112 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 18:01:58 ID:6BOuA9X20
- ( ´∀`)「地下に到達してからは」
( ´ω`)つ、ジッ
( ´ω`)「モララーくんは戦わなかった」
( ´∀`)「……」
( ´ω`)「僕は始めに女型を、次に男型を倒した。思えば、その直後から少しおかしかったかもしれない」
( ´∀`)「そうモナか……。コーヒーは?」
( ´ω`)「欲しい」
トポトポトポ
( ´ω`)「……」
( ´∀`)「その後、ネガティブの幼体が覚醒、戦闘が再開されたモナね?」
( ´ω`)「……モララーくんは重傷を負った」
( ´∀`)「生命反応が微弱になったことはモニタで確認したモナ」
- 113 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 18:08:19 ID:6BOuA9X20
- ( ´ω`)「両脚が折れていた。腹も潰れてたと思う」
( ´∀`)「しかし……戦闘直後、彼は歩いていたモナよ? 君を背負いさえした」
( ´ω`)「それがおかしい。あれは確実に致命傷だった」
( ´∀`)「何が起こったか、心当たりはないモナか」
( ´ω`)「光……」
( ´∀`)「……偵察機から発光は確認できたモナ。まさか、あれは彼から?」
( ´ω`)「僕はそう思う」
( ´∀`)「ふむ……」
( ´ω`)「今までにああいった現象は」
( ´∀`)「観測されたことがないモナ」
- 114 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 18:16:56 ID:6BOuA9X20
- ( ´ω`)「……何かが変わったみたいだった」
( ´∀`)「大型ネガティブが崩壊した後モナね?」
( ´ω`)「モララーくんはネガティブを殲滅すると言った」
( ´∀`)「それはいつも言っていた――」
( ´ω`)「これまでにない明確な憎しみみたいなものを感じた」
( ´∀`)「憎しみ」
( ´ω`)「殺意と言ってもいいと思う」
( ´∀`)「そう、モナか」
( ´ω`)「……そんなとこ」
( ´∀`)「……」
- 115 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 18:22:49 ID:6BOuA9X20
- ( ´∀`)「内藤くん」
( ´ω`)「ん」
( ´∀`)「ふたつほど、昔話をしてもいいモナか」
( ´ω`)「短い話なら」
( ´∀`)「ありがとう」
( ´ω`)y-・ シボッ
( ´∀`)「モララーくんと、君の前任者の話モナ」
( ´ω`)y-・~「前任者」
( ´∀`)「名を、オサムという」
( ´ω`)y-・「……」
( ´∀`)「彼もまた、うつ病の患者だったモナよ」
( ´ω`)y-・「へえ」
- 116 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 18:40:46 ID:6BOuA9X20
- ( ´∀`)「彼を含めて五名の候補者がいたモナ。彼は中でも群を抜いてスーツと相性がよかった」
( ´ω`)y-・「それはまた、すごいうつだったわけだ」
( ´∀`)「そう。君に勝るとも劣らない、ね」
( ´ω`)y-・「……僕と一緒で情報の露出は控えてたみたいね」
( ´∀`)「当時、まだネガティブスーツは開発途上で、極秘事項だった。研究所内でも一握りの人間しか知らなかった」
( ´ω`)y-・「着用候補者の情報は余計に埋もれる、か」
( ´∀`)「ネガティブというエネルギー、存在は、国家レベルで秘匿されているのは知ってるモナね」
( ´ω`)y-・「まあね。僕もここに出入りするようになるまで知らなかった」
( ´∀`)「それが普通モナ。マスコミも、ネガティブを『怪物』としか呼んでいない」
( ´ω`)y-・「……情報統制」
( ´∀`)「君には悪いが、ネガティブというエネルギーの情報は、社会にとっては害でしかない」
( ´ω`)y-・「……」
- 117 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 19:04:50 ID:6BOuA9X20
- ( ´∀`)「負の感情が形を持っていると知られ、国民の中で具体化すると、どうなると思うモナ?」
( ´ω`)y-・「……さあ」
( ´∀`)「病原菌や毒と同じで、ネガティブを忌避、排除する動きが始まる」
( ´ω`)y-・「誰でも持ってるものなのにかお」
( ´∀`)「怒りや悲しみや憂い。妬み、嫉み。失望、絶望。それらを肯定する人間はいない」
( ´ω`)y-・「そんなこと言ってもどうしようもない。感情なんて自然に湧くものだし」
( ´∀`)「でも、それが取り除けるとしたら?」
( ´ω`)y-・「ポジティブによって中和、かお」
( ´∀`)「ある種の薬として働く可能性が、ポジティブにはある」
( ´ω`)y-・「……」
( ´∀`)「誰だって、心身共に健やかでありたいはず。違うかモナ?」
( ´ω`)y-・「僕にそれを訊くか」
- 118 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 19:18:33 ID:6BOuA9X20
- ( ´∀`)「……ポジティブは減少傾向にある。対して人口は増加している。当然ネガティブも」
( ´ω`)つ、 ジッ
( ´∀`)「誰もがポジティブを手にできるわけじゃない。圧倒的、需要過多」
( ´ω`)「だから混乱を避けるために隠している、と」
( ´∀`)「その通り。……横道に逸れたモナね」
( ´ω`)「で」
( ´∀`)「オサムはあらゆる適性を持っていた。多くの試験をパスした」
( ´ω`)「僕の時はそんなのなかったけど」
( ´∀`)「まだまだ実験段階だったモナ。ネガティブ利用時の影響を調査する必要があった」
( ´ω`)「その結果が今のスーツか」
( ´∀`)「彼はよく頑張ってくれた。ネガティブスーツの実戦投入までもう少しだったモナ」
( ´ω`)「だった」
( ´∀`)「……彼は、自殺したモナ」
- 119 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 19:36:06 ID:6BOuA9X20
- 『おはようモナ、皆。……オサムくんは?』
『まだ来ていませんね』
『お前今朝見たか? 部屋隣だったろ』
『……いや、見てない。あいつはいつも自室で朝食摂るから』
『困ったモナね。また寝坊モナか?』
『モナーさん!』
『どうしたモナ?』
『それが……! オサムくんが、部屋で――!』
- 120 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 19:47:08 ID:6BOuA9X20
- ( ´∀`)「ひどい死に様だった。自分で腹を裂き、体中を包丁で……」
( ´ω`)「……」
( ´∀`)「すぐに死ねなかったことが分かったモナ。苦しんだ形跡が床中に広がっていた」
( ´ω`)「うつが悪化したのかお」
( ´∀`)「誰もそれに気付けなかった。彼は人に何も話さなかったモナ」
( ´ω`)「治療は」
( ´∀`)「……してたモナ」
( ´ω`)「それでも、か」
( ´∀`)「……ポジティブスーツが、モララーくんが活躍していた頃の話モナ」
( ´ω`)「すると数年前か」
( ´∀`)「ツンくんが入所したのもその頃モナよ」
- 123 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 19:54:09 ID:6BOuA9X20
- ( ´ω`)「……それで、その話がどうしたんだお」
( ´∀`)「話はそこで終わらないモナ」
( ´ω`)「ん」
( ´∀`)「ここからモララーくんの話にもなる」
( ´ω`)「続きを」
( ´∀`)「彼は――――」
プシュッ
从 ゚〜从「ほかへりなはーい」モリムシャァ
( ´ω`)「……」
从 ゚∀从「どしたんですかぁ?」
( ´ω`)「……少し横になる。ベッド空けろ」
从 ゚∀从「えー……」
( ´ω`)「早くしろ。寝たいんだ」
从 ゚∀从「はーい」
- 125 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 20:07:21 ID:6BOuA9X20
- 从 ゚∀从「テレビつけてもいいですかぁ?」
( ´ω`)「静かにしてるならな」ゴロン
从 ゚∀从「了解でっす!」
ピッ プン
『今日のゲストはこちらの方々です』
『こんにちは! 『DDR』です!』
从*゚∀从「おっ、DDR! 私この人たちの歌大好きなんです!」
( ´ω`)「へえ」
从 ゚∀从「デビューシングルの『ゼロ級の恋』がとってもよくってライブも行きたいなって思っててー」
( ´ω`)「……」ゴロ...
