208 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 17:35:39 ID:e8RsuaEE0
ノパ听)「ふーん、じゃあ別にあんたは目的があって、呟影団に喧嘩売ってるわけじゃないんだ」
  _
( ゚∀゚)「まー、確かに明確に何かある、ってわけじゃあないッスけど……
     料理が好きだから料理人になるように、サッカーが好きだからサッカー選手になるように
     悪が許せないから、オレぁ呟影団をぶっ潰そうとしてるんスよ」

ノパ听)「ま、いいんじゃない。別に、家族を殺されたとか、友達が病院送りにされたとか。
     くらーい過去と、つよーい憎しみを持っているヒーローだけが、正義をかざして良いワケじゃあないしね」


とある休日。
青年――(,,゚Д゚)――に殴られた傷が再生しきる頃。
河原で、二人は会話を弾ませていた。


ジョルジュは、前回の戦闘時に手助けしてくれた同高校の先輩……素直ヒートと連絡先を交換することにした。

その日にすぐさま話すには、ジョルジュ自身にも、彼女自身にも良くないと日を改めての交流。

広くて人がそこそこ居る場所が良いだろう。と、休日なら大抵やっている少年野球の絶好の場。
河川敷の傍にある自然公園で、今度の休みに落ち合おうと決めたのだ。

思ったより早く到着してしまったジョルジュは、何とはなしに昨日のメッセージのやりとりを眺める。

209 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 17:39:33 ID:e8RsuaEE0
  _
( ゚∀゚)【受験勉強とか大丈夫なんスか?】

ノパ听)【大丈夫。うちは代々、文武両道貫いてるから】
  _
( ゚∀゚)【由緒正しい家系なんです?】

ノパ听)【さー、どうだろ。純粋な日本人だけの家系じゃないし】
  _
( ゚∀゚)【え、そうなんスか?】

ノパ听)【爺ちゃんがイタリアの人らしいよ。ツェ……なんとかって名前だったかな。
     若いうちに死んでるから、喋ったことないけど】
  _
( ゚∀゚)【へー。だから先輩、背丈も高いしスタイル良いんスね】

ノパ听)【お、セクハラか? これ警察に見せていいかな?】
 _
(;゚∀゚)【ちょっと待ってくださいよォ〜〜〜!?】

ノパ听)【まーそれはいいや。じゃあ、明日な】
  _
( ゚∀゚)【はい。また明日ッスね】

210 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 17:42:59 ID:e8RsuaEE0
ノパ听)「おまたー」

ちょうど読み終えた頃で、ジョルジュはヒートと再会した。

小物アクセサリーは制服時のままらしく、ベルトやリストバンドを装着している。
ゆったりではなく、ぴっちりしたTシャツの上にデニムジャケットを羽織っていた。
袖口には丸い玉……鉄球のような形のボタン。
ホットパンツとニーハイにスニーカーと、アクティブスタイルの彼女はやけに眩しく見えた。




   第七話「スターホワイト」






河原の芝生に腰を下ろし、用意していたペットボトルの炭酸飲料をジョルジュは渡す。

ノパ听)「気が利くじゃん」
  _
( ゚∀゚)「いちおー、呼びだしたのはオレっスからね」

言いながらジョルジュも、同じ飲み物のキャップを開けて口に含んだ。
弾ける刺激が、口に広がり鼻に広がり、目すら刺激してくる。

独特の甘みをもっと楽しみたい欲求と、耐えがたい炭酸の絶妙な関係を、容器を傾けることで断ち切った。

211 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 17:46:54 ID:e8RsuaEE0
  _
(*゚∀゚)「くはー! やっぱ炭酸はうめーなぁ!」

ノパ听)「そんな一気にガーッとは飲めないね、あたし」

細い指で器用にキャップを回し、ヒートは口に含んだ。

ノパ听)「あたしは良いとして、そういえばあんたも勉強大丈夫なの?
     補講の帰りとか言ってたじゃん」
  _
( ゚∀゚)「やー。まあ大丈夫ッスよ。多分。
     ……おっと、そーいえば明日の英語の宿題忘れてたな……。
     回収係の空条さんに怒られちまう」

