- 191 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 01:52:28 ID:uoYihDRM0
- ( ´ω`)ぱちり
( ´ω`)「んあ、ふう」
( ´ω`)「……視界がぐらつく」
( ´ω`)「効きすぎなのかお。眠剤」
( ´ω`)「階段、気を付けないと」
( ´ω`)「……トイレに下りてる途中でコケて死んだらたまったもんじゃねえ」
( ´ω`)「あ、やべ、立って小便するの辛い。座ってしなきゃ」
( ´ω`)「……情けねえお」
( ´ω`)「ところで今何時だ」
じゃあああ
( ´ω`)「……新聞配達の音が聞こえるってことは三時頃か」
( ´ω`)「……大して寝れてねえでやんの」
- 192 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 01:57:16 ID:uoYihDRM0
- ( ´ω`)「そもそもから、眠剤投入時間が早すぎたんだな」
( ´ω`)「……あ、いや。コーヒーも飲んだからかな」
( ´ω`)「……要、調整か」
( ´ω`)「しかし腹減ったな。こないだ買った鍋焼きうどんでも食うか」
( ´ω`)「どれ……水300mlを沸騰させて」
( ´ω`)「麺をほぐしながら煮込み」
( ´ω`)「タレを加え、また煮込み」
( ´ω`)「卵を落として贅沢にいただく、か」
( ´ω`)
( ´ω`)「カップめんにしとこ」
( ´ω`)「ビール、ビール、ビールはどこだ」
( ´ω`)「お、500ml缶がラスト一本だ」
( ´ω`)「ありがたやありがたや」
- 194 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 02:05:08 ID:uoYihDRM0
- ( ´ω`)「カレーヌードルにチーズぶちこんで、お湯は少な目、待ち時間長め」
( ´ω`)「……」
( ´ω`)「ちょっとダルダルくらいが美味いんだお」
ヴヴヴヴヴ
( ´ω`)
( ´ω`)つ日 ぴっ
( ´ω`)】「こんな時間に何よモナーさん」
『あ、ホライゾンさんだぁ! こんばんはー!』
( ´ω`)】「おう、なんでこの通信機持ってんの」
『えへへ、くすねた』
( ´ω`)】「……ああ、まあ危害ってほどじゃないから許す」
『それでホライゾンさんは何してるんです?』
( ´ω`)】「何って……。夜食作ってるけど」
『ずるい! ずるいですよぉ! 私もお腹空いてるのに!』
( ´ω`)】「疑問だったんだけど、お前らの食事って何が必要なの」
『多分人間とあんまり変わらないですよぉ。あとはちょっとばかしネガティブのエネルギー摂取できれば』
( ´ω`)】「へえ。ネガティブって餌でもあるのか」
『餌じゃなくってご飯と言ってください!』
「ホライゾン、起きてるの?」
(´ω` )「夜食食べてる」
( ´ω`)】「それで、なんか用なのか」
- 195 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 02:10:51 ID:uoYihDRM0
- 『ね、ね、ちょっとこれからデートしません?』
( ´ω`)】「ええー」
『私たちネガティブの本領は深夜にあるじゃないですか!』
( ´ω`)】「なんか勘違いしてない。僕はネガティブじゃない」
『えっ、あの変身した姿、完璧にネガティブに染まってましたよ?』
( ´ω`)】
( ´ω`)】「マジで」
『マジマジ』
( ´ω`)】「……ショック」
『凹まない凹まない。私としてはちょっとその方が嬉しかったりなんかしちゃったりして』
( ´ω`)】「人外にゃ興味ねえよ」
『だぁかぁらぁ、ホライゾンさんも既に人間じゃ――』
『見つけたぞネガティブ娘! 通信機返せ!!』
『おっといっけない、じゃあ切りまーす!!』
( ´ω`)】「おう」
( ´ω`)「割と微妙な気分だなおい」
( ´ω`)「あ、カップめん放置し過ぎた」