从 ゚∀从「今度連れてってください! ホライゾンさんと一緒なら大丈夫でしょ?」
( ´ω`)「いつかな」
从*゚∀从「ゆびきり!」
( ´ω`)「……いいから寝かせろ」
从 ゚∀从「ちぇー」
- 126 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 20:17:17 ID:6BOuA9X20
- ( ´ω`)(うつはネガティブを強くするのか)
( ´ω`)(逆にネガティブの利用はうつを助長するのか)
( ´ω`)(僕はどうなる)
( ´ω`)(これから戦い続けることで僕のうつは悪化するのか)
( ´ω`)(ネガティブは増加し続けているという)
( ´ω`)(ポジティブは失われていく)
( ´ω`)(誰だって僕みたいな状態を望まないだろう)
( ´ω`)(心の健やかさ……ポジティブによる治療……)
( ´ω`)(前任者、オサム……モララー……)
( ´ω`)(自殺、そして……)
( ´ω`)(……僕の場合はどうなってしまうんだ)
( ´∀`)「内藤くんへの処罰は減給程度しかできない、か」
( ´∀`)「モララーくんのいない今、彼を戦場から退かせるにはいかない」
( ´∀`)「……死なれても困る」
- 127 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 20:21:34 ID:6BOuA9X20
- ( ´∀`)ゲホッ
( ´∀`)「……風邪かな。疲れが溜まってるのか」
( ´∀`)ゲホッゲホッ
( ´∀`)「……血?」
つ
ピンポン
『ツンです』
( ´∀`)「ツンく――」フラッ
ドサッ
『モナーさん?』
( ∀ )
『モナーさん、大丈夫ですか?』
プシュッ
ξ゚听)ξ「……! モナーさん!」
- 147 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 22:32:30 ID:qOCpV9qk0
- ババババババババ
( ◎н◎)「また都市部か。厄介だな」
『今回のネガティブも恐らく自我を保っているわ。強敵だと考えられる』
( ◎н◎)「でもまだ目立った行動を開始してないんだろう」
『ええ、軽犯罪と言える程度のこともしてない。ただ歩いているだけ』
( ◎н◎)「……そうか」
『何をするか分からない。何を考えているかも分からない』
( ◎н◎)「分かってる」
『モララーくんもいないわ。だから、絶対に油断しないで』
( ◎н◎)「ああ、それも分かってる」
『コード:ネガティブ! 投下!』
( ◎н◎)「行ってくる」
バッ
- 149 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 22:46:48 ID:qOCpV9qk0
- 「コード:ネガティブ、投下!」
ξ゚听)ξ「ブーン、気を付けて!」
『了解。サポート頼む』
ξ゚听)ξ「ブリーフィングでも話した通り、今回は私が作戦指揮を執る! 皆、気を引き締めてちょうだい!」
「分かりました!」
「コード:ネガティブ、着地! 目標に接近します!」
ξ゚听)ξ「警察のポジティブスーツ隊は?」
「市民の避難誘導を進めています!」
ξ゚听)ξ「それでもまだ完全じゃないわね。急ぐように要請して!」
「了解!」
ξ゚听)ξ(モナーさんは倒れてしまった。少なくとも数日は現場に復帰できない)
「目標と遭遇します!」
ξ゚听)ξ(ただの過労だって話だけど、それでも……)
ξ--)ξ
ξ゚听)ξ(今は目の前のことに集中しなくちゃ……!)
- 150 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 23:04:31 ID:qOCpV9qk0
- ( ◎н◎)「今回の相手はお前か」
_
( ゚∀゚)「……んん? ヒーローは二人組じゃねえのか?」
( ◎н◎)「どうも記憶は持ってるみたいだな」
_
( ゚∀゚)「ああ、そりゃあどうも、しっかりとな。どうも俺ァ死んだらしいな。そんで『怪物』ってヤツになったと」
( ◎н◎)「そこまで理解してたら、僕が何をしに来たか分かるな」
_
( ゚∀゚)「まあな。ニュースで見てたぜ、アンタのこと。かなり強いよな」
( ◎н◎)「そうでもない」
つ=|ニニニニニニフ シャガッ
_
(;゚∀゚)「おいおい、ちょい待ち、ちょい待ち! 周りを見ろよ!」
「あれ、もしかして……」
「あー、テレビで観たことある!」
「モララーはどこにいるんだ?」
「やっべ、本物だ。写メろうぜ」
- 151 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 23:19:38 ID:qOCpV9qk0
- ( ◎н◎)「なに、すぐ済む。被害は出さないつもりだ」
_
(;゚∀゚)「俺だってむざむざ殺されるつもりはねえんだよ! でもカタギを巻き込むつもりもねえ!」
( ◎н◎)「……」
_
(;゚∀゚)「ここじゃあ危ねえから場所を変えようって言ってんだ!」
( ◎н◎)「だそうだけど」
『……状況から考えて、罠という可能性は低そうだわ』
( ◎н◎)「僕もそう思う」
『ブーン、ここはあなたの判断に任せる』
_
(;゚∀゚)「な? こいつら、危険に対して鈍いんだよ。痛い目見てからようやく理解しやがる!」
( ◎н◎)「……そこの地下鉄の駅を使おう。封鎖しやすい」
_
(;゚∀゚)=3
( ◎н◎)「ツン」
『分かったわ。別の出入り口から避難を誘導する。電車も止めるよう連絡する』
- 152 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 23:30:16 ID:qOCpV9qk0
- ( ◎н◎)「先に入れ」
_