ノパ听)「おいおい、知らないよ〜?」

何気ない会話を交わす中。

ふいにヒートは話を切り出した。


『何故、ジョルジュは呟影団と戦っているのか。』


ヒートが抱く、率直な疑問だった。

それに対し、ジョルジュは自分の意見を正直に話す。

その上で、彼も思っている疑問をぶつけてみることにした。

212 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 17:49:18 ID:e8RsuaEE0
  _
( ゚∀゚)「先輩、ぶっちゃけもう巻き込んでいる状態で言うのもなんですけど……」

ノパ听)「うん」
  _
( ゚∀゚)「先輩は、『味方』になってくれるんスか?
     それとも、金輪際関わらないとか?」

ノパ听)「……」

ノハ--)「この『波紋呼吸法』ってさ、別にうちで商売としてやってるわけじゃないんだよね。
      誰かに教えるわけでもなく、そういう家系だから絶やさずに継いでいっている。
      聴いた話だとどっかには、回転を使う似たような特異技術もあるらしいけど……それはさておき」

ノパ听)「まあ、役には立つから。警察官とかボディガードとか、そーいうのになる人も、もちろん多い」

ノパ听)「あたしは別に、そういうのになりたいっていう立派な志は持ってない」
  _
( ゚∀゚)「……」

ノパ听)「でも」

ノパ听)「でも、これを『正しいこと』のために使いたいと思っている。
     その為に、あたしの親はこの力を授けて鍛えてくれた。
     だから、あたしも頑張って会得した。戦える人間、『戦士』になるために」

213 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 17:52:42 ID:e8RsuaEE0
ノパ听)「あんたがどういう人間か、まだ完璧にはわかんないけど……。
     あたしは、あんたが『正しいこと』をする『光』なんじゃないか、って漠然と感じてる。
     そして、間違いなく呟影団は『悪しきこと』をする『闇』……結論は出てる」


ノパ听)「力を貸すよ、ジョルジュ」

  _
( ゚∀゚)「へっ、話がなげーんスよ。先輩」

ジョルジュは照れながら、手を差し出した。
ヒートは躊躇することなく応じる。その迷いのなさが、彼にとっては至上の喜びだった。


一人じゃない。


そうなっただけで、心が軽くなったのだ。




  _
( ゚∀゚)「ところで先輩、その波紋ってスタンドは見えても、触れるんスか?」

ノパ听)「根源は一緒だからね。波紋を帯びている内は触れるし見えるよ。
     もちろん、スタンドにだって通る」
  _
( ゚∀゚)「つーか、そもそも波紋って?」

ノパ听)「呼吸から生み出される、生命エネルギーって話したでしょ。
     基本的には、生きてる物や水気のあるものに伝達しやすい特性を持ってるんだ
     痛み和らげたり、くっついたり離れたり。応用効きすぎて、一言じゃ説明は無理かな」

214 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 17:56:24 ID:e8RsuaEE0
  _
( ゚∀゚)「じゃなくて、なんでそんなものが?」

ノパ听)「あんた達のスタンドだってそうでしょ。
     『なんであるのか』なんて聞かれて、すぐ答えられる人なんている?」
  _
( ゚∀゚)「確かに」

ノパ听)「この波紋は、大昔にだけど吸血鬼と戦うために編み出された技法らしいけどね」
  _
(;゚∀゚)「き、吸血鬼ィ!? なんスかそのオカルト!」

ノパ听)「もちろん、今はもうそんなの居ないよ。けど、文献とかには残ってる。
     過去には現実として、あったことみたい。吸血鬼を超えた究極生物の話とか……
     まるで作り物みたいなお話がそりゃもうたくさんだよ」
  _
( ゚∀゚)「すげぇんスね……」

  _
( ゚∀゚)「……」


  _
( ゚∀゚)「!」


  _
( ゚∀゚)「そうだ」

ノパ听)「ん?」
  _
( ゚∀゚)「その波紋の呼吸って、もしかしてオレにも出来るんスかね?」

215 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 17:59:48 ID:e8RsuaEE0
.


