35 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:10:35 ID:rnKMshTI0


( ^ω^)「おっはよーだおー、ショボン」

(´・ω・`)「あ、おはよう。さっむいね」

( ^ω^)「寒いおー。もーすっかり年末だおね」

(´・ω・`)「もうあとちょっとでクリスマスかー」

( ^ω^)「……」

(´・ω・`)「何へこんでんの」

( ^ω^)「いや、また家族でケーキ食うのかと思うと、侘しくてお」

(´・ω・`)「いいじゃない。僕んちなんて一昨年からケーキも無いよ。去年のクリスマスうどん食ったよ」

( ^ω^)「お、おお……から揚げとオムライスだったお」

(´・ω・`)「く、クリスマスらしいんじゃない」

( ^ω^)「微妙なラインだと思うおー……」

36 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:12:16 ID:rnKMshTI0



  _
( ゚∀゚)「ショボン、お昼食べるぞー」

(´・ω・`)「あ、うん」
  _
( ゚∀゚)「あ、何、パン?」

('A`)「俺も購買。一緒に行こうぜ」

(´・ω・`)「ん、うん」

('A`)「ショボン何買う?」

(´・ω・`)「えーっと、たらこフランスとメロンパン。あとピザパンとエビカツサンド」

('A`)「いっつもそれだよな」

(´・ω・`)「無かったらコロッケパンあたりかなー。ドクオは?」

('A`)「何か最近新しいパン入ったらしいんだわ。それ食ってみる」

(´・ω・`)「へー、美味しかったら教えて」

('A`)「ショボンそれいっつも言うけど結局買わねぇじゃん。同じのばっか」

(´・ω・`)「そ、うかな」

('A`)「そうだろ。そういうのって依存体質って言うらしいぜ」

(´・ω・`)「なにそれ怖い」

37 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:14:02 ID:rnKMshTI0

(´・ω・`)「なにそれこっわい。っていうか恋人なんてできないし」

('A`)「……」

(´・ω・`)「ねぇ言ってて自分でダメージ受けるのやめてくれる?」

('A`)「……もうすぐクリスマスだよなぁ……」

(´・ω・`)「ブーンとおんなじこと言い出したよこのひと」




ξ゚听)ξ「あ、ショボン、ドクオ。アンタらも購買?」

('A`)「おう。ツンも?」

ξ゚听)ξ「そうそう、チョココロネ食べてみたくて」

(´・ω・`)「あー、新しいの?」

('A`)「俺もそれ買いに来た」

ξ゚听)ξ「そ。もうあとちょっとだったよ、急いで来たら?」

('A`)「マジでか。ちょっと行ってくる」

ξ゚听)ξ「……おお、波に呑まれていく」

(´・ω・`)「潰れないでねー」

38 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:21:50 ID:rnKMshTI0


ξ゚听)ξ「ショボンは? 付き添い?」

(´・ω・`)「ん、ううん。僕はいつもの。どうせ売れ残るからゆっくり行くよ」

ξ゚听)ξ「ほんと好きだよね。いっつもそれ買ってるじゃん」

(´・ω・`)「……そうかなぁ」

ξ゚听)ξ「そうよ。……あ、そういや合唱コンの写真、お昼から代金でしょ? ショボン買った?」

(´・ω・`)「え、そうだったっけ?」

ξ゚听)ξ「そうよ。ナベちゃんも遅いよね。今更?! って感じ」

(´・ω・`)「まぁ、ナベちゃん鈍いからねぇ。……僕はまぁ、買わないかなぁ」

ξ゚听)ξ「あれ、買わないの?」

(´・ω・`)「だってみんながぽかんって口開けてるだけでしょあの写真。それより後で撮った写真まだなの、焼き増し」

ξ゚听)ξ「あ、……あー」

(´・ω・`)「忘れてるんじゃん」

ξ゚听)ξ「修学旅行終わったら! その時の写真と一緒に現像するって!」

(´・ω・`)「ええー……」

39 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:23:06 ID:rnKMshTI0


