154 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:46:51 ID:eFylFSgA0

☆これまでのあらすじ☆
市内のデュエルアカデミアに通う主人公:内藤ホライゾンは、このままだと留年確定のクズ学生。
落とした単位を取り戻すため「ナンバーズ・バトル・ロワイヤル」略してNBRと呼ばれる特別講義に参加する内藤だったが、その実態は成績不振者同士の血で血を洗う死闘!
留年を回避できるのは、最後に生き残ったひとりだけ。所持ナンバーズによって使用可能なカードに制限が課される特殊ルールの中、内藤はなんとか初戦に勝利、2枚目のナンバーズを手に入れる……

☆用語説明☆
ガスタの巫女ウィンダ:かわいい。

155 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:47:33 ID:eFylFSgA0

――――――



( ^ω^)

 本棚の前に立った内藤は、棚にずらりと並ぶ本の一冊を抜き出してみて、じろじろと眺め回す。
 本にはビニール製のブックカバーがかけられていて、そのカバー裏には《ガスタの巫女 ウィンダ》のカードがびっしりと仕込まれていた。

( ^ω^)(表紙が)

( ^ω^)(見えねえ)

 棚の本全部がそんな感じである。

(^ω^ )「……ショボーン。貸してくれるっつった漫画、どれがどれだかわかんねーんだけど」

(´・ω・`)「ん? ああ、どれだったかな……まあとりあえず。このコーヒーはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい」

 家主のショボンが、湯気の立つカップを2つトレイに載せてやってきた。
 とりあえず数冊の本を抱えてテーブルに着いた内藤は、軽く礼を言ってからカップを持ち上げ……

( ^ω^)

 カップの下に敷かれたコースターにも、《ガスタの巫女 ウィンダ》のカードが使われていた。

(´・ω・`)「安心してくれ、カラーコピーだ」

( ^ω^)「そういう問題じゃない」

(´・ω・`)「やっぱりカードをエクシーズ以外で下敷きにするのはどこか忍びなくて」

( ^ω^)「そういう問題じゃない」

156 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:48:13 ID:eFylFSgA0

 本やコースターだけではない。部屋の壁には四方八方、所狭しと《ガスタの巫女 ウィンダ》のカードが貼り付けられている。
 数分前、何の気なしにトイレを借りたら洗面所の鏡にすら《ウィンダ》がびっしり貼られているのを見てしまったので、内藤はもうショボンの正気を信じていない。

( ´・ω・)
( つ旦O

 《ガスタの巫女 ウィンダ》に狂気的な愛情を示す、アカデミアでも有名なデュエリスト、ショボン。
 ガスタで言うとカーム派、というかもっと言うとエリアル派な内藤とわかり合うことはなかったが、それでも二人は良き悪友として共に青春を謳歌していた。

( ^ω^)「ウィンダの無限回収始めてから……今年で何年目だっけ」

(´・ω・`)「うーん、覚えてないかなあ。ウィンダと出会う前の世界は全部モノクロの曖昧な形でしか思い出せないんだ」

( ^ω^)「マジな話、おまえ《ウィンダ》何百……いや、何千枚持ってんだお。前に来た時ここまでひどくなかったと思うんだけど」

(´・ω・`)「何千って、見た目ほど多くはないよ。使用用に関してはどんどん減っていくわけだし、最近は買い足すにしても使用分を少し補充するくらいだから」

( ^ω^)「減るの?」

(´・ω・`)「減るよ」

( ^ω^)(なるほど使用用……。……? 使用? 使用……??)

 だが、デュエルの腕に関しては、内藤が一歩遅れを取っていた。ショボンは内に秘めた性欲がそのまま強さに変換されるタイプのデュエリストだった。
 県大会や全国大会の常連と言えるほどの腕前で、違う学校の選手たちからも”インフィニティ”ショボンの名で恐れられるようになった、その実力。
 元は『《ガスタの巫女 ウィンダ》を無限回収しているから』という理由で付けられたはずのこの名は、いつしか決して途切れることなく無限に湧き続ける軍勢の駆り手を指す異名となる――