( ゚∀゚)「……背後からズドンってのは無しだぜ?」
( ◎н◎)「お前こそ、ここまできて人質を取るなよ」
_
( ゚∀゚)「ワルではあったが、そういうことはしねえ主義だ。安心してくれ」
コッコッコッコッコッ
( ◎н◎)「お前、元ヤクザか何かか」
_
( ゚∀゚)「おう、そうだぜ。この周辺で割とデカい組にいた。聞いたこと――」
( ◎н◎)「知らん。そこまで興味ない」
_
(;゚∀゚)「手厳しいなあ、おい」
『避難完了まで少しかかる』
( ◎н◎)「まだ駅員が残ってるか」
_
( ゚∀゚)「仕方ねえなあ。任せろ」
- 153 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 23:38:47 ID:qOCpV9qk0
- _
( ゚∀゚)「どれ」
グバッ
( ◎н◎)(腕が縦に裂けた)
_
( ゚∀゚)「どうも俺はこの腕で、ほれ、この壁とかを取り込んで」
バゾン
_
( ゚∀゚)「発射する力を手に入れたらしいぜ」
グジュッ グパッ
( ◎н◎)(この形は大砲のような……)
_
( ゚∀゚)「おらおらおら! てめえら! 死にたくなけりゃあ早くどけ!」
ドゴォン
「……!!」
_
( ゚∀゚)「おい、てめえらもだ! そっから出ていなくなっちまえ!!」
「う、わ!!」
「逃げろ!!」
- 155 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 23:47:16 ID:qOCpV9qk0
- _
( ゚∀゚)「よっし、大体はけたな」
( ◎н◎)「威嚇射撃にしてもやりすぎだ」
_
( ゚∀゚)「言ったろ、危機察知能力落ちてる人間ばっかりなんだよ」
( ◎н◎)「まあいい。そろそろ始めよう」
_
( ゚∀゚)「……なあ。見逃してくんねえかな」
( ◎н◎)「無理な相談だ」
_
( ゚∀゚)「いやいや、俺も自分がやべえ存在になったことは理解してるんだよ。テレビで見てるからな」
( ◎н◎)「なら死ね」
_
(;゚∀゚)「あんたマジでヒーローかよ……」
( ◎н◎)「違うけど」
_
(;゚∀゚)「ああ?」
( ◎н◎)「ただのうつ病患者だ」
- 156 名前:名も無きAAのようです :2014/01/18(土) 23:57:08 ID:qOCpV9qk0
- _
(;゚∀゚)「ああもうなんでもいい。とにかくだな、俺は」
( ◎н◎)
つ=|ニニニニニニニニニフ シャガッ
_
(;゚∀゚)「最後まで聞けって!」
( ◎н◎)「こっちは前回話を聞いてひどい目にあってるんだよ」
_
(;゚∀゚)「知らねえよ!」
( ◎н◎)「こっちもお前の都合なんて知らん」
ヒュン
_
(;゚∀゚)「だあ! クソ!!」バッ
ゴロゴロ
( ◎н◎)「隠れるなよ……。めんどいんだから」
「俺はだな、たったひとつ目的達成したら満足なんだよ!」
( ◎н◎)「……」
- 157 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 00:10:03 ID:6jcGdzow0
- 「俺ァ一人殺せたら満足すっから!」
( ◎н◎)「その一人を殺すのが大問題なんだって」
ヒュカッ
「あぶっ、おいこら! 脚がなくなるとこだったぞ!」
タッタッタッタッタッ
( ◎н◎)「逃げるな」
_
(;゚∀゚)「逃げるわボケ!」
バゾン
ドン
( ◎н◎)「あのな。死人出したら僕が困るんだよ」
ヒュカッ
ドッガァン
_
(;゚∀゚)(あの速度の砲弾を斬り落とすのかよッ)
- 158 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 00:15:08 ID:6jcGdzow0
- _
(;゚∀゚)「俺が殺したいのは悪人なんだよ! むしろ感謝されるはずだぜ!?」
( ◎н◎)「はあ……。誰のことだよ……」
_
(;゚∀゚)「組のオヤジだ! つまり組長ってやつだ!」
( ◎н◎)「なんで」
ヒュンヒュン
_
(;゚∀゚)「会話するつもりなら攻撃止めろ!」
( ◎н◎)「お前もさっき撃ってきたろ。逃げるし」
_
(;゚∀゚)「そりゃあんたが話聞かねえから!」
- 159 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 00:29:05 ID:6jcGdzow0
- ( ◎н◎)「ホームにまで逃げてたか。……それで」
_
(;゚∀゚)「鉄砲玉にされて、なんとか生きて帰ったら、裏切られて! それで俺は死んだ!」
( ◎н◎)「はあ……。なんだよ、お前がその業界入ったのが悪いんだろ死ね」
ヒュパッ
_
(;゚∀゚)「うおおおおおおい!! てめえには情ってもんがねえのか!!」
( ◎н◎)「ヒーローじゃないからね」
_
(;゚∀゚)「分かった、分かったからその刀を収めてくれ! 一分でいいから話をしよう! な!?」
( ◎н◎)「悪党やってたんだろ。ならそういうこともあるんじゃないの」
_
(;゚∀゚)「俺は拾ってくれたオヤジに恩義を感じてたんだ! なのに――」
( ◎н◎)「お涙頂戴はゾッとする」
- 160 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 00:36:12 ID:6jcGdzow0
- _
(;゚∀゚)「な! 復讐が終わったら俺を好きにすればいい!」
( ◎н◎)「なんでお前の条件飲まないといけないの」
ヒュン ヒュン ヒュン
_
(;゚∀゚)(こいつマジで人間かよ!! 非情とかそういうレベルじゃねえ!!)
( ◎н◎)「避けて避けて避けて避けて……はあ……」
_
(;゚∀゚)(なら、こっちもやるしかねえ!!)
_
(;゚∀゚)スゥ...
_
( ゚∀゚)フゥ...