――――。





次の日のことだった。

フィット気味の半袖パーカーと両腕にリストバンド。
薄い生地の短いプリーツスカートとスパッツ。に動きやすいカラフルな運動靴。

艶やかな髪を縛り、一本に結いあげている年ごろの女の子が、涼しげな顔でランニングをしていた。

コンクリートの地面を蹴り、河川敷の見晴らしの良い道路を駆けていく。
それなりのスピードを保っているのに、彼女の額には汗一つ流れていない。
手を抜いている様子もないのが、なんとも不思議な光景だ。

とある地点に差し掛かると、その娘は片足を踏ん張ってから軌道変更を行う。
緩やかに長い坂を下り、一般道へ。

信号を抜け、住宅街を越え、時計を見て昼前ということを確認し、前を見据えて更に進んでいく。

少し人気のなくなった通りへ出ると、彼女は足を止めた。

ノパ听)「ふー……」

216 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 18:04:18 ID:e8RsuaEE0
軽く息を吐き、温かくなった筋肉の動きを確かめる。
そして、腰に手を当てて徐に振り向きつつ、声を発した。

ノパ听)「どーしたの、もうヘバった?」

涼やかな声をかけられた相手は、それはそれは疲弊していた。

運動用のぴっちりしたウェアは、色を濃くし皮膚のように張り付いている。
通気性の良いハーフパンツから伸びる両足にすら、玉のような汗が流れていた。
  _
(; ∀ )「……ぜぇ……ぜぇ……」

ノパ听)「言い返す余裕もないの?」
  _
(; ∀ )(ほとんどトップスピードで、マラソンコース並の距離をなんで走れるんだこの人……)

波紋の呼吸によるものらしいが、幽波紋使い(スタンドつかい)でしかないジョルジュには余りにも酷なメニューだった。


そもそも、何故彼らはこんなことをしているかというと。




――――前日のこと。

ノパ听)「んじゃ、いくよ」
  _
( ゚∀゚)「おう!」

217 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 18:09:12 ID:e8RsuaEE0
ノパ听)「ほいっと!」 ズブォッ!
 _
(;゚Д゚)「!!!???!?」

ヒートは合図と共に、小指のみを立たせた拳でジョルジュの胸元を突いた。
比喩などではなく、それはまさに『突き』で、手が見えなくなるほどまで身体にめり込んでいる。

  _
(; Д )「……ァ……」

ノパ听)「あれ? ミスった? 滑っちゃった……わけじゃないんだけど」

ヒート曰く、波紋法を会得するもっとも簡単な手順らしい。
ツボを刺激することで、強制的に呼吸を波紋を生み出す特殊型に変化させる……はずだった。

しかし、当のジョルジュは苦しそうに悶えるだけ。
普通なら、そのまま絞り出した空気を再度吸い込む際に、波紋が生み出されるらしい。

とはいえ、現代においてヒートの家系にしか伝わっていない波紋法。
真実なのかどうか、それは文献の中でしかわからないことだった。

ノパ听)「……まー、波紋と幽波紋は似て非なるものだし。
     もしかしたら出来るかも、って思っただけなんだよね。
     大丈夫? 水飲む? グミあげようか? あ、ごめん持ってないや」
  _
(; Д )(無責任にもほどがあんだろ……)
 _
(;゚Д゚)「ん?」 コヒュ……

218 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 18:13:19 ID:e8RsuaEE0
 _
(;゚∀゚)「あれ、でもなんかちょっとだけ楽になってきたかも」コヒュウゥ

ノパ听)「お、本当? やっぱ素養自体はあるのかもね」
  _
( ゚∀゚)「続ければ、ちゃんと身に着いたりするんスか?」

ノパ听)「んー、どこまでいくかはわかんないけど。
     多分、多少なりとも使えるようにはなるかもね」
  _
( ゚∀゚)「おっしゃ! じゃあ、まずは特訓スね! どうすりゃいいッスか!?」

ノパ听) =3「調子の良い奴だね。まー、とにもかくにも呼吸だからね。
       じゃ、まずは……」




――――――――。




……と言うわけで、ランニングをしていたのだった。

いくら波紋の片鱗を身に着けたとはいえ、長岡ジョルジュは一般的な高校生。
スタンド能力なんて奇妙な特徴を持ってはいるが、それでも身体能力は平均的。
ここぞという時にしか出せない、瞬発型の疾駆速度を平常的に続けるパワーなんて……ない!