( ^ω^)「……いつも思うんだけど、こんだけ量あったらさあ、一番最初に手に入れたウィンダがどれだったかとか、もうわかんないんじゃないかお?」

(´・ω・`)「いや、その1枚はちゃんと区別してるよ。心配はない」

 ショボンは首元のペンダントを揺らして答える。カードが1枚入るようになっているタイプのペンダントだ。

( ^ω^)「……」


 そう、ショボンは強かった。

157 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:49:30 ID:eFylFSgA0

(´・ω・`)「で、最近学校どうだい?」

( ^ω^)「……シラネーヨは、退職ってことになったお。さすがに、責任問題とかで」

(´・ω・`)「へー」


 本当に、強かったのだ――


( ^ω^)「……やっぱり、戻ってこれないのかお?」

(´・ω・`)「無理かな」

 コーヒーカップを持つショボンの手は、さっきから小刻みに震えていた。

( ^ω^)「もう、……もう、デュエル、できねーのかお、やっぱ」

(´・ω・`)「こうして、努力はしてるんだけどね」

 部屋中に貼られた《ウィンダ》を見回し、ショボンは他人事のように言う――――
 

 ……内藤の物語は、《夢魔の亡霊》を破壊することによって再開する。



( -ω-)

( ^ω^)

 妙な肌寒さで目を覚ます内藤。大きく欠伸をすると、ぶるりと体が震えた。

158 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:50:11 ID:eFylFSgA0
( ^ω^)「……また微妙な夢を……んなとこ来てまで……」

 伸びをすると、腕にはめたデュエルディスクから1枚のカードが落ちた……《No.13 ケインズ・デビル》。

 モララーとの死闘を終えた内藤は、あの後一度6号室に戻り、デッキの調整に取りかかっていたが、いつの間にやら眠っていた。
 思うより、消耗していたらしい―――割れた窓から外を見てみると、夕日が赤々と照り付けている。
 ”死神”モララーの死体は、無い。

( ;^ω^)「誰かが持っていったか……。"処理班"までいるんだとしたら、改めてこの島って相当な魔窟だおね……」

  チ    チ          ナンバーズ・バトル・ロワイヤル
 単位で単位を洗う異次元の死闘、【NBR】。《異次元からの帰還》は既に禁止カード、参加者全員が生きて帰ることはできない。
 "死神"モララーを下した内藤。はたして彼は、《D・D・R》――元の世界への一筋の希望をつかみ取ることができるのだろうか?


 これは《異次元の邂逅》を繰り返しながら、もがき、あがいて前に進む、一人のデュエリストの物語である―――――




         -遊戯王NBR-
        その2.「愛憎人形劇」

159 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:52:37 ID:eFylFSgA0


 西日でオレンジ色に染まった部屋の中、内藤は静かに悔いていた。

( ^ω^)


( ^ω^)「寒い」

 あんまりヤンチャするもんじゃねえなと今更のように悔いていた。
 モララーの死体は何者かが処理してくれたらしいが、モララーから逃走する際に割ったガラスはそのまま割れていた。
 日中はそれなりに温かかったが、陽が落ちようとしている今、体感温度はちょっと笑えない領域に突入しつつある。

( ^ω^)(いや……どうしたもんだろマジで……)

( ^ω^)(こっから、というか夜の間ってどうするのがセオリーなんだお。寝る、いや寝るんだけど……夜襲? 夜襲とか大丈夫なの?)

( ^ω^)(まあ、変に動かず身を潜めておくのがベストだとは思うんだけど……この部屋で……?)

( ^ω^)

( ^ω^)(死ぬかも)

 吹き込む風に身を震わし、寒さで眠ることもできずに暗闇の中で神経を削る自分の姿が目に浮かぶ。内藤はわしゃわしゃと頭を掻き毟った。

( #^ω^)(あ"ーーーーくそ、この感じ去年の補習合宿思い出すお……また嫌なこと思い出させやがって……)

( ^ω^)(……何にせよ、ずっとここにいるのは厳しそーだお。そもそも、こっちからも攻めて行かなきゃどうにもならないわけだし)

( ^ω^)「……それについてはわかってんだけど……」

 戦場に乗り出す肚は決まっていた。しかし、内藤にとっての気がかりは――

( ^ω^)(いい加減日も暮れてきた……そろそろ、一戦、二戦くらいは、終わらせたやつも多いはず)

( ^ω^)(複数枚のナンバーズを得て、強化されたデッキの持ち主……そいつらとも、必ずどこかで戦わなくちゃならない……)