( ◎н◎)(ん)
バッゾォン
_
( ゚∀゚)「……俺ァ、ハジキだきゃあ得意だったんだ」
( ◎н◎)(来る)
- 161 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 00:47:42 ID:6jcGdzow0
- ドッ
( ◎н◎)(速っ――)
ドガァッ
( ◎н◎)(ガードした腕が……骨がイカれる……)ミシミシッ
_
( ゚∀゚)「この力、かなり相性がいいらしい。悪くねえな。馬鹿な俺にはぴったりだ」
( ◎н◎)(シンプルな分、威力に特化してるってことか)
_
( ゚∀゚)「もうちょい脳みそが足りてれば、鉄砲玉にされることもなかったんだろうけどよ」
バゾォッ
( ◎н◎)(弾切れは期待しない方がいいな……)
_
( ゚∀゚)「安心してくれ、殺しゃあしねえ。きっとな。さっき言った通り、俺の目的はひとつだ」
( ◎н◎)「……お優しいことで」
- 163 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 01:00:44 ID:6jcGdzow0
- _
( ゚∀゚)「まあ、もっとも。下手に動いて死んでも俺は責任取れねえが」
( ◎н◎)(射線を見切ればなんとか避けられるはず……)
_
( ゚∀゚)「思ってることバレバレだぜ。でも人間、限界ってもんがあるよな」
ドッ
( ◎н◎)(弾が小さい、弾速がさらに――)
ビズッ
( ◎н◎)「あ、ぐ」
ガクン
_
( ゚∀゚)「どうもスーツを貫通したらしいな? さすがに、太ももを撃ち抜かれたらもう追ってこられねえよな」
( ◎н◎)(威力、が、おかしい、だろ……)
- 164 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 01:13:22 ID:6jcGdzow0
- 『偵察機がそちらに到着するわ……見つけた!』
( ◎н◎)「……悪い、ツン。少しまずった」
『ブーン!?』
_
( ゚∀゚)「んん? あの飛んでるヤツ、あんたらのとこのか?」
『ブーン、大丈夫なの!?』
( ◎н◎)「生きてる」
つy=− チャッ
_
( ゚∀゚)「もう止めとけって。今度は手加減できねえぞ?」
『そんな、まさかブーンが……!?』
( ◎н◎)「……まだ負けてない」
つy=−
ドパァン
_
( ゚∀゚)「おっせえ弾だな」スッ
- 165 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 01:30:05 ID:6jcGdzow0
- _
( ゚∀゚)「なんだよ、実際にやってみればこの程度か……」
『装甲を貫通してる? そんな、生身にネガティブを受けたら!』
::( ◎н◎)::ブルッ
::( ◎н◎)::(脚を撃たれたはずなのに、急に全身に痛みと寒気が……)
(――死ぬぞ、死ぬぞ)
::( ◎н◎)::(これが否定の力……ネガティブ……)
(――さあ死ぬぞ、誰も守ってくれないぞ)
::( ◎н◎)::(僕の力の源だったはずじゃないのか……)
(――お前はこのまま消え去るぞ)
::( ◎н◎)::「ぐ、う」ググッ
_
( ゚∀゚)「まーだやるってか。脚が震えてるじゃねえか」
::( ◎н◎)::「待て」ブルブル
- 166 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 01:43:22 ID:6jcGdzow0
- _
( ゚∀゚)「さっきは死ね死ね言ってたヤツがこんなもんとはなあ……」
::( ◎н◎)::「待て……!」
_
( ゚∀゚)「……弱いモンいじめはしねえ。やめだ、やめ」クルッ
『ブーン……!!』
_
( ゚∀゚)「目的達成したら、その後はなんもしねえのは約束する。ひっそり暮らすさ」
::( ◎н◎)::「……くっ」ガクッ
_
( ゚∀゚)「もう会うこともねえだろ。じゃあな、ヒーロー。あ、ヒーローじゃねえんだっけか」
_
( -∀゚)「まあ、どっちでもいいことさな」
::( ◎н◎)::(思考が、鈍い、辛い、死ぬのか、たったこれだけの傷で、僕は)
「さて、電車は止まってるか。やっぱり徒歩しかねえのかなあ」
::( ◎н◎)::(暗い、ダメだ、僕は、辛い、僕は、僕は、ああ、そうか、これが)
- 167 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 01:48:56 ID:6jcGdzow0
( ◎н◎)(本当の――)
( ● ●)(意味の――)
( ●w●)(絶望か――)
.
- 169 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 01:58:02 ID:6jcGdzow0
- _
( ゚∀゚)「!?」ゾクッ
( ●w●)「グ、ア」
(寒いなあ、痛いなあ……)
_
(;゚∀゚)「お、お前!?」
( ●w●)「ガ、ガ、ガガ」
(怖いなあ、辛いなあ……)
_
(;゚∀゚)「なんだ、その姿……!!」
( ●w●)「グギ、ガガガガ」
(僕はダメなヤツだな……)
『ブーンが、変身した……!!』
- 170 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 02:07:08 ID:6jcGdzow0
- ( ●w●)ガブォッ
『ネガティブを吐き出してる……!?』
(この気持ちは誰も分かってくれないんだろうなあ)
( ●w●)「ガアア、アアアアアア」
(僕は独りでこのまま死んでいくんだろうなあ)
( ●w●)ゲボッゴブッ
(心も力も弱いんだものなあ、仕方ないよなあ)
( ●w●)「アアアアアアアアア」
(涙も出ないくらいの出来損ないだしなあ)
( ●w●)「ウアアアアアアア」
(消えてなくなりたい気持ちでいっぱいだ……)
::( ●w●)::ガクガク
(空虚な気持ちでいっぱいだ……)
- 172 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 02:14:29 ID:6jcGdzow0
- (もう考えるのはよそう……)
(考えたって仕方がない……)
(これまでのことを思い出したくないんだ……)
(これからのことだって想像したくない……)
(死にたい)
(死にたい)
(死にたい)
(死のう)
(そうだ死のう)
(それしかない)
(この苦しみから逃れよう)
(自分で自分を殺すんだ)
(僕にしかできないことだ)
(さあやろう――)
- 173 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 02:15:43 ID:6jcGdzow0
( ●w●)「ガアアアアアアアアアアアア!!!!」
.
- 175 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 02:28:46 ID:6jcGdzow0
- 「コード:ネガティブ、行動再開! 目標に攻撃を開始!」
「やった、これで勝てる!」
「待て、なんだか様子がおかしくないか……?」
「私の目には、彼はただ暴れているようにしか……」
「それだけじゃない、自傷行為もしています!」
「これは暴走……!?」
「おかしいです! そんな、何がきっかけで!?」
「さっきまで意識がはっきりしていたのに! 変化が急激すぎる!」
「ネガティブ反応がスーツから漏出!」
「装甲、融解と再生を絶えず繰り返しています!」
「生命反応も安定しません!」
「この短時間で何があったって言うんだ!?」
ξ;゚听)ξ「ブーン……!?」
- 176 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 02:43:56 ID:6jcGdzow0
- _
(;゚∀゚)「おいおいおい、なんだってんだ一体……自分で自分を痛めつけてるのか……?」
( ●w●)「ガッアアアアア!!」グジュグジュ
ジュウ
_
(;゚∀゚)(体から噴出した黒い液体でそこら中が溶けてやがる……)
( ●w●)「オオオオオオオオオ!!」グジュル
ブゥン
ドガァァン
_
(;゚∀゚)(こいつはやべえ、俺の手には負えねえもんだ……直感で分かる……)
( ●w●)「アア、アアアア……!!」グジュッ
_
(;゚∀゚)(さっきまでと違って強さも全く推し量れねえ……これ以上関わるのは危険だ!)
( ●w●)ガバッゲボゲボッ
_
(;゚∀゚)(今なら逃げられる!!)
