98 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:11:17 ID:ud4XbDsQ0
第四話「ハイウェイ・ピストルズ B」



( ´∀`)┏━「……」

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……」



睨み合っていた。
敵の、手の内が見えない限りは無暗に突っ込めない。

更に、今のジョルジュは両足にダメージを負っている。
まともな移動方法は、キャッチ・ザ・ハンドの吸引によるもののみ。

直線移動しか出来ない以上は、出方を待つより他はない。


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(見たことはねえけど……銃弾のスピードは実際の銃よりは遅いはず。
         詳しくはないが……速度は200m/毎秒程度だっけか?
         この距離なら、0,1秒レベルで着弾すんだろ。
          いくらなんでも、そこまで速いよーには思えねえ)


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(俺が今抱えている問題は『二つ』だ。
         一つは『通常弾に混じって追尾弾があること』
          二つ目は『重たい身体のくせに、素早い移動が出来ること』)

99 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:14:36 ID:ud4XbDsQ0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(前者は、もうとにかく看破するしかねえな。
         ひっかかるのは後者だ。あのスタンド銃が、高速移動を生み出す能力なのか?
         違うはずだ。それじゃ能力と性能がかみ合わな過ぎだろ)


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(ってことは、絶対何か『理由』があるはずなんだ。それを見つけ出したいんだが……)



( ´∀`)┏━「……どうしたモナ。血を流しすぎて、気でも失いかけているモナ?」


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(全然、攻撃をしてこねえ!
         俺のスタンドスピードで十分攻撃を弾けることがわかってるからか!?)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(……)


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「!」



 _
(;゚∀゚) ・∀・)(いや、待て。逆に考えるんだ!
         『弾かれるとわかったから、攻撃してこない』んじゃ……!?
         不用意に連発すれば、その特性がバレる。だからこそ、仕掛けてこないのか!?)

101 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:19:34 ID:ud4XbDsQ0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(……だとすりゃあ、することは一つ!)




 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ『キャッチ・ザ・ハンド!!』



( ´∀`)┏━「!」

ジョルジュは左手を付きだし、そして『引きつく能力』を発動した。

小さくその行動を繰り返し、直線的ではなく直角的な動きで確実に接近する。

当然、モナーは近づかれる以上スタンドで攻撃せざるを得ない。

彼の拳の速度、反射神経を考慮するなら接近は危険だと考えているから。


( ´∀`)┏━「面白いモナッ!」


モナーは銃に付属しているサイトを覗きこみ、しっかりとジョルジュを捉える。

スタンド自身がもたらす身体能力への影響はないが、幼い頃よりスタンドと共にある彼の動体視力は優れていた。
ジョルジュのスピードに決して負けず、全体を見るように、けれど一点に集中した動作で引き金を引く。

102 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:24:17 ID:ud4XbDsQ0

常人の耳には届かない発砲音が3発鳴り響いた。
亜音速の弾丸は、ジョルジュの額、腕、腹へ直線を描いて飛んでいく。


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「くらうかよ!!」


左手は移動に使っているので、若干だが反応が遅れる。

しかし、それでも間に合う反射速度を持っているのがキャッチ・ザ・ハンドだ。

スタンドの目を使い、狙いを定められた位置を見る。

そして、手の甲で滑らせるようにしての防御行動!
ジョルジュの前に立つスタンドを中心に、弾が逸れていく!!

 _
(; ∀ ) ・∀・)「……」


着地する。
だが、彼の考えていたヴィジョンと再び異なった結果となってしまった。

拳の届かない場所。

またも、ジョルジュの射程距離外にモナーは立っていた。

依然、変わりなく! 銃を構えた状態で!!