160 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:53:28 ID:eFylFSgA0

( ;^ω^)っ■(……このデッキで……戦えるのだろうか……)

( ;^ω^)っ■(……《No.13》、拾ったはいいけど、使えるカード増えた実感があんまりない……)

 デッキの調整は済ませていた。しかし、増えたカードはATK100およびDEF300。潤沢なプールとは言い難い。
 やれるだけのことはやったと自分では思っているものの、一抹の不安は拭い去れずにいた。

( ;-ω-)「……今更、んなこと言っててもしょうがねえお。カードプールが貧相なら、なおさら戦って獲得するしかない……」

 内藤はバチンと自分の頬を叩き、どうにか気合を入れ――寮の部屋を出た。
 外の世界への一歩を、踏み出した――――

・・・・・




 勝負の世界に身を置く者なら、誰にでも必ず訪れる。判断の難しい局面、立ち止まっての長考が、必要とされるそんな場面。
 そのときデュエリストに与えられる時間は、およそ3分と定められている。それ以上の手を止めた長考は、不正な遅延行為とみなされる。
 長いようで短い、3分。深く、長く考えることが求められると同時に、しかし足を止めることは許されない。動きながらの即断が求められるのも、また、デュエリスト―――――

161 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:54:09 ID:eFylFSgA0


( ;^ω^)

  _
( ;゚∀゚)


                       _
バッ  ( ;^ω^)           (゚∀゚; )  タリ



 求められていた。
 即断が。


 話は、3秒前にさかのぼる。


〜〜〜〜

( ^ω^)「できれば暗くなる前に校舎へ移りたい……」テクテク
  _
( ゚∀゚)「あっ」テクテク

( ^ω^)「あっ」
                        _
( ^ω^)     バッタリ       (゚∀゚ )

〜〜〜〜


 ―――――玄関開けたら、サトウのごはん。
 6号室を出た内藤は、そのまま寮の階段を降り、いや、階段を降り切らない内に、出くわしてしまった。

162 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:54:55 ID:eFylFSgA0
                        _
( ;^ω^)     バッタリ       (゚∀゚; )


 静止する二人。

 殺るか、逃げるか。一瞬の判断―――
 内藤は後手に回ることとなる。

  _
( ;-∀-)「……ハァ。なんつーか、今日はもういいんだけどなァ……」

 眉毛の男は心底うんざりしたような口調でそう言った。
 覇気のない台詞。しかし内藤には、それが余裕の表れであるかのように聞こえた。
  _
( -∀゚)=3「……どうする? やるかい? あ、待て。変に近づくなよ、デュエル始まっちまうからな……」

 男はデュエルディスクに手をやり、エクストラデッキを展開した。
 咄嗟に身構える内藤だが、しかし戦意は感じられない。
  _
( ゚∀゚)「俺は正直やりたくない。今日はもういい。そっちは?」

( ;^ω^)「……!?」

 眉毛の男は、エクストラデッキから5枚のカードを抜き出すと、それを扇のように広げた。
 内藤からは裏面しか見えない。しかし――――
  _
( ゚∀゚) 「獲ったはいいが、後ろ1枚のぶんについては、まだ調整も済んでなくてね……5枚あるっつっても、実質4枚みてーなもんだ」
つ■■■■■

( ^ω^)(5枚……5枚?)
  _
( ゚∀゚)「ほら、ナンバーズ増えれば使えるモンスターも増えるっつーけどさあ、結局使うカードはターミナルから引き出してこなきゃならねえだろ。俺ここ来んの初めてだけど、このシステムはどうかと思うわ」

( ;゚ω゚)(……ナンバーズが……5枚ってことかお!?)

163 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:55:36 ID:eFylFSgA0

 5枚のカードをゆらゆらと見せつけ、気の抜けた声でそうぼやく。
 だが、内藤はその5枚から迸るオーラをまともに受け、今にも留年しそうになっていた。

( ;^ω^)(ちょ、ちょ、いや! もしかして僕丸一日寝過ごしてたとかそーいうのかお!? これまだ一日目だおね!? 夕方っつっても一日目だおね!?)

