「Gay Barのようです」の続きです
- 303 名前:名も無きAAのようです
:2014/01/12(日) 02:11:48 ID:IEhx0YHQ0
- 貴方が持つ大きな志が折れそうな時
それを支えて、太く、硬くしてくれる人がいます
そう、ゲイバーならね
『Gay Barのようです』
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- 304 名前:名も無きAAのようです
:2014/01/12(日) 02:13:08 ID:IEhx0YHQ0
- そのA
『商売は草の種』
※意味
商売の種類は、山野の草の種の種類ほど多いということ。商売の種はどこにもあるというたとえ
(;-_-)「ハァ…またダメだった…」
(;-_-)「良い作品だと思うんだけどなぁ…どうしてどの店もこのグラスの良さが分かってくれないんだろう…」
(;-_-)「…才能、無いのかもな。陶芸も、商売も」
(;-_-)「…クソッ、こんなもの!」
<待てーーーーーーーーい!!!!
(;-_-)そ「うわっ!!」ガッシャンパリン!!
- 305 名前:名も無きAAのようです
:2014/01/12(日) 02:14:30 ID:IEhx0YHQ0
- テンテレテレテレテーンテテテレテレ♪
((;-_-)「な、なんだこのギタープレイ…どこから…?」
テンテレテレテレテーンテテテレテレ♪
(´^(;-_-)
テンテレテレテレテーンテテテレテレ♪
(´^ω(;-_-)
テンテレテレテレテーンテテテレテレ♪
(´^ω^`)「ガーーーーーーーーーーーール!!!!!」
訳『おい、そこのクソ穴野郎』
(;-_-)「う、うわあああああああああああああ!!!!!!」
♪Electric Six - "Gay Bar"
- 306 名前:名も無きAAのようです
:2014/01/12(日) 02:15:42 ID:IEhx0YHQ0
- (´^ω^`)「I wanna take you to a gay bar!!!!!!!」
訳『俺はオマエをゲイバーに連れて行きたいんだ』
(´^ω^`)「I wanna take you to a gay bar!!!!!!!」
訳『俺はオマエをゲイバーに連れて行きたいんだ』
(´^ω^`)「I wanna take you to a gay bar!!gay bar!! gay bar!!!」
訳『俺はオマエをゲイバーに連れて行きたいんだ。ゲイバーにゲイバーに』
(;-_-)「誰ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?こっちくんなーーーーーーーーー!!!!」ビュンビュンビュン
(´^ω(◎三三「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアオッ!!!」
訳『掛け声、もしくは硬いグラスが顔面に当たった事による悲痛の叫び』
(;-_-)「うわ!!放せ!!どこ触ってんだーーーーーーーーーーーーーー!!!!」ドドドドドドー!!!!
(;´∀`)「クッソールパンめ!!まんまと盗みおった!!」
( ´∀`)「いや、奴らはとんでもないものを盗んでいきました」
( ´∀`)「私の、心です」
( ´∀`)ゝ「それでは、失礼します!!」
- 307 名前:名も無きAAのようです
:2014/01/12(日) 02:17:38 ID:IEhx0YHQ0
- ―――――
―――
―
(´^ω^`)「ヘーーーーーーイマスターーーーーーー!!!触ってもいいけどサーーーー!!!時間と場所を弁えな
ヨーーーーーー!!!」バーン!!
N| "゚'` {"゚`lリ「お前こそ、大声を出す場所を弁えたらどうだ?」
(;-_-)「お、お洒落なバーだ…!!」
N| "゚'` {"゚`lリ「ここはバー、『ブルー・オイスター』さ。そしてこの俺がマスターの阿部高和。兄貴かハンサムって呼びな」
(;-_-)「マスターじゃダメなんですか!?」
(´^ω^`)「そしてこの俺様が帰国子女のショボン様デーーーーーーーーーーース!!!!」
(;-_-)「帰国子女要素が皆無なんですけどーーーーーーーーーーーーーーー!?」
N| "゚'` {"゚`lリ「やれやれ、世話焼きなお前さんのことだ。このボウヤもナニかワケありなんだろう?」
(´^ω^`)「こともあろうに公園でグラスを割ろうとしてやがったーーーーーーーー!!!コレは見過ごせ
ぬーーーーーーーー!!!!」
N| "゚'` {"゚`lリ「うるさい」
(´・ω・`)「はい」
N| "゚'` {"゚`lリ「全く…ところで、何だって公園でグラスなんか割ってたんだ?
