「嫌だー! 俺は、俺は死にたくないー!」

(´・ω・`)「……」

今日も、また僕は勝ってしまった。

薄暗い賭博決闘場。向かい合っていた男の叫びを虚ろに聞きながら僕はぼんやりとしていた。

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「相変わらずいい腕だな。ショボン」

この賭博場を仕切るオーナーは聞き飽きた言葉を投げかけてくる。もう何度目だろうか。

(´・ω・`)「……」

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「はは、おーけい、おーけい。報酬はここにおいておく。次回も頼むぞ?」

コインが詰め込まれた小汚い皮袋を左手に提げ僕は無気力に扉を押し開け外に出る。

この狭苦しい裏路地の夜空に星は輝かない。陰鬱な僕の気持ちを映すように分厚い雲が空を覆っていた。

なぜ僕は生きているのだろう。さっさと負けてしまえばすぐに“死の炭鉱”へ行くことが出来る。

あの賭博場で負けるということはつまりそういうことなのだ。

勝者には金、敗者には死の労働。この二者択一。

正直、僕は怖いのだと思う。死を望んでいながら内心ではその死を恐れる、臆病者だ。

だから今日も生き延びたことに安堵しながらも嫌悪する。我ながら面倒くさい。

「あのー」

そのとき思考を遮るように誰かが僕に呼びかける。

「あのー!」

再び、声がした。今歩いている裏路地に不釣合いな少女の声に思わず僕は顔をあげた。

('、`*川「あなたに頼みがあるんです!」

(´・ω・`)「?」

これが、僕と彼女の出会いだった。



(´・ω・`)が生き方を見つけるようです



('、`*川「デュエリストさんですよね? お願いします、助けてください!」

年の程は僕と同じ17、18歳といったところか。

裏路地を歩いたせいか多少汚れてはいるものの着ている服から見て富裕層の娘さんだと思われる。

('、`*川「悪漢に追われてるんです! どうか助けてください!」

突然現れた少女は艶々とした黒髪を揺らして手振り身振りで僕に助けを求めている。

その悪漢とやらの目的はおそらく身代金目当ての誘拐だろう。

この裏路地に住んでいる人間は総じて金に困っている連中ばかりだ。犯罪に手を染めるものだって少なくない。

('、`*川「あの、やっぱり駄目、ですか……?」

思案に暮れて一言も喋らない僕に不安を募らせたのか彼女は先ほどとは打って変わって弱弱しく呟いた。

(;、;*川「ふえぇぇーん! ぐす、ぐっす」

呟いたかと思えば泣き出した。幼い子供のように彼女は泣きじゃくる。

(;´・ω・`)「だ、大丈夫。助けるよ」

つい、言ってしまった。他人はおろか自分にさえも無気力になっていた僕が、他人を助けると。

自分で言ったことなのに自分が一番驚いていた。今日の僕はどうかしている。

('、`*川「ありがとうございます! ありがとうございます!」

安心した少女に右手をつかまれて上下左右にブンブンと振り回される。

爪゚A゚) 「お楽しみのとこわりーが、素直に捕まってもらおうか、お嬢さんよぉ!」

酒焼けした声だ。こいつが例の悪漢か。目つきが悪く髪も伸び放題だ。

柄の悪い男の声にびくりと体を振るわせた少女は僕の背中に隠れて耳打ちする。

('、`*川「ひへえぇ! あ、あの男です。あの男が追いかけてくるんです!」

爪゚A゚) 「あぁん? よく見ればてめぇは鉄屑のショボンじゃねぇか!?」

賭博場で連勝を重ねる僕は裏路地ではそれなりの有名人だ。

誰が言い出したのかは定かではないが、僕の使うカードにちなんで鉄屑という二つ名も出来ていた。

(´・ω・`)「ああ、そうだ。裏路地の人間なら分かるだろう? 君じゃあ僕に勝てないよ」

爪゚A゚) 「クソが! それでも俺はやんなきゃなんねぇんだ。生きるためによぉ。デュエルだ!」

(´・ω・`)「デュエル!!!」爪゚A゚)