「何をしているんですか、内藤さん」
- 178 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 02:51:45 ID:6jcGdzow0
- _
(;゚∀゚)「!?」
ビュッ
ドゴッ
_
(; ∀ )「ぐあっ!!」
ズザザザザザ
_
(; ∀゚)「く、そ……!!」
「この程度のネガティブ一匹も殺せないなんて」
_
(; ∀゚)「お、お前……!!」
「しかもその有様。ひどいものですよ」
ヒュッ
ズギャッ
_
(; ∀ )「……!!!!」
ドゴォン
『!!』
- 179 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 02:57:10 ID:6jcGdzow0
「ダメですよ。内藤さん」
( ОΜО)「あなた、もうダメだ」
.
- 180 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 02:59:34 ID:6jcGdzow0
( ОΜО)「正義を執行します。――ネガティブ・内藤」
.
- 220 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 22:17:50 ID:IN/lnJcM0
- ξ゚听)ξ「モララー、くん……?」
「コード:ポジティブです! 彼が現れました!」
「今までどこに……いや、一体どこから!? 駅は封鎖されていたはずだろう!」
「ポジティブ反応がありません……まさか偽物?」
「いえ、偵察機が検知したスーツ識別コードは間違いなくコード:ポジティブのものです!」
ξ゚听)ξ「偵察機のスピーカーをオンにして!」
「了解!」
ξ゚听)ξ「モララーくん、あなたなの!?」
『ツンさん、どうも。モナーさんも』
ξ;゚听)ξ「……今は私だけよ」
『そうですか。まあ、それはいいです』
ξ;゚听)ξ(『それはいい』?)
- 221 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 22:26:01 ID:IN/lnJcM0
- ξ;゚听)ξ「今までどこに……」
『それもいいでしょう。ネガティブ。僕が倒しておきますから』
ξ;゚听)ξ「待ちなさい! 話を聞いて!」
『話をしている状況じゃないでしょう。駅がボロボロだ』
ξ;゚听)ξ「……さっき、あなたはブーンのことをなんて呼んだの?」
『聞こえませんでしたか。ネガティブ・内藤、と。そう言いました』
ξ;゚听)ξ「何を言ってるの!? ブーンは――」
『これが人間と呼べますか?』
『ガアアアアアアアアア!!!!』
ξ;゚听)ξ「っ!」
『もはやレベルの低い個体よりも理性が失われている。そしてこの反応』
ξ;゚听)ξ「それはネガティブスーツの原動力が」
『いいえ。スーツ外に漏れ出すほどに強力なネガティブを持つ存在が、果たして人間かと言っているんです』
- 223 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 22:34:30 ID:IN/lnJcM0
- 『それは……きっと暴走してしまっただけで……』
( ОΜО)「暴走。そうですか。それで?」
『それで、って』
( ОΜО)「現実を見ましょう、ツンさん。『これ』はもはや、ただの歩く害悪と成り果てています」
『あなた! ブーンはあなたの仲間なのよ!?』
( ОΜО)「だった、です」
『モララーくん、あなた……』
( ОΜО)「いえ、もしかしたら僕は元から、『これ』の仲間ではなかったのかもしれない」
( ●w●)「グ、ゲゲゲ、ゲ……」
( ОΜО)「元より僕らは相反する性質を持っていました」
- 224 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 22:43:38 ID:IN/lnJcM0
- ( ОΜО)「ほら、見てください」
ドロ ドロ ドロ ドロ
( ОΜО)「この足元に流れるネガティブ。これは僕に吸い寄せられ」
シュウウゥゥゥ
( ОΜО)「スーツから発せられるポジティブと相殺される」
『……あんな高濃度のネガティブを完全に中和してる!?』
( ●w●)「ガガガ、ガガガガガガガ、ガッアッ」
( ●w●)「ガァッ!!」
∪ ∪ バシャァン
グジュァッ
( ОΜО)「ネガ・シンクロか……」
ブアッ
『効果範囲の拡大が早すぎる……!』
- 225 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 22:54:43 ID:IN/lnJcM0
- ( ОΜО)「陰陽式戦闘術『陽』。――ふっ」
ダァン
シュウッ
『床を踏みつけてポジティブを放出した?』
パキパキパキパキ
ジュアアアアッ
( ОΜО)「ポジティブの流出入を操作しました。まあ、ポジ・シンクロ、ってとこですか」
『嘘、今のも完全に相殺したっていうの!?』
( ОΜО)「そんなに驚くほど、大したことはしてませんよ」
『でも、今のブーンのネガティブエネルギーは……』
- 226 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 23:03:16 ID:IN/lnJcM0
- 「一瞬ですが、強力なポジティブ反応が検知されました!」
「コード:ネガティブの現在のネガティブ反応と同等!」
ξ;゚听)ξ「あの状態のブーンと同じレベルに立っているっていうの!?」
『体に流れる物を集中させただけです』
ξ;゚听)ξ(それでもここまで力は彼にはなかったはず。そんな力があれば彼は……)
『さて。話を戻しましょうか、ツンさん』
ξ;゚听)ξ「……」
『この、対極にある性質。これは僕らそのものを表しているのかもしれませんよ』
ξ;゚听)ξ「……何が言いたいの」
- 227 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 23:12:25 ID:IN/lnJcM0
- ( ОΜО)「性格・人格・人生。全てを表しているのかもしれません」
『あなたがブーンの何を知っているっていうの?』
( ОΜО)「『ダメな人間』だった、ということくらいは」
『知ったようなことを――!』
( ОΜО)「現に、こうなっているじゃあないですか」
( ●w●)「グルルルル……」グジュル
( ОΜО)「僕は自分の正義を信じています。自らを肯定しています」
『……』
( ●w●)ガリガリガリ ブシュウッ
( ОΜО)「自分の体をかきむしる『これ』はどうですか。まるで自己否定の塊に見えませんか」
- 228 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 23:21:24 ID:IN/lnJcM0
- ( ●w●)「ガアアッ!!」
ブゥン
バガァッ
( ОΜО)「そして周囲を破壊し、否定する。これを『ダメ』と言わずしてなんと言うのですか」
『あなただって彼を否定して――』
( ОΜО)「悪を否定することの何が悪いのです」
『悪……?』
( ОΜО)「正義の対極は、悪。僕の反対の性質を持つ『これ』は、悪。違いますか?」
『あなた本気で言っているの?』
( ОΜО)「ツンさん。二回も言わせないでください。『これ』はもう害悪なんです」
- 229 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 23:28:58 ID:IN/lnJcM0
- ( ОΜО)「人に仇成す存在。そして、人ならざる存在」
( ОΜО)「ネガティブ・内藤、ですよ」
( ОΜО)「排除されるべきもの。忌避されるべきもの」
( ОΜО)「殺されてしかるべき悪」
( ОΜО)「悪は何をもって悪となるか」
( ОΜО)「環境。さあ、それもあるかもしれませんね」
( ОΜО)「でも僕はそう思わない。思わないことにしたんです」
( ОΜО)「過去に対する同情の余地はない」
( ОΜО)「だから、『これ』が仲間だったという過去も僕は考えない」
( ОΜО)「今、現在、この瞬間を直視しましょう」
- 230 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 23:29:56 ID:IN/lnJcM0
( ОΜО)「『これ』は抹殺しなければいけない」
.