(´・ω・`)「ん、ごちそうさまでした」

( ^Д^)「ショボンはっえぇ」

( ^ω^)「ほんとにちゃんと噛んでんのかお?」

(´・ω・`)「噛んでるよ。君らが喋ってるから遅いの。っていうか何やってんの」
  _
( ゚∀゚)「練り飴」

( ^Д^)「またんきが箱で買ってきたって」

(´・ω・`)「……うわ、うわ、マジで箱」

( ^Д^)「あれ授業始まったらどうすんだよ」
  _
( ゚∀゚)「おいときゃいいんじゃね? 最後現国だろ、荒巻センセそういうの好きじゃん」

( ^Д^)「でも次この教室化学だぞ。フィレンクト絶対キレるって」

(´・ω・`)「僕図書館行ってくるから」

( ^ω^)「おっお、ショボンは練り飴いいのかお?」

(´・ω・`)「ん、ん、あー、じゃあ一本机に入れといて。帰りに食べる」

( ^ω^)「あいおー」

40 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:25:27 ID:rnKMshTI0






∬´_ゝ`)「ショボンくん、返却?」

(´・ω・`)「はい」

∬´_ゝ`)「早いわねー。はい」

(´・ω・`)「ありがとうございます」


















(´・ω・`)「…………」

(´・ω・`)「……腹、気持ち悪」


(´-ω-`)「…………」

41 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:27:10 ID:rnKMshTI0

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しぃへ



 やぁ、しぃ、ひさしぶり。
 特に用はないけれど、こうして連絡を入れます。
 君にはついつい、いやなことばかり吐き出してしまうから、申し訳ないとは思ってるんだよ。

 でも、君ならきちんと聞いてくれるんじゃないかって甘えちゃうんだ。
 ごめんなさい。押しつけがましいね。
 今まで君に吐き出したこと、全部、まだ全部僕のどっかにわだかまってます。

 ちょっと前に、僕全部忘れちゃったみたいなんだ。
 友達だとか、そういう子たちと、どうやって話してたのか。全部、ふとできなくなっちゃったんだ。

 たとえば休み時間。一応僕なんかでも学校行っててさ、授業の合間に休み時間があるんだ。
 それでね、その間、前までは僕は誰かと一緒に遊んでたり、しゃべってたりしてたはずなんだけど、僕、
 全部それができなくなっちゃったんだ。

 ある日、確か月曜日だったっけ。
 確か誰かの席に自分から行っていた気がするんだけど、どうやって話しかけてたのか、
 どんな風に会話してたのか、すっかり、覚えてないんだ。
 僕は一体どうしちゃったんだろう。ちょっと不思議で怖いけど、これって中々、気分悪くないです。

 心のあたりに何かぽっかり間が空いちゃった感じはするけれど、うん、それってなんか悪くないと思うんだ。
 強がりなんだけれどね。
 本当は泣き出したいくらいに寂しくて恐ろしい。でもね、しぃ、ぼくこれ我慢するよ。これくらいなら大丈夫だと思うんだ。

 君には格好悪いところばっかりみせていますね。こんなんじゃ好きになってもらえないかな。
 そんなふうに色々忘れてしまったけれど、でも喋りかけてもらえれば、なんとか返事くらいできるし、
独り言くらいならちゃんと言えるんですよ。うん、大丈夫そうです。なんとかやっていけるとおもう。
 それに、友人たちと話す代わりに昼食を食べた後に図書室に行くようになりました。

 あそこってあんなにすてきな場所だったんですね。今じゃ僕はあそこが学校でいっとう安心できる場所です。
 本当はしぃ、きみの胸の中が世界で一等安心できるところなんだけど、なんていったら、おこるかな。
 今日の僕は、ほんとうにちょっとどうかしてるんです。見逃してやって下さい。


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42 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:29:31 ID:rnKMshTI0

