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狩野とのデュエルを終え、モララーは一旦バーギコに戻ってきた。
( ・∀・)「やあ…」
(,,゚Д゚)「帰ってきたか…」
从;゚∀从「ど、どうなったんだ?」
( ・∀・)「なんていうか、うん」
モララーは右手を前に出し、グーを作る。
( ・∀・)「ふ、ふふふ…火が入ったよ、僕」
(,,^Д^)「そうですか、よく分かりませんがいい結果だったということですね?」
モララーは頷く。
( ・∀・)「あ、そうだ、ギコ」
(,,゚Д゚)「ん?」
( ・∀・)「デュエルモンスターズ関係のイベントについて知りたいんだけど、10日後にあるやつ」
(,,゚Д゚)「10日後?10日後っつったら…」
ギコはファイルを取り出し、ペラペラと捲っていく。
(,,゚Д゚)「えー…今が15日だから25日だよな…25日、25日…これだ」
ページを固定し、テーブルに広げた。
そこにはこう書いてあった。
7月25日にニュー速町 デュエルドームにて、OPグランプリ開催。
優勝者はデュエルキング、杉浦ロマネスクとデュエルが待っているぞ!
それを見た瞬間、モララーは一瞬だけ目を丸くし、口元を吊り上げてニヤリと笑った。
( ・∀・)「なるほどね…」
(,,^Д^)「杉浦ロマネスク…ですか」
(,,゚Д゚)「…例のボスと会って何があったんだ?」
( ・∀・)「いつまでも現実から逃げてる訳にはいかないって思ってね」
(,,゚Д゚)「俺は…俺達は5年前のあの日、お前に何があったのか、どういう経緯でそんな体になっちまったのかはよく知らない。だがな」
( ・∀・)「?」
(,,゚Д゚)「だがな…」
( ・∀・)「うん」
(,,゚Д゚)「…まあ、なんだ。頑張れよ」
(,,^Д^)「いい言葉が見つからなかったんですねえ」
( ・∀・)「情けねー」
(;,゚Д゚)「うっせ!わかんねーんだよ、こういう時どう言葉にすればいいのか」
(,,^Д^)「ま、あなたの言わんとしてる事はなんとなく分かりますよ、僕もそれに同意します。
要するにですね、」
( ・∀・)「要するに?」
(,,^Д^)「僕達は仲間であり友達です、辛い時は頼ってくればいい。そもそも学生時代、あれだけ色々な事に巻き込んで来たくせに水臭いですよっと。
と、まあこんな感じですかね?」
( ・∀・)「…」
(,,゚Д゚)「お前が俺達を巻き込みたくないのも分かるが、立場が逆だったらお前はどうする?」
(;・∀・)「う…」
(,,-Д-)「仮に俺がお前と同じ状況だったとしよう、それでお前みたいにお前達を巻き込まないために一人で抱え込んでたらどう思うよ」
( ・∀・)「それは…なるほど、そうやって考えると…。うん、ごめん」
从 ゚∀从「なんかいいな…お前ら。羨ましいよ」
( ・∀・)「何を言ってるんだい、ハインに危険が迫ったらつーちゃんが血相変えて飛んでくるよ」
(;,,-Д-)「あの暴走娘達はリアルに飛んできそうで怖いな」
イリーガルデュエリスト本部にて。
狩野は玉座に座りながら黙ってデッキを見ていた。
Jij `ー´iゞ「…」
その表情は思いつめたもののようにも何かが吹っ切れたようにも取れた。
Jij `ー´iゞ「…」
一瞬だけ目を瞑り、天井を仰ぐ。
Jij `ー´iゞ「あいつがいなくなってもう8年も経つのか…」
その様子を三沢、シュール、携帯画面のエクストプラズマンが覗き見ていた。
晩御飯ができた事を伝えに来たのだが、珍しい光景だったので部屋に入れずにいた。
lw´‐ _‐ノv「ボス…」
≦6ll`・ω・)「無理も無いか、因縁の対決が10日後に始まるんだ」
<_プー゚)フ「…」
≦6ll`・ω・)「どうした?さっきからボーっとしてるが」
<_プー゚)フ「いや…何でもない」
lw´‐ _‐ノv「…ボス!」
Jij `ー´iゞ「…うおっ!?どうした、二人して」
<_プー゚)フ「僕もいるけどねぇ」
lw´‐ _‐ノv「ご飯できたから行こう、そうしてるとボスっぽく無いぞ」
Jij;`ー´iゞ「いや、俺だってなぁ…」
lw´‐ _‐ノv「だから、そういう弱々しいのが似合わないって言ってるんだ。ほら、シャキっとする!
ほかっとするでもいい、…ほかっとするか…いいな…とてもいいな…」
狩野はしばらく黙ってシュールを見た後、一瞬だけど微笑して立ち上がった。
Jij `ー´iゞ「そうかもな、すぐに行くから先に行ってろ」
lw´‐ _‐ノv「分かった、行こう」
≦6ll`・ω・)「ああ」
二人と一匹(?)は部屋を出ていった。
Jij `ー´iゞ「似合わないか。それもそうだな、何を迷う、もう俺には迷うことは許されないというのに…」
そして10日が過ぎた。
ニュー速町、デュエルドーム。
その日は天候にも恵まれ、東京ドームにも匹敵する大きさのドームが満員になっていた。
その全ての人間がトップレベルのデュエリストのデュエルとデュエルキングを一目見るためにここにやってきたのだ。
デュエルモンスターが誕生して早30年、デュエルの存在はここまで進化していた。
ところどころで老若男女がデュエルをしている。
満員のドームでそれを咎める者は一人もいなく、会場は開催前にもかかわらず最高にヒートアップしていた。
OP社の副社長にしてデュエルモンスターズを作り出したチームに所属していた男、
ジョルジュ長岡はその様子を特別席から感慨深く眺めていた。
( ゚∀゚)「なぁ、社長。見てみろよ、俺達の作ったデュエルモンスターズが、
俺達から巣立ってなお成長を続けたデュエルモンスターズが…これだけの人を、いや、もっと、このドームに収まりきらないような人を…くっ」
立ち上がって会場を見渡すと思わず涙が出てくる、それを悟られないように顔を背け、目を擦る。
隣ではOP社の社長、ショボンが黙って、そして微笑みながら満員のドーム内を見ていた。
(´・ω・`)「…泣くのはまだだ、これから…もっと、もっと成長する」
( ゚∀゚)「ああ、ああ…!(だから…頼むぜ、狩野、モララー、イリーガルデュエリスト)」
ジョルジュは入場口を睨みつける。
( ゚∀゚)「(もはやデュエルモンスターズは俺達の物じゃねえ、世界中のデュエリスト達の財産だ。
デュエリスト達は俺の息子同然だ、そいつらの未来を平気で利用し、踏みにじろうとする奴を許すわけにはいかねえ!)」
(´・ω・`)「…どうした?」
( ゚∀゚)「いや、何でもねえ」
ジョルジュはゆっくりと椅子に腰掛けて腕を組んだ。
( ゚∀゚)「(だがな、お前の事も例外じゃねえんだ。死ぬなよ、狩野)」
ドームのライトが落とされ、スポットライトがステージを照らす。
司会「レディースアーンドジェントルメエエエエエエン!これより始まるデュエルモンスターズ30周年記念、OPグランプリ!
開催を〜〜〜!宣言するのは〜〜〜ッ!」
スポットライトが入場口に向けられる、光に照らされたそこには奴がいた。
デュエルキング、杉浦ロマネスク。
( ФωФ)
飛び交う大歓声の中をゆっくりとロマネスクは歩き、ステージに向かう。
ロマネスクがステージに立ち、司会からマイクを受け取る。
司会はマイクを受け取ったのを確認すると解説席へ走って行った。
( ФωФ)「ゴホン、えー、この度は…」
その瞬間、ライトが落ちて会場を闇が包む。
マイクから無数の手の影が伸び、ロマネスクを捕らえる。
( ФωФ)「なるほど」
特に驚いた様子を見せず、マイクの中に吸い込まれていった。
ロマネスクの手から離れたマイクがステージの上に落ちる。
それから少し経ってから明かりが付くが、ロマネスクが消えた事で会場が騒然とした。
(;´・ω・`)「ど、どういうことだ!?キングが消えた…?」
_
(;゚∀゚)「(あんにゃろう!もっとスマートにいかねえのか!いや、全権あいつに任せた俺にも責任はあるがよ)」
杉浦ロマネスクが目を空けると、そこは大きな屋敷の目の前だった。
回りは柵で囲まれ、出る事はできない。
( ФωФ)「ふむ、なるほど。いかにもあいつらしい趣味だ」
こうなることが分かっていたかのように悠然と屋敷の中に入っていく。
屋敷に入ると、すぐに居間になっていた。
中央には玉座。
デュエルキングを差し置き、玉座でふんぞり返っているその男は、
Jij `ー´iゞ「よう」
レアハンター集団イリーガルデュエリストのボス、狩野はふっと笑みを見せ、立ち上がった。
( ФωФ)「なんだ、貴様か…」
Jij `ー´iゞ「誰を期待していた?」
( ФωФ)「350年前の友人──または恐るべき才能を持った青年といった所かな」
Jij `ー´iゞ「おいおい、寂しい事を言うなよ」
( ФωФ)「前に合ったときと比べ、随分と変わったな。一目見れば分かる、貴様の魂の汚れは度が過ぎている、もはや使い物にはなるまい」
Jij `ー´iゞ「なるほど、今や俺とやるメリットはほとんど無いに等しいってか?そいつは良かった」
( ФωФ)「ふん…その内に潜む貴様を変えた何かを排除するのならば考えてやら無くも無いが」
Jij `ー´iゞ「だが、やるしかねえよなあ?」
( ФωФ)「そのようだな」
両者はデュエルディスクを構える。
今、因縁のデュエルが始まる
( ・∀・)「(350年…?使い物?どういうことなんだ)」
モララーは2階から二人の様子を眺めていた。
<_プー゚)フ「見てりゃ分かるよ」
(;・∀・)「うわっ、いたんだ!?」
<_プー゚)フ「そりゃいるよ!ここは僕の作った空間だからねぇ」
( ・∀・)「そうじゃなくて…(まったく気づかなかった)」
<_プー゚)フ「かりのんが勝て無かったらどうなるんだうね、これ。いや、勝つけどな!」
( ・∀・)「ふーん…。ま、狩野がやられたら僕が何とかしてやるよ、そのために来たんだしね」
<_プー゚)フ「かりのんが勝てない奴にお前が勝てるのかよ…」
( ・∀・)「運がよければいけるんじゃないかな、狩野とのデュエル、結構おしかったしね」
<_#プー゚)フ「なにィ!?あれは手加減してたんだよ!かりのんはもっと強いの!」
( ・∀・)「いや、僕も本当の実力出せなかったしねぇ、ブランクもあったし…」
<_#プー゚)フ「きー!かりのんはなー!」
( ・∀・)「おっ、始まるよ」
<_;プー゚)フ「あっ!」
Jij `ー´iゞ「「デュエル!」」(ФωФ )
( ФωФ)「我輩のターン、ドロー」
<_プー゚)フ「ああっ!?」
(;・∀・)「ど、どうしたんだい?」
<_プー゚)フ「デュエルじゃ決して先攻を譲らないかりのんが…!後攻を取るなんて!」