- 196 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 02:18:09 ID:uoYihDRM0
- ξ゚听)ξ「戦闘データを見せてくれって?」
( ´ω`)「うん」
ξ゚听)ξ「いいわよ。資料室に来てくれる?」
( ´ω`)「分かった」
ξ゚听)ξ「珍しいわね、アンタからここに目的を持ってくるなんて」
( ´ω`)「気まぐれだお」
ξ゚听)ξ「ふうん……。着いたわ」
プシュゥ
ξ゚听)ξ「映像確認するのはそっちのドア入ったとこね。私はデータ引っ張ってくるから」
( ´ω`)「よろしく」
「ブーン、ちゃんと薬飲んでる?」
( ´ω`)「きちんと飲んでるお。もちろん」
「そう、それならよかった。今飲んでる薬は、ちょっとずつ効果が出るものだから、焦らないのよ」
( ´ω`)「お医者にも言われたお。玉ねぎの皮を剥くように、少しずつってヤツね」
「そうそ。だからじっくり付き合っていきましょ。よし、データ読み込み完了。プロジェクタ起動するわね」
( ´ω`)「……」
( ◎н◎)
( ●w●)
( ´ω`)「……これ、マジで僕なのかお」
- 197 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 02:25:13 ID:uoYihDRM0
- ( ´ω`)「この姿は……。ネガティブよりも怪物っぽいおね」
ξ゚听)ξ「アンタの強力過ぎるネガティブが、装甲の構成ネガティブに作用してるみたい」
( ´ω`)「それにしても、まさにヒーローでなはい存在に見える」
ξ゚听)ξ「……ブーン」
( ´ω`)「中二病完治した身としちゃ、見てて何の感慨も湧かないな」
ξ゚听)ξ「そう……」
从 ゚∀从「おっほ、ホライゾンさんいた!! なぁにしてるんですか?」
( ´ω`)「別になんでもねえよ」
ξ゚听)ξ「ブーン、あの」
从 ゚∀从「モナー所長のお茶菓子食べたら、まぁたプンスコし始めたんですよぉ。ちょっと匿ってくださいなっ」
ξ゚听)ξ「……」
( ´ω`)「ほれ、この机の下に隠れてろ」
- 198 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 02:26:43 ID:uoYihDRM0
ξ゚听)ξ「……」
ξ゚听)ξ「……ブーン。アンタは、ヒーローだよ」
ξ゚听)ξ「誰よりも、ずっと、頑張ってる……」
.
- 199 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 02:38:00 ID:OE50ZFmU0
- ( ´ω`)「あーもう、まとわりつくな、高岡」
从*゚∀从「えっへっへ。ご主人様には付き従うのが下僕の役目」
( ´ω`)「別にそういうつもりで言ったわけじゃない」
从*゚∀从「きっとホライゾンさんは、私たちネガティブの救世主になるんじゃないかと思ってますから」
( ´ω`)「そっちを駆逐するのが僕の役目。何で王様にならないかんのよ」
从 ゚∀从「またまたぁ、圧倒的な精神力、耐久力、破壊力、どれを取っても一級品なのに、謙遜しちゃってえ」
( ´ω`)「ああ、もういいよそれで。めんどい」
( ´∀`)
从 ゚∀从
(#´∀`)「モナの大切にとっておいたとらやの羊羹、食ったな?」
从 ゚∀从「……」
川д川 シュバッ
(#´∀`)「テメーこのままコンクリ詰めにしてやってもいいんだぞ!」
( ´ω`)「元気なことで」
- 200 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 02:42:34 ID:OE50ZFmU0
- ( ´ω`)「帰ろう……。今日こそは眠剤でちゃんと眠るんだ……」
ξ゚听)ξ「ブーン、ごめん。今日は高岡ちゃんの実験があるから送れないんだ」
( ´ω`)「代わりの車出してくれるか」
ξ゚听)ξ「うん、すぐに連絡する」
「このくそネガティブがあああ!!」
「お菓子くらいでそこまで怒らなくってもいいじゃないですかぁ!!」
「モナの楽しみを奪ったてめえだけは許さん!!」
