72 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 19:34:43 ID:7DloOKRc0
第三話「ハイウェイ・ピストルズ A」









( ´∀`):::「ふん、思っているよりは頭のまわる奴みたいモナ」

前に立つ男子生徒の制服は、第二チャンネル高校のものではなかった。
少し離れた郊外にある進学校のものである。
相当に勉強して、授業態度もよくないと入学できない有名な高校だ。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「そんな人が……『呟影団』の幹部!?」

ジョルジュはつい立ち止まってしまったことに気付く。

( ´∀`)「推測とはいえ、モナが幹部であることを見抜くとは流石モナね。
      ……ま、ともかく居場所がバレたなら一旦こちらも」

73 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 19:36:28 ID:7DloOKRc0
後ろに迫っていた弾丸が消えた。
寸での所で、触れそうになったのを解除した理由はわからないが
ジョルジュは一息ついて、けれど身体とスタンドの力を緩めずに前を見る。

身長はそこまで高くない。筋肉隆々というわけでもなさそうだ。
ただ、細身の割にブレザーが着ぶくれしているように見えるのが、不思議さを覚える。


( ´∀`)「改めて。モナは呟影団、七天柱のモナーだモナ」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……俺は」

( ´∀`)「あー。言わなくて良いモナ。
      第二チャンネル高等学校二年の長岡ジョルジュ、だモナ?」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(なんで知っている? まさか、あのニダーってヤツが調べたのか?)

( ´∀`)「ああそれと一応、ボスには殺すなって言われてるモナ。
      さっきの攻撃でお前を殺すことはできたけど、まあそうすると問題だからモナね」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「なに……?」

平然と、殺すという単語が出てきたことにも驚きだが
何よりも、こちらは何も知らない呟影団のボス、とやらが自分を知っている風なのが気にかかった。

74 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 19:38:54 ID:7DloOKRc0
( ´∀`)「……しかし、見るからに普通の『スタンド』モナね。ボスのと比べれば、てんで弱そうモナ」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「んだと?」

( ´∀`)「先に言っておくモナ。
      今からちょいと身の上を話すけど、これからお前を『倒す』ことには変わらないモナ」

( ´∀`)「呟影団は、いわゆる悪の限りを尽くす集団モナ。
      スタンド、という通常の人には見えない、証拠も残らない特殊能力
      それを、まー悪用して好き勝手する集まりモナ」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(虫唾が走るぜ)

( ´∀`)「とはいえ、無秩序な集団ではないモナ。
      チームだってあるし、ルールもあるモナ」

( ´∀`)「例えば、『スタンドバトルに負けた団員は、除名処分』とかモナね」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「え?」

( ´∀`)「スタンドに相性はあっても、強い弱いという概念はあまりないと思うモナ。
      けど、それでも。『負ける人』は団員としては、存在価値がないモナ。
      いざという時に、負ける奴に大任は負わせられないからモナね」

75 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 19:43:03 ID:7DloOKRc0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「じゃ、じゃあ……もしかして」

( ´∀`)「そうモナ。お前が昨日、ボッコボコにしたニダーは既に除名してあるモナ。
      あいつはバカだから忘れてたみたいだけど、それは誰もが肝に銘じている絶対のルールモナ」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……」

( ´∀`)「ちなみに、除名されたところで報復はないモナ。
      まー、悪い事が今後一切できなくなるだけモナね。
      一応縄張りはあるから、手を出したら流石に容赦はしないモナ。
      秘密はあるにはあるけど、知っている奴が少ないから特に心配もなしモナ」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……なんで、そんなことをわざわざオレに話す?
         ニダーから聞いた、ってんなら……
         お前たちにケンカ売ってることも知っているはずだよな?」

( ´∀`)=3「んなこと知らないモナ。モナは、ボスから『そう伝えておけ』って命令されただけモナ」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「その、ボスってのは誰なんだ!?」

( ´∀`)「それは話せないモナ。伝える内容に入ってないから」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「くっ……」

( ´∀`)「さ、こんなとこモナね。
      一応、だけど。やる気はあんまり起きないけど。
      なんのかんの言って、モナの部下がやられたわけモナ」

( ´∀`)「『やられたら、やり返す。』
      それも呟影団の立派な指針だからモナね」

76 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 19:46:19 ID:7DloOKRc0



( ´∀`)┏━「報復活動を再開するモナ!」
     ズァッ!