( ・∀・)「…そろそろ自重しとかないと話の雰囲気を壊すレベルだからやめといたほうがいいよ」
<_;プー゚)フ「ごみんよ…」
( ФωФ)「モンスターをセットし、リバースカードをセット。ターンエンド」
Jij `ー´iゞ「…それだけか」
( ФωФ)「ああ、それだけである。貴様のターンだ、引け」
Jij `ー´iゞ「俺のターン、ドロー!俺は終末の騎士を召喚、効果でデッキの魔族召喚師を墓地に送る!さらにリバースカードをセットする」
ATK:1400
Jij `ー´iゞ「これでターン…」
( ФωФ)「攻撃をしない所を見るに…。恐れているのか、狩野」
Jij#`ー´iゞ「なにィ!?」
( ФωФ)「無理もあるまい、貴様は5年前、この我輩にたっぷりと恐怖を叩き込まれたのだからな」
Jij;`ー´iゞ「ぐっ…」
( ФωФ)「その右腕も再び生えてきたわけでもあるまい」
(;・∀・)「どういうことだい?」
<_;プー゚)フ「かりのんは…5年前に奴に勝負を挑んで負けたんだ。当然、敗北してまったくリスクが無いなんてありえない。
敗北の代償として右腕を取られたんだよ。だから今は義手なんだ、特殊なやつだから日常生活には支障が無いけどね」
(;・∀・)「右手…」
( - ω -)「それから今日までの5年間、我輩を倒すために力を付けて来たのだろうが…その様子では成果は期待できそうにないな」
Jij `ー´iゞ「そんな安っぽい挑発に誰が乗るか!てめぇのターンだ、さっさとカードを引きやがれ!」
状況
( ФωФ)LP:8000 手札:4枚
場:裏守備 伏せ:1枚
Jij `ー´iゞLP:8000 手札:4枚
場:終末の騎士 伏せ:1枚
( ФωФ)「フフフ…。その恐れが貴様の魂を死へと導く。ドロー!」
ロマネスクがカードをドローした瞬間、狩野は何か冷たく重い物が圧し掛かるような威圧感を感じた。
Jij;`ー´iゞ「(何だ…この嫌な感じは)」
( ФωФ)「気づいたようだな…聞こえるだろう?魔の鼓動が!裏守備モンスターを生け贄にタン・ツイスターを召喚!」
ATK:400
( ФωФ)「そして、今の召喚に使用した供物は…メタボ・サッカー。
このモンスターは闇属性モンスターの生け贄召喚の生け贄となった時、3体のメタボトークンを呼び出すのだ!」
ATK:0×3
( ・∀・)「(一瞬にして4体のモンスターを揃えた…何を企んでいるんだ?)」
<_;プー゚)フ「あ、ああああああああああ!」
(;・∀・)「どうしたんだ!?」
<_;プー゚)フ「来る…奴らが…」
地面から巨大な扉が金属音と共に生えてきた。
その扉は南京錠に加え、全体を鎖をぐるぐるに巻き厳重に封印してある。
(;・∀・)「何なんだ、あの扉は…この威圧感…」
( ФωФ)「三体の魔族を供物とし、幻魔の扉を開放する!」
メタボトークンが一体、扉に吸い込まれていく。
すると扉を封印していた鎖が一つ外れた。
もう一体のメタボトークンが吸い込まれていく。
すると扉を封印していた南京錠が外れた。
さらに一体。
幻魔の扉が開かれる。
その中には三色の海が存在していた。
三色の色は混ざり合うことは無く、まるで虹のようにも見えた。
( ・∀・)「…あれは…」
目を細めて中を確認しようとしたが、その前に巨大な腕が扉から出てきた。
( ФωФ)「現れよ、3つの魔の内、森羅万象をねじ伏せる力の支配者!」
うねり狂う力の波動。
青き魔王が光臨する。
( ФωФ)「出でよ、幻魔皇ラビエル!」
Jij `ー´iゞ「三幻魔…!」
《幻魔皇(げんまおう)ラビエル/Raviel, Lord of Phantasms》 †
効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻4000/守4000
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に存在する悪魔族モンスター3体を
生け贄に捧げた場合のみ特殊召喚する事ができる。
相手がモンスターを召喚する度に自分フィールド上に「幻魔トークン」
(悪魔族・闇・星1・攻/守1000)を1体特殊召喚する。
このトークンは攻撃宣言を行う事ができない。
1ターンに1度だけ、自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる事で、
このターンのエンドフェイズ時までこのカードの攻撃力は
生け贄に捧げたモンスターの元々の攻撃力分アップする。
( ・∀・)「三幻魔…。あのユベルといい、何なんだあのカード達は?あんなカードは公式には存在しないはず!」
<_プー゚)フ「お前みたいな一般人には知られていない裏の次元というものがあるんだよ」
(;・∀・)「何なのさ…それ」
<_プー゚)フ「現にカードは存在し、モンスターは召喚されている、そういうことさ」
( ФωФ)「幻魔皇ラビエル、効果発動。タン・ツイスターを喰らい、攻撃力を上昇させろ!」
ラビエルはタン・ツイスターを拾い上げ、握り潰す。
そして手から流れる体液をすすった。
ATK:4000→4400
( ФωФ)「タン・ツイスターの効果で2枚ドロー。そしてタン・ツイスターは除外される」
《タン・ツイスター/Tongue Twister》
効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻 400/守 300
アドバンス召喚したこのカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
この効果を発動した場合、このカードをゲームから除外する。
Jij;`ー´iゞ「(最強モンスターに加えて緻密に組み上げられたプレイング…恐ろしい敵だが…)」
( ФωФ)「喰らうがいい、全てをねじ伏せる幻魔の一撃を!貫け、"天界蹂躙拳"!!」
Jij `ー´iゞ「俺には負けられない理由がある、くず鉄のかかし!」
かかしが出てきてラビエルの拳を受け止める。
( ФωФ)「三流にありがちな話なのだが、巨大なモンスターを使用する際に召喚するだけで満足する輩がいるが、それは違う。
召喚はできて当たり前、その巨大モンスターの攻撃、または効果を何が何でも通してやるのがデュエリストの役目なのだ」
ミシミシとカカシが音を立てる。
Jij `ー´iゞ「なに!?」
( ФωФ)「魔宮の賄賂を発動」
くず鉄のかかしは砕け散り、ラビエルの拳が終末の騎士に叩き込まれる。
拳を剣で受け止めてみるが、あっけなく吹き飛ばされ、狩野に激突する。
Jij;`ー´iゞLP:8000→5000「ぐお!?」
攻撃力3000分の差は伊達ではなく、終末の騎士ごと狩野は壁に叩きつけられる。
Jij;`ー,´iゞ「ぐはっ!」
( ・∀・)「強い!」
<_;プー゚)フ「やべーよ、これ!防御型デッキのかりのんがいきなり大ダメージ喰らうなんて!…強くなってる」
( ・∀・)「え?」
<_;プー゚)フ「あいつも強くなってる!」
(;・∀・)「(僕とデュエルした4年前の時点であれほどの実力があったというのに更に成長を重ねるだって?)」
Jij;`ー´iゞ「…ぐ」
終末がぶつかった箇所を押さえる。
( ФωФ)「早くも戦意喪失か?」
Jij#`ー´iゞ「んなわけ…ねーだろ!」
狩野は立ち上がる。
Jij `ー´iゞ「魔宮の賄賂によってカードを1枚ドロー!」
( ФωФ)「負けられない理由があると言ったな」
Jij `ー´iゞ「それがどうした!」
( ФωФ)「それはこれか?」
ロマネスクは自分の胸元を手に当てる。
( ФωФ)「それとも…」
邪悪な笑みを見せ、懐から手の平ほどの大きさの水晶を取り出した。
( ФωФ)ニタァ「これか?」
Jij#`ー´iゞ「…!」
狩野は一瞬、怒りで顔を歪ませるが、すぐに冷静になった。
Jij `ー´iゞ「どっちもだよ!ド糞野郎!」
(;・∀・)「????」
自分達の世界で話している狩野達にモララーはいよいよ訳が分からなくなり、狩野へ質問する。
( ・∀・)「君達が話していることがよく分からないんだけど…」
Jij `ー´iゞ「…」
狩野は少し考えた後、
Jij `ー´iゞ「後で全部教えてやろうと思ったが、まあいい、今教えてやる」
そう言ってビシッと二階から自分達を見下ろすモララーを指差した。
Jij `ー´iゞ「内藤ホライズンという男を知っているだろう、デュエリストの中では常識だ。10年間もキングの座を守り続けた伝説のデュエリスト」
( ・∀・)「ああ、11年前に消息不明になって本当に伝説になったっていう…」
Jij `ー´iゞ「内藤ホライズンはデュエルによって殺されたんだ、目の前のこの男に」
(;・∀・)「なっ?!」
モララーは杉浦ロマネスクを見る、見た目は25そこらの年齢にしか見えない。
25歳と仮定すると当時14歳、そんな子供が伝説のキングを倒す。
モララーには想像が付かなかった。
(;・∀・)「そんな馬鹿な!」
Jij `ー´iゞ「その反応は正しい。普通そんな事はありえない、だが、こいつは普通じゃない。
見ての通り、こいつは若い、当たり前だ。"この体"を手に入れてまだ8年しか経ってねえんだからなあ」
( ・∀・)「…?」
Jij `ー´iゞ「結論から言おう、こいつは人間じゃねぇ!
300年の眠りから解き放たれ、強靭な肉体を求めて彷徨い続ける邪霊、ファントム!」
(;・∀・)「邪霊!?というと、このエクストプラズマンみたいな?」
モララーは隣でふよふよ浮いているエクストプラズマンを見る。
<_プー゚)フ「一緒にされるのは微妙に不愉快だけど、まあ、似たようなものだよ。僕は無機物に憑依するけどあいつは有機物に憑依するんだ」
Jij `ー´iゞ「こいつの能力はその体の潜在能力に依存する、その辺の雑魚デュエリストの体を奪った所で大した力は発揮されねぇ。
だが、こいつはキングを倒した、どうやって倒したか?簡単だ、人質を使ったのさ」
( ФωФ)「昔話はもういいか?」
Jij `ー´iゞ「まあ、待て、後少しだ。こいつはキングの妻を人質にキングを倒し、体を乗っ取った!キングの体は今どうなってるのか分からない」
ロマネスクは何だ、その事だったら、とまるでごく自然な会話の一部のように、
( ФωФ)「死んだよ、だから捨てた」
Jij#`ー´iゞ「…ッ!…そして今こいつはキングの息子に同じ事をやっている!」
(;・∀・)「それってまさか…!?」
Jij `ー´iゞ「そう、こいつの体はデュエルキング内藤ホライズンの一人息子、…そして俺の友である、内藤ホライゾンの体!