- 231 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 23:41:35 ID:IN/lnJcM0
- 『正義を執行します。そこで見届けてください』
「コード:ポジティブ、コード:ネガティブに接近していきます……!」
ξ゚听)ξ「止めて」
『僕はどうもずっと『これ』を否定したかったらしい』
「床に散布されたネガティブ、コード:ポジティブによって中和されていきます!」
ξ゚听)ξ「止めなさい」
『ネガティブスーツ。僕が正義を執行できなくなった原因』
「コード:ネガティブ、コード:ポジティブを攻撃! ですが、全て受け止められています……!」
ξ゚听)ξ「お願い止めて」
『こんなものさえなければ僕は……』
「コード:ポジティブ、拳にポジティブを集中……太い針を形成していきます!」
ξ )ξ「お願いだから止めて! 殺さないで!!」
- 232 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 23:50:13 ID:IN/lnJcM0
- ( ОΜО)「これはポジティブを体内に流し込む技」
( ●w●)「グギ、ガガガ」
( ОΜО)「常人に扱っても意味はほとんどないでしょう」
( ●w●)「ガアアア!!」ブゥン
( ОΜО)「でも相手がネガティブの塊だったらどうでしょうね」スゥッ
( ●w●)「ゴガガガア……」ヨロッ
( ОΜО)「正義と悪をぶつけましょう」ガシッ
( ●w●)「ア、ア、ア?」
( ОΜО)「僕は勝ちます正義の証明をします」ギリギリギリギリ
( ●w●)「オオ、オオオオオ」ガタガタ
( ОΜО)「さあ、その黒い臓物を消し去ってやる」ヒュッ
ザグゥッ
- 233 名前:名も無きAAのようです :2014/01/19(日) 23:52:26 ID:IN/lnJcM0
ヘキアンシコウ
( ОΜО)「劈闇賜光」
.
- 234 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 00:00:31 ID:kLPzT8Cc0
- 「腹部に針が刺し込まれました!」
『ガ、ア!?』
「爆発的にポジティブ反応拡大! 注入されていきます!」
『ボジュウウウッ』
「装甲融解……いや、腹部……違う、内臓そのものが消滅していきます!」
『――――!!』
「再生してたんじゃないのか!?」
『ギャアアアアアアアアア!!』
「ネガティブの作用速度よりも相殺の方が早い! コード:ネガティブ、生命反応減少!!」
ξ゚听)ξ「あ、あ、あ」ガクッ
- 235 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 00:03:41 ID:kLPzT8Cc0
- ( ОΜО)
つ> ズポッ
::( ●w●)::ガクガク
( ОΜО)
::( ●w●)::グラァリ
(ОΜО )クルッ
( ●w●)ドサッ
(ОΜО )「……」
- 236 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 00:15:31 ID:kLPzT8Cc0
- ( ОΜО)「これがポジティブの、正義の本当の力です」
『ブーン』
( ОΜО)「対して、ネガティブの脆弱さ」
『ブーン、返事して。お願い』
( ОΜО)「……ふふっ。ははは」
『死んじゃだめ、起きて』
( ОΜО)「まるで僕が悪者だ!」
『うるさい!』
( ОΜО)「いいんです! 理解されなくったって!」
『ブーンを、よくも、よくも……ッ!』
( ОΜО)「そのつもり僕は研究所を出たんですから!」
『あんたなんかが正義なわけない!』
( ОΜО)「ふふっ。僕が正義じゃないって?」
( ОΜО)「ここに生きて立ってる僕が正義じゃないってそういうんですか!?」
- 237 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 00:20:03 ID:kLPzT8Cc0
- ( ОΜО)「何を守ることもなく!」
( ОΜО)「何の信念を持つこともなく!」
( ОΜО)「ただ生きていただけのクズを!」
( ОΜО)「ただそこにいただけのゴミを!」
( ОΜО)「悪に成り果てた存在を!」
( ОΜО)「駆逐して、生きて、立って、喋っている、その僕が!!」
( ОΜО)「正義じゃないと!! あなたはそういうんですね!!」
- 238 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 00:26:39 ID:kLPzT8Cc0
- 『……狂ってる』
( ОΜО)「ふふっ。ふふふっ。そう思うならそれでいい」
『あなた、絶対におかしいわ』
( ОΜО)「僕は僕の信じる道を行きます。それだけです」
『あなたは、あなたは……』
( ОΜО)「最後に話せてよかった。モナーさんにもよろしく」
『あなたは、何をしたいの……』
( ОΜО)「無論、正義を成すこと」
( ОΜО)「さて、後はあっちのネガティブを殺せばひとまず終わりか」
_
( ∀ )
『……』
『……えっ?』
( ●w●)ユラァ
( ОΜО)「ッ!」
- 239 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 00:37:34 ID:kLPzT8Cc0
- ( ●w●)「死 死 死」グラッグラッ
( ОΜО)(まだ立つのか!)
( ●w●)「アガァ」キィィィィィ
( ОΜО)(口の前に黒い弾……ネガティブを溜めている!)
( ●w●)「ア――――」キュゥゥン
( ОΜО)(超高密度、まずい、早く潰さなければ!!)ダッ
( ●w●)「――死」ユラァ
パウッ
カッ
- 240 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 00:52:44 ID:kLPzT8Cc0
- ( ОΜО)(回避は間に合わない! 陰陽式戦闘術『陰』――ポジティブ硬化に特化!)シュウッ
( ОΜО)「是式網羅盾、展開!!」パキパキパキ
ドッグッチャァ
( ОΜО)(ただのエネルギーの塊じゃない!? 粘着性だ!! へばりついた!!)
ズザザザザザザザザ ドッ
( ОΜО)(壁まで押し込まれた!! なんて威力!!)
ジュアアアアアアアアアア
( ОΜО)(盾のポジティブが相殺されて分解してしまう!!)
ドロドロドロドロ
( ОΜО)(飛び散った少量のネガティブだけで装甲が融解していく……!!)
( ●w●)「アア――――」グラァリグラァリ
ザッ...ザッ...ザッ...ザッ...
ザッ...
( ●w●)「――――」バタッ
( ОΜО)(全てのネガティブを放出したのか!! なら、これを凌げば僕が勝つ!!)
( ОΜО)「おおおおおおお!! ポジティブ、全開!!」
- 241 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 01:00:28 ID:CY6dXC/60
- ボジュウウウウウウウ
( ОΜО)「おおおおおおおおお!!」バキバキバキバキ
ジュウウウウウウウウ
( ОΜО)「まだだ、まだこんなもんじゃあない!!」バキバキバキバキ
ジュウウウウ...