103 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:28:12 ID:ud4XbDsQ0
( ´∀`)┏━「……」


無表情でありながらも、モナーは少し焦燥した。

彼の持つスタンドは、遠距離攻撃が可能。
屋上からグラウンドの端に居る対象にだって、しっかり着弾し仕留める威力もある。
更に、正確無比な上にモナーの正確な射撃技術で、短期決戦で終わることが多かった。

なので、ここまで食いついてくる人間には遭遇したことが、多くなかったのだ。

故に、彼の戦績は長期の場合著しく良くないのだ。

出会い、対峙し、敗北し、勧誘され手厚い待遇を受けることになった『ボス』。

完全に負けたと理解した、『その人』の時も、長期戦の末に結果が出たのだ。


だから、モナーは長丁場の戦いを恐れた。

同じような末路を辿りそうな気がして……!


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……はー。マジかよ」



膝を折った形で着地していたジョルジュは、両足の苦痛に顔を歪めながらも立ち上がった。
そして、玉のような汗を流しながら、ニヤリと笑う。

104 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:31:28 ID:ud4XbDsQ0

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「そんな、単純というか……よく考えたというか」


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「わっかりやすい手だとは思わねーだろうよぉ、ったく!」 


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「てめーの重たい装備で、どーして銃のスタンドで!
         攻撃をしながら、移動できるんだよ、って思ってたんだが……」


 _
(;-∀゚) ・∀・)「関係ねェ。『ソレ』も装備かよ……」


指をさした先は、モナーの足元。
正しくは、ブレザーの長ズボン……の更に下。




靴。


それだった。

105 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:34:09 ID:ud4XbDsQ0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「一瞬だけ見えた、半円形のモノ……ちょっぴりだけ聞こえた、スキール音……」



 _
(;゚∀゚) ・∀・)「お前……靴の裏に『車輪を仕込んでいる』な?」


( ´∀`)┏━「答える必要はないモナ」


看破されたと同時に、更にモナーは発砲した。
それは、攻撃という名の『肯定』。

見破れたからこそ、作戦を考えて、そしてスタンドの『特性』を理解される前に勝負をつけたかったのだ。


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「くらわねえっつーの!!」


発砲の音は4回。
ハイウェイ・ピストルズの弾倉を全て打ち放っての射撃。

またも同様に、防がれる。当然だ、もう何回も見えている軌道なのだから。

106 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:36:35 ID:ud4XbDsQ0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「なッ!?」


忘れていたわけではなかったが、それでも驚く。

はじいた弾が、それぞれの方向に飛んで行ったのは間違いない。
しかし、物理学を無視した不穏な動きを、すぐさま見せたのだ。

追尾弾だった。
軌道をグルリと変えて、再度ジョルジュを付け狙う。

それも、4発全て!

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「くっ!」


ジョルジュは引き寄せる力を発動する。
向かうは一直線に、モナーの元へ!

この足ではもともと、回避は無理だ。
ならばいっそ、この弾いた瞬間、生まれた隙を狙い、距離をつめる!

( ´∀`)┏━「良い判断モナ。しかしッ!」

ガァンという音が連発で聞こえた。

螺旋を描く銃口から飛び出たのは銃弾。

回転をしながら、高速で間違いなくジョルジュの脳天に向けて飛んできていた。

107 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:39:00 ID:ud4XbDsQ0
しかし、それすらも彼はしっかり、スタンドの目で捉える。
発射角度を見極め、そして右手の甲を使って弾いた。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「おらぁ!」


次に左手で、弾丸を弾いた。
真っ直ぐに進む力を計算すれば、その軌道は間違いなく左肩を貫いていたから。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「キャッチ・ザ・ハンド!」


そしてすぐさま、能力を使って移動をする。
防御行動に使うため、一瞬だけ推進力が弱まったから。

( ´∀`)┏━「なるほど……モナ」

モナーは冷静だった。

とにかく、彼は動じない。


ガンマン足るもの、常に冷静であれ。
心の動きが指先を鈍らせ、照準を乱す。


高揚こそすれど、動揺はしない。

それが、彼の七天柱たる強さの理由だった。

108 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:40:40 ID:ud4XbDsQ0
トリガーから一瞬、手を離す。

連動して、グルリと弾倉部分が一回転した。

再びトリガーを持ち、そして握った。


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「うぉっ!?」

頬を、腕を弾丸がすり抜けていく。
命中するはずの弾道を、スピード重視型スタンドのキャッチ・ザ・ハンドがいなしていった。

吐き出された弾は、二発。既に追尾弾として活動している四発を除いた数を、瞬時にリロードしたのだ。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(弾丸だってスタンドなんだ。そりゃあ、リロードだって楽ちんだろうよ)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(けどなぁ、今ので『確信』したぜ! オレぁよお!!)