そして内藤の最愛の女だった素直田クールの体を水晶に封印する事で人質にとっている!」
(;・∀・)「そんな…!」
( ФωФ)「ま、そういうことだ。貴様は我輩には勝てない」
Jij `ー´iゞ「…どうかな」
( ФωФ)「我輩のターンの途中だったな。永続魔法、閃光の宝札を2枚発動してターンエンド」
Jij `ー´iゞ「俺のターン!」
_,
( ФωФ)「(狩野もかつては我が肉体の候補だったのだがな…。なんだ、この嫌悪感は…)」
Jij `ー´iゞ「ドロー。…ファントム!いや、今は杉浦ロマネスクだな。さっきてめぇは「貴様は我輩には勝てない」なんて抜かしやがったな?」
( ФωФ)「ああ、言った。何故なら」
Jij `ー´iゞ「貴様の友人でる内藤ホライゾンと素直田クールの命は我輩と連動しているから…ってか?」
( ФωФ)「…そうだ。内藤ホライゾン、そしてこのクリスタルに封印されている素直田クールは我輩が死ねば共に死ぬ。」
ロマネスクは懐から手の平サイズの水晶を取り出してちらつかせる。
( ФωФ)「それに、生前のこいつにお前は一度だって勝つことができなかったそうじゃないか」
Jij `ー´iゞ「生前…だと」
( ФωФ)「もはや内藤ホライゾンは死んだも同然、ならば生前と言った方が正しいのではないか?」
狩野は怒りに顔を歪めるのを堪えつつ、歯を食い縛る。
Jij `ー´iゞ「…8年かかったぞ、ここまで来るのにな」
( ФωФ)「?」
Jij `ー´iゞ「いくぞ、思い出のブランコを発動し、墓地の魔族召喚師を特殊召喚。
そして、手札からチューナーモンスター、ダークリペアラーを召喚!」
レベル:6
レベル:2 チューナー
Jij `ー´iゞ「レベル6、魔族召喚師にレベル2、ダークリペアラーをチューニング!」
魔族召喚師が黒い火柱へと変化する。
ダークリペアラーが2つの輪へ変化し、火柱を押さえ込む。
Jij `ー´iゞ「重なる闇が、深淵の暗黒を呼び起こす。シンクロ召喚、出でよ、ダークエンド・ドラゴン!」
ATK:2600
火柱と輪は首に一つ、腹に一つ顔を持つ漆黒の竜へと変化した。
さらにダーク・リペアラーの効果でデッキトップを確認してそのままデッキトップに戻した。
Jij `ー´iゞ「ダークエンドの効果発動、ダーク・スワンプ!」
ATK:2600→2100
ダークエンドはラビエルの足元目掛けて腹の口から体液を吐き出す。
( ФωФ)「!!」
ラビエルの足元が溶け出し黒く染まっていく、まるで底無し沼のように変化する。
Jij `ー´iゞ「ダークエンドは攻撃力を500下げる事で相手のモンスター1体を墓地に送る!そのまま沈んでいきな、ラビエル!」
なんとか這い上がろうとするが、もがけばもがくほど絡み付き、そのまま引きずり込まれていく。
(;・∀・)「あ、あんな大げさに召喚されたモンスターが一瞬で!」
Jij `ー´iゞ「ダークエンド・ドラゴンのダイレクトアタック!ダークネス・バーストォ!」
(;ФωФ)LP:8000→5900「ぐおおおおおお!?」
ダークエンド・ドラゴンは二つの口から黒い炎を放つ。
ロマネスクは炎に包まれ、膝を付き悲鳴をあげる。
(;ФωФ)「ぐ…うう…あああ!?(この衝撃…!ラビエルの攻撃が狩野は吹き飛んだのは幻魔の力と我輩がかけてやった呪いが作用し合っていたのかと思ったが…。
デュエルモンスターズが実体化する空間か、面白い能力を得たな)」
Jij `ー´iゞ「一度俺はお前に敗れた、それは俺にはあるものがなかったからだ。
それは覚悟!このデュエル、俺は勝つ!その結果、内藤と素直田が死ぬ事になってもだ!」
狩野はビシッと体中から煙を出しているロマネスクを指差す。
Jij `ー´iゞ「お前も覚悟しな、この今の狩野様は最高に最強だぜ」
( ФωФ)「ふ…ふふふ。覚悟か、我輩に挑んできた人間は皆、一度はその言葉を口にする。
だがな、我輩は今貴様の目の前に立ちはだかっている」
Jij `ー´iゞ「さっき思いっきり膝付いてたじゃねえか」
( ・∀・)「揚げ足を取る余裕があるのか…」
<_プー゚)フ「それでこそイリーガルデュエリストのボスさ!」
( ФωФ)「人間、結局は最後の最後に情が勝ってしまうのだよ!何度でも言おう、貴様は我輩には勝てない!」
Jij `ー´iゞ「どうかな…」
( ФωФ)「ふん、すぐに分かる。貴様が我輩を追い詰められればの話だがな」
Jij `ー´iゞ「カードを1枚セットし、ターンエンドだ!」
状況
( ФωФ)LP:5900 手札:3枚
場:無し 伏せ:無し
表:閃光の宝札×2 空き魔法・罠ゾーン残り1つ
Jij `ー´iゞLP:5000 手札:3枚
場:ダークエンド・ドラゴン(2100) 伏せ:1枚
( ФωФ)「我輩のターン。閃光の宝札が場に存在すると我輩の魔法・罠ゾーンを一つ潰す。
我輩の場にはそれが2枚、ゆえに我輩は魔法・罠ゾーンにカードを一つしか置くことができない。
しかし、大きな代償を払うだけのメリットはある。ドローフェイズ、カードを1枚を追加でドロー」
Jij `ー´iゞ「(毎ターンのドローが2枚になるカードか、面倒だが…。
あの状況では下手にカードは伏せられまい、一気にぶっ叩いてやる)」
( ФωФ)「クク、キングのデュエルはお前の想像を凌駕する、永続魔法、強者の苦痛を発動!」
Jij;`ー´iゞ「なっ!(既に来ているだと…!)」
( ・∀・)「こ、この状況下で永続魔法を発動するなんて…」
<_プー゚)フ「これであいつは魔法と罠が発動できなくなった…でも…」
( ФωФ)「ギャラリーの一人は驚いているようだが、この状況下で召喚できるモンスターが存在するのだよ」
( ・∀・)「(さっきのラビエルとかいう幻魔は3体の悪魔族を生け贄に捧げた…)まさか、新たな幻魔」
( ФωФ)「察しがいいな、その通り。3枚の永続魔法をコストに、幻魔の扉が開かれる」
再び幻魔の扉が床から現れる。
さきほどの厳重な封印は既に解かれている。
( ФωФ)「現れよ、全てを砕く、破滅の雷。」
勢いよく扉が開き、中から巨大なエネルギー体が飛び出す。
( ФωФ)「降雷皇ハモン!」
その巨大なエネルギーはロマネスクの後ろに落ち、形を形成する。
その際に飛び散ったエネルギーが屋敷のいたるところにぶつかり、破壊する。
(;・∀・)「うわっ!」
<_;プー゚)フ「あぶねっ!」
(;・∀・)「さっきの幻魔とはまた違った凄まじさだ、空気がビリビリしてる…」
<_;プー゚)フ「ラビエルが相手をねじ伏せる暴力の幻魔ならハモンは相手を砕く破壊の幻魔!
奴の一撃はプレイヤーのライフだけじゃなくて肉体や精神にも大きく作用する!これを防げないと…」
ATK:4000
<_;プー゚)フ「かりのんはヤバい!」
( ФωФ)「往け、ハモン。"失楽の霹靂"!」
ハモンは羽を広げ、そこから発生する電力を一箇所に集中、雷をダークエンド・ドラゴンに落とす。
Jij;`ー´iゞ「お…おおお…ッ!」
雷がダークエンドに触れた瞬間、一瞬で灰と化し防ぎきれなかった分のエネルギーが狩野に襲いかかる。
Jij;`ー´iゞLP:5000→3100「ぐああおあおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
全身から煙を出して膝を付く。
( ФωФ)「ククク、人のことを言えないな」
Jij `ー´iゞ「ゴハッ…はぁ…は…」
( ФωФ)「まだ続くぞ、ハモンは戦闘で相手モンスターを破壊した時、1000ポイントのダメージを与える」
息を荒くしている狩野の周りに四つの柱が立つ。
Jij;`ー´iゞ「ぐっ!」
( ФωФ)「幻魔の裁き、受けるがいい"地獄の贖罪"」
四つの柱から電流が流れ出し、中心の狩野を襲う。
Jij;`ー´iゞLP:3100→2100「があっ!」
<_;プー゚)フ「ああああっ!」
(;・∀・)「(こんな光景を見ているしかないなんて!杉浦ロマネスク、いや、悪霊ファントム。
何て強さだ、勝てていたかもしれないなんて…とんだうぬぼれだった!)」
《降雷皇(こうらいおう)ハモン/Hamon, Lord of Striking Thunder》
効果モンスター
星10/光属性/雷族/攻4000/守4000
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に表側表示で存在する永続魔法カード3枚を
墓地に送った場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
相手ライフに1000ポイントダメージを与える。
このカードが自分フィールド上に表側守備表示で存在する場合、
相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。
<_;プー゚)フ「(かりのんがこのままぶっ倒れたら意味が無い!かくなるうえは…)か、かりのん!」
エクストプラズマンは手で何かジェスチャーをする。
狩野は胸を押さえながらゆっくりと立ち上がる。
Jij;`ー´iゞ「(あ…の…馬鹿)エクストォ!」
<_;プー゚)フ「ひゃ、ひゃい!」
Jij `ー´iゞ「余計な事するんじゃねぇぞ…」
( ФωФ)「ほう、まだ勝つ気でいるか。この絶望的な差を目の当たりし、まだ」
Jij `ー´iゞ「ああ、負ける気がしないね」
( ФωФ)「ならば、カードを1枚セットしてターンエンドだ(あれだけの攻撃を受けていながら、どうして動ける?5年前…)」
ハモンの攻撃が狩野に向かう。
それを飛びのき、体をひねってギリギリ回避する。
Jij;゚ー゚リj「う、ぐう…」
( ФωФ)「どうした、友を救うのではないのか?」
Jij;゚ー゚リj「くっ…」
( ФωФ)「なんだ?その震える子猫のようなふ抜けた表情は、がっかりだお前には、がっかりだ」
Jij;゚ー゚リj「ふ、ふざけるな…こんなデュエルで…」
( ФωФ)「ああ、これのことか?」
ロマネスクは胸元を手でぽんと叩く。
( ФωФ)「気に入っているよ。こいつの父親も中々だったが、やはり若い肉体はいい。丈夫だし、老い先も短くないからな…」
お前みたいな奴を相手にする時は便利だよ。
と、薄ら笑いながら親友の体を乗っ取った化け物は笑った。
( ФωФ)「ほら、攻撃してみせろ、モンスターの攻撃で我輩の体を貫け」
化け物は手を広げ、
( ФωФ)「このデュエルは戦闘ダメージが直接プレイヤーの肉体に作用する。
友を救うために我輩に挑んできた貴様のため、わざわざ用意してやったのだぞ?