( ОΜО)(もう少しだ!!)
シュウウ...
( ОΜО)「……ッ!!」
フッ...
バリィン
( ОΜО)「……ハァ――!! ハァ――!!」ガクッ
- 243 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 01:06:27 ID:CY6dXC/60
- ( ОΜО)(是式網羅盾は壊れたが、なんとか競り勝った!!)
( ОΜО)「ぼ、僕の……!」
( ОΜО)「勝ち、か、か、ち……?」
ビキッ
( ОΜО)「痛ッ――?」
( ОΜО)「――!!」ビキビキ
( ОΜО)(頭が、割れるッ!?)ビキビキ
( ОΜО)(意識が飛ぶ……!!)ビキビキビキ
( ОΜО)(ポジティブ、僕を、何とか、しろ!!)
カッ
( ОΜО)「――――!!」
- 244 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 01:16:10 ID:CY6dXC/60
- 『なんとか、なりました、ね』
ξ;゚听)ξ「……」
「……」
「……」
『見ました、か。ツン、さん。ふ、ふふっ』
『やっぱり、僕が、勝った』
『さあ、今度は、首を撥ねて、完全に』
『殺す』
ξ;゚听)ξ「もう、止めなさい。あなたもこのままじゃ」
『大丈夫、です。ふふっ』
ピピピッ
「……?」
- 246 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 01:23:38 ID:CY6dXC/60
- 「警察から入電、封鎖区域に侵入したバイクがあるそうです! 駅構内を走行中!」
「鉄道会社からも連絡が入りました! 運転を再開した電車があります!」
ξ;゚听)ξ「電車は止めたはずじゃあ……」
「……運転手と連絡が取れません! じきホームに到着します!」
( ОΜО)「今度こそ、殺す」
( ●w●)
( ОΜО)「ネガティブ、内藤」
( ●w●)
( ОΜО)「おしまいだ」
- 247 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 01:31:38 ID:CY6dXC/60
- ウォォォォォォン
( ОΜО)「なん、だ?」
キイイイイッ
タァン
バゴッ
『ガ――ガガッ――』
( ОΜО)「偵察機が……?」
「その辺にしておこうか、ヒーロー」
( ОΜО)「なんだ、お前」
「なに、ちょっとしたお邪魔虫さ」
ガタンガタンガタン
( ОΜО)(電車? さっきまで止まっていたはず)
「ベストタイミングだ」
- 248 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 01:35:01 ID:CY6dXC/60
- シュウウウ...
プシュウッ
「やあっと駅着いたよー。もうトイレ行きたくってさー」
「あたしもー。……あれ、なんかすごいことになってない?」
「なんだこれ……ぐちゃぐちゃだ……」
「あそこにいるの、もしかしてモララーじゃないのか?」
「うそっ、パートナーの方、お腹がグロイことになってない!?」
「……さっきアナウンスで戦闘終わったって言ってたのに」
( ОΜО)(一般人が……封鎖されてたんじゃないのか……?)
( ОΜО)クラッ
( ОΜО)(くっ……まだダメか……)
- 249 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 01:43:02 ID:CY6dXC/60
- 「退け、ヒーロー」
( ОΜО)「お前、もしかして、ネガティブ、か?」
「さあね」
( ОΜО)「……なら、殺す」
「まさか一般人を巻き込むつもりじゃないだろうな」
( ОΜО)「……」
「ポジティブも、もう底を尽きているだろう」
( ОΜО)「どう、かな?」
「強がるな。無理をしてもいいことはない」
( ОΜО)ググッ
「動くな。今の装甲の状態なら通常の銃でも死ぬぞ」
( ОΜО)「……何、が、目的だ」
- 250 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 01:53:51 ID:CY6dXC/60
- 「この現場から大人しく立ち去ってくれればそれでいい」
( ОΜО)「そんな、ことが、きけるか」
「まさに正統派ヒーローだな。なかなか曲がらない」
( ОΜО)「当たり前、だ」
「……あまり使いたくない手段だったんだがな。おい、やってくれ」
パチン
( ОΜО)「?」
「モララーさん! ファンなんです!」
「ヒーローって初めて生で見ます!」
「サインってもらえますか?」
「こっち向いてください! 写真一緒にお願いします!」
( ОΜО)(なんだ、急に皆集まって……)
- 251 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 01:57:10 ID:CY6dXC/60
- ( ОΜО)「すみ、ません、どいて、くだ、さい」
「えー、なんでですかー?」
「いいでしょ! ね、ちょっとだけ!」
「ほらほら、はい、チーズ!」
「息子がファンでねえ! 自慢になりますよ!」
( ОΜО)「離、れて」
「二人はもらっていくぞ」
プシュゥッ
( ОΜО)「しまっ、た……!!」
- 252 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 02:05:30 ID:CY6dXC/60
- シュウウウ...