( ´ω`)「うるっせえ」
ξ゚听)ξ「すぐに来るらしいわ。ラウンジで待ってて」
( ´ω`)「ん」
- 201 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 02:47:07 ID:OE50ZFmU0
- バタン
( ´ω`)「よろしくお願いするお」
「あなたが最新鋭のパワードスーツを着ている、内藤さんですか?」
( ´ω`)「そうだけど」
「こんな風にしてお話できるとは光栄です」
( ´ω`)「そんな畏まられると困る。別に誰かのためにやってるわけじゃないし」
「あなたの正義の原動力はなんですか?」
( ´ω`)「正義とかそういうので動いてるわけでもない」
「そう、ですか……」
( ´ω`)「あの」
「はい」
( ´ω`)「お喋りすると疲れるんで黙ってていいかお」
「……失礼しました」
ブロロロロロ
- 202 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 02:53:36 ID:OE50ZFmU0
- ( ´ω`)(ん)
「……」
( ´ω`)(こんな道通った覚えないぞ)
「……」
( ´ω`)(……)
ヴヴヴヴ
( ´ω`)
つ日
【ツン:その運転手は危険】
( ´ω`)「降りる」
「……そういうわけにも、いかないんですよ」
( ´ω`)「じゃあ、無理にでも降りる」
- 203 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 02:58:02 ID:OE50ZFmU0
- 「!?」
バタン
ドッサ
ゴロゴロゴロゴロ
(メ´ω`)「いててて」
「この速度の車から飛び降りるなんて正気じゃない!」
(メ´ω`)「あんた、もしかしていい人か」
「……ッ。そんなことは」
『ブーン、運転を頼んでた研究員が殺されていたわ! その人は、否、それは――』
(メ´ω`)】「――ネガティブ。それも、理性が確立された」
『人間の中に溶け込んで、アンタを殺す機会を伺っていた……!』
「いくつか、勘違いなさっている。まずは、指折り数えましょう……」
(メ´ω`)「……」
- 204 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 03:05:02 ID:OE50ZFmU0
- 「私は、あなたを殺したいわけではない」
(メ´ω`)「その証拠は」
「殺すつもりなら車に乗った時、運転している時、そして今現在、既に手を出しています」
(メ´ω`)「ほう」
「第二に、あなたと争うつもりでもない」
(メ´ω`)「……」
「私は、自動車事故で自殺したネガティブ。能力は、エンジンを搭載した乗り物との融合」
(メ´ω`)「それを明らかにしたところで信用に足るものでもない……」
「ごもっとも。ですから、話を進めるためにこうしましょう」
ヒュカッ
ザクン
『何が起きているの、ブーン!?』
(メ´ω`)「ネガティブが、車を破壊した」
「これ私は唯一の武器を失った。これで話を聞いていただけますか」
- 205 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 03:13:59 ID:OE50ZFmU0
- (メ´ω`)「話をしたいだけか」
「ええ、今のところは」
(メ´ω`)「ふむ……」
(メ´ω`)「よっこい、せ」
「腰を据えて話を聞いてくださるのですね?」
(メ´ω`)「こちとら最近統合失調症もやってることが判明してんだ。長時間は座ってられないぞ」
「ありがとうございます」
(メ´ω`)「で」
「では、自己紹介から」
(‘_L’)「私は、ネガティブ・フィレンクトです。研究員の中にスパイとして送り込まれました」
(メ´ω`)「スパイ」
(‘_L’)「ええ。私は、ずっとモナー所長とネガティブスーツの開発に携わってきました」
(メ´ω`)「腹心が裏切り者だと知ったら、モナーさんショック死するな」
(‘_L’)「私を送ったのは、理性あるネガティブの組織、『ディストピア』」