おあつらえ向きじゃないか、さあ、爪を立てろ、牙をむけ。尤も、我輩を殺すとは即ち友をも殺すということだがな
救う、という意味では殺すことも間違ってはいないのじゃないか?何故なら我輩はこの肉体が滅ぶまで手放す気はないからな。
殺して解放してやるのも…」
Jij;゚ー゚リj「だ…だま・・・れ、だ‥まれ、だまれ!だまれ!うわあああああああああああああああああああああああああ!」
( ФωФ)「つまらなんな…、さっさと散れ」
ラビエルの拳が狩野に振り落とされる。
Jij;゚ー゚リj「おおおおおおおおお!」
リバースカードが発動し、ラビエルが消滅する。
( ФωФ)「(ようやくやる気になったか?いや…これは)」
Jij;゚ー゚リj「はあ…はあーっ…はあ」
( ФωФ)「(なるほど、自分の命の危機で防衛本能が働いたか、これはこれで…)」
Jij;゚ー゚リj「…おおおあああああああああああああ!」
その後、必至の狩野とロマネスクの攻防が始まる。
狩野はモンスターを展開、強化、支援し、攻撃をするが全てロマネスクのカードで弾かれる。
( ФωФ)「(闘志と気迫は十分だが、いかんせん実力が伴っていないな…)」
ロマネスクの攻撃が狩野のライフがーになり、前のめりに倒れ込んだ。
( ФωФ)「しかし、この火事場の底力を見て殺すのは少々惜しい…
生かしておくのも一興か、才能の目が開かれないのなら殺せばいい、開いた場合は…クク」
ロマネスクは狩野の頭を踏みつける。
( ФωФ)「起きろ」
Jij;゚ー゚リj「うあっ!」
( ФωФ)「フフ、運がいいな、お前を生かしておいてやる…」
Jij;゚ー゚リj「!」
( ФωФ)「だが、このまま帰してなめられるのも不愉快だ、というわけだ」
狩野の腕に手をかける。
( ФωФ)「お前は親友を地獄の底に叩き込み、体を奪った男に徹底的に叩きのめされてデュエリストの魂を奪われるのだ」
Jij;゚ー゚リj「なっ…」
( ФωФ)「この日の事を忘れるな、復讐の豪華を絶やさず燃やし続け、邪魂を芽吹かせろ。
いいぞ、暗黒に染まった魂というのは、とても熱く甘美なものだ」
Jij;゚ー゚リj「ぐあああああああああああああああああああああ!」
( ФωФ)「(確かに奴は我輩が望んだ以上に成長を果たした、果たしてしまったと言うべきか、
あれでは我輩が使えない。しかし、解せぬ)」
Jij `ー´iゞ「いくぞ…クク、俺のターンだ。ドロー…来た!」
( ФωФ)「(奴の魂を包むような邪悪な殺気。我輩は昔どこかであれを…)」
Jij `ー´iゞ「手札から永続魔法、生還の宝札を発動、そしてリバースカード発動、正統なる血統!
墓地より通常モンスターとして扱うデュアルモンスター、魔族召喚師を復活させる!生還の宝札で1枚ドロー!さらに魔族召喚師を再度召喚!」
<_プー゚)フ「よし、これで再びダークエンドを出せば…」
( ・∀・)「同じ手が通用する相手かな…」
Jij `ー´iゞ「魔族召喚師の効果で墓地のダークリペアラーを復活し、生還で1枚ドロー」
( ФωФ)「そこだ」
ロマネスクのリバースカードが表になる。
( ФωФ)「月の書を発動する、今蘇生したダークリペアラーを裏側守備表示に」
<_;プー゚)フ「あっ!」
(;・∀・)「シンクロ召喚を行うためには表側表示のチューナーとチューナー以外のモンスターを墓地に送る必要がある…
これではシンクロできない上に攻撃表示の魔族召喚師が無防備だ!」
Jij `ー´iゞ「…!俺はリバースカードを2枚セットしてターンエンド」
状況
( ФωФ)LP:5900 手札:2枚
場:降雷皇ハモン 伏せ:無し
Jij `ー´iゞLP:2100 手札:2枚
場:魔族召喚師 裏守備(ダークリペアラー) 伏せ:2枚
表:正統なる血統(魔族召喚師) 生還の宝札
( ФωФ)「我輩のターン、ドロー」
Jij `ー´iゞ「リバースカード発動、バトルマニア!」
( ФωФ)「なに…?」
Jij `ー´iゞ「お前の場のモンスターを全て攻撃表示にし、守備表示への変更を封印、さらに強制的にバトルさせる洗脳カードだ!」
( ФωФ)「(強制攻撃だと?我輩は元から攻撃をするつもりだったが…)」
Jij `ー´iゞ「カモォ〜ン、ロマロマくぅ〜ん」
( ФωФ)「ふっ、いいだろう。ノッてやる、バトルだ。"失楽の霹靂"!!」
Jij `ー´iゞ「フン、お前が調子にのっていられるのもこのバトルフェイズ開始時までだ」
( ФωФ)「(我輩の手札には我が身を盾にがある、やつが何かしかけてきたら…)ほう、面白い、どうするという?」
Jij `ー´iゞ「この段階を持って…デュエルはお前の知らない世界へと進化する!」
( ФωФ)「我輩の知らない世界!?」
Jij `ー´iゞ「見せてやるよ、これが、俺の5年間の全てだァ!リバースカード発動、血の代償!」
( ФωФ)「血の代償だと、モンスターを守備で出して場を固めるか?」
Jij `ー´iゞ「そんなことをする訳がねぇだろ、このノータリンがぁ!
俺はライフを500ポイント支払い通常召喚を行う!魔族召喚師と裏守備のダークリペアラーを生け贄に…」
デュエルディスクに配置したカードを墓地に送り、高々とそのカードを掲げた。
カードから黒い液体が流れ出し、狩野の体を伝って床に漆黒の水溜りを作り出す。
Jij;`ー´iゞ「ぐ…」
( ФωФ)「何だ…?!この禍々しさは!」
Jij `ー´iゞ「我が最強最弱の切り札、ユベルを攻撃表示で召喚する!」
(;・∀・)「で、出た!ついにあのカードが…」
<_プー゚)フ「ユベル…か」
漆黒の水溜りがせり上がり、男と女、美しくも醜い二つの顔を持つ悪魔が現れる。
( ФωФ)「そのモンスターは…」
Jij `ー´iゞ「バトルマニアの効果でハモンの攻撃は止まらず、ユベルに直撃するッ!」
ハモンの放つ雷をユベルは涼しい顔で右手で受け止める。
( ФωФ)「馬鹿な!たとえ最上級モンスターといえど、生け贄召喚可能なモンスターが神クラスのモンスターの攻撃を受け止めることなどありえない…」
Jij `ー´iゞ「ユベルのレベルは10、ランクで言えば神に匹敵する!だが、その攻撃力は0、あらゆるモンスターに勝利することはできない数値だ」
( ФωФ)「だったな何故…」
Jij `ー´iゞ「それが最強最弱の名の由縁、ユベルは戦闘による俺への戦闘ダメージを0にする!そして…」
右手で受けた雷がユベルの胴体を通って左腕に向かう。
そして左手を突き出すと、そこから茨が伸び、ロマネスクへ向かっていく。
(;ФωФ)「こ、これはッ!(我輩が人間の体を使って活動していた合計約50年の経験と内藤ホライゾンの生存本能が呼びかける!)」
茨はロマネスクを囲み、渦を巻きながら近づき、ゆっくりと纏わり付く。
(;ФωФ)「(この茨はまずい!)」
ロマネスクは咄嗟に両腕を広げる。
Jij `ー´iゞ「ユベルは戦闘ダメージを相手へ受け流す…、
この世にとどまり続けたお前にもあの世って奴を一瞬だけど体験させてやる、ナイトメア・ペイン!」
ハモンの雷がユベルから茨を伝い、ロマネスクへ向かう。
(;ФωФ)LP:5900→1900「ぐ…うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ハモンの攻撃そのままを受け流され、ほぼ直撃したと言っていい反射攻撃を受けたロマネスクは絶叫して倒れ込む。
( ФωФ)「ぐ…あ…はあ、はあ…ぐううううう!」
Jij `ー´iゞ「やれやれ、幻魔ってやつは本当に恐ろしいな!絶対無敵であるべきデュエルキング様がこの有様だ」
ロマネスクは両腕で体を抑えながらゆっくりと立ち上がり、
( ФωФ)「な…るほど…受け取った…お前の覚悟を。今の一撃、もし我輩が衝撃を和らげていなかったらこの肉体は一瞬でショック死していたであろう…」
Jij `ー´iゞ「危機管理能力が無さ過ぎるぜロマちゃんよぉ〜!」
( ФωФ)「なぁに…まだまだ大丈夫であるよ」
Jij `ー´iゞ「(さて、いよいよ本気にさせちまったようだな。ま、やれるだけやってやる)」
( ФωФ)「しかし、解せぬな、我輩はそのようなカードの存在を認知していない」
Jij `ー´iゞ「こいつの事か?お前も幻魔っつう常識外のカードを使っているじゃねーか」
( ФωФ)「"1枚しか存在しないカード"という事や"カードの強さ"が問題なのではない、召喚条件モンスターでレベル10なら妥当なところだろう。
確かにデュエルモンスターズは伝説や神話に基づいたモンスターが数多く存在する、ゆえにそのモンスターカード自体の存在には問題はない」
ロマネスクの眉間にしわが寄る。
_,
( ФωФ)「我輩はそのユベルというカードに宿る禍々しい邪悪な気を一度だけ見た事がある気がする…。
おそらく…貴様の部下であるエクストプラズマンもだ」
<_プー゚)フ「…確かに」
( ・∀・)「(また話についていけない…)」
( ФωФ)「今では人間に寄生する化け物をやっているが、我輩も元は貴様と同じ人間だった…死んだ時…肉体と魂が切り離され…」
じわりじわりと記憶が呼び戻されていく、記憶に比例する量の脂汗が杉浦ロマネスクの皮膚から滲み出る。
─ふふふ、可哀想に…。
──悪魔もぞっとするような最後だ…。恨めしいだろうね…。
( ФωФ)「……」
───君達のその歪んだ魂…。このままあの世に消えるのは惜しい、力を与えてあげるよ…。
(;ФωФ)「……ッ!!!!!?」
完全に記憶が蘇り、全身の汗が引っ込み、真冬の夜道に投げ出されたような寒気がし、鳥肌が立つ。
( ФωФ)「分かった…ぞ、そいつの正体が!何で忘れていたのだろうか…」
Jij `ー´iゞ「…」
( ФωФ)「貴様の従えるユベル…。その魔物の正体は冥界に潜む深淵の悪魔!貴様、悪魔に魂を売ったな!?」
Jij `ー´iゞ「その通りだ…。お前に右腕を奪われた俺は生死の境を彷徨っていた。いや、一度死んだと言うべきかな」
( ФωФ)「…出合ってしまったのか、奴と!」
Jij `ー´iゞ「ああ…」
─再び五年前─
Jij -__-リj「…」
_
(;゚∀゚)「狩野!おい、狩野!しっかりしろよ」
<_;プー゚)フ「…ッ」
_
(;゚∀゚)「お、おい?うそだろ、冗談じゃねぇぞ…」
<_;プー-)フ「駄目だ…かりのんの魂は既に…」
狩野の魂は冥界の入り口を彷徨っていた。
狩野「死んだ…のか…俺は…」
まるで大海原の真ん中でぷかぷかと浮かんで入るような感覚。
ゆっくりと沈んでいき、やがて溶けて意識は消滅する、そして新たな魂が形成されて転生する───はずだった。
─おやおや、随分と悲惨な最期を遂げたんだねぇ。
溶け出した狩野の魂を何者かが掴み取る。
──ねぇ、もしも…もしもの話だけどさ、生き返れるとしたら…どうする?