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「ッ!!」

突如、モナーは『銃』を構えた。
指を引っかけるような手の形で突き出してきたかと思うと、そこには既に『リボルバー』がある!
黒い銃身、薄く長いバレル、全長30cmほどもありそうなソレを懐にしまうには大きすぎる。
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(あれが、あいつのスタンドか!)

人間型ではない、道具型のスタンド。
それが、呟影団幹部、『七天柱』の一人、モナーの操る……!


( ´∀`)┏━『ハイウェイ・ピストルズ!』

77 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 19:48:34 ID:7DloOKRc0
火薬の爆発する音が聞こえた。
同時に、ジョルジュのスタンドに映る視界が弾丸を捉える。

飛んできたのは、先ほどのような円錐状の弾丸が三発。
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「うおっ!?」

想像を絶した。
飛んできた銃弾のスピードは、目に移ったと同時に既に懐まで来ていたから。

今までとは違う。とてつもないスピードの攻撃を、キャッチ・ザ・ハンドはハッキリ見据える。

  _
(#゚∀゚) ・∀・)「なめんな!」

比較的硬い部位の、手の甲を使って弾丸を滑らせるようにいなす!
推進力と相まって飛んで行った三発は、空中で雲散した。

( ´∀`)┏━「ほう。中々素早いスピードを持つスタンドモナね」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……」

( ´∀`)┏━「けど、モナのハイウェイ・ピストルズは銃そのものモナ。
          どこまでついてこられるモナ?」

78 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 19:51:34 ID:7DloOKRc0

再び銃声。
スタンドから生み出される音なので、ヴィジョンが見ることの出来ない人間には、聞こえすらしない。
だからこそ、彼は臆さず制さず、遺憾なく銃を撃ちまくる!

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「ちぃっ!」

今度は五発。冷静に、時間差で飛んでくるものを捉えて防いでいく。

1、2、3、4……5!

全てを弾き飛ばし、次の攻撃に備える。
隙を見極めて、反撃のチャンスをうかがうために!

( ´∀`)┏━「……」

その姿を見て、モナーはニヤリと笑う。
どういう意味だ、思う前にジョルジュは理解した。
  _
(;-∀゚) ・∀・)「うあっ!?」

怪我をしていない、健全だった左足の膝に弾痕が刻まれる。

油断していた。おろそかにしていた。

弾いた弾が、返ってきたのだ!
先ほどまでと違い空中で分解せずに、追尾するかのよう、ブーメランが如く帰還した
その銃弾は、足にめり込んで血肉を破ると流血を引き起こす。

79 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 19:53:20 ID:7DloOKRc0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(弾いたところで追尾弾がくるのかよ……厄介だな)

しかし、入ったのは1発のみ。
残りの4発は間違いなく回避できていた。

追尾する場合と、直線的に飛んでくる二種類のがあるらしい。
現時点で見分けはつかないが、それがわかっただけでもとりあえずは十分。

とにかく今は!
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「ちいっ!」

移動を考えねばならない。
この痛んだ足を使うのは危険だ。流血が酷くなる可能性もある。

方法は一つ。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(吸い付いて、移動を繰り返すしかねえ!)

吸引の力を使って、距離を取る。
出来るだけモナーを視界に収めつつ斜め後ろに下がった。

80 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 19:55:49 ID:7DloOKRc0
( ´∀`)┏━「……」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(……ん?)