(´・ω・`)「先攻は僕が貰うよ。ドロー」hand6

(´・ω・`)「スクラップ・ハンターを召喚」hand5

赤銅色の小型戦車が僕の目の前に現れる。スクラップシリーズ、僕の使うカードだ。

《スクラップ・ハンター/Scrap Hunter》 †
効果モンスター
星3/地属性/機械族/攻1600/守 400
1ターンに1度、このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する
「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して破壊し、
自分のデッキからチューナー1体を墓地へ送る事ができる。

相手の出方は分からないが僕は僕のやり方で攻めるだけ。何も慌てることはない。

手札から二枚のカードを抜き出すとお手製のデュエルディスクへ滑り込ませた。

(´・ω・`)「リバースカードを二枚セットしてターンエンド」hand3

爪゚A゚) 「俺のターン! ドローだ」hand6

爪゚A゚) 「マシン・デベロッパーを発動!」hand5

《マシン・デベロッパー/Machine Assembly Line》 †
永続魔法
フィールド上に表側表示で存在する
機械族モンスターの攻撃力は200ポイントアップする。
フィールド上に存在する機械族モンスターが破壊される度に、
このカードにジャンクカウンターを2つ置く。
このカードを墓地へ送る事で、このカードに乗っている
ジャンクカウンターの数以下のレベルを持つ
機械族モンスター1体を自分の墓地から選択して特殊召喚する。

スクラップ・ハンター
ATK1600→1800

爪゚A゚) 「勇気の旗印も発動!」

《勇気(ゆうき)の旗印(はたじるし)/Banner of Courage》 †
永続魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターは、
自分のバトルフェイズ中のみ攻撃力が200ポイントアップする。

爪゚A゚) 「C・コイルを召喚だぁ」hand4

《C(チェーン)・コイル/Iron Chain Coil》 †
チューナー(効果モンスター)
星3/地属性/機械族/攻1100/守1600
自分フィールド上に存在する「C(チェーン)」と名のついた
モンスター1体を選択して発動する。
そのモンスターの攻撃力・守備力は300ポイントアップする。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

爪゚A゚) 「さらに機甲部隊の最前線を発動!」hand3

《機甲部隊の最前線(マシンナーズ・フロントライン)/Machina Armored Unit》 †
永続魔法
機械族モンスターが戦闘によって破壊され自分の墓地へ送られた時、
そのモンスターより攻撃力の低い、
同じ属性の機械族モンスター1体を自分のデッキから特殊召喚する事ができる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

爪゚A゚) 「C・コイル自身の効果も発動させ、永続魔法と併せて攻撃力を1800までアップだぁ」

C・コイル
ATK1100→1300→1500→1800

機械デッキ、か? 裏路地では良く見られるデッキジャンルだ。

爪゚A゚) 「バトル!スクラップ・ハンターを攻撃!」

C・コイル(ATK1800) vs スクラップ・ハンター(ATK1800)

ジャンクカウンター
0→4

爪゚A゚) 「お互いモンスターが破壊されるが俺には最前線の効果がある! 追撃させてもらうぜぇ?」

(´・ω・`)「そう。なら僕も。リバースカードオープン、リグレット・リボーン」

《リグレット・リボーン/Regretful Rebirth》 †
通常罠
自分フィールド上に存在するモンスターが
戦闘によって破壊され墓地へ送られた時に発動する事ができる。
そのモンスター1体を自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは自分のエンドフェイズ時に破壊される。

(´・ω・`)「戦闘で破壊されたスクラップ・ハンターを僕の場に蘇生」

スクラップ・ハンター
DEF400

砕け散った褐色のパーツが僕の場で再び組みあがり元の姿へと戻る。

爪゚A゚) 「チッ、俺はメカウサーを特殊召喚!」

《メカウサー/Mecha Bunny》 †
効果モンスター
星2/地属性/機械族/攻 800/守 100
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
自分のデッキから「メカウサー」1体を自分フィールド上に
裏側守備表示で特殊召喚する事ができる。
このカードがリバースした時、フィールド上に存在するカード1枚を選択し、
そのコントローラーに500ポイントダメージを与える。