狩野「生き返れる…?」
───もしも…だけどね
狩野「もし…生き返る事ができるなら…」
────できるなら?
狩野「できるなら…今度こそあいつをこの手で殺したいッ!」
─ふふふ、いい返事だ…。
掴んだ魂を眼前に持ってくる。
口元を醜く歪ませ、まるで宝石のような美しい輝きを見せるオッドアイ。
醜くも美しいそれを一言に表すなら──悪魔。
──ならばその魂、僕に預けてはくれないかい?なァに…悪いようにはしない…
─ここまで─
Jij `ー´iゞ「俺は一度死んだ。だが、悪魔と契約し、お前を殺すために再び蘇った!」
( ФωФ)「馬鹿な真似を…っ!地獄に落ちるぞ」
Jij `ー´iゞ「お前を道連れにできれば上出来だ」
ロマネスクは溜息を付き、デュエルディスクを取り外す。
( ФωФ)「…我輩はこのデュエルを降りる」
Jij;`ー´iゞ「なにっ!?」
( ФωФ)「狩野、どうやら我々は最初から奴の手の平の上で踊っていなかったに過ぎなかったようだぞ」
ロマネスクは自嘲気味に肩を震わせ、笑う。
( ФωФ)「ふふ…フ。記憶が鮮明に蘇ってくる…なるほどな…我輩をこんな風にしたのも…いずれ狩野のような人間が現れるということも…。
全て分かっていたのか?茶番…こんな茶番に付きあわされていただけ…だったのか…」
Jij `ー´iゞ「何を…」
─駄目だよぉ
不意に、声がする。
それはこの場に存在した誰の声でもなかった。
「一度始まってしまったゲームの盤上から降りる事は許されない」
この場にいた全ての人間、悪霊の視線が声の主に注がれる。
喋っていたのはデュエルディスクにセットされ、ソリットビジョンとして出現し、エクストプラズマンの能力で実体化した…だけの存在。
実体化するといってもビジョンに肉体が貼り付けられるだけで実際に生命活動をしているわけではない。
──はずだが、それは確かに喋っていた。
男女の顔を持ち、美しく醜いオッドアイの悪魔。
Jij;`ー´iゞ「ユ…ベル…」
ユベル「やぁ、こうやってまともに話すのは初めてだよねえ、人間?」
この状況下、かろうじて声が出せたのは狩野だけだった。
(;・∀・)「…」
<_;プー゚)フ「…」
(;ФωФ)「あ…が…」
モララー、エクストプラズマン、ロマネスクは絶句し、声が出ないという様子だ。
困った顔でユベルが言う、
ユベル「僕は悲しいよ…折角楽しくなってきたのに、どうしてやめちゃうの?」
その後約一分、誰も話さない、動かない時間が続く。
モララーの油汗がぽたりと床に落ちる。
それを合図に止まっていた時間が動き出したかのようにロマネスクの口が開いた。
(#ФωФ)「深淵の…悪魔…いや、ユベル!貴様の目的は何だ!?何のために我輩を化け物にし、狩野に力を与えた!」
ユベル「…ふふっ」
ユベルが手をかざすと、その手に携帯ゲーム機が現れる。
電源を入れ、ピコピコとゲームをプレイする。
(#ФωФ)「な…何をしている!我輩の質問に答えよ!」
ユベル「いいよねぇ、これ、楽しくてさ。君に力を与えた300年くらい前だっけ?にはなかったよ」
Jij `ー´iゞ「何の話だ…」
ユベル「だからさぁ…」
ユベルは下から何かを掴む動作をし、掴んだものを撫でる動作をする。
そして、左手をパーにし、グーにした右手でパーン、と叩く。
( ФωФ)「なんだ…それは…」
その動作を理解できたのは、杉浦ロマネスク…悪霊ファントム、同じく霊体であるエクストプラズマン、そして狩野のような壮絶な人生を送らなかったモララーだけだった。
そして意味を理解したモララーは身の毛がよだつほどの嫌悪感と恐怖を同時に体験した。
(;・∀・)「……!!!!!!!!!!!!!!!」
ユベルはニコっとモララーを見て微笑む。
ユベル「上にいる彼は気づいたようだね。300年前はさぁ、こういう便利な遊び道具も無くて色々工夫するしかなかったんだよ。
よくやるだろ?ゲームとかでさ…」
ユベルは再び先ほどの動作を繰り返そうとする、今度は軽やかで楽しそうな口調とともにウインクをしながら。
何かを掴み、
ユベル「捕まえて」
撫でて、
ユベル「育てて」
左手をパーにし、右でのグーで叩く。
ユベル「戦わせるのさっ!」
ユベルに悪意はない。まるでカブトムシを捕まえて戦わせる感覚で人の人生や魂を捻じ曲げている。
(;ФωФ)「な…うっ…ぐ・・・…す、全て貴様の計算内の遊び…だったとでもいうのか…」
ユベル「全部計算通りってのはちょっと違うかな、僕が少し弄って封印しておいた君の記憶が今になって蘇ってきたのは、
君が体を乗っ取った内藤ホライゾンのどこまでも真っ直ぐで折れる事のない強靭な精神力のおかげだよ、それは計算外の出来事さ」
ユベルは感謝しなよと、付け加えふふっと無邪気に笑う。
ユベル「やっぱ人間は凄いね。ここまでリアルタイムに変化、成長できる生物は他にはいないよ。まったく」
何かに酔いしれるようなとろんとした目付きで妖艶に唇を動かす。
ユベル「これ以上ないくらいの遊び道具さ…」
この場にいる全ての人間、悪霊はこの悪魔に強い憎しみ、怒りを持っているが、手が出せる者はいなかった。
何故ならこのユベルという悪魔によってモララー以外の者は力を貰ったのだ。
本能的に敵うわけがないと理解し、動けなかった。
ユベル「あっははははっ。狩野、その場の勢いで悪魔と契約なんかしちゃあ駄目だよ」
Jij;`ー´iゞ「…」
ユベル「ま、ここまで言ったんだ、続きはやってくれそうにないよね…」
当たり前だ、このままデュエルを続けてもこの悪魔の思う壺だというのに見す見す遊び道具になる二人ではなかった。
ユベル「だからさ、こういうのはどうかな?」
ユベルはその言葉を境に動かなくなった、正確には元の実体化したソリットビジョンに戻ったと言うべきか。
<_;プー゚)フ「あり…?どうしちゃったんだ?」
(;・∀・)「何か…凄く嫌な予感がする!」
不振に思った面々は当たりを見渡していると突如出現した黒い霧が狩野を中心に渦巻いた。
(;ФωФ)「これは…」
Jij;`ー´iゞ「…うおっ!?………う…」
(;ФωФ)「どうした!」
狩野はは両手で頭を抑えながら絶叫する。
Jij;゚ー´iゞ「うあ…おおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああ!」
その場にいた全員の頭にユベルの声がこだまする。
「ははは、ファントム、ただの浮遊霊だった君達にその能力を与えたのは僕だよ?