痛む足を、極度の集中で疲れた脳を奮い立たせてジョルジュは進む。

( ´∀`)┏━「しぶとい野郎モナ!」

発射と同時に後退していたモナーは再び弾倉に命を吹き込んだ。

今の攻撃を回避し、なおも闘志を燃やすジョルジュに対して再度発砲する。

109 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:43:22 ID:ud4XbDsQ0
 _        ・ ・ ・ ・ ・ ・   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
(;゚∀゚) ・∀・)「見えてんだよ! その軌道はよぉーーーー!!」


モナーの狙いはあからさまで単純であった。

簡単な話だが、脳や心臓を狙えば再起不能にはなるだろう。
スタンドとはいえ、強度は実銃にほぼ近い。当たれば致命傷は逃れられない。

だが、それでもモナーは『確実性』を選んで攻撃を繰り返している。


ジョルジュは足を怪我し、まともな移動は出来ない。
スタンドの距離も、自分から離れることはない。近距離型だから。

移動手段はたった一つ、左手の能力を使った吸引。

・ ・ ・ ・ ・
だからこそ、彼は『そこ』に狙いを絞っていた。

左腕が当たる部位、左手で防がなければならない角度。
それらを計算し、反復して攻撃する。



だが。




( ´∀`)┏━(……)

110 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:46:13 ID:ud4XbDsQ0
・ ・ ・ ・ ・ ・
わかっていた。


彼のリロードのスピード、弾丸の速度。

どれもキャッチ・ザ・ハンドに敵わない。


焦らない表情で、震えない指先で、フル回転している頭を使って理解した事実。



しかし、だからといって、彼は恐れない。



たった2発分の推進力だが、残り4発の追尾弾を解除する時間はない。



故に、間に合わないのだ。


だのに、恐れはしない!

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「うぉおおおおおお!!!」


吸引能力による突進力、弾をはじき飛ばす速さ。

111 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:48:16 ID:ud4XbDsQ0
敵わない。


感覚としては、数歩。
実際に歩みを進めているわけじゃあないが、それでも彼の身長を考えるとその程度の前進。


けれど、確実なる『攻め』の行動。


少しずつ少しずつ。


狭い屋上で、キャッチ・ザ・ハンドの射程距離内へ詰めていく!



(( ´∀`))┏━「!」

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「!」



好機が見えた。


じりじりと近づく、疲労のかかる行動の終着点。

長いマラソンの先、突然見えた下り坂のように。

それは、起こった。

112 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:50:11 ID:ud4XbDsQ0
逸らした弾が抉った地面。
運よく……モナーにとっては運悪く、それは地面に転がっていた。


コンクリートの大きな破片。
彼の自重で、すぐ砕け散る程度の脆さであったが

それでも、彼のバランスを崩すには十分であった。
ローラー移動が仇となったのだ。


ガクン、と一瞬だけ身体が傾く。

銃口がズレ、照準がブレる。


その瞬間的な、刹那の間!


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(……!)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「いまだッ!!」


精一杯の引き付き。
温存していたわけではなく、計画的に使う予定だった精神力。


今、ここであると。

勝負を決める場所であると判断した、絞りカスを振り絞っての直進行動!