( ;^ω^)(なんでもう5枚も持ってるバケモノがいるんだお!? いやそんなもんか……? そんなもんか??? 5枚って普通の数字かお!?)
  _
( ゚∀゚)「ほんっと、トレード可能っつーから喜び勇んでやったってーのに、結局は拠点まで戻ってこないと生かせねーんだもんなあ。つーか、これ気付かねえで死んだ奴もいるんじゃねえの?」

( ;^ω^)(聞くかぎり向こうに戦意はない……が! が! 5枚! 2枚! 3枚差!)
                               ・・・・・・・
( ;^ω^)(背を向ければ! 弱味を見せれば! 舐められてしまったら! 『んじゃおまえを今日のデュエル納めにしよう』とか言われて狩られるに決まってる!)
  _
( ゚∀゚)「……で、どーするよ?」

( ;^ω^)「……」

 回ってきた内藤のターン。
 即断を、迫られる―――

( ;^ω^)


( ^ω^)


( ^ω^)「……今日はもういい、って言ったおね。気持ちはわかるお」
  _
( ゚∀゚)「おう?」

164 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:56:17 ID:eFylFSgA0

( ^ω^)「僕も、いい加減ここで待ち伏せ続けるの飽きてきてて。いい加減出ていこーかって時にまたこれだから、ぶっちゃけマジでいい加減にしろって感じだお」

( ^ω^)「……しかし、5枚だっけ? さすがにこのくらいの時間になると強いやつも増えてくるおねー。1枚差かお」
  _
( ゚∀゚)「……ん?」

( ^ω^)「やってみてもいいんだけど、さすがに楽勝ってわけにもいかないだろうし……あ、いや、実質4枚だっけ。じゃあ2枚差かお……まあ、どっちにしても、微妙だけど」
  _
( ゚∀゚)「……へえ。2枚差、ねえ」

( ^ω^)「フフ……」

 交差する二者の不敵な笑み。
 「しまりがない」「だらしない」「《マシュマロン》」昔からそう言われてきた顔を今では懸命に作り替え、内藤は精一杯の不敵さを演出していた。
  _
( -∀-)「勝ったほうが、11枚……クク、いつもこんなもんなのか? 初日から、いきなり二桁だぜ」

( ^ω^)「さあ……? 僕も、これが初めてだから」

( ^ω^)「自分がどのくらい強いのか……いまいち、わかってないんだおね……」 ニタァ....

 ジャキン、と内藤のディスクが鳴る。
  _
( -∀゚)「言うじゃねえか……」

 眉毛も、それに呼応するように、5枚のカードをエクストラデッキにしまうと、ディスクを展開した。

( ^ω^)「フフフ……」


 一触即発の緊迫感。辺りに、決闘者特有の殺気が満ちる―――――

165 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:56:58 ID:eFylFSgA0

( ;゚ω^)(……盛ったら退いてくれるかと思って、だいぶテキトーぶちかましたけど!! そうだ、狂戦士パターンを想定してなかった……!!)

( ;゚ω^)(敵のナンバーズも多いって言われたときに! ハイリスクよりも、ハイリターンのほうを重視する可能性を!! 想定してなかった!!!)

 「どうでもいい嘘はやたらうまい」と言われて育ってきた内藤だが、このときばかりはその特技を恨んだ。 
 身を裂くほどの殺気。素人がその場に居合わせようものなら全身に裂傷を作って死ぬであろうほどの殺気、もはや決闘《りゅうねん》は避けられないかと思われたその時。
  _
( -∀-)「……ま、いいさ」

( ;゚ω^)「……?」

 再びエクストラデッキから5枚のカードを抜き出し、ひらひらと振りながら、眉毛の男は薄く微笑んだ。
  _
( -∀゚)「初日なら上出来だよなあ、こんなもんで。つーか、この5枚ですらまだ1枚持て余してんだ、焦る必要もねーよなあ?」
  _
( ゚∀゚)「腹も空かねえし小便も出ない、本気でデュエル以外やることねー場所なんだから。生き急いでもしょーがねえ」

( ^ω^)(……あれ? そーいや、飲まず食わずの割に、腹減ったって感じはしねえお)
  _
( ゚∀゚)「それに……」

( ^ω^)「?」
  _
( -∀゚)「お互い、そんだけ強えなら、ほんとに強えなら……また、どっかで会えるだろーしよ。5、6枚なんてはした金じゃねえ」
  _
( -∀-)「もっともっと、膨れ上がったところで……なあ?」

166 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:57:39 ID:eFylFSgA0

( ^ω^)「……お預け、ってことかお」

 内藤は内心の安堵を表に出さないよう全力を尽くしつつ、デュエルディスクのエクストラデッキをオープン。そこから2枚のカードを取り出し――
                                        _
ミ ⊂( ^ω^) 彡  −−==≡≡ ■■            (゚∀゚ )  !