(メ´ω`)「破滅的な世界を作ろうって空気満々じゃねえか」
- 206 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 03:21:40 ID:OE50ZFmU0
- (‘_L’)「あなたには、もう一つの世界を知っていただきたい」
(メ´ω`)「もう一つの世界」
(‘_L’)「一度は生を捨てた者たちの、新たな生を受けた者たちの、新人類としての世界です」
(メ´ω`)「自分たちでユートピア作ろうってんならまだいいけど、お前らの理想ははなっからディストピアだろ。やだよそんな世界」
(‘_L’)「……世界的なエネルギーの総量は、ネガティブの方が勝っている」
(メ´ω`)「そうらしいな」
(‘_L’)「希望の数だけ、失望は増える、とはよく言ったものです」
(メ´ω`)「ミスチル、だっけ」
(‘_L’)「その歌の後半部分は納得いきませんが、私はこう思うのですよ」
(‘_L’)「希望よりも先に失望が立ち、そして、浅はかな希望がゆえ、失望はより育つ」
(メ´ω`)「ネガティブらしいねえ」
- 207 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 03:29:43 ID:OE50ZFmU0
- (メ´ω`)「僕がこれ以上暗い世界を知ってどうすんの。現状かなり暗澹たる世界生きてるんだけど」
(‘_L’)「あなたには、王になっていただきたい」
(メ´ω`)「はあ……。突拍子もねえ」
(メ´ω`)「さっきも研究所で言われたけど、そういうのって今時寒いぞ」
从 >∀从 へくちっ
(‘_L’)「私たちは大真面目ですよ」
(メ´ω`)「真面目かどうかは知らん」
(‘_L’)「どうか、私に着いてきてくださいませんか」
(メ´ω`)「僕、帰りたいって言ったよね……」
(‘_L’)「……必ず、あなたをご自宅にお連れします。少し、少しだけでいいのです」
- 208 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 03:36:17 ID:OE50ZFmU0
- (‘_L’)「どうか」
(メ´ω`)「……」
(メ´ω`)「見るだけな」
(‘_L’)「おお!!」
(メ´ω`)「でも忘れるなよ」
(‘_L’)「?」
(メ´ω`)「お前、研究所の人間一人殺してるんだからな」
(‘_L’)「……ええ」
(メ´ω`)「その重さ、ネガティブになったら分からなくなるかもしれないけど、忘れるな。僕は、許さんからな」
『――ブーン、ブーン!! 返事して!! ブーン!!』
(メ´ω`)「いっけね通話しっぱなしだった」
『ブーン!? ああ、よかった、心配したんだから!!』
(メ´ω`)】「うん。ちょっと用事できたから、少しの間連絡受けられない」
『どういうこと?』
(メ´ω`)】「死んだら、ごめんお」
『何言ってんのよ、ブーン。詳しく話しなさ――』
(‘_L’)「いいのですか、そんな風に会話を切って」
- 209 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 03:41:55 ID:OE50ZFmU0
- (メ´ω`)「いいんだお。僕らはまあ、そんな関係だから」
(‘_L’)「……そうですか。さて、代わりの足を呼びました。すぐ到着することでしょう」
(メ´ω`)「あー、水持ってないか」
(‘_L’)「いえ、残念ながら」
(メ´ω`)「水無しで錠剤飲めるかな……」
(‘_L’)「喉、痛めますよ」
(メ´ω`)「でも飲まないと不安が」
バララララララ
(メ´ω`)「ヘリか」
(‘_L’)「車よりも早いですから」
- 210 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 03:49:20 ID:OE50ZFmU0
- (‘_L’)「内藤さん。あなたは、どうして自殺しないのですか」
(メ´ω`)「……死ねと言わんばかりの質問だな」