つまり、君にできて僕にできない事はないのさ。」
霧が狩野の体に進入し、顔に模様が浮かび上がる。
Jij;♀A゚iゞ「オ゙オ゙オオオアアアアアアアアアアアアアアアア!」
<_;プー゚)フ「かりのん!」
(;ФωФ)「まさか…貴様!」
Jij;♀ー゚iゞ「(畜生…俺は一人で踊ってた…ただのピエロだったってことかよ…最初から最後まで情けねぇな…俺って奴はよ…)」
黒い霧が完全に狩野の体を飲み込んだ。
Jij ♀∀♀iゞ「やあ、その…杉浦ロマネスクだっけ?その目に線が入ったデザインも中々のセンスだけど僕だったらこうするね」
(;・∀・)「狩野の肉体が乗っ取られた…」
Jij ♀∀♀iゞ「なんて名乗ろうか…そうだなぁ」
狩野(ユベル)は腕を組んで考える。
!ピコーン
Jij ♀∀♀iゞ「暗黒使途狩野ってのはどうかな?暗黒帝王狩野、ダーク狩野…ヘル狩野も捨てがたいね」
<_プー;)フ「あ…あああああ…終った…全部…もう駄目だ」
( ФωФ)「ふ…ふふふふ…」
モララー、エクストプラズマンが絶望の淵に立たされる中、杉浦ロマネスクは笑みをこぼす。
( ФωФ)「なるほど、これで戦う理由ができたということか、いいだろう。のってやろう!」
取り外していたデュエルディスクを再び装着して構える。
( ФωФ)「我輩のターンの途中だったな、カードを1枚セットしてターンエンド!」
<_プー;)フ「(駄目なんだよ、ファントム。無駄なんだ…)」
状況
( ФωФ)LP:1900 手札:2枚
場:降雷皇ハモン 伏せ:1枚
Jij ♀∀♀iゞLP:1600 手札:1枚
場:ユベル 伏せ:無し
表:生還の宝札 血の代償
Jij ♀∀♀iゞ「物分りがいいね、高感度が高いよ。僕のターン、ドロー!」
( ФωФ)「(深淵の悪魔ユベル、そのタクティクスはいかなるものか…)」
Jij ♀∀♀iゞ「君も知っての通り、この能力で得る力は乗っ取った体の潜在能力に比例する。君の場合は元の能力+乗っ取られた者の負の感情。
でもね、僕のこのオリジナルはさらにその上をいく」
(;ФωФ)「なんだと…?」
Jij ♀∀♀iゞ「君は肉体を持たない幽霊だ、故に元々の力が存在しない。だけどね、僕は肉体を持つ悪魔だ、その意味…分かるかな?」
(;ФωФ)「まさか、元の能力に負の感情を加え、さらに貴様自身の力をも加算されるというのか!」
Jij ♀∀♀iゞ「ははは、その通り。僕が君に負ける確立は万に一つくらいなものさ。ユベルを生け贄に、魔族召喚師を召喚」
( ФωФ)「なっ…」
Jij ♀∀♀iゞ「ユベルを生け贄に捧げるだと?」
( ФωФ)「ユベルを生け贄に捧げるだと?…はっ!」
Jij ♀∀♀iゞ「ははは、僕はエンドフェイズにコストを払う必要がある。
生け贄に必要なカードが無かったのさ、そして、血の代償の効果を発動して魔族召喚師を再度召喚するよ」
魔族召喚師の隣のモンスターゾーンに魔方陣が描かれる。
Jij ♀∀♀iゞLP1600→1100「魔族召喚師の効果により、墓地の悪魔族モンスターを蘇生。再び現れろ、僕の分身、ユベルよ」
魔方陣から再びユベルがフィールドに呼び戻される。
Jij ♀∀♀iゞ「生還の宝札で1枚ドロー」
( ФωФ)「しかし、魔族召喚師がフィールドを離れたらその効果で蘇生したモンスターも破壊されてしまう!そこまでして1枚のドローが…」
Jij ♀∀♀iゞ「無知って怖いねぇ、ユベルにはもう一つ効果があるんだよ?」
(;ФωФ)「!?」
Jij ♀∀♀iゞ「ま、世界に1枚しか無いカードだからしょうがないけどね。ターンエンドだよ」
ユベルは維持コストとして魔族召喚師を生け贄に捧げる。
だが、ユベルを召喚した魔族召喚師が消えた事でその魔力で召喚されていたユベルは溶けて黒い水溜りとなった。
Jij ♀∀♀iゞ「僕は冥府の悪魔だ、故にその真の力が発揮されるのは生まれ育った冥府さ…」
──粉々に砕け散った肉体に闇が染み渡り、体の隅々が漆黒に染まった時。
Jij ♀∀♀iゞ「僕は第二形態へと移行する!」
ユベルが生み出した闇の水溜りから巨大な竜の首が二つ水溜りから現れる。
Jij ♀∀♀iゞ「ユベル−Das Abscheulich Ritter!」
二つの首が繋がる胴体も現れる。
双頭の竜がロマネスクの前に立ちはだかる。
Jij ♀∀♀iゞ「ユベルは破壊された時、デッキからユベル−Das Abscheulich Ritterを特殊召喚することができるのさ」
(;ФωФ)「…」
Jij ♀∀♀iゞ「ユベル−Das Abscheulich Ritterは単純スペックだけなら前形態であるユベルの完全上位互換!
その能力はデュエルモンスターズにおいて最強クラスの破壊力を持つ。
エンドフェイズのコストは消え、その代わりにフィールド上のモンスター全てを破壊する能力を得た!」
ハモンの体に亀裂が入る。
(;ФωФ)「ハ…ハモン!」
Jij ♀∀♀iゞ「砕け散れ、フェロー・サクリファイス!」
粉々に砕け散り、まるで爆破解体されたビルのようにガラガラと崩壊する降雷皇。
その驚異的な光景を見て全身から汗を噴出しながら拳を握り締めるロマネスク。
それに対し、ユベルはあざける様に笑いながら、
Jij ♀∀♀iゞ「君のターンだ」
(;ФωФ)「ぐっ…」
《ユベル−Das Abscheulich Ritter(ダス・アプシェリッヒ・リッター)/Yubel - Terror Incarnate》
効果モンスター
星11/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
「ユベル」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカードは戦闘によっては破壊されない。
表側攻撃表示で存在するこのカードが相手モンスターに攻撃された場合、攻撃モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
このカードが戦闘を行う事によって受けるコントローラーへの戦闘ダメージは0になる。
自分のエンドフェイズ時にこのカード以外のモンスターを全て破壊する。
このカードがフィールド上から離れた時、自分の手札・デッキ・墓地から「ユベル−Das Extremer Traurig Drachen」1体を特殊召喚できる。
( ФωФ)「わがッ…我輩のターン!!ドロー!」
狩野のデュエルしていた時とは違い、大声でオーバーアクションでカードをドローする。
そしてドローしたカードを横目に見てニヤリを笑った。
( ФωФ)「カードを3枚セットしてターンエンドだ」
状況
( ФωФ)LP:1900 手札:無し
場:無し 伏せ:4枚
Jij ♀∀♀iゞLP:1100 手札:2枚
場:ユベル−Das Abscheulich Ritter 伏せ:無し
表:生還の宝札 血の代償
Jij ♀∀♀iゞ「僕のターン、ドロー!…クフフフフ、モンスターを出さなければ破壊されることもユベルによってダメージを負う事はまずない…。
だけどねぇ、残りのライフを考えた方がいいよぉ。手札から装備魔法、進化する人類を発動!」
(;・∀・)「あのカードは!」
《進化(しんか)する人類(じんるい)/Unstable Evolution》
装備魔法
自分のライフポイントが相手より下の場合、
装備モンスターの元々の攻撃力は2400になる。
自分のライフポイントが相手より上の場合、
装備モンスターの元々の攻撃力は1000になる。
Jij ♀∀♀iゞ「残りライフは僕の方が少ない、故にユベルだすあぷしぇりっひりったーの攻撃力は…」
ATK:0→2400
Jij ♀∀♀iゞ「2400になるのさぁ!」
( ・∀・)「(なるほど、あれは元々第二形態と合わせて使うカードだったのか…)」
( ФωФ)「毎ターンモンスター破壊かダメージかを選択させるとは…。なんともえげつない」
Jij ♀∀♀iゞ「安心しなよ、君に選択の余地はないよ。だって…ここで君のライフは尽きるんだからねぇ!バトルだ!」
双頭の竜が口を開く。
Jij ♀∀♀iゞ「破滅の炎よ、奴を焼き尽くせ!」
( ФωФ)「リバースカード、オープン!永続罠、闇の呪縛!」
無数の鎖がユベルの両口を押さえ込む。
Jij ♀∀♀iゞ「むっ…」
( ФωФ)「攻撃力を700ポイントダウンし、攻撃および攻守の変更を封じる!」
ATK:2400→1700
Jij ♀∀♀iゞ「まあいいさ、攻撃ができなくても効果が消える事はないターンエンドだよ」
(;-+-ω-+-)「…」
Jij ♀∀♀iゞ「どうした?早くしなよ」
( ФωФ)「そのエンドフェイズに…破滅へのクイックドローを2枚発動する!」
《破滅(はめつ)へのクイック・ドロー/Destructive Draw》
永続罠
お互いのプレイヤーはドローフェイズ開始時に手札が0枚だった場合、
通常のドローに加えてもう1枚ドローする事ができる。
このカードのコントローラーは自分のターンのエンドフェイズ毎に
700ライフポイントを払う。
この時にライフポイントが700未満だった場合、ライフポイントは0になる。
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードがフィールド上から離れた時、
自分は3000ポイントダメージを受ける。
Jij ♀∀♀iゞ「賭けに出たか、何か引け引けなかったら自滅…いや、場合によっては引けても自滅だ!」
( ФωФ)「引いてみせる。我輩のターン!二枚の効果により通常のドローに加えて追加で2枚をドロー!」
計3枚のカードをドローする。
( ФωФ)「…!手札からマジック・プランターを発動!」
《マジック・プランター》
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する
永続罠カード1枚を墓地へ送って発動する。
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
( ФωФ)「闇の呪縛を墓地に送り、2枚をドロー」
ATK:1700→2400
Jij ♀∀♀iゞ「これで手札は4枚か、いいカードは引けたかい?」
( ФωФ)「ああ、引けた。リバースカードオープン!王宮のお触れ、これによって場の罠カードを全て無効化する!」
Jij ♀∀♀iゞ「クイックドローが無効化されたということは…。まさか!」
( ФωФ)「三枚の永続罠を墓地に送り、最後の幻魔を光臨させる!」
幻魔の扉が出現する。
扉は真っ赤に染まり、今にも熔けだしそうだ。
( ФωФ)「灼熱の龍よ、紅蓮の炎で全てを焼き尽くせ!現れよ、煉獄の幻魔…神炎皇ウリア!」
扉が熔解し、中から煮え滾るマグマと共に赤色の幻魔が光臨する。
その姿は竜であるユベルに対し、長い胴体を持つ龍だった。
ウリア「GRRRRUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
Jij ♀∀♀iゞ「ほう…」
( ФωФ)「ウリアの攻撃力は墓地の永続罠の枚数で決定する!墓地の永続罠は4枚…よって!」
ATK:4000!