しかし、モナーは微動だにしていなかった。
その場で、照準を合わせるのみで動こうとしない。

いくら銃とはいえどスタンドはスタンド。
距離の制限があるはず。ならば、先ほど連射した距離は相手にとってベストな位置のはず。
そうでなくても、離れるならば照準を定める為に少しは近づいたっておかしくはない。

なのに……。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(ごちゃごちゃ考えても仕方ねえ! 動かねえなら、動かしてやりゃあいんだ!)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「キャッチ・ザ・ハンド! 『吸い寄せ』ろ!!」


((( ´∀`)))┏━))「ったく、面倒な能力モナ……」

81 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 19:57:42 ID:7DloOKRc0
動揺しないところを見ると、既にこの吸引の能力は知っているようだ。
サイトが揺れるので、それを面倒、という評価しているらしい。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(いや、ちょっと待てよ……!? なんだそりゃ!?)

吸い寄せる能力は、ジョルジュの視界に映るものみ。
有機物と無機物を同時に寄せることは不可能だが、任意で片方を選ぶことが出来る。

今、ジョルジュは間違いなく有機物を吸い寄せる力を使っていた。
地面だって、さび付いた鉄柵だって微動だにしない。

けれど、それ以上に動かないのはモナー自身だった。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(近い方がそりゃあ俺も有利だが……
          それでも、俺の吸い寄せが……効かないだと!? どういうことだ!?)

考えられる理由は一つ。
吸い寄せる力よりも、強い力で反発すること。

測ったことはないが、重量で言えば100kg程度なら吸い寄せられるほどのパワー
それを抗うには……強烈な脚力か、とてつもない体重か。

82 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 20:00:34 ID:7DloOKRc0
しかし、モナーは中肉中背の体格。
身体のラインが見えにくい制服だからといって、それほどまでの力を秘めているだろうか。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(つーより……踏ん張ってるようには見えねえぞ?)

武道の構えであったり、スポーツの理論であったり
とにかく、耐えるのならば何かしら姿勢を取るのが普通だろう。

モナーは直立不動のまま。
吸い寄せによって銃が揺れ動くのを気にして、撃って来ないだけ。

ならば……結論は一つ。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(あの着ぶくれはそういうことかよ)


何かしらの重りなどを仕込んでいるに違いない。
体重を増量して、吸い寄せを出来ないようにしているんだ。
能力がわかっているから、対策してきたのか……それとも、常日頃から?

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「どっちにしろッ!!」


( ´∀`)┏━「!」

83 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 20:04:11 ID:7DloOKRc0
戦法を変えるべく、吸い寄せの力を切り替えた。
引っ張るのではなく、吸い付く方へ!

跳躍と同時に、吸い付く力が相まって急加速する!

( ´∀`)┏━「それも知ってるモナ!」

安定したのか、一瞬の油断はあれどモナーはピストルを構えた。
そして発砲する。
撃鉄はない特殊構造のスタンド銃は、思うだけで弾丸が飛んでいく。
リロードももちろん、彼の精神力が続く限りは無限だ。

だからこそ、6発一気に撃ったのだ。
どんな手練れであろうと不可能な、音速の速射を!

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「見える!!」


固い拳に、弾がはじける音が響いていく。
パワーは低くとも、それを補うスピードがキャッチ・ザ・ハンドの取り柄なのだ。

84 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 20:06:16 ID:7DloOKRc0
今度はどうやら追尾弾はないらしい。

いける!!

超重量ならば、移動も難しいはず!
この距離なら……!!

( ´∀`)┏━「……」

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……」


跳躍を終えたジョルジュは、唖然とした。
銃を構えたままの体勢で、モナーは立っている。


ジョルジュの前方、数メートルのところで!