川 ゚ -゚)「ショボンくん、ショボンくん、起きろー、授業終わったぞー」

(´-ω-`)「……」

('A`)「つかホームルームも終わってるからな」

(´・ω・`)「……うわ、寝過ぎた」

('A`)「爆睡してたよな」

川 ゚ -゚)「荒巻先生見守ってたぞ」

(´・ω・`)「ま、マジで……」

( ^Д^)「ショボン気に入られてるからいいんじゃねぇの」

(´・ω・`)「現国の先生に気に入られてもなぁ……」



( ^Д^)「あ、俺ら帰り駅酔ってくけど、ショボンどうするよ?」

(´・ω・`)「え?」

( ^Д^)「駅」

(´・ω・`)「……え、っていうか僕バス代ないし。おごってくれるの?」
  _
( ゚∀゚)「何でだよ」

(´・ω・`)「いや、僕これまでそんなの行ったこと無いじゃん。なんで誘ったの」
  _
( ゚∀゚)「だってショボン最近付き合い悪いじゃんよー」

(´・ω・`)「きのせいでしょ……僕基本的に付き合い悪いよ」
  _
( ゚∀゚)「しーってますー」

(´・ω・`)「じゃあ帰るから。バイバイ。起こしてくれてありがと、くーさん」

川 ゚ -゚)「ああ、ばいばい」

43 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:30:48 ID:rnKMshTI0



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 本当はね。


 本当の本当はね、怖いんです。

 ほんとうに怖いんだよ。寂しいんです。
 学校に行く朝がくる度にはきそうなくらいに怖いんだ。
 何せ、全部忘れちゃったから。

 僕、いままでこのことどんな風に話してたんだったっけ。
 どんな話をすれば機嫌良くなってくれるんだっけ。
 元から全然わかってなかったのに、ただでさえわかってなかったのに、もう、何にも思い出せないんだ。

 一人でいる休み時間自体が苦しいなんて思わないけれど、でも、もう本当につらいんだ。
 でも、休むなんてできないじゃない。熱があるわけでもないのに学校を休むなんて出来ないんだ。
 ただでさえただの僕じゃ愛してもらえないのに、できそこないだなんてしれたら、お母さんやお父さんは、つらいと思うんだ。

 だから、きちんとしなきゃって、思うんだけど。
 時々、思うんです。



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44 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:32:19 ID:rnKMshTI0


(`・ω・´)「ショボン、ショボン、起きろ」

(´-ω-`)「……ん」

(`・ω・´)「晩飯だぞ。いつまでも寝てるんじゃない」

(´-ω-`)「……んー」

(`・ω・´)「大体帰ってきてすぐ寝たって聞いたけど、宿題はしたのか」

(´・ω・`)「んー」

(`・ω・´)「お前ももう来年には受験なんだぞ。自覚はあるのか、ショボン」

(´・ω・`)「うん、大丈夫。分かってる。ちょっと今日放課後図書館寄ったから、眠くて」

(`・ω・´)「…………、父さんたちにあんまり心配かけさせるなよ」

(´・ω・`)「わかってるよ。ご飯でしょ。今日は何だった?」

(`・ω・´)「オムライスだ」

(´・ω・`)「ん。……着替えてから行くから父さん先行ってて」

(`・ω・´)「二度寝するんじゃないぞ」



(´・ω・`)「……」

(´・ω・`)「……食欲ないなぁ」

(´-ω-`)「…………」


(´・ω・`)「着替えよ」

45 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:33:18 ID:rnKMshTI0


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 もし僕が、もっときちんと愛せるような出来た子供だったら。
 ちょっとくらい忘れたって、母さんや父さんは、それでも抱きしめて、よく頑張ったね、ちょっとくらい休んだっていいんだよ、
って、いってくれるんじゃないかな。

 姉さんがちょっと怒って、もっとしっかりしなさいなんていったりなんてしてくれて。
 バカみたいな妄想ですね。ちょっと涙もひっこんじゃったや。
 現実問題、僕は本当にできてない子供で、それをいいわけにしてるようないやな子供で、ねぇ、しぃ、もう、やだよ。

 忘れてもいいよって、神様に言われてるみたいだなって思います。
 痴呆症の老人のように、どんどんと忘れていって、全部全部忘れていって、
僕はもっと小さくてかわいかった頃に戻っていけるような気がするんだ。

 全部全部吐き出して、いろんな物を全部全部はいて。それできるなら、僕もう全部忘れちゃっていいや。
 君のことを忘れるのだけちょっと名残惜しいけど。でもね、ちょっと僕、疲れちゃったんだ。 
 世の中の人より、僕はちょっとよわっちろいみたいなんだ。みんな、こんなの乗り越えてるって思ってるんだけど。

 ねぇ、ぼくは、でもそうやって頭が小さくなったって、僕もう大きくなっちゃった。
 こたつで寝てたって父さんが僕を抱き抱えてベッドに運んでくれるなんてもう、無理なんだ。
 僕は自分でベッドに入らなきゃ。悲しいね、しぃ。

 僕、おおきくなんてなりたくなかった。
 小さくてかわいい頃があったならね、ずっとそのままで居たかったよ。
 誰も彼も、みんな優しかった頃があるんだ。今だってみんな優しけれど、もう、よくわからない。

