18 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:00:08 ID:MPqlcUNM0


絡まれた場所から五分程度歩くとショボンが店主の『バーボンハウス』に着く。
バーボンハウスには看板が出ておらず、木の扉に白い字で『バーボンハウス』と書いてある。
客は大体常連であり、新しい客がくるのは月に一人か二人である。
この店にはちょっとした事情があるが追々説明することにしよう。
前に一回こんな経営で大丈夫かと聞いたことがあったが。

「別に金儲けでやってるわけじゃないんだよ、料理とお酒が趣味っていうだけさ」

と、しょぼくれ顔に笑みを浮かべながら言ってやがった。

('A`)「さっきので時間食っちまったなぁ…誰かさんが手伝ってくれれば良かったんだがなぁ」

( ^ω^)「ドクオ、過ぎた事を気にするのは良くないお」

ハハ、こやつめ。後でドックンスペシャルをお見舞いしてやろう。

('A`)「はいはい俺は細かい男ですよ」

そう言いながらバーボンハウスに着いたので扉を開ける。


       ('A`)は能力者のくせに特殊能力無しで最強らしいようです  
     第ニ話 ('A`)「一人称で地の文書くといちいちメインの人物を変えなければならない」

19 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:01:15 ID:MPqlcUNM0

中にはいつもの常連の飲んだくれ達と、しょぼくれた顔をしながら皿を洗っているショボンがいた。

「お!絡まれ体質のお帰りか!」「今日も絡まれたか?」「何人だった?」

飲んだくれ達がこっちに気づきいつもの様に声を掛けてきた。

('A`)「お前ら相変わらずだな、人数は…ブーン、お前覚えてるか?」

( ^ω^)「確か二十人前後だったお」

「よっしゃ!勝った」「畜生、やっぱ三十は多すぎたな」「はぁ…最近負け続きだ」

こいつら人の不幸を賭け事にしてやがる…しかし何時ものことだ、気に留める必要はない。
勝った奴がテーブルに乗っていた金を集めて財布にしまう。
たまには絡まれないに賭ける奴はいないのか。

(´・ω・`)「お帰りドクオ、ブーン、いつものでいいかい?」

('A`)「ああ」

( ^ω^)「おkだお!」

お帰りとは言っているがここは俺の家ではない、だけど最近は家よりもここにいる時間の方が長くなってきた。
とりあえず、最近指定席となっているカウンターに座る。
ブーンも俺の隣に座る、カウンターだから大柄のブーンが横にいるとスゲェ邪魔。
ショボンが指を鳴らすと、目の前に『いつもの』が現れた。
俺の前には温かいコーヒーでブーンにはオムライスだ。

20 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:02:02 ID:MPqlcUNM0

( ^ω^)「」ハムッハフハフハムッモグモグ

いただきますも言わずに食い始めるブーン、食い方が汚いのか綺麗なのか分からないぐらい素早く食べ終わった。

( ^ω^)「」ゲフゥ

('A`)「」ズズズズズ

( ^ω^)つ皿「おかわりだお!」

(´・ω・`)「はいはい」

そんないつもの光景で進んでいく日常かと思っていた。
しかし数十分後、扉が開き、一人の男が入ってきた。
  _
( ゚∀゚)     (´・ω・` )

男はショボンと同じぐらい整えられた眉毛をしていた。
ショボンもその男もそれぞれの眉毛を数秒見つめ。
  _
( ゚∀゚)b グッ  グッ d(´・ω・` )

そこまではただ新しい客が来たと思っていた。
しかし、その男の連れが閉まりかけた扉を開けたことで俺は男に顔を見られないように顔を背けた。

21 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:02:54 ID:MPqlcUNM0

( ;^Д^)「ジョルジュさん歩くの速いですって!待ってくださいよ!」

( ;^Д^)「って何してるんですか!?」
  _
( ゚∀゚)「すまんな、いやなんか通じ合うものがあったから」

やべぇ、アイツがいるってことはもしや…。
  _
( ゚∀゚)「でプギャーよ、どいつだ?」

あっあいつプギャーって言うんだーって暢気に言ってる場合じゃねぇな。
復讐きちゃったよ、多分プギャーとか言う奴気絶させてなかったのねん。
だってそうじゃないとこんな早く来れんだろ。
っていうかこの店に入ってこれるとか能力者じゃないですかーやだー!。

さっきの店のちょっとした事情の一つとして能力者しか入れないということになっている。
何故かと言うとショボンが能力者だから、ショボンの能力でそうなってる。後述する。
そしたら飲んだくれも能力者と聞かれればYESだ。

( ^Д^)「えーっと」キョロキョロ

気付かないでぇ!早く帰ってぇ!平穏じゃない生活いやぁぁぁぁぁ!!