対する相手プレイヤーはコイルよりも一回り小さい兎を組み上げ僕へと向かう。

爪゚A゚) 「メカウサーでハンターを攻撃するぜ」

(´・ω・`)「速攻魔法、スクラップ・スコール」

爪゚A゚) 「!?」

《スクラップ・スコール/Scrapstorm》 †
速攻魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する「スクラップ」と名のついた
モンスター1体を選択して発動する。
自分のデッキから「スクラップ」と名のついたモンスター1体を
墓地へ送り、カードを1枚ドローする。
その後、選択したモンスターを破壊する。

(´・ω・`)「デッキからスクラップ・サーチャーを墓地へ送りカードを一枚ドロー」hand3→hand4

(´・ω・`)「そしてハンターを破壊する」

ジャンクカウンター
4→6

爪゚A゚) 「ははは! 何事かと思えば場を自分から空けやがった! 馬鹿か?」

突拍子のない僕の自爆とも言える行動に相手は笑い声を上げた。

(´・ω・`)「……」

爪゚A゚) 「遠慮なく攻撃させてもらう。ダイレクトアタック!」

(´・ω・`)LP:4000→2800

爪゚A゚) 「こんなもんかぁ? 鉄屑さまよぉ? ターンエンドだ」

Turn1
(´・ω・`)LP:2800 手札:4
□□□□□ 魔・罠 
□□□□□ モ   

F□□□□ モ   F:メカウサー
@AB□□ 魔・罠 @:デベロッパー A:最前線 B:旗印
爪゚A゚) LP:4000 手札:2


(´・ω・`)「ドロー。スクラップ・ビーストを召喚」hand5→hand4

《スクラップ・ビースト/Scrap Beast》 †
チューナー(効果モンスター)
星4/地属性/獣族/攻1600/守1300
フィールド上に表側守備表示で存在する
このカードが攻撃対象に選択された場合、
バトルフェイズ終了時にこのカードを破壊する。
このカードが「スクラップ」と名のついた
カードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、
「スクラップ・ビースト」以外の自分の墓地に存在する
「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える事ができる。

(´・ω・`)「バトル。メカウサーを攻撃」

スクラップ・ビースト(ATK1600) vs メカウサー(ATK1200)

ジャンクカウンター
6→8

爪゚A゚) LP:4000→3600

爪゚A゚) 「へっ、俺はメカウサー自身の効果でメカウサーをセット」

爪゚A゚) 「最前線の効果でニードル・ガンナーを特殊召喚だぁ」

《ニードル・ガンナー》 †
効果モンスター
星1/地属性/機械族/攻 100/守 100
このカードをシンクロ素材としたシンクロモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

倒しても倒しても限のない機械達。そろそろ相手も動き出す頃だろう。

(´・ω・`)「リバースカードを二枚伏せ、ターンエンド」hand2

爪゚A゚) 「俺のターン。ドローだぁ!」hand3

爪゚A゚) 「へへっ、鉄屑さまもたいしたことはねぇなぁ。メカウサーをリバース!」

爪゚A゚) 「ビーストを指定してお前に500ポイントのダメージを与える!」

兎の瞳から放たれた反射レーザーが僕を貫く。

(´・ω・`)「む……」

(´・ω・`)LP:2800→2300

爪゚A゚) 「C・リペアラーを召喚、効果を使うぜぇ」hand2

《C(チェーン)・リペアラー/Iron Chain Repairman》 †
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1600/守1200
このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、
相手ライフに300ポイントダメージを与える。
1ターンに1度、自分の墓地に存在する「C・リペアラー」以外の
「C(チェーン)」と名のついたレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する事ができる。
この効果を発動するターンこのカードは攻撃する事ができない。