料理人が片手で卵を割るかのように、簡単そうな顔をして遂行しているヒートの方こそが『異常』なのだ。

219 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 18:18:32 ID:e8RsuaEE0
ノパ听)「まーいきなりはキツかったか。じゃあ、最後に階段ダッシュして今日はアガリにしようか」

ヒートは簡単そうに指をさした。
住宅街の中にある、人通りの少ない道。
そこの途中から、伸びているのは石造りの長い長い……いや、高い高い階段。
一歩を上るのに、しっかりと太ももを意識しないと難しいほどの段差。

先にあるのは、小さなお寺だ。地元の人でも、余り寄りつかない質素で簡素なものがあるだけ。
ゆえに、トレーニングには最適ともいえる。
  _
(; ∀ )(殺す気か……)

とはいえ、教えてくださいと頼み込んだのはジョルジュ。
自分から飛び込んだ以上、抗議をするのは間違っている。

難しいこと、ほとんど他へは広げてない技術を善意で教えてくれている。

そのことに、感謝をすべき当然の立場。

口が裂けても『ふざけんな、こんなのやんねーぞこのアマ!』と言える条件は揃っていない。

ノパ听)「飲み物ぐらい奢るからさ。ほんじゃ、いくよーん」
 _
(;゚∀゚)「……あー、わかりましたよ! いってやりますよッ!!」

これで最後だ。(今日のところは)
そう思うと、不思議と絞り出せる活力が湧いてくる。

ふらふらの足腰をグッと踏み込んでジョルジュはヒートの数段後を、死にかけのバッタのようについていった。

220 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 18:22:39 ID:e8RsuaEE0
  _
(; ∀ )(暑い……しんどい……)

呼吸のリズムがある。
吸って吐いての律動。

平静でのそれと、動揺のそれとでは全く異なる。
筋肉を動かすために使用されたエネルギーを補給するため、一生懸命呼吸をする。

波紋の呼吸は、常に一定の間隔がある。
それを乱さなければ、筋肉疲労もしない。エネルギーも消費されても生み出される。
だから、『呼吸を乱すな』とヒートはジョルジュに教えていた。

未熟であっても、多少なりとも楽になるはずだから。

 _
(;゚∀゚)(無理無理無理無理ィ……こんな死にそうな状態で、難儀な呼吸なんて出来るかっての!)


体が熱い。
振っていた腕が脱力する。
膝が抜けそうだ。

くそう。
もう少し冷えさえすれば多少は……


 _
(;゚∀゚)「!」

221 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 18:25:50 ID:e8RsuaEE0
ひんやりとした空気だった。
ほんのりと感じる、至高の冷気。

高さが増えたことによる風か。
まるで、クーラーの良く効いた部屋の扉を開けた直後のように。
スニーカーの上から伸びている足首に、心地よい冷たさが纏ってきた。

 _
(;゚∀゚)「おほー! これならもうちょっとだけ頑張れるぜ!」

声が出るぐらいには気持ち良かった。
だから、階段を二歩、三歩とガンガン進んでいく。

進むにつれて冷たさは増していく。だからイケる。

 _
(;゚∀゚)「おっしゃ、スパートかけるぜ!」

ノハ;゚听)「ジョルジュ!!!」


思い切り踏み込んだ瞬間だった。

何故か、ヒートの叫び声が聞こえた。

理由はわかってる。頭で判断するよりも、もっと早く本能が、脊髄が知っていた。

身体が宙に浮いていたのだ。
飛んだわけではない。物理的に当然の結果による浮遊。

222 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 18:28:19 ID:e8RsuaEE0
階段を踏んだ時に、体重がかかりきる前に『滑った』から。
高低差の激しいこの場で、そんなまま滑ると、重心の関係上後ろに倒れる。

だから、浮く。当たり前だ。

それをヒートは心配……いや『知っていた』?

 _
(;゚∀゚)「うぉおおお!?」

下を見る。余りにも高い。高すぎる。
このまま落ちれば最低怪我、それ以上もありうる!

 _
(;゚∀゚)・∀・)「キャッチ・ザ・ハンド!!」
   ズキュン!

けれど彼は一般的な高校生ではない。
持ちうる幸運を手にしている。

スタンド能力。
彼の持つ精神的肉体的特徴は、この窮地を救ってくれるのだ。

 _
(;゚∀゚)・∀・)つ「吸いつけ!!」

223 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 18:32:38 ID:e8RsuaEE0
左手をかざし、解離した階段へ再び着地する。
視界内であれば、彼はその左手にある『吸引』の力を使って移動できるのだ。

 _
(;゚∀゚)・∀・)「……なんだこれ……?」

足を付けた瞬間に気付いた。



…………『凍っている』。



石造りの、もう冬はとうに過ぎ去った、かんかん日和のこの日本で!