( ФωФ)「4000となる!」
Jij ♀∀♀iゞ「だが、ユベルに攻撃力など無意味だ」
( ФωФ)「どうかな」
Jij ♀∀♀iゞ「なに?」
( ФωФ)「ウリアにレインボー・ヴェールを装備する!」
《レインボー・ヴェール/Rainbow Veil》
装備魔法
装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行う場合、
バトルフェイズの間だけその相手モンスターの効果は無効化される。
( ФωФ)「こいつでユベルの効果を無効化してやればダイレクトにダメージが直撃する、ゆくぞ…」
Jij;♀∀♀iゞ「ちょ…ま…」
( ФωФ)「(ふふ、狩野。この攻撃でお前は死ぬ、ユベルごとな。だが、安心しろ、内藤と素直田の体は返してやる…)
ラストバトルだ。弄ばれ、踊らされ続けていた人類と貴様の300年の因縁、決着をつけてやる」
虹色のオーラを放つウリアが口を開け、炎を溜める。
(#ФωФ)「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!ハイパー・レインボー・ブレイズアアアアアアアアアアアアア!」
巨大な炎の塊を放ち、ユベルを粉々に吹き飛ばす。
火柱が立ち、館をいたるところを吹き飛ばし、屋根が焼けてむき出しになる。
(;-∀・)「うあああああ!」
モララーが立っていた二階も柱が砕けて一回に落ちていった。
ガラガラと崩れ、煙が立つ中杉浦ロマネスクは勝ち誇った表情で勝利を確信した。
( ФωФ)「やった…ぞ、やった…ククク、我輩の勝ちだ、フハハハハハハハ!」
しかし…。
煙が晴れるとそこにユベルが立っていた。
…無傷で。
Jij ♀∀♀iゞ「それで…終りかい?」
(;ФωФ)「なっ…!?」
Jij ♀∀♀iゞ「馬鹿な…って顔をしているね、僕はダメージ計算時にこのカードを捨てていたのさ」
墓地から1枚のカードを取り出した。
それは戦闘ダメージを一回きりだが無効化するカード。
(;ФωФ)「馬鹿な、クリボー…だと」
Jij ♀∀♀iゞ「狩野は一度幻魔と戦ってその攻撃力凶悪性が分かっていたからね、こいつをデッキに忍ばせていたようだね」
(;ФωФ)「あ…ああ…」
Jij ♀∀♀iゞ「ユベル第二形態が破壊された事で効果を発動、ククク…フハハハハハハハハハハ!」
瓦礫の山から巨大な悪魔が現れる。
竜の首に無数の顔が付き、胴体には巨大な悪魔の顔が付いている。
その醜悪で異常な姿から能力が最終段階にあると予測された。
(;;ФωФ)「…ッ」
Jij ♀∀♀iゞ「これこそ僕の最終段階、ユベル−Das Extremer Traurig Drachen…その効果は第一形態の完全上位互換。
ユベルの効果に加え、こちらから攻撃宣言することでもダメージを与えられるようになり、さらに戦闘を行ったモンスターを破壊する!」
( ФωФ)「つまり…全体破壊能力は消えたということだな?」
Jij ♀∀♀iゞ「まあね」
( ФωФ)「ならば…ッ!我輩のウリアはレインボー・ヴェールを装備している!そのモンスターの攻撃など恐るるに足りぬ!」
Jij ♀∀♀iゞ「どうかな」
( ФωФ)「まだ…終ってはいない、リバースカードをセットしてターンエンド」
《神炎皇(しんえんおう)ウリア/Uria, Lord of Searing Flames》
効果モンスター
星10/炎属性/炎族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に表側表示で存在する罠カード3枚を
墓地に送った場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードの攻撃力は、自分の墓地の永続罠カード1枚につき
1000ポイントアップする。
1ターンに1度だけ、相手フィールド上にセットされている
魔法・罠カード1枚を破壊する事ができる。
この効果の発動に対して魔法・罠カードを発動する事はできない。
《ユベル−Das Extremer Traurig Drachen(ダス・エクストレーム・トラウリヒ・ドラッヘ)/Yubel - The Ultimate Nightmare》 †
効果モンスター
星12/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
「ユベル−Das Abscheulich Ritter」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカードは戦闘によっては破壊されない。
表側攻撃表示で存在するこのカードが相手モンスターと戦闘を行った場合、
ダメージステップ終了時に相手モンスターの攻撃力分のダメージを
相手ライフに与え、そのモンスターを破壊する。
このカードが戦闘を行う事によって受けるコントローラーへの戦闘ダメージは0になる。
状況
( ФωФ)LP:1900 手札:1枚
場:神炎皇ウリア 伏せ:1枚
Jij ♀∀♀iゞLP:1100 手札:1枚
場:ユベル−Das Extremer Traurig Drachen 伏せ:無し
表:生還の宝札 血の代償
Jij ♀∀♀iゞ「僕のターン、ドロー。確かにこのユベルでは倒せない、しょうがないな。アドバンスドローを発動するよ」
《アドバンスドロー》
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する
レベル8以上のモンスター1体をリリースして発動する。
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
Jij ♀∀♀iゞ「ユベルだすえくすとりーむとらうりひどらっへを生け贄に2枚ドロー!」
( ФωФ)「使えないと見るやあっさりと切り捨てたか…」
Jij ♀∀♀iゞ「切り捨てる?それは違うなあ、ユベルはね、他の進化するモンスターと違って墓地からも展開できるのさ!手札から思い出のブランコを発動!」
(;ФωФ)「!」
Jij ♀∀♀iゞ「墓地の魔族召喚師を蘇生して生還の宝札で1枚ドロー、デュアルしてユベルを蘇生、1枚ドロー」
(;ФωФ)「ま、またこの流れだと…」
Jij ♀∀♀iゞ「ふふふ、魔族召喚師を蘇生できればユベルは何度でも蘇り、進化する!1枚カードを伏せてターンエンドだよ」
( ФωФ)「くっ…!」
Jij ♀∀♀iゞ「ユベルの維持コストで魔族召喚師を生け贄に捧げ、魔族召喚師の効果でユベルは破壊される…墓地から現れろ!
ユベル−Das Abscheulich Ritter!墓地からの召喚だから生還の宝札の効果で1枚ドローするよ」
( ФωФ)「ユベル召喚に加えて3枚ものカードをドローするコンボだと…」
Jij ♀∀♀iゞ「それだけじゃないよ?ユベル−Das Abscheulich Ritterの効果でフィールド上のモンスターを全て破壊だ!」
( ФωФ)「亜空間物質転送装置を発動!」
Jij ♀∀♀iゞ「む?」
( ФωФ)「これによってウリアを除外する、今はエンドフェイズだ、ゆえにすぐに帰還するが、ユベルの効果は一度しか発動しない!」
Jij ♀∀♀iゞ「なるほどねぇ、このタイミングで一度破壊回避すればいいってことか。だけど、装備カードであるレインボー・ヴェールは消えちゃうよ?」
( ФωФ)「分かっている!神炎皇ウリア、帰還」
Jij ♀∀♀iゞ「じゃあ、何もないからエンドフェイズ終了だ」
( ФωФ)「我輩のターン、ドロー!」
Jij ♀∀♀iゞ「(わざわざウリアを残したのは何故だろう?絶対なんかあるよねぇ)君のドローフェイズにカードを発動するよ
ユベル−Das Abscheulich Ritterを生け贄に死のデッキ破壊ウイルスだ!」
(;ФωФ)「ぐっ…うおお、この…タイミングでか…」
少し時間が戻り、モララー達。
(;・∀・)「ぶはっ!」
ウリアの攻撃で館が破壊され、屋根が崩れてできた瓦礫の中に埋まっていたモララーが何とかして外に出る事ができた。
( ・∀・)「おい、何とか出れたよ」
モララーの下に埋まっていたエクストプラズマンに呼びかける。
<_プー゚)フ「ああ…」
( ・∀・)「それにしても凄い事になってるね…」
瓦礫の中から杉浦とユベルのデュエルの光景を見る。
<_プー゚)フ「なあ…」
( ・∀・)「どうしたんだい?」
<_プー゚)フ「このデュエルさ…どっちが勝ったらいいんだと思う?」
( ・∀・)「…」
<_プー゚)フ「ちなみにな…これは絶対にユベルが勝つ試合だ。デュエルの内容なんて関係ないんだよ…」
( ・∀・)「そんな事さっきも言っていたね、どういうことなんだ?」
<_プー゚)フ「この僕の作り出した仮想世界でのデュエルによって起きる肉体へのダメージはほぼ0といってもいいんだ。
そういう風に見えるだけで肉体へのダメージは外へ出れば回復する、まあ、ショック死したら普通に死ぬけど…。
だからかりのんはこの場所であいつとデュエルしたんだよ」
※10話冒頭のタカラを参照
( ・∀・)「あれ?でもそれじゃあデュエルする意味は…」
<_プー゚)フ「杉浦…ファントムはその事をしらない。この能力はインターネットが発達してから生まれた力だからね。
だからあいつは実際にダメージを受けていると思っているんだ」
( ・∀・)「つまり…この場で奴を追い詰める、そして何らかの方法で体から追い出す→肉体だけ残ってここから出ればダメージは0だから…。
えーとそうすれば奴に奪われていた内藤と素直田だっけかの体を無傷で取り戻せるってこと?」
<_プー゚)フ「正解、そしてユベルはずっとかりのんの魂に居座ってた訳だからその事を知っている」
( ・∀・)「なるほど…」
<_プー゚)フ「それだけじゃない、確かに肉体へのダメージは全て元に戻す。だけどさ、今この場で痛いとか疲れたってのは実際にあるわけでしょ?」
( ・∀・)「あるね、二階から上から落ちて瓦礫に埋まってた時は痛いって思ってたし出るために瓦礫をどかす作業は疲れたよ」
<_プー゚)フ「そうなんだ、つまり、精神的なダメージや魂へのダメージは存在するのさ。今から言うことは重要だから聞いてくれ。
たとえばさ魂が砕かれても肉体を持ってる奴は結構大丈夫だったりするんだ」
(;・∀・)「へっ?」
<_プー゚)フ「肉体は魂を定着しようとするから砕けた魂も肉体に残り続ける、下手すりゃ意識不明になるけどゆっくりとくっついて元の魂に戻るんだ。
だけどね、肉体を持たない奴はそうじゃない、仮に他者の肉体を奪ってもその肉体は魂を定着しようとしてくれないから霧散しちゃうんだ」
( ・∀・)「つまり…」
<_プー゚)フ「ここで負けたらファントムは消滅する!」
(;・∀・)「でもそれって…いい事なんじゃないのか?」
<_プー゚)フ「かりのんは生け捕り…って言うのもおかしいか、デュエルで倒した後に消滅させずにあいつを捕まえようとしていた」
( ・∀・)「何故?」