(‘_L’)「不思議なのですよ。我々からしたら、充分にネガティブ堕ちしているほどのネガティブエネルギーに満ちているのに」
(メ´ω`)「知らん。そもそも自分のことしか興味なかったから、周りと比べられると不愉快だ」
(‘_L’)「……それは失敬」
(メ´ω`)「第一、僕は今うつ治療中なんだよ」
(‘_L’)「えっ」
(メ´ω`)「えっ」
(;‘_L’)「もももも、勿体ない! あなたほどの資質を持っていながら、才能をなくしてしまうなんて!!」
(メ´ω`)「他にもいんだろ、これくらいどうしようもないうつ病人」
(;‘_L’)「いませんよ!!」
(メ´ω`)「うそこけ。どうせ都合いいとこに僕がいるから持ち上げてる――落としてる? だけだろ」
(;‘_L’)「あなたほど、黒く、難解で、手が付けられない状況の精神を抑え込めている人間なんて、いません!!」
(メ´ω`)「力説されるともっとうつになる……」
- 211 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 03:58:09 ID:OE50ZFmU0
- ( ´_ゝ`)「内藤の旦那を連れてくるのに成功したのか」
(´<_` )「大手柄だな、フィレンクト」
(メ´ω`)「……」
(‘_L’)「内藤さん、そんな緊張しなくていいですよ。きさくな人……ネガティブ達ですから」
(メ´ω`)「……」
( ´_ゝ`)「王様候補は随分無口なんだな」
(´<_` )「まあ時に待て、兄者。警戒するのも仕方のないことだ。だな? 王様」
(メ´ω`)「ひとつ」
( ´_ゝ`)「?」(´<_` )
(メ´ω`)「水くれないかお。さっき錠剤飲み損ねて」
(‘_L’)「ああ、そうでした」
- 212 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 04:05:07 ID:OE50ZFmU0
- (メ´ω`)「助かった」
( ´_ゝ`)「敵地に一人で連れてこられて、最初の一言目がそれかwww」
(´<_` )「なかなか肝が据わってるなwww」
(‘_L’)「食事も用意しましょうか」
(メ´ω`)「……人肉とかじゃないよね」
( ´_ゝ`)「元は人間だぜ? そんなもの好んで食うわけないだろ」
(´<_` )「俺たちの場合、食べる物は生前と変わらないさ。ただ、ちょっとスパイスは必要だけどな」
(‘_L’)「適量のネガティブ。これを経口摂取することで、我々は体を維持しています」
(メ´ω`)「このワイングラスに入ってるタールみたいなのがそうかお」
(‘_L’)「高岡を研究して分かったことを聞いていませんか?」
(メ´ω`)「僕にゃ関係のないことだから」
( ´_ゝ`)「おいおい、冷たいぜ、旦那ァ。俺たちは兄弟も同然だろ?」
(´<_` )「兄弟のことをそんな無下に扱うもんじゃあない、さ」
(メ´ω`)「だぁれが兄弟か」
- 213 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 04:10:18 ID:OE50ZFmU0
- (メ´ω`)「あー、なんか、やっぱり味しねえ」
(‘_L’)「実は、私たちもです」
( ´_ゝ`)「でも、形式だけでもきちんと食事をしないとな」
(メ´ω`)「なんで。ネガティブ摂ってりゃ充分なんじゃないの」
(´<_` )「人間だったことを忘れないために、どうしても必要なんだ」
(メ´ω`)「よくわからん」
(‘_L’)「私は言いましたね。理性を保ったネガティブである、と」
(メ´ω`)「うん」
(‘_L’)「それは、即ち、人間であった頃の心を持ち続けることが大切なのですよ」
(メ´ω`)
(メ´ω`)「お前ら器用なことしてんなあ」
( ´_ゝ`)「流石だろ」
(´<_` )「俺たち」
- 214 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 04:15:15 ID:OE50ZFmU0
- (メ´ω`)「ふう……。さて」