ガタンガタン ガタンガタン
グイッ
川 ゚ -゚)「よくやった、兄者」
(;´_ゝ`)「ああ、すっげ疲れたわ。連続してあんな人数操るもんじゃあねえなァ」
(‘_L’)「皆なかなか自然でしたよ。この車両も人払いは済んでいるみたいですね」
(;´_ゝ`)「ふいー。あったまいてェ。で、旦那と新人は? 死んではいねえんだろ?」
川 ゚ -゚)「ネガティブの方は気絶しているだけだ。だが、内藤くんの方は重傷だな」
(‘_L’)「致命傷ですよ。まだ心臓が動いてるのが不思議なくらいです」
- 253 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 02:14:54 ID:CY6dXC/60
- ピピピピピピピ
(‘_L’)】「私です。状況を」
( ´_ゝ`)「あーらら、ドテッ腹に大穴開いてやんの」
川 ゚ -゚)「どれ。ふむ」
( ´_ゝ`)「綺麗に真ん丸な穴だな。傷って感じじゃあねェ」
(‘_L’)】「……なるほど、分かりました。では」
川 ゚ -゚)「潜入工作員からか。どうもこれは完全に消滅しているらしいな?」
(‘_L’)「ヒーローのポジティブを流し込まれたようです」
(;´_ゝ`)「げえ! ぜってえやられたくねェ!」
川 ゚ -゚)「この感覚からするとネガティブがもうないな」
(‘_L’)「ええ、中和された分と最後の攻撃の際に使い切ったようです」
- 254 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 02:24:41 ID:CY6dXC/60
- ( ´_ゝ`)「このままだとちゃんとネガティブ堕ちできねえんだろ?」
(‘_L’)「それ相応にネガティブが充足していないとただ死ぬだけですからね」
川 ゚ -゚)「生命活動が停止しかけているからネガティブの注入もできない、か」
( ´_ゝ`)「……すっと、アレをやるのか。リーダー」
川 ゚ -゚)「まあ、それしかないな」
(‘_L’)「麻酔は? とりあえず持ってきてはいますが」
川 ゚ -゚)「いらない。それが効いてくる前に内藤くんが死んでしまう」
( ´_ゝ`)「うへえ、俺あっち行ってていい? あんまり得意じゃないんだよ、アレ」
(‘_L’)「それでは、弟者さんに連絡を。情報が拡散する前に」
( ´_ゝ`)「あいあい。じゃあ終わったら声かけてくれィ」
- 255 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 02:33:37 ID:CY6dXC/60
- 川 ゚ -゚)「さて、やるか」
(‘_L’)「それではナイフを」
川 ゚ -゚)「ああ。よし」
ザクッ ブシュッ
川;゚ -゚)「ふうっ!!」
ミチミチッ グチュ
ズルゥッ
ザク ザク ブチィッ
(‘_L’)「リーダー、大丈夫ですか?」
川;゚ -゚)「問題、ない……。さあ、早く、私の臓器を、内藤くんに……」
(‘_L’)「分かりました。こちらにネガティブ溶液を置いておきます」
川;゚ -゚)「ああ……。悪い、な……」
(‘_L’)「王、失礼します」
ヌチ ブチュル ブチュ
ドロリ
(‘_L’)「……うまく収まってくれましたね」
- 256 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 02:45:54 ID:CY6dXC/60
- (‘_L’)「リーダー」
川;゚ -゚)「……終わったか? 皮膚の再生は?」
(‘_L’)「ネガティブを塗布しておいたので、じきに。後は人間の医師に預けて問題ないでしょう」
川;゚ -゚)「分かった。……ふう。やはり何度やっても慣れないな」
(‘_L’)「切腹だなんて、慣れるものでもないでしょう」
「終わったかァ?」
(‘_L’)「もう大丈夫ですよ」
( ´_ゝ`)「弟者の方も仕事終わったってよ。あとは国の方がもみ消し頑張るだろ」
川;゚ -゚)「そうか。では、私の体の再生が終わったら内藤くんを送り届けよう」
(‘_L’)「あと三駅くらいかかりますかね」
川;゚ -゚)「一駅で充分だ」
( ´_ゝ`)「その体してりゃ長生きするわな……」
- 257 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 02:51:08 ID:CY6dXC/60
- ガチャッ バタン
(∩ОΜО)「……」
( ・∀・)「ふう……」
つ( ОΜО)
( ・∀・)「スーツが、重いな……」
バチン ガチャガチャ
ガチャン
( ・∀・)「……くそっ」
「モララー、あなたは今回もよくやりました」
( ・∀・)「結局ネガティブを二匹も逃した。邪魔さえ入らなければ……!」
「あの戦闘をこなしてまだ生きている。それだけでも素晴らしいことです」
(#・∀・)「勝たなきゃ意味がないんだ!」
- 258 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 02:57:19 ID:CY6dXC/60
- 「次こそ勝てばいい」
( ・∀・)「……足りない。まだ力が足りない」
「ほう」
( ・∀・)ビキッ
(;・∀・)「う、ああ!! 頭、が!!」
「ポジティブの結晶をもうひとつ渡しましょう。楽になるはずです」
シュン
コロッ
(;・∀・)「結晶!!」ガバッ
「さあ、早く胸にそれを」
(;・∀・)
つと グッ
カッ
- 259 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 03:01:39 ID:CY6dXC/60
- ( ・∀・)スゥッ...
「どうですか」
( ・∀・)「……痛みが消えた。力も戻ってきた」
「そうでしょう。ポジティブは素晴らしいものです」
( ・∀・)「僕は、この力を信じていいんだな」
「ええ、もちろん。当然です」
( ・∀・)「……」
「どうしました」
( ・∀・)「お前はどうして僕に協力する」
- 260 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 03:07:47 ID:CY6dXC/60
- 「正義の味方に組することは不思議なことでしょうか」
( ・∀・)「なんの見返りを求めているのか、と訊いている」
「何も。私はただあなたを助けたいだけです」
( ・∀・)「……僕はお前を信用したわけじゃない」
「ええ、そうでしょう」
( ・∀・)「だが、利用はさせてもらう」
「そういうことは口に出さずともよいことです」
( ・∀・)「……」
「そうだ、今回の件でポジティブの力が解放され、ちょっとしたことができるようになりました」
( ・∀・)「何がだ?」
「あなたに対するご褒美ですよ」
- 261 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 03:15:14 ID:CY6dXC/60
- 「では、今からそちらに送ります」
シュン スタッ スタッ
( ・∀・)(なんだ? 人間が二人。男と女みたいだ……)
「連レテ、来たゾ」
( ・∀・)(男の方は機械の音声……。包帯で顔が分からない)
( ・∀・)(女の方もフードで顔を隠してる。一体誰だ?)
「少しダケだガ、二人で過ゴスといい」
( ・∀・)「あ、おい」
シュン
( ・∀・)「消えた……」
「……」
( ・∀・)「お前は――」
ファサッ
(;・∀・)「!」
- 262 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 03:22:25 ID:CY6dXC/60
- 「彼女は記憶はおろか、言葉も取り戻していません」
( ・∀・)「あ、あ、あ」
「元通りになるまでまだまだ時間はかかります」
( ・∀・)「そんな、嘘だ」
「奇跡の力のおかげです。現実のことなんですよ」
( ・∀・)「奇跡」
「あまり長くはそちらに留まれませんが、そのうち時間も伸ばせるでしょう」
( ・∀・)「……」
「さあ、せめて名前を呼んであげてください」
- 263 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 03:25:01 ID:CY6dXC/60
「本当に君なんだね?」
イ从゚ ー゚ノi、
「……ココ」
.
- 279 名前:名も無きAAのようです :2014/01/20(月) 16:16:58 ID:KtvOuPck0
- かいせつ
・( ´ω`)
内藤ホライゾン ブーン
すごいうつの人 急速に希死念慮が具体化、ついに自身も暴走
・ξ゚听)ξ
ツン
すごい絶句の人 おいおいちゃんとオペレーティングしろよ
・( ´∀`)
モナー所長
すごい昔話の人 ちょっとだけ吐血の人にもなってる
・从 ゚∀从
高岡
すごい夢見がちな人だった何か 音楽グループDDRのファン
・( ・∀・)
モララー
すごい正義の人 文字通りポジティブの塊になりつつある
・川 ゚ -゚)
クー
すごい長寿の人だった何か 臓物ブッチブチ☆
・(‘_L’)
フィレンクト
すごい研究所員だった何か 今回は何はなくともバイクとして活躍
・( ´_ゝ`)
兄者
すごい双子の片割れだった何か 能力については語られている通り
_
・( ゚∀゚)
未だ名前の出ていないネガティブラー
すごい鉄砲玉に使われた何か みんな! せーの! ジャバウォック乙!
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