<_プー゚)フ「考えてもみろよ、仮にあいつがこの場で死んだからってお前の呪いや内藤ホライゾン、
そして水晶に封印された素直田クールの肉体が元に戻るって保証は無いんだぜ。下手すりゃ同時にお陀仏だ
内藤ホライゾンはともかくお前や素直田の肉体はあいつの力でおかしくされちまったんだ、あいつが直してくれないと直らない可能性もある」
(;・∀・)「あ…!」
<_プー゚)フ「僕がその気になればあいつをギリギリで逃がしてやることもできなくもない。でもな、それも危険なんだよ」
( ・∀・)「確かに、それは分かるよ。ファントムはユベルってやつにかなりの恨みを持っている、
ここで逃がしたら怒り狂って暴走して多くの犠牲者が出る可能性がある」
<_プー゚)フ「そうだ…でだ」
( ・∀・)「うん」
<_プー゚)フ「どうする?」
(;・∀・)「…」
<_プー゚)フ「気になる事があるんだ」
(;・∀・)「なんだい?」
<_プー゚)フ「かりのんはさ、何でお前を引き込んだかってことさ。自分が負けた時のために強い奴を仲間に引き込んでおくってのは分かる。
だけどこの空間で負けてもかりのんには何とも無いんだから別にお前は必要ないわけじゃん」
( ・∀・)「まあ、確かにそうかもしれない」
<_プー゚)フ「でも、かりのんはわざわざ僕らを総動員して腑抜けてたお前に喝を入れて奮い立たせた…。
僕はかりのんが無駄なことをするとは思えない」
( ・∀・)「僕の存在には何か意味があると?」
<_プー゚)フ「ああ…でだ、要するに…」
<_;プー゚)フ「僕にはファントムを生かすか殺すか選べないからお前が決めてくれええええええええええええええええ!」
(;・∀・)「えええええ!そんな!」
<_;プー゚)フ「うっせぇ!お前の体のことだろうが!これがお前の役目なんだYO!」
(;・∀・)「そんな無茶苦茶な!」
(;ФωФ)「死のデッキ…破壊ウイルスだと!?」
Jij ♀∀♀iゞ「そうだよお、効果で攻撃力1500以上の手札と場のモンスターを全滅させる!ひとまず…」
ウイルスに汚染され、ウリアが消滅した。
Jij ♀∀♀iゞ「神炎皇ウリア、破壊!」
(;ФωФ)「ぐうう…」
Jij ♀∀♀iゞ「手札を公開してもらおうか…」
( ФωФ)「くそっ…」
手札:幻銃士 アームズホール
Jij ♀∀♀iゞ「(末恐ろしい…ウイルス撃たなかったら僕の負けだったか)オーケー、攻撃力1500以上は無いね」
( ФωФ)「手札から幻銃士を召喚する!」
《幻銃士(げんじゅうし)/Phantom Skyblaster》 †
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1100/守800
このカードが召喚・反転召喚に成功した時、
自分フィールド上に存在するモンスターの数まで
「銃士トークン」(悪魔族・闇・星4・攻/守500)を特殊召喚する事ができる。
自分のスタンバイフェイズ毎に自分フィールド上に表側表示で存在する
「銃士」と名のついたモンスター1体につき300ポイントダメージを
相手ライフに与える事ができる。
この効果を発動する場合、このターン自分フィールド上に存在する
「銃士」と名のついたモンスターは攻撃宣言する事ができない。
( ФωФ)「この効果によって銃士トークンを一体、守備表示で特殊召喚するのである」
Jij ♀∀♀iゞ「へぇぇ、まだ諦めないか。そうだね、僕のライフは残り1100、攻撃が通れば君の勝ちさ…」
( ФωФ)「最早、迷うこともあるまい…バトルだ!幻銃士の攻撃、シュート・オブ・ビジョン!」
幻銃士は背中に背負った重火器から弾丸を発射する。
Jij ♀∀♀iゞLP:1100→600「当然、防がせてもらうよ、血の代償の効果で手札のモンスターをセット!」
( -+-ω-+-)「…そのままバトル続行だ!」
Jij ♀∀♀iゞ「いい感してるよ。裏守備はザ・カリキュレーターだ、守備力0だから破壊されるよ」
状況
( ФωФ)LP:1900 手札:1枚
場:幻銃士 銃士トークン 伏せ:無し
Jij ♀∀♀iゞLP:600 手札:3枚
場:無し 伏せ:無し
表:生還の宝札 血の代償
( ФωФ)「(我輩のライフはまだ1900ある、このターン中に奴が何か仕掛けてきても削り切られない自身がある。
そして、もしも我輩の銃士達がこのターンに破壊されなかったとしたら…)」
幻銃士の効果で銃士×300ダメージが与えられ…。
( ФωФ)「(我輩の勝ちだ!)」
Jij ♀∀♀iゞ「悪魔、舐めるなよ?」
(;ФωФ)「!」
Jij ♀∀♀iゞ「残念だけどさぁ、僕の手札的にもう勝負はついてるんだよねぇ」
(;ФωФ)「…防御型デッキで我輩のライフを一瞬で削りきる方法があるというのか?」
Jij ♀∀♀iゞ「だ・か・ら、舐めんなって。カード、ドロー。そして手札からダーク・バーストと悪夢再びを発動!ユベルを三種類手札に加えるよ」
《悪夢再(あくむふたた)び/Recurring Nightmare》 †
通常魔法
自分の墓地に存在する守備力0の闇属性モンスター2体を選択し手札に加える。
《ダーク・バースト/Dark Eruption》
通常魔法
自分の墓地に存在する攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を手札に加える。
( ФωФ)「ユベルを手札に!?馬鹿な、そのカードは墓地にあったほうが有効なカードのはず…」
Jij ♀∀♀iゞ「そして…手札のユベル三種を墓地に捨て…モンタージュ・ドラゴンを召喚!」
《モンタージュ・ドラゴン/Montage Dragon》
効果モンスター
星8/地属性/ドラゴン族/攻 ?/守 0
このカードは通常召喚できない。
手札のモンスターカードを3枚墓地へ送った場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードの攻撃力は、このカードの特殊召喚時に墓地へ送ったモンスターの
レベルの合計×300になる。
三つ首の竜が出現し、コストとして墓地に送られたカードがそれぞれの首の力となる。
(;ФωФ)「なんだ…とおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお?!」
Jij ♀∀♀iゞ「合計レベル33…攻撃力は…」
ATK:300×33=9900
Jij ♀∀♀iゞ「9900だああああああ!あっハハハハハハハハハハハハ!!!!」
圧倒的パワーを持つモンスターを召喚し、狂喜狂乱するユベル、そして絶望の淵に立たされた杉浦ロマネスク。
( -+-ω-+-)「(ここまでか…)」
<_プー゚)フ「だからさぁ!僕には選べないんだって!」
(;・∀・)「でも…ああっ!」
<_プー゚)フ「どうした!」
( ・∀・)「まずいぞ、勝負がついてしまう」
<_;プー゚)フ「何だって!」
Jij ♀∀♀iゞ「君とのデュエルそれなりに楽しかったよ、君との遊びはちょっと長かったけどいい感じに楽しめた。
でも、始まりあるものには必ず終わりが付きものさ、ふふっ。君の代わりはいくらでもいるしね…じゃ、ばいばい」
モンタージュ・ドラゴンの三つの首が狙いを定めて口を開ける。
Jij ♀∀♀iゞ「モタンージュ・ドラゴンの攻撃!」
<_プー゚)フ「ああ…あ……」
( ФωФ)「さらばだ…できる事なら呪い殺したいよ」
Jij ♀∀♀iゞ「悲しいけど、魂が無くなったら無理だよね、ははっ。パワー・コラージュ!」
三つ首から巨大なブレスが吐き出され、ロマネスクに向かっていく。
<_;プー゚)フ「ファン…トム…」
<_;プー-)フ「う…うぅ〜〜〜〜〜!くそったれ!」
攻撃が直撃する瞬間、ロマネスクはこの場から消えた。
Jij ♀∀♀iゞ「ん?」
空振りをしたモンスタージュ・ドラゴンの攻撃は止まらず、屋敷を吹き飛ばした。
Jij ♀∀♀iゞ「あれっ?」
<_プー゚)フ「ごめん…」
( ・∀・)「…構わないさ、決断できなかった僕も悪い」
<_プー゚)フ「そうじゃない、損得じゃなくてさ…情であいつを助けちゃったんだ」
(;・∀・)「…そのことは後で聞くとして、だ。この後どうするんだ」
<_;プー゚)フ「…そうだった!逃げるぞ!」
(;・∀・)「ええっ!」
<_;プー゚)フ「馬鹿っ!今のお前じゃ無理、勝てない!見たろ、あのデュエル!」
( ・∀・)「でも…狩野が…」
<_;プー゚)フ「うっさい!お前は戦力だからここで失うわけにはいかないんだ!ファントム相手なら負けても平気だが、得体の知れない相手じゃ話は別だ!
見ただろ、かりのんが体乗っ取られる所!下手すリャお前もああなるぞ!ノーリスクじゃないならここでやる意味がない!」
(;・∀・)「うっ…分かった」
Jij ♀∀♀iゞ「君達さぁ」
(;・∀・)「…来たぞッ!」
<_;プー゚)フ「逃げる!この空間も同時に消滅させる!」
モララーとエクストプラズマンが同時に消えた。
さらにこの空間が消滅し、ユベルと狩野の体はどこかに飛ばされた。
気づけばモララーは畳と机がある4畳ほどの部屋に一人転がっていた。
扉はなく、ふすまが一つあるだけだった。
(;・∀・)「はぁ…はぁ…ここは?」
小さな机の上にパソコンが置いてあり、その画面にエクストプラズマンが映し出される。
<_;プー゚)フ「イリーガルデュエリストの本部だよ」
( ・∀・)「そういえば君はそういう存在だったね…。あっちの空間だと普通に肩並べて喋ってたから忘れていた」
<_プー゚)フ「それより、これからどうするかな…」
(;-∀-)「…」
隣の部屋からガタンと音がした。
(;・∀・)「うわっ!」
<_プー゚)フ「なんだなんだ!?うちの団員は全員出払ってるはず…」
( ・∀・)「見てくるよ…」
<_プー゚)フ「一応僕も…」
モララーは携帯を取り出す、エクストプラズマンはその携帯に飛び込んだ。
そしてモララーは立ち上がり、ふすまを開く。
すると、そこには二人の男女が倒れていた。
一人はすぐに分かった。
( -ω-)「…」
見た目の年齢は24,5の男。
(;・∀・)「杉浦ロマ…違う!」
<_;プー゚)フ「内藤ホライゾンだ!…ファントムはどこだ!?」
そしてもう一人、デュエルアカデミアの制服を着ている
年齢は17歳ほどだろうか、長髪で整った顔立ちの少女。
川 - )「…」
<_;プー゚)フ「僕知ってるよ、写真で見た事がある、素直田クールだ!」
(;・∀・)「ファントムはどこに消えた…!?くそっ、訳の分からないことばかりだ…」
<_;プー゚)フ「ゲーム的にはユベルが勝っていたんだ、勝敗がついたことで奴の何らかの力が働いた可能性がある…」
(;・∀・)「くそ…くそっ!なんだこれ!訳が分からない、僕は何を憎めばいい?!何と戦えればいいんだ!」
<_;プー゚)フ「(モララーに直接呪いをかけたのはファントムだけど全ての現況であるのはユベル…か)」
(;・∀・)「僕はどうしたらいいんだよ!」
第二部へ続く
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