(メ´ω`)「いい加減、このアジトの裏の顔見せてもらおうか」
( ´_ゝ`)「……」(´<_` )
( ´_ゝ`)「鋭いなあ、王様候補は」
(´<_` )「王様なんだから、当然かもな」
(‘_L’)「ここから先は、少しショッキングかもしれませんね」
(メ´ω`)「いいから早く案内しろ」
ギィィィ
(‘_L’)「……こちらへ」
(メ´ω`)「ん」
( ´_ゝ`)「旦那ァ、足元暗いから気ィつけてなァ」
(´<_` )「俺たちはバックギャモンでもするか……」
- 215 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 04:19:46 ID:OE50ZFmU0
- (メ´ω`)「地下にこんな空洞を作っていたのかお」
(‘_L’)「私が重機と融合して、少しずつ掘りました」
(メ´ω`)「へえ」
「死にたい……死にたい……死にたい……」
「殺してくれえ……」
「うあ、うわあああ……虫が! 虫が体の中にィィィ!!」
(メ´ω`)「……何人ここに収容されてる」
(‘_L’)「延べ39人」
(メ´ω`)「声から察するに、老若男女問わずって感じだな」
(‘_L’)「全員が自殺志願者、あるいは生への執着を失った者、です」
(メ´ω`)「……」
(‘_L’)「彼らを治療する有効な手段は今、ない」
- 216 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 04:28:06 ID:OE50ZFmU0
- (‘_L’)「死にたい、殺して欲しい、自分が生きてるのか分からない」
(‘_L’)「そんな人々をここに収容して、私たちは管理している」
(メ´ω`)「次期ネガティブとして発生させるためかお」
(‘_L’)「ええ」
(メ´ω`)「そして、さっきの双子みたいに、人間らしさを持ったネガティブにする」
(‘_L’)「その通り」
(メ´ω`)「……」
(‘_L’)「現代社会の生み出した闇を、私たちは利用する。新人類を生み出す糧として、暗黒の時代を利用する」
(メ´ω`)「こないだ言ったんだけどさ」
(‘_L’)「そう、我々こそが、世界を統べるに――はい?」
(メ´ω`)「お前ら結構考え方はポジティブだよな」
(‘_L’)「……ポジティブ?」
(メ´ω`)「いや、だって僕みたいに引きこもって独りでうじうじしてるわけでもなく、仲間もいて、崇高な理念もあってさ」
(メ´ω`)「はあ……。正直健全で羨ましいよ……」
- 217 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 04:34:54 ID:OE50ZFmU0
- (‘_L’)「ですから、あなたのような王を迎え入れ、完全な世界を!」
(メ´ω`)「無理。僕チームプレイとか向いてないから」
(;‘_L’)「私たちよりよっぽどネガティブレベルが高い……!」
(メ´ω`)「あと責任ある役職とかも無理。プレシャーに耐えられない」
(;‘_L’)「もちろん私たちが補佐します」
(メ´ω`)「部下従えるとかも無理。だってほら、僕見るからに人望ないから」
(;‘_L’)「ええええ」
( ´_ゝ`)「話は付いたか、フィレンクトォ」
(´<_` )「……その様子だとご破談って感じだな」
(メ´ω`)「ご飯ご馳走さん。帰る」
(;‘_L’)「ネガティブが世界を覆い尽くすのは時間の問題なんですよ! そのトップになれるのは、あなたしか――」
(メ´ω`)「……」
(メ w●)「帰るっつってんだろ」
ずずずず
- 218 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 04:39:08 ID:OE50ZFmU0
ビリビリ
(メ w●)
ビリビリ
(;´_ゝ`)(さっきと雰囲気がまるで変った……!!)
(´<_`;)(ネガティブスーツ無しでここまでになるとは聞いてないぞ!!)
(;‘_L’)(これこそ、我らの王の資質!! なのに、彼は――!!)
ビリビリ
(メ w●)「二度、言わせる気か」
ビリビリ
.