113 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:52:10 ID:ud4XbDsQ0
( ´∀`)┏━「ッ!」

同じように、似たような直線が描かれた。


それは、今までとは違って軌道が変わらなかった。



最小限、最低限。

今度は『当たっても良いから』という動きでジョルジュは突貫する。

頬が傷つき、耳が少し削れる。

前腕から肘に向かって、真っ直ぐな赤い線が引かれる。


前進は止めない。

これで決めるから。



 _
(;゚∀゚) ・∀・)「もらった!」

114 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:54:12 ID:ud4XbDsQ0





( ´∀`)┏━「と、お前は言うモナ」




 _
(;゚∀゚) ・∀・)「!?」

115 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 21:56:30 ID:ud4XbDsQ0
追い詰めたはずだった。

決着がつくはずだった。


絶好の距離まで、あと数ミリ。

もう一歩、いや半歩も必要ないほど満たせば……ラッシュが決まる最高の間合い。



そこに届く前に、モナーは不敵に笑う。



( ´∀`)┏━「『距離が近ければ勝てる』『その程度の威力ならば耐えれば良い』」


( ´∀`)┏━「きっとそう考えていたモナ。浅はかモナ。
         モナが震えも恐れも焦りもしない理由が、単にガンマンだから、とでも思ったモナ?」


( ´∀`)┏━「残念ながら、全くの見当違いモナ。
         逆に……そう、あえて言うなら。これこそが『最初から狙いだった』モナ」


モナーはハイウェイ・ピストルズの銃口をジョルジュの身体へ向けた。
正中線上へ。頭部や腕ではなく、心臓部に対して!

116 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:00:01 ID:ud4XbDsQ0
( ´∀`)┏━「これで終わりモナッ!!」


引き金を、彼は引いた。



そこから吐き出されたのは、超々高速で、不可視であるけれど……



固くて、強い、激しいほどに質量をもった




高密度の……『空気弾』!



 _
(;゚∀゚) ・∀・)「なッ!!」


咄嗟に姿勢を逸らす。


だが、持っている反射神経を、キャッチ・ザ・ハンドの持つ動体視力、反応速度をもってしても


距離の近い、この場所での音速弾に対応はしきれなかった。

117 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:03:33 ID:ud4XbDsQ0
内臓にダメージを与えること必至な空弾を、クロスした腕で必死に防ぐ。


元々あった推進力なぞ、瞬時にかき消されるほどの豪快すぎる衝撃。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(……っそだろ……ッ!!)


思った矢先、次に脳みそに届いたのは凶悪な衝突だった。


弾かれる弾丸のように、水平軌道で飛んだジョルジュは屋上の鉄柵へ身体ごとめり込んでしまったのだ。


響き渡る、金属の軋む音。

そんな激音は、間違いなく学校にいる生徒や先生に聞こえてしまったことだろう。

昼休みなのだから、特に問題は大きい。

 _
(; ∀ ) ・∀・)(あー……マズイなぁ……こりゃあ……)


歪んだ鉄柵に体を預けて、頭を思い切り後ろへ振ったまんまの状態でジョルジュは考える。
反転した視線に映るのは、驚いたような仕草をしている、グランドに散らばる運動部の連中だ。

騒ぎは確定だろう。奥から響くように全身へ蠢く痛みを感じながら、彼は思う。

118 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:07:09 ID:ud4XbDsQ0
 _
(; ∀ ) ・∀・)(うわー、絶対バレたわ……こっちみてるしアイツら……。
         そりゃー、襲われた原因を持ってたオレも悪いけどよぉ……
         また問題か、って怒られるのは間違いなくオレでもあるんだよなぁー……めんどくせぇ……)



痺れる腕と、ガンガンと実際に聞こえてしまうほどに痛む頭。
吸引の力で、若干だけれど軽減をしたので屋上からブッ飛ばされずに済んだ。
そのことに感謝しよう。

考えながら、ジョルジュは割れそうな頭と奮い立たせて情報を整理する。



 _
(;-∀-) ・∀・)(『タネ』はわかったんだ……それ以上、きっと今以上の力はあいつにはねぇ……)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(だったらすることは一つだ……少しだけ……ほんのちょっぴりだけ残ったオレの『根性』で)


 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(あいつの隙を作り、狙い、そんでもって……)


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(ぶっ倒す!!)