 眉毛の男に向かって、投げた。
 わずかに頭を振ってそれをかわし、2枚のカードは眉毛の男の背後にあった壁へと突き刺さる。

⊂( ^ω^)「……じゃ、これは招待状ってとこかお」
  _
( ゚∀゚)「……っは。1枚、余っちまうぜ? 2未」

( ^ω^)「予備ってことで、とっとけお」
  _
( ゚∀゚)「太っ腹なやつだなあ……って、見たまんまか」

( ^ω^)「やめろ」

 今や、場の空気は内藤の腹まわりの脂肪と同じくらい弛緩していた。
 内藤が静かに歩き出すと、眉毛の男もすべてを承知したような顔で一歩下がる。
 強制デュエル装置が作動しない程度の距離を保った上で、二人はすれ違い――――

167 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:58:25 ID:eFylFSgA0

 内藤は、一度だけ振り返った。

( ^ω^)「せっかく2枚もくれてやったんだから、途中で落ちんじゃねーお?」
  _
( ゚∀゚)「ハッ、こっちの台詞だよ……って、言いてえが、いらねえ心配か?」
  _
( ゚∀゚)「わざわざ2枚も寄越すってことは、そのくらいすぐに取り返す自信があるってことだろうしな……」

( ^ω^)「フフフ……」

 眉毛の男は、未だその場から一歩も動いていない。不動の姿勢を貫いている。
 それを確認してから、内藤は姿を消した。




――――

168 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:59:05 ID:eFylFSgA0

――――



  _
( ゚∀゚)

  _
( ゚∀゚)

  _
( ゚∀゚)


  _
( ゚∀゚) チラッ
っ■■■■■


【No.47 ナイトメア・シャーク】【No.7 ラッキー・ストライプ】【旋風のボルテクス】【旋風のボルテクス】【旋風のボルテクス】

  _
( ゚∀゚)

  _
( -∀゚) =3 「………フゥ〜〜〜ーーーーー……………」
  _
(;;-∀゚) ブワッ

169 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 21:59:47 ID:eFylFSgA0
  _
(;;゚∀゚)(た、助かった……危なかった……!! 出せもしないボルテクスを数合わせに3枚も積んどいた甲斐があった……!!)
  _
( ;゚∀゚)(実質4枚で2枚差ってことは向こう6枚じゃねえか……こっちの3倍じゃねえか……勝てるわけねえよ……)
  _
( ゚∀゚)(ハッタリも言うだけ言ってみるもんだな……学ばしてもらったよ……)


 ――"モンスターを殺さなくても人は殺せる" それが信条のデュエリスト、ジョルジュ長岡。
 無駄なことはしなくていい、何事も最短経路を通るべきという信念を持つ彼は、初めてできた彼女に執拗に着衣プレイを要求して別れられた悲しい過去を持つ。

 知る人からは『モンスターを殺さなくても人は殺せる』という信条の下ダイレクトアタッカーを多用するデュエリストとしてそれなりに知られてはいるものの、
 取り立てて優秀な点があるわけでもなく、事実このNBRに参加している時点で、長岡は単位をいくつか落としている。

〜〜〜〜〜

( #ФωФ)「うおおおおおおお苦紋様クィーンズライトストライプ777オラアアアアアアアアアアアア!!!!!」
  _
( ;゚∀゚)「うわァァァァァァァァァナイトメアシャークぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」

〜〜〜〜〜

 初戦で《No.7 ラッキー・ストライプ》と死闘を演じ、長時間の格闘の末、消耗しきった末にどうにか勝利を手にはしたものの、
 既に日も暮れつつあるというのに手に入ったのが一桁ナンバーズ、それも《No.7》というハズレ中のハズレ。
 カードプールがほとんど増えなかったことに絶望し、校舎から寮までとぼとぼ逃げ帰ってきたというものである。