- 219 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 04:44:26 ID:OE50ZFmU0
- ( ´ω`)「ただいま、母さん」
「おかえりホライゾン。ぜんざい食べる?」
( ´ω`)「食べる……」
「ホライゾン、新しい職、どうするの?」
( ´ω`)「ん」
ずずずず
( ´ω`)「今日ヘッドハンティングされてきた」
「えっ!! それはすごいじゃない!! 何をする会社なの!?」
( ´ω`)「……人材育成」
「母さんよくわかんないけど、応援してるからね!」
( ´ω`)「でも、条件がよくなかったから蹴った」
「……そう、なの」
( ´ω`)「……ごめんお。バイトはしてるから、二万ずつくらいは入れるお」
「うん、年金や奨学金返すのもあるから、あんまり無理しなくていいよ」
( ´ω`)「……ん」
- 220 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 04:49:36 ID:OE50ZFmU0
- (∩´ω`)「あ、傷治ってる」
( ´ω`)「なんかしたっけ……」
( ´ω`)「ネガティブを飲んだから……。とは考えたくないな」
( ´ω`)「でもあれくらいしか思い当たることないしな……」
( ´ω`)「ん」
つ日
【着信履歴:19件】
::( ´ω`)::「こえええええ、着信履歴ちゃんと見るのこええええ」
( ´ω`)「仕事、仕事じゃないし……。あれは依頼受けてやってる、派遣のバイトみたいなもんだし……。怒られても、いいし……」
( ´ω`)
( ´ω`)「こええええええ……」
( ´ω`)「通信機壊しちゃったんだよね、っていうのは通用しないかな……」
- 221 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 04:55:26 ID:OE50ZFmU0
- ( ´ω`)「眠剤飲んで寝てから考えよう……」
( ´ω`)「はあ……」
( ´ω`)「実に……」
( ´ω`)「うつだお……」
ξ゚听)ξそわそわ
そわそわξ゚听)ξ
そわξ゚听)ξそわ
从 ゚∀从「お姉さん、ツンお姉さん、落ち着いてよ。ホライゾンさんなら大丈夫だって。あんなに強いんだから」
ξ゚听)ξ「だって、死んだらごめん、って。死んだら、って」
从 ゚∀从「いっつも死ぬ死ぬ言ってるじゃないの。気にしないー」
( ´∀`)「通信機をGPSで追ってたけど、一時通信障害あった後はきちんと自宅に帰ったみたいモナ」
ξ゚听)ξ「本当ですか!?」
ξ;--)ξ「よかった……」
从 ゚∀从「だから大丈夫っていったじゃないのよ」
- 222 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 05:01:12 ID:OE50ZFmU0
- ξ゚听)ξ「明日、家に行ってとっちめてやらないと」
从 ゚∀从「私も行くぅ!!」
(#´∀`)「ネガティブが調子に乗るなモナ!!」
ξ゚听)ξ「高岡ちゃんは待ってて。簀巻きにして連れてくるから」
从*゚∀从「ホライゾンさん!」
ξ゚听)ξ「そう、ブーンを――」
( ◎н◎)
ξ゚听)ξ「……ネガティブスーツ?」
( ´∀`)「モナ? 誰が着ているモナ?」
从*゚∀从「ホライゾンさんの匂いがする!」
( ◎н◎)「〜〜〜〜〜」
ドッゴォオン
- 226 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 05:12:01 ID:OE50ZFmU0
- かいせつ
・( ´ω`)
内藤ホライゾン ブーン
すごいうつの人 すごい王様の卵
・ξ゚听)ξ
ツン
すごい解説の人 今回も解説らしい解説はほとんどしてない
・( ´∀`)
モナー所長
すごい羊羹の人 とらやの羊羹も好きだけどコンビニのちっちゃいヤツも好き
・川д川→从 ゚∀从
高岡
すごい夢見がちな人だった何か 研究職員に最近人気
・(‘_L’)
フィレンクト