( ´∀`)┏━「……」

119 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:09:15 ID:ud4XbDsQ0
追尾弾を解除し、一旦の補充を終えたモナーは変わらない表情で、その結果を見た。


ハイウェイ・ピストルズは、空砲の排出がされない。

それは反動で生まれた空気をため込める、別の弾倉がグリップにあるからなのだ。


その弾倉にマックスまで貯蓄された、一撃必殺の威力である『弾』を打ち抜いたはずだった。



けれど、予想通りにはいかない。

屋上から彼方まで飛んでいくぐらいの威力があるのに、そうならなかった。


だから、彼は警戒を解かなかったのだ。


反応してから、それでも確実にブチ込めるよう6発しっかり充填しておいたのもその為。



焦らない。


スタンド使いのガンマンは、血を流し、ボロボロになった制服を纏う敵が、起き上がったことは知っていた。

120 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:12:53 ID:ud4XbDsQ0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「そらよっ!!」


( ´∀`)┏━「!!」


今までの彼とは違う動き。


何かを振りかぶり、投げつける所作。


飛んできたのは無数の石だった。

大小様々で、回避は難しい。
当たれば目測を誤るのも必至。


( ´∀`)┏━「『ハイウェイ・ピストルズ』!」


闘っている最中なのに、勝つことが大前提の呟影団なのに。

それでも、彼の動きはあまりにも華麗であった。


正確に、自分にとって支障をきたすレベルの石のみを瞬時に撃ち落とす。

リロードも重ね、更に連発。

もちろん、移動も兼ねている。

121 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:14:52 ID:ud4XbDsQ0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「うぉおおおお!!」


当然ではあるが、叫びながら、やはり彼は迫ってくる。


能力で、きっとグラウンド辺りから引き寄せた石を目くらましにして、接近するのが作戦。


浅はかだ。あまりにも、幼稚だ。


( ´∀`)┏━「モナのリロードの方が、ちょいと早かったみたいモナ」


今度は5発。さっきよりも多い弾数。


弾いたところで、再度移動を繰り返して回避できるわけもない。


そう踏んでの、彼の予測による攻撃。


1発だけ、保険で残してはいたが……問題はないだろう。


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「『キャッチ・ザ・ハンド』!!」



二度と、吸引の力は使わない。

そんな『覚悟』を持った、能力移動。

122 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:17:21 ID:ud4XbDsQ0
弾をはじき、その後にラッシュを叩き込むことが、一目でわかる愚直な移動。



( ´∀`)┏━(これも想定内モナ!)


飛んで行った弾は、やはり手の甲でいなされた。


なおも動き続けて飛んでくるヤツに、モナーは保険として持っていた高速弾を一発、打ち込む。





一発、それで勝負は決した。





身体が、宙に浮いた。

ジョルジュではない。



ヘヴィ級の装備であるモナーが、だった。

123 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:21:30 ID:ud4XbDsQ0
(;´∀`)┏━「……っ!?」



汗が噴き出す。


何故、どうして?


ここまで、明らかに、露骨に、わかりやすい浮遊感なんて経験したのはいつ以来だ。


走馬灯のように、現状を理解するために思考を張り巡らせる。

足元にある、原因であった陸上部が使う金属の『スターター』を目に収めながら!


(;´∀`)┏━(こ、こいつ……まさか、さっき……石を投げた時に……一緒に……投げていたモナ!?)

踏んでも簡単には壊れない強度。
反りあがったそのフォルム。
すべてが、彼にとって最悪な代物だった。

124 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:23:42 ID:ud4XbDsQ0
 _
(; ∀ ) ・∀・)「おめーのスタンドはよぉ……確かに強えわ。
          本体自身も、それに見合う冷静さと判断力をもっていやがる。
          だから、七天柱って幹部に任命されんだな……よぉーっくわかったよ」


ジョルジュ……いや、キャッチ・ザ・ハンドは拳を構えていた。
これから、全霊を込めた攻撃を仕掛けるから。


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「けどな、オレの方が強かっただけ、って話だ。
          こればかりは能力の相性じゃあない、単純な地力の差ってヤツだな。恥じることはないぜ!」