『階段が凍っている』のだ! だから転ぶ!

 _
(;゚∀゚)・∀・)「どういう……」

ノハ;゚听)「ジョルジュ! こっちにこい!」
 _
(;゚∀゚)・∀・)「え?」


声をかけられ、前を見た。

……その時には、彼も知った。

224 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 18:38:18 ID:e8RsuaEE0
足をつけていた、凍っている箇所。


『浸食している』! 接地しているスニーカーごと!


増しているのだ、『凍る現状』が!

だからヒートは焦って声を出した。手を差し伸べて、近くへ来るよう促した。

 _
(;゚∀゚)・∀・)「くっ!」


ジョルジュはそれに応える。
前に進もうにも、これでは無理だ。

なので、一度あえて今度は自分から、中空へ飛ぶ。
微妙に距離を作り、そこから吸引能力を発動させた。

石階段に触れず、真っ直ぐヒートの場所へ飛んでいく。

ノパ听)「うおっと!」
 _
(*゚∀゚)・∀・)「うほぅっ!?」

眼前で止まるつもりだったが、少し目測を誤った。
身体ごと、ヒートの柔らかな胸に突っ込んでしまったのだ。
沈むように弾むような反動を感じながら、汗をかいていないので洗剤の匂いがジョルジュの鼻を刺激する。

225 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 18:42:17 ID:e8RsuaEE0
 _
(*゚∀゚)・∀・)「す、すんマセン」

ノパ?゚)「大丈夫か?」
 _
(*゚∀゚)・∀・)「え、ええ。とりあえずは」


ヒートの近くに来て初めてわかった。
彼女は凍ることへの浸食影響を受けていない。

足元から連続的に波紋を流しているのだ。
自らの身体には、その凍結している箇所が実質触れていない。だから無事なのである。

ノパ?゚)「一帯には波紋流してるから、あんたも足付けて大丈夫だよ」
  _
( ゚∀゚)・∀・)「了解ッス」

ノパ?゚)「……さて」
  _
( ゚∀゚)・∀・)「ええ」

ノパ?゚)「この『異常事態』だけど、あんた心当たりは?」
  _
( ゚∀゚)・∀・)「経験や知識に関しての話でしたら、この凍結状態は知りません」
  _
( -∀゚)・∀・)9m「ただ、こんな奇妙なことをされる『謂れ』ならよぉ〜〜〜っく知ってますよ」

226 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 18:44:29 ID:e8RsuaEE0
ノパ听)「……呟影団か」
  _
( ゚∀゚)・∀・)「前に倒した七天柱の一人が言ってました。
        『部下がやられた報復をしにきた』って。
        つまりはそーいうことなんじゃあないッスかね」

ノパ听)=3「つまりなんだ、やっぱ当たり前だけど、とーぜんこれは」
  _
( ゚∀゚)・∀・)「『スタンド攻撃』ッスね」

ノパ听)「やれやれ。わかっちゃいたけど、いきなり来るもんなのね」
  _
( ゚∀゚)・∀・)「そういうもんッス」

ノパ听)「りょーかい。わかったよ。じゃー、ジョルジュ。
     このなんだかわからん、スタンド使い。とっととやっちゃいますか」
  _
( ゚∀゚)・∀・)「オッケーっす。やっちゃりましょう」

二人は拳を突き合わせ、階段の先に居るであろう敵を見据え駆け上がっていった。

息を切らさずに息を合わせ、それは気持ち良いくらいの速度であった。




――――。


そして、その二人が目指す『目的地』


街の全景が見えるほどの高さである、頂上のお寺。
階段の最上段で、見下ろしている一つの影があった。

227 名前: ◆N91v81g8eE :2014/08/31(日) 18:46:27 ID:e8RsuaEE0
決して大きくはない。
休日にも関わらず、学生服姿の女性。

風になびく長い長い髪の毛が特徴的だった。




川 ゚ -゚)「……」




川 ゚ -゚)「長岡……ジョルジュ……」





  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘


←第六話 / 戻る




inserted by FC2 system