すごい礼節の人だった何か エンジン付きの乗り物と合体できる
・( ´_ゝ`)(´<_` )
兄者 弟者
すごい兄弟の人だった何か
・統合失調症
発症のプロセスによっていくつか種類がある。
よくコピペでもネタにされる、妄想癖が有名だが、本物はもう少し激しいものもある。
被害妄想。たとえば、ファミレスで三人で食事をしている時、
自分がトイレに立った間に悪口を言われているのではないか、というのは序の口。
もっとすごいのになると、隣の家の人間は秘密結社のなんたらだ、自分を殺しに来るに違いない、とか言い出したりする。
精神分裂病とか呼ばれていた時期もあるが、今はあまり一般的ではない。
ちなみに、言われてもないと思ったことは気にしないのが一番。薬にも頼って、まずは深呼吸しよう。
- 232 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 06:06:53 ID:OE50ZFmU0
- かいせつ2
・( ◎н◎)
ネガティブスーツ 原型
すごい普通のスーツ ネガティブ装甲がなされている
・( ●w●)
ネガティブスーツ 変型
すごい陰鬱なスーツ ネガティブ因子があふれている
・川д川
高岡鉄壁モード
すごい強固なモード 高質化した髪の毛のガードなのでネガティブが効かない
・('A`)
忘れ去られた内藤の親友
えっと、なんだっけ、こいつの名前
・母さん
内藤なにがし 名前は定かではない
最近息子の将来が不安で不眠症になっている
・親父
内藤なにがし 名前は定かではない
長男ホライゾンは見限られているように感じている
- 235 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 09:57:26 ID:4X/Inq2c0
- わいせつ
・( ´ω`)
大学時代、飲み会で向かいに座った女の子が脚を伸ばしてきたから
冗談のつもりで足を掴んでくすぐったら、皆に内緒で付き合ってたその子の彼氏(先輩)に睨まれた
三か月ほど口を聞いてもらえなかった ストレスで帯状疱疹出した
・ξ゚听)ξ
高校時代に付き合って欲しいと言われた男子に迫られてキスされた
あと、路上で「頭に虫がついてる。ちょっと止まって」と言われてキスされた
どちらもそのあとショックで泣いた ファーストキスではなかったけど
・( ´∀`)
小学生の姪が膝に乗ってくる度に勃起しそうになる
でも理性が強い人間なのでこれからも何もすることはないだろう
割とちゃんとした大人なのだ 割とちゃんとしてるのか、ホントに
・('A`)
実は美人の彼女がいる しかも性欲強め
だから逆に困るくらい求められることがある
内藤とも会ったことのある女性で、何回も羨ま死刑パンチを受けていた
・从 ゚∀从
高校生の頃に付き合いだした既婚者の男性に色々と教わった
色々だよ、詳しく言わせんなよ
まさにわいせつな行為だからここじゃ言えないよ
・(‘_L’)
ゲスなことはしたことがない
慎ましい人物だった
ネガティブになってからもそれは変わらない
・( ´_ゝ`)(´<_` )
小学生時代、女教員に手ほどきを受け
中学生時代、同級生に手ほどきをして
高校生時代、他校生をはべらしていた
ただれた生活が原因でネガティブになるが、それはまた後のお話
- 236 名前:名も無きAAのようです :2014/01/09(木) 10:14:30 ID:4X/Inq2c0
- たいせつ
・( ´ω`)
昔買ってもらったビーダマン(ファイティングフェニックス)
思い出せない何かの思い出
白鶴まる
・ξ゚听)ξ
プレゼントされたリボン
ファーストキスの思い出
健康な心身
・( ´∀`)
研究所の皆
これまでの研究生活
羊羹
・从 ゚∀从
高岡という今の名前
付き合っていた男性との記憶(大部分は曖昧)
内藤ホライゾン
・('A`)
誰かは思い出せないが、親友がいたということだけは覚えている
親友……
誰、だっけ……
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