 しぃ、僕もう、疲れちゃったよ。どうすればいいんだろう。忘れてもいいのかな。
 神様が居るなんて本とは信じてないし、もうぼくほんとにつらくって、神様が居るなんて信じれない。
 居たとしたってそんな優しいこと僕になんてしてくれないと思うんだ。

 しぃ。僕、やりたいこと、あったんだ。もう、わすれちゃったんだ。
 それ、本当にあったのって聞かれたら、もう、答えられないんだ。
 しぃ。イヤだよ。


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46 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:34:52 ID:rnKMshTI0









('、`*川「今日からテストでしょ。大丈夫なの?」

(´-ω-`)「ん、大丈夫」

('、`*川「……アンタはいっつも、大丈夫しか言わないのね」

(´-ω-`)「…………大丈夫だよ」

('、`*川「ホントに大丈夫だったらこんなこと言わないんだけどね」


(´-ω-`)「…………」

(´-ω-`)「…………だいじょうぶだよ」




(´・ω・`)「……気持ち悪」








.

47 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:35:33 ID:rnKMshTI0



















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 しぃへ


 今日も良いことはありそうもないです。
 こんなことばかり君に送っていると、ぼくはなんだか本当に哀れでかわいそうなこのようですね




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48 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:37:45 ID:rnKMshTI0


从'ー'从「そうですね。えーっと、それで、コレが前回の外部の実力テストの結果なんですが」

(`・ω・´)「はぁ」

(´・ω・`)「……」

从'ー'从「ショボンくん、国語が学年で一位で。県下でもほら、かなり良い順位だったんですよ」

(`・ω・´)「……ホントですね」

从'ー'从「頑張ったねぇ、ショボンくん。英語も良かったよ」

(´・ω・`)「……えっと、はい」

从'ー'从「ほら、見てください此処。難関国立大学到達レベルですって。本当にすごいんですよ、全国平均でも……」

(`・ω・´)「でも、理系科目はぱっとしませんね」

从'ー'从「え、あ。……そ、いえ、それでも去年よりは伸びてますし、お父さん」

(`・ω・´)「こいつは理工学部志望なんでしょう。それで現国だのが良くっても意味ありません。違いますか?」

从'ー'从「え、ええと、確かに、数学や物理は、……ええと、そうですね、私立の四年制大学なら、」

(`・ω・´)「ショボン、お前、理工学勉強したんだろう。そんで何で国語なんて勉強したんだ」

49 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:39:10 ID:rnKMshTI0

从'ー'从「お父さん。しなくていい勉強なんてありませんよ」

(`・ω・´)「いいえ、あるでしょう? そもそも国語なんかできたってそれだけで受験が出来るわけじゃない」

(´・ω・`)「…………、国語なんて、勉強してないよ」

(`・ω・´)「…………」

从'ー'从「お、お父さん、国語だってきちんと物事の根幹を学ぶ大切な教科です。そんなこと言わないでください」

(`・ω・´)「……勉強したって言ってたな。あんだけ部屋に籠っておいて、ずっと勉強してたんだとしたら、なんでこんな結果なんだ」

(´・ω・`)「…………」

从'ー'从「あのお父さん、そういう言い方は」

(`・ω・´)「……」

(´・ω・`)「……」



(`・ω・´)「……国語、勉強してなかったのか」

(´・ω・`)「……数学やばかったから」

(`-ω-´)「……それで、勉強した数学がアレで、勉強しなかった国語がアレか」

(´・ω・`)「…………」

(`・ω・´)「お前、理工学諦めたらどうだ」

50 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:40:05 ID:rnKMshTI0


(´・ω・`)「……」

(`・ω・´)「先生も言ってただろう。お前の国語と英語と、その辺で何とかすりゃ国立にも行けるって」

(´・ω・`)「……」

(`・ω・´)「お父さんだってこんなこと言いたくないが、そっちの方がお前、向いてるんじゃないか」

(´・ω・`)「……でも」

(`・ω・´)「出来ない勉強無理してやって、あとで辛くなるのはお前なんだぞ、ショボン」

(´・ω・`)「……」

(´・ω・`)「……やだよ……」














(´・ω・`)「……」

(´・ω・`)「…………国語なんて嫌いだ。ばーかばーか」

(´・ω・`)「……」

(´・ω・`)「ちょっとくらい、」

(´・ω・`)「……」



(´・ω・`)「……ばーか」

51 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:41:50 ID:rnKMshTI0
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  しぃへ