22 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:03:36 ID:MPqlcUNM0

( ^Д^)9m「あいつです」
  _
( ゚∀゚)「細い方?」

( ^Д^)「はい」
  _
( ゚∀゚)「お前あんなのに負けたの?」

( ^Д^)「」

  三( ;^Д^)オサキシツレイシマース
   _
(# ゚∀゚)つ< ;^Д^)そ ガシィッ

   ドコッバキィゴリゴリグャァ ツヨインデスッテ!ホントニ!ヤメテェェェ!

ハハハッざまぁ。
  _
( ゚∀゚)「百歩譲ってあいつが強いとしよう、それでも俺はお前が油断してたと思う」

( #Д#)「はぃ…すいませんでした」※プギャーです
  _
( ゚∀゚)「さて、そこの何か飲んでる兄ちゃん」

本題来た、怖いよ最近の若者。

23 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:04:18 ID:MPqlcUNM0

(;'A`)「なんでしょうか」
  _
( ゚∀゚)「こいつを倒したんだな?」

(;'A`)「はい」

これは絶対俺とやれパターンだ…。
ブーンのニヤニヤしてる顔がすぐ横にある。
飲んだくれどもが早速どっちが勝つか賭けてるようだ、意味ないと思います。
  _
( ゚∀゚)「じゃあ一回俺と戦ってくれや」

拒否権が使えない命令ですね分かります。

(;'A`)「分かりました…」
  _
( ゚∀゚)「俺の力で店ぶっ壊したらいけないからな、外出ようぜ」

('A`)「ここら辺の建物はほとんど人いないので店の前で十分だと思います」
  _
( ゚∀゚)「そうだな、左右にビルっぽいのあってもちょっと広かったし」

そういう訳で、外に出る。
ブーンも付いてきたが邪魔にはならないだろう。
店の前は車の通らない小さな通りぐらいの道幅である。
少し距離を取って向かい合う。

24 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:05:27 ID:MPqlcUNM0
  _
( ゚∀゚)「さて、じゃあ俺から行くぜ?」

そういうと男─そういえばプギャー、だっけ?がジョルジュって呼んでたな─が道端に落ちていた小石を拾った。
  _
( ゚∀゚)「さあ!試合開始だ!」

ジョルジュは叫ぶと、拾った小石を投げつけてきた、牽制のつもりだろうか?
能力も分からないままではどうにもできない。
近接戦闘が得意であるならこの隙に近づいてくるはずだ。
しかし、ジョルジュが動く様なことはなかったので飛んできた小石を手で叩き落そうとすると。
               
             小石が『爆発』した。
  _
( ゚∀゚)「おっと、爆発物の取り扱いには気をつけな…つっても遅いか」

ジョルジュが後ろを向いて帰ろうとするので声を掛ける。

('A`)「ご忠告どうも…クソ、熱いし服焦げた…」
  _
( ゚∀゚)「おぉ中々タフらしいな」

('A`)「一発で仕留められなかったな、『物を爆弾にする能力』だろ?もう見切ったさ」
  _
( ゚∀゚)「半分正解ってとこだ、お前の番だぞ」

('A`)「そうか、じゃあ」

('∀`)「本気で行くぞ!」

25 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:06:12 ID:MPqlcUNM0

足を踏み出しダッシュでジョルジュに近づく。
本気で行くとは言ったものの実力の半分もだしてない、しかし一瞬でジョルジュの目の前に到達する。
いくら能力者でもこのスピードに付いて来れるのはそれなりの実力がないと無理だ。
ジョルジュの顔に向かってパンチを繰り出すと、パンチが顔に当たった瞬間に、『爆発』が起きた。
拳は大丈夫だが、能力について一瞬考えたが、その隙に攻撃が来た。
ジョルジュは俺の体に蹴りを放った。
普通ならば往なせたが、途中で蹴りが加速し、衝撃を感じると同時に爆発した。
  _
( ゚∀゚)「おいおいどうした?」