爪゚A゚) 「蘇れ、C・コイル!」

C・コイル
ATK1300

蘇るチューナー、場にそろった低レベルモンスター。それが意味するのはすなわち―。

爪゚A゚) 「レベル2メカウサー、レベル1ニードル・ガンナーにレベル3C・コイルをチューニング!」

―シンクロ召喚だ。六つの星が光の輪を潜り抜け新たなモンスターへと姿を変えた。

爪゚A゚) 「シンクロ召喚、C・ドラゴン!」

《C(チェーン)・ドラゴン/Iron Chain Dragon》 †
シンクロ・効果モンスター
星6/地属性/ドラゴン族/攻2500/守1300
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分の墓地に存在する「C(チェーン)」と名のついたモンスターを
全てゲームから除外する事ができる。
この効果で除外したモンスター1体につき、
このカードの攻撃力はこのターンのエンドフェイズ時まで200ポイントアップする。
このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与える度に、
相手のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。

爪゚A゚) 「これで終わりじゃないぜぇ? 手札の機械族モンスターのレベル合計を8以上になるように捨てる」hand0

マシンナーズ・フォートレス(レベル7)×2 墓地へ

爪゚A゚) 「来い、マシンナーズ・フォートレス!」

《マシンナーズ・フォートレス/Machina Fortress》 †
効果モンスター
星7/地属性/機械族/攻2500/守1600
このカードは手札の機械族モンスターを
レベルの合計が8以上になるように捨てて、
手札または墓地から特殊召喚する事ができる。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する。
また、自分フィールド上に表側表示で存在する
このカードが相手の効果モンスターの効果の対象になった時、
相手の手札を確認して1枚捨てる。

爪゚A゚) 「てめぇのおかげでデベロッパーのカウンターもたくさん乗ったぜぇ」

爪゚A゚) 「デベロッパーを墓地へ送り、墓地に居るもう一体のフォートレスも特殊召喚!」

マシンナース・フォートレス
ATK2500

爪゚A゚) 「これで終わりだぁ! 三体のモンスターで総攻撃! ひゃーはははは!」

重々しい鎖を巻きつけた竜、その後ろに控えた重戦車が僕を押しつぶそうと目前まで迫る。

でもこの程度の修羅場なら慣れた物だ。賭博場で生き抜いてきた僕にとっては。

(´-ω-`)「……。リバースカード、オープン」

(´・ω・`)「ギブ&テイク!」

《ギブ&(アンド)テイク/Give and Take》 †
通常罠
自分の墓地に存在するモンスター1体を
相手フィールド上に守備表示で特殊召喚し、
そのレベルの数だけ自分フィールド上に表側表示で存在する
モンスター1体のレベルをエンドフェイズ時まで上げる。

(´・ω・`)「僕の墓地に存在するスクラップ・サーチャーを君の場に蘇生」

スクラップ・サーチャー
DEF100

(´・ω・`)「そしてビーストはそのレベル分レベルを上げる」

スクラップ・ビースト
レベル4→5

爪゚A゚) 「へっ、また脅しか? 通用しないぜぇ」

(´・ω・`)「自分の場を、よく見た方がいい」

爪゚A゚) 「!?」

鉄屑の小鳥がピューイとひと鳴きすると竜と戦車は赤銅色に腐食し、仕舞には崩れ去った。

爪;゚A゚) 「ど、どーなってんだ!? スクラップ・サーチャー以外のモンスターが消えちまったぁ!」

(´-ω-`)「スクラップ・サーチャーのモンスター効果さ」

《スクラップ・サーチャー》 †
効果モンスター
星1/地属性/鳥獣族/攻 100/守 300
このカードが墓地に存在し、自分フィールド上に存在する
「スクラップ・サーチャー」以外の「スクラップ」と名のついたモンスターが破壊され、
墓地へ送られた時、このカードを墓地から特殊召喚する事ができる。
このカードが特殊召喚に成功した時、「スクラップ」と名のついたモンスター以外の
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。