 この前の朝は急にあんなこと送ってしまってすみません。
 何だか急にぎゅっと胸が痛くなって、どうしても何か君に伝えなきゃ
泣いて吐いてみんなにぼくがほんとにできそこないだと露呈してしまうようなきがしたのです。

 もう、だいぶぼくの鍍金ははがれてるようで、
これでもぼく、小さな頃は、勉強くらいはよく出来た子だったんだと、思うんだけど、もうその付け焼き刃もぽろぽろ落ちて、
ねぇ、ぼくにはなんの取り柄もないみたいです。

 何かうまくできること、誰だって一つくらいあるらしいんだけど、何にもないよ。最近はひどく毎日が悲しくて、いやです。
 ぼく、小説を読むのが好きだった頃があるんです。

 取り柄がなんにもないって嘆いてる人には、ちゃんと慰めてくれるひとがいた。
 きちっとその人のいいところを拾い上げてそっと泥を落として、「ほら、ちゃんとあるよ」って、言ってくれるひと。
 文字の中の彼らが言うぶんには、何の取り柄もないひとなんてひとりだっていないんだそうです。

 いつだって正しい彼らがいうんだからきっとそれは本当なんでしょう。
 ほんとうのほんとうは、何の取り柄もなく、いいところもないひとなんていないのでしょう。
 でも僕には彼らがいません。

 たとえ僕にたったひとつでもこぼれおちるほどでもいいところがあったとして、
それを拾い上げて泥をはらってぼくに握らせてくれるひとなどおりません。いないんだ。
 それじゃあ、ぼくのいいところなんてないも同然なんじゃないのかな。




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52 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:44:14 ID:rnKMshTI0









('A`)「ショボン、この前の三者面談どうだったよ?」

(´・ω・`)「ん? ふつう」
  _
( ゚∀゚)「ほんっと嫌だよなーこの時期、なんなんだよこの面談の頻度!」

o川*゚ー゚)o「ナベちゃんも大変だよねぇ」

('A`)「すなおさん人間出来てんなー。俺はもう面談が嫌でしょうがねぇ」
  _
( ゚∀゚)「うっわー俺今日の放課後! いきたくねぇえ……」

(´・ω・`)「がんば」
  _
( ゚∀゚)「いいなぁもう終わったやつは余裕でよぉ!」

53 名前:名も無きAAのようです :2013/09/29(日) 18:44:58 ID:rnKMshTI0

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 父さんがぼくほめてくれたことなんて、ないんだ。
 ねぇ、本当にほんとうにぼくが人より優れてるところって、きっとないんだ。見あたらないよ。
 ちょっとくらい、誰かに誇ったり出来ること、なんでぼくにはないの。

 褒めて貰いたかったんだ、ぼく。すごいねって。よくできたねって。
 がんばったんだねって。
 でももらえたのってもっともっと上にいけるだとか、まだまだできるんじゃないのだとか、あたりまえだとかそんなの。

 ねえ、うれしいけど、でもぼくがんばったんだよ。
 がんばれないけどがんばったんだよ。そんな他人にばっかり依存してよわっちろいぼくが、ねぇ、褒めて欲しかったんだ。
 まだ足りないって言われて、つらかったんだ。

 ぼく、ひとよりいらないんだと思う。

 そのままだけじゃ親にだって愛してもらえないくらいなんだもの、他人になんて、もっといらないにきまってるね。
 きっとみんなにしにたいって言っても、本心じゃはいどうぞってみんな醒めた顔してるんじゃないかな。
 そんなどうでもいいぼくとも一緒にご飯を食べてくれるんだから、みんな優しいです。

 ぼくはもう、ひとりでごはんをたべることもできないのって情けなくなるんだけど。

 例えばもうほんとうに恋しくて恋しくて、このひとのためならしんでもいい。
 美しい風景を見ればその人をつれて見せたくなる。
 ただ、隣にいるだけで全ての幸福というようなひとがぼくにできたとして、そのひとがぼくのことすこしでも好いてくれてるなら、

 そんな生活を出来たら、ぼくはこんな風にならずにすんだんでしょうか。

 しぃ、君に向かってそんなこというの、失礼かな。
 はやくこの生活が終わればいいのにと思います。
 ぼくの人生はそんなことばかりで、この時間がずっと続けばいいなんて思うの、夜中にひとりで寝ているときくらいです。

 それってきっとひどく寂しいんだろうね。ぼくはもしかしたらほんとのほんとにかわいそうな子なのかもしれない。わらっちゃうね。





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