ジョルジュが余裕そうにしている。しかし今の攻防で能力が分かった。
少しダメージを受けたが能力のための犠牲だ。

26 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:07:05 ID:MPqlcUNM0

(;'A`)「なるほど、蹴りを爆発の衝撃で加速させたか…」

(;'A`)「普通は物体を爆弾に変える能力だが、お前は自分さえも爆弾にする…」

(;'A`)「しかし、お前の顔からして自分の爆発ではダメージを受けない…」

(;'A`)「だから俺の攻撃の衝撃に反応して防御するように爆発した…」

('A`)「そして蹴りを加速させることができたのは爆発の方向を指定できるから…!」
  _
( ゚∀゚)「あちゃーばれちまったかー」
  _
( ゚∀゚)「そう、俺は物を爆弾にして方向や威力さえも制御できる」
  _
( ゚∀゚)「俺の体も衝撃に反応してその部分を爆発させて衝撃を相殺できる」
  _
( ゚∀゚)「つまり俺に物理攻撃は『効かない』」

大体の能力は分かった、後はそれに注意すればいい。
まだまだ体力はある、策は練っていけばいい。

27 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:07:52 ID:MPqlcUNM0

('A`)「ついでに俺の能力も喋っちまうよ、手の内を明かしてプラマイゼロだ」

俺は自分だけが有利な状況は嫌いなのだ。
  _
( ゚∀゚)「そうか、プギャーの奴も能力を見てなかったからな」

('A`)「俺は一応能力者だ」
  _
( ゚∀゚)「一応?」

('A`)「パイロキネシストでもサイコキネでもはたまた予知能力者でもない」

('A`)「超能力とかいう特殊能力は持ち合わせていない」
  _
( ゚∀゚)「持ってないだぁ?」

('A`)「俺の能力は身体能力の強化だ」
  _
( ゚∀゚)「それでも十分特殊じゃねぇか、あれだろ視力とか反射神経を一時的に強化するっていう…」

まあ大体今の説明だとそう誤解するだろう。

28 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:08:38 ID:MPqlcUNM0

('A`)「いや違う」
  _
( ゚∀゚)「何?」

('A`)「能力でON、OFFが付けられず強化されっぱなしだ」

('A`)「ただ読んでそのまま、『身体能力が常に強化されている』、だから手加減しないといけない」

('A`)「なぜなら『本気では強すぎる』から」
  _
( ゚∀゚)「へーじゃあ本気見せてくれよ」

('A`)「断る」
  _
( ゚∀゚)「ほぉ?じゃあ本気出させてやるよ!」

お喋りタイムが終わった。
ジョルジュが爆発を利用して猛スピードで突っ込んでくる。

29 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:09:24 ID:MPqlcUNM0

('A`)「空を飛ぶ真似事か、空を飛ぶ能力者となら何度も戦ってるんだ」
   _
(# ゚∀゚)「どらああああぁぁぁ!!」

('A`)「ただ爆発で吹き飛んでるだけだから直線的な動きしか出来ない、隙だらけだ」

突っ込んできたので横に避けようとしたが、いい案を思いついたので避けずに待ち構える。
地面に足をしっかりと踏ん張り爆発で吹き飛ばないようにする。
ジョルジュは肘を引いている、そして腕を伸ばすのに肘から後方に爆発を起こし加速させる。
その伸ばされた拳を拳で受け止める。
俺はしっかりと地面に踏ん張っているのでぶつかった爆発の衝撃で体勢を崩さない。
ジョルジュの力と出来るだけ同じして攻撃したのでジョルジュが空中で一瞬留まる。
   _
(# ゚∀゚)「ぬっ!」

(#'A`)「そこぉ!」

その一瞬を逃さずにジョルジュの体を蹴る、爆発が起きたがなんとか持ちこたえる。
その時、ジョルジュが少し蹴られたのと逆方向に動いた。
なるほど、分かった。
多分ジョルジュはどんな攻撃も相殺は出来ない。
体の防御にも能力を使っている、つまりその分攻撃に回すことが出来ない。
今どれだけの威力がだせるか知らないが能力の四分の一ぐらいを使っているだろう。
つまりその四分の一の威力を上回れば攻撃が通る、まあ俺の攻撃力マイナス四分の一で軽減されるだろうが。

30 名前: ◆c/ljsslVXs :2013/05/12(日) 16:10:11 ID:MPqlcUNM0
   _
(# ゚∀゚)「まだまだぁ!!」

再び体勢を立て直して突っ込んでくる。

('A`)「お前は本気の三分の一で十分だ…」
   _
(# ゚∀゚)「あぁ!?」

一瞬の隙を作る、飛んでくるジョルジュの顔にぶち当てる。
爆発が起こるがそのまま殴りぬける。
路地を数十メートル飛んで落ちた。
様子を見に行くと伸びていた。
  _
(  Д )「」

('A`)「しょうがねぇな…」

ジョルジュを担ぎバーボンハウスへと戻る。
そういえばプギャーはどうしたんだ、嫌な予感がする。

  第二話 終


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