(;-_-)「そ、そんなの、あんたらには関係ないだろ…ほっといてくれよ」
N| "゚'` {"゚`lリ「ああ、その通り。俺達には何の関係も無い。たったいま会ったばかりの赤の他人さ」
N|
"゚'` {"゚`lリ「だが、そんな赤の他人だからこそ、後腐れなく相談できることもあるんじゃあないか?ここは『ゲイバー』、悩みや愚痴を吐き出す場
所なんだからな」
(´・ω・`)「僕は別のものも…」
(´^ω^`)「射精(だ)してますけどねーーーーーーーーーーー!!!!」
N| "゚'` {"゚`lリ「おい」
(´・ω・`)「いやほら…お約束じゃん…そんな真顔でこっち見ないでよ恐いよ」
- 308 名前:名も無きAAのようです
:2014/01/12(日) 02:18:57 ID:IEhx0YHQ0
- (;-_-)「……他の人達も、貴方のように話を聞いてくれたら。僕はいつもそう思ってます」
N| "゚'` {"゚`lリ「と、言うと?」
(;-_-)「実は僕、陶芸家で…自分の作品を売って生活しているんです」
(´・ω・`)「ほーう、立派じゃねえか。だが何故、飯の種であるグラスを割ろうとしてたんだ?」
(;-_-)「それが、ここ最近めっきり売れなくなって…自分の才能に迷いが生じ始めたんです…」
(;-_-)「どんなに自分が『良い出来だ』と感じても、他人が評価してくれない…もうこれ以上、結果の出ない商売を続けても無駄かなって…」
N| "゚'` {"゚`lリ「……そのグラス、見せてくれないか?」
(;-_-)「え?あ、はい…今持ってる物なら、これを…」コトリ
N| "゚'` {"゚`lリ「ちょいと借りるぜ…酒はイける口かい?」
(;-_-)「え、ええ。嗜む程度には」
N| "゚'` {"゚`lリ「そりゃ良かった。今のお前さんにピッタリのカクテルがある」キンキンキンキン
N|
"゚'` {"゚`lリ「一杯奢るぜ、『カウボーイ』だ。お前さんのグラスを使わせてもらった。カクテルには不釣合いだがな」トクトクトクトク…トン
(;-_-)「…変なもの入れて無いですよね?」
(´・ω・`)「おいおい、人の温情ってのは疑わず受け取るもんだぜ?例えそれが騙されたとしても、人を信じたお前は偉いってことな
んだからよ」
(;-_-)「それじゃダメじゃないですか…まぁ、いただきますけど…」グイッ
- 309 名前:名も無きAAのようです
:2014/01/12(日) 02:21:15 ID:IEhx0YHQ0
- N| "゚'` {"゚`lリ「所で、『カウボーイ』についてこんな逸話がある」
(;-_-)「な、急に何ですか…?」
N|
"゚'` {"゚`lリ「1867年アメリカ。家畜商人のジョーゼフ・マッコイと言う人物が、牛をカンザス州アイリーンから東部へ運ぶために、当時4ドル
だった牛を40ドルで買うと宣伝したんだ」
(;-_-)「十倍のレートじゃないですか…」
N| "゚'` {"゚`lリ「それに食いついたテキサスのカウボーイは、テキサスから1600キロの距離を掛けて、年間50万頭の牛を追ったらしい」
(;-_-)「1600キロ!?」
(´・ω・`)「ちょうど東京から熊本までの距離だな。その距離を牛の群れと共に移動したのか…」
N|
"゚'` {"゚`lリ「ちょうど西部開拓の時代だ…道中には盗賊や、牛を狙う獣などのリスクもあった筈だ。しかしそれでも、彼らは大金を掴むために旅に
出た」
N| "゚'` {"゚`lリ「わかるか?彼らの覚悟と犯した危険が。命を落とした者や、財を失った者も多くいたはずだ」
(;-_-)「…」
N| "゚'` {"゚`lリ「だが、大金を手にした者は『挑戦』をした。1600キロもの距離を渡って、成功を収めた」
N| "゚'` {"゚`lリ「お前さんは、それほどの『挑戦』をしたか?西から東へ駆けずり回って、自分の作品に金を出してくれる客を見つけたか?」
(;-_-)「っ…」
N| "゚'` {"゚`lリ「っと…説教くさくなってしまったな。すまない」
(;-_-)「…ッ!!」グイッ!!