身体を襲っているはずの追尾弾は、糸が切れたかのように、地面に向かって落下しようとしていた。


  _
(;-∀-) ・∀・)「『ハイウェイ・ピストルズ』の『追尾弾』……その条件は……」

125 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:26:58 ID:ud4XbDsQ0
  _
(;゚∀゚) ・∀・)「『地に足がついていること』……だよなぁ〜〜〜?
         合点がいったぜ、テメーが無理に機動力を押さえてまで重てー装備を纏ってる理由がよ!
         さっき、コンクリを踏んで一瞬浮いた時……能力が弱まったのが見えたから、もしやと思ったが……
         どーやら、ビンゴだったようだなぁ〜〜〜!!」



  _
(;-∀゚) ・∀・)「んでもって! そのクソ厄介な能力も……テメー自身も……これで……」



 _        ギャンッ! 
(;゚∀゚) 三( ・∀・)

  「終わりだ……ッ!」


(;´∀`)┏━(解除……間に合う……k)


 _
(;゚∀゚)「『鈍いぜ』ッッッ!!」

126 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:29:33 ID:ud4XbDsQ0
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

    
      =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
      =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ      
(# ・∀・) =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ;:)Д`).,,';
      =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ     
      =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

『モラモラモラモラモラモラモラモモラモララモラモラ!!!!!』

127 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:33:07 ID:ud4XbDsQ0
    ドッ   
           ,,,;;,,,
       . :;:;;''''"""''';;:;:.;
     ∩ :;;:: ‘.'  ,.' : :;;'.
(#・∀・)彡:;;:: ,  .'    ::;;: -=三(#)Д`)
        :;;:;  ・,‘   ;:;::
       ' ''::;;..’ , .' .;;::''''
          '''';;;::;::;;;:''''

               グワッシャァーーーー!!

      『モラァアーーーーッッ!!』

128 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:36:20 ID:ud4XbDsQ0
スタンドはもう出せない。
……ぐらいの気持ちを込めて、ジョルジュは必勝の連続突きを繰り出した。

フィニッシュのアッパースイングはモナーの顎を的確にとらえ、そして殴りぬける。

吹き飛びはしないものの、魂が抜けるかのようにカクンと膝を落とし、気を失った。



 _
(; Д ) ・∀・)(あーーー。疲れた。つーか全身痛ェし……。午後の授業どうすっかなー。
          つーより、こいつどーしたもんか。運ぶには重いし……んー。
          まぁ、とりあえずは騒ぎをなんとか切り抜けてから考えるとすっかな)


  _
(;-∀-) ・∀・)「とりあえず……」




  _     ∩
(;-∀゚) ・∀・) 「決着ゥッ!」



   (#)Д )

『ハイウェイ・ピストルズ』
本体名 ― 七天柱・モナー

              リ タ イ ア
高速のラッシュにより再起不能。
ジョルジュに能力は全て見破られていた。

129 名前: ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:37:18 ID:ud4XbDsQ0

  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

132 名前:名も無きAAのようです ◆N91v81g8eE :2013/09/09(月) 22:46:28 ID:ud4XbDsQ0
スタンド名  ハイウェイ・ピストルズ

使用者  ( ´∀`) モナー(七天柱) 

スタンド像 ┏━

破壊力 B スピード B 射程距離 A 持続力 B 精密機動性 C 成長性 C

銃のスタンド。リボルバー式の六連装。精神力で弾を発射できる。
実際は引き金すらも引かず任意で射出できるので、手動を超える速射も可能。ただし、7発以上は出せない。

追跡弾と通常弾の撃ち分けが任意で可能。通常弾は、非常に速いが実銃には劣る。

追跡弾は通常弾ほど速くはないが、目標に対して必ず被弾するまで飛び続ける。
狙った場所は、モナーが打つ前に狙いを定めた場所。

ただし、モナーの両足が地面についているときのみ発動する能力。

故に簡単に持ち上がらないように、重い服を着込んで弱点を補うことで強さを得るスタンド。


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