85 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 20:08:30 ID:7DloOKRc0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(待て、待て待て。落ち着け、オレ)

出来るだけ悟られないよう、隙を作らないようにジョルジュは考える。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(体重はあるはずだ。だから、吸い寄せられない。
          それは能力を知っている俺が間違いなくわかっている事実だ)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(じゃあ、なんで……あいつは、あの一瞬で距離を置けた?
         弾丸の威力自体は高いものではない、押し戻された感触だってなかった)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(つまり……あいつが移動したということ)


どうして!?


( ´∀`)┏━「なんか色々と考えているみたいモナね」

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「ったりめーだろ……」

86 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 20:10:20 ID:7DloOKRc0
( ´∀`)┏━「まあ、優位でモナが勝ちそうだからといって
         モナはバカじゃないから、ここでペラペラと能力の解説なんて親切にはしてあげないモナ」

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……」チッ


( ´∀`)┏━「お前が知るのは、七天柱モナーのスタンド、ハイウェイ・ピストルズに敗れる」


( ´∀`)┏━「それだけでいいモナ!!」


銃声

スタンドの音なので、スタンド使い以外には聞こえないという利便性。

扱い易さ、威力を考えるとかなり強いスタンドだ。

だからこそ、彼は呟影団というスタンド使いのグループでも幹部という役職にありつけたのだろう。

攻撃に関して言えば、自分のキャッチ・ザ・ハンドなんて目じゃない。
便利で強いスタンドだ。

 _
(; ∀ ) ・∀・)(なるほどな。こりゃ危ねえ。
          とんでもねー化け物みてーなスタンド使いが、あと6人もいるのかよ)

87 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 20:12:30 ID:7DloOKRc0
銃弾が迫ってくる
実弾より遅いけれど、それでも十二分の速度。
瞬きを一度するかしないかのうちに、ジョルジュに到達するだろう。

 _
(; ∀ ) ・∀・)(しかも、こいつらよりもっと強いボスがいるんだろ?
         へへっ。そりゃあ、誰も手出しはできねーわな)


……けど


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「だからこそ!!」


( ´∀`)┏━「!」


弾丸がはじけていった。
ジョルジュを起点に四方八方に飛散していく。

超スピードのラッシュによる彼の防御行動だった!

88 名前: ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 20:14:13 ID:7DloOKRc0

そう、彼は諦めてなどいない。

これほどまでに厄介で、強烈で凶悪なのだったら


なればこそ、心を燃やして立ち向かう!

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「俺は正義のヒーローになるんだからな!!」


噴き出る出血を押さえてジョルジュは、立ち構える。
目の前にいる、悪に対して燦然と!
闘志の秘めた、力強い拳と瞳で!


( ´∀`)┏━「フッ、言ってろモナ。
          モナのハイウェイ・ピストルズの能力がわからないうちは、どうせお前は勝てないモナ」






  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

92 名前:スタンドパラメータ@ ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 20:18:35 ID:7DloOKRc0
スタンド名 キャッチ・ザ・ハンド
        _
使用者  ( ゚∀゚) 長岡(じょうおか)・ジョルジュ

スタンド像  ( ・∀・)


破壊力 C スピード A 射程距離 C〜B 持続力 C 精密機動性 A 成長性 A

左の手のひらを開くと、視界に映る(スタンドの視界ではなくジョルジュ本体の視界)対象物を吸い込む。吸い付くこともできる
無機物有機物の切り替えは可能だが、能力発動時にはどちから片方のみ。

引き寄せる力は強いが、本体のスタンドのパワーは高くない。
高速のパンチ連打でダメージを与える「モラモララッシュ」が必殺技。

93 名前:スタンドパラメータA ◆N91v81g8eE :2013/06/02(日) 20:21:30 ID:7DloOKRc0
スタンド名 チープ

使用者 <ヽ`∀´> ニダー

スタンド像 ( `ハ´)

破壊力 B スピード B 射程距離 C 持続力 D 精密機動性 B 成長性 D

単純な近距離パワー型スタンド。
そこそこ素早い攻撃、そこそこ強いパンチを得意とする。
特殊能力は、まだ覚醒していない。


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