- 310 名前:名も無きAAのようです
:2014/01/12(日) 02:23:10 ID:IEhx0YHQ0
- (-_-)「すみません。せっかくですがお暇させてもらいます」
(-_-)「なんだか、『熱』が入ってしまったようで。今すぐ帰って新作を焼きたい気分なんです」
N| "゚'` {"゚`lリ「ああ、悪いな。時間を取らせてしまって」
(-_-)「いえ……ありがとうございます。『カウボーイ』、ご馳走様でした」
(-_-)「あの、御代は…」
N| "゚'` {"゚`lリ「それなら、このグラスを貰おうか」
(;-_-)「え、でも…」
N| "゚'` {"゚`lリ「カクテルには不釣合いだが、お湯割には最適なグラスで一目惚れしたんだ。譲ってくれ」
(*-_-)「は…はい!!喜んで!!」
(´^ω^`)「お前さんが有名になったら、俺専用のグラスを作ってくれよな」
(*-_-)「はい!!投げても割れない丈夫なヤツを!!」
(´^ω^`)「投げんな」
- 311 名前:名も無きAAのようです
:2014/01/12(日) 02:25:12 ID:IEhx0YHQ0
- ―――――
―――
―
(´・ω・`)「と、言うのが数年前か…懐かしいねえ」
N| "゚'` {"゚`lリ「今じゃすっかり有名になったな。ヒッキーは」
(´・ω・`)「で、今回マスターの誕生日に贈られてきたのがそのグラスか。確かそれ、十数万する代物じゃなかったか?」
N| "゚'` {"゚`lリ「さぁな…値段なんてどうでもいいさ。大切なのは旨い酒が飲めて、気に入るかどうかなんだから」
(´・ω・`)「で、そのグラスは気に入ったのか?」
N| "゚'` {"゚`lリ「数年前と変わらず、一目惚れさ」
(´^ω^`)「とか言って、こういう展開になるのを見込んだんじゃないの?」
N| "゚'` {"゚`lリ「さぁ、どうだかな…」
(´・ω・`)「まぁいいさ。ところでそのグラスに合いそうな酒を持って来たんだけど…」
N| "゚'` {"゚`lリ「…プレゼントか?」
(´・ω・`)「半分正解」
N| "゚'` {"゚`lリ「…お湯割だな」
(´^ω^`)「ヒョーウ、気が利く〜う。いい男の誕生日と、眠れる才能に乾杯だ」
(-_-)
『海原ヒッキー』はその後、海外で自作品の売り込みを開始
中国で絶大な支持を受け、国内でも評価され、今では数年予約待ちの超人気陶芸家となった
彼はその人気に甘んじることなく、常に自分を磨き続け、作品の錬度を高めている
後なんか『美食倶楽部』とか言うのを立ち上げようとしてる
- 312 名前:名も無きAAのようです
:2014/01/12(日) 02:26:19 ID:IEhx0YHQ0
- あなたが持つ志が折れそうな時
その酒場のドアを叩いてみてください
素敵でいい男なマスターがきっと、あなたを立ち直らせてくれるはずです
そう、ゲイバー『ブルー・オイスター』ならね
おしまい
- 314 名前:名も無きAAのようです
:2014/01/12(日) 02:28:40 ID:IEhx0YHQ0
- 阿部さんのお誕生日おめでとうございます
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