爪゚A゚) 「畜生! 畜生! ちくしょぉーーー! ターンエンドだぁ!」

スクラップ・ビースト
レベル5→4

Turn2
(´・ω・`)LP:2300 手札:2
□■□□□ 魔・罠 セットカード
A□□□□ モ   A:ビースト

F□□□□ モ   F:サーチャー
□AB□□ 魔・罠 A:最前線 B:旗印
爪゚A゚) LP:3600 手札:0


(´・ω・`)「もう終わりにしよう。これがラストターンだ」

(´・ω・`)「ドロー。スクラップ・キマイラを召喚」hand3→hand2

スクラップ・キマイラ
ATK1700

(´・ω・`)「レベル4スクラップ・キマイラにレベル4スクラップ・ビーストをチューニング」

(´・ω・`)「欠けた心に壊れた体、二つを一つに集積せよ! シンクロ召喚、打ち砕け! スクラップ・ドラゴン!」

《スクラップ・ドラゴン/Scrap Dragon》 †
シンクロ・効果モンスター
星8/地属性/ドラゴン族/攻2800/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、自分及び相手フィールド上に存在するカードを
1枚ずつ選択して発動する事ができる。
選択したカードを破壊する。
このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、
シンクロモンスター以外の自分の墓地に存在する
「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。

赤い眼の鉄屑竜が夜の路地裏に鎮座した。巨大な鉄の翼が見るもの全てを圧倒する。

(´・ω・`)「魔法カード、所有者の刻印を発動」hand1

《所有者(しょゆうしゃ)の刻印(こくいん)/Owner's Seal》 †
通常魔法
フィールド上に存在する全てのモンスターのコントロールは、
元々の持ち主に戻る。

(´・ω・`)「サーチャーのコントロールを僕に戻す」

鉄の小鳥が舞い戻り僕の肩に止まり羽をたたむ。

(´・ω・`)「仕上げだ。僕はセットしてあった速攻魔法を発動、スクラップ・ポリッシュ」

《スクラップ・ポリッシュ/Scrap Sheen》 †
速攻魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する
「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して破壊する。
自分フィールド上に表側表示で存在する全ての
「スクラップ」と名のついたモンスターの攻撃力は、
このターンのエンドフェイズ時まで1000ポイントアップする。

(´・ω・`)「サーチャーを破壊してドラゴンの攻撃力が上昇」

スクラップ・ドラゴン
ATK2800→3800

(´-ω-`)「止めだよ。スクラップ・エリミネイト!」

強烈な赤い閃きが火花を上げて撒き散らされた。暗い裏路地を不気味に赤く照らし出す。

爪゚A゚) 「うがぁー!」

LP:3600→0



……

………

('、`*川「助けていただき本当にありがとうございました!」

今僕らが居るのは富裕層の住む区域。裏路地とは真逆で、白くて綺麗なビルが立ち並び星も瞬いている。

(´・ω・`)「ああ、気にしないで。じゃあ僕はこれで」

正直、息が詰まった。早く立ち去りたい思いで心が飽和していた。ここは僕の居るべき場所じゃない。

足早に裏路地へ戻ろうとする僕に彼女が大声で何かを叫んだ。

('、`*川「私、ペニサス! ペニサス伊藤っていいます! あなたはー!」

(´-ω-`)「僕は……」

深く息を吸った。誰かに名前を名乗るのはいつ振りだろうか。昔のこと過ぎてもう忘れてしまった。

(´・ω・`)「僕は、ショボン。ショボン・クラップスだ」

顔だけ彼女のほうへ向けて名を名乗る。僕の名前を聞いて嬉しそうに笑った彼女は言う。

('、`*川「ショボンさん! また、会えますか?」

(´-ω-`)「どうかな。僕は裏路地の人間だ。もう会うことはないと思うよ」

('、`*川「意地悪、なんですね。ショボンさんは……」

(´-ω-`)「……」

拗ねた様にそう言った彼女に僕は声を返さなかった。その代わりに一枚のカードを投げ渡す。

('、`*川「こ、これは?」

(´・ω・`)「僕は裏路地に居る。君が望むならまた会えるんじゃないかな」

('、`*川「ショボンさん!」

ぼそりと早口に言葉を吐き出して逃げるように闇へと消えた。

(´-ω-`)「はぁ……。今日の僕はどうかしているな」

他人とこんなに関わるなんて。他人とこんなに話すだなんて。

富裕層の少女、ペニサスの顔が僕の脳裏によぎる。

(´・ω・`)「ペニサス、か」

裏路地には珍しい気持ちのいい風が僕の体を吹き抜けた。何かが変わる、そんな予感がした。

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