 だが、長岡の目は、死に切ってはいない。

170 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 22:00:39 ID:eFylFSgA0
〜〜〜〜〜
  _
( ;゚∀゚)「お、おまえ……《ミラフォ》なんか、伏せてなかったんじゃねーか!」

( ФωФ)「……ああ、あれは吾輩のハッタリ……。このデュエルは、吾輩の負けだ」
  _
( ;゚∀゚)「……なにも対抗策なんかなかったのに……なんで、なんでこんな土壇場で……そんなふうに強がれるんだよ……」
  _
( ;゚∀゚)「……わかってんのかよ! 留年だぞ! 1年からやり直しなんだぞ!? それを、なんで……!!」

( ФωФ)「……吾輩はデュエリストだ。そして同時に、ギャンブラーでもある……そんな吾輩が《ラッキー・ストライプ》を引けたのは、もはや”運命”だ」
  _
( ゚∀゚)「運命……」

( ФωФ)「賭博師は、いついかなるときでも、ハッタリと、不敵な笑みを崩さぬもの……」

( ФωФ)「……その吾輩を破ったのだから、おまえも一流の決闘者であり、賭博者だ」
っ《No.7 ラッキー・ストライプ》
  _
( ;゚∀゚)「……!」

〜〜〜〜

 パチンコ、麻雀、賭けデュエル。落ちるべくして落ちてきて、NBRに参加した、不良決闘者……いや、不良賭博師:杉浦ロマネスク。
 彼との決闘は、確かに長岡に何かを残したようだ―――
  _
( ゚∀゚)(……ところで)

 そして、その長岡は今、壁に突き刺さった2枚のカードを凝視し、立ち尽くしていた。

171 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 22:01:23 ID:eFylFSgA0
  _
( ゚∀゚)(……ところで、あいつ投げた2枚そのまんまにして行っちまったぞ! マジか!?)
  _
( ゚∀゚)(いくら6枚持ってるからって、そのうち2枚捨てていくって無頓着すぎんだろ! 狂人だよ狂人! 2枚くらいはした金って言い切れるくらい強えってことだろ?)
  _
( ゚∀゚)(”図書室の狂戦士”と同レベルくらいでヤバい奴だろ、間違いなく……ほんと良かったよ戦わなくて……)

 ほっと胸を撫で下ろしながら、ジョルジュは壁からカードを引き抜く。
  _
( *゚∀゚)っ■■ (つーか、いや、マジかよマジかよ! こんなところで2枚もナンバーズ入手しちゃっていいんですかぁ〜〜〜!?)
  _
( *゚∀゚)っ□□ (さあ何番だー!? ご対面!)ガバッ

172 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 22:02:17 ID:eFylFSgA0












《TG レシプロ・ドラゴン・フライ》
シンクロ・効果モンスター
星2/風属性/昆虫族/攻 300/【守 300】
チューナー+チューナー以外のモンスター1体
1ターンに1度、このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する
「TG」と名のついたシンクロモンスター1体を選択して発動する事ができる。
選択したモンスターを墓地へ送る。
さらに、墓地へ送ったモンスターのシンクロ召喚に使用した
シンクロモンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、
この一組を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。











  _
( ゚∀゚)っ【レシプロ】【レシプロ】


  _
( ゚∀゚)っ


 ――――みんな、考えることって同じなんだなあと思いました。   ジョルジュ長岡

173 名前:名も無きAAのようです :2015/07/22(水) 22:02:58 ID:eFylFSgA0

 ............


( ^ω^)(出すことはないだろうと思いつつ、それでも一応持っといたレシプロ……思わぬところで役に立ったお……)


( ^ω^)


⊂二二二( ^ω^)二⊃ (拾われる前に逃げよ)


 内藤はジョルジュが視界から消えた時点で全力の逃走を開始していた。
 「今デュエルするのは避けたい」一致した2人の思惑は、思わぬところで思わぬ誤解を生むことになったが……はたして、彼らがNBR中に再会することはあるのだろうか?
 
( ^ω^)(……しかし、あいつの顔どっかで見たことあるような……?)

211 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:17:07 ID:kG7JXMeY0

( ^ω^)「……」

 もくもくと煙を上げる火山を横目に見つつ、内藤は森の中を移動する。
 時折、人の気配を感じては木陰に隠れ、木の上に登り、自然と同化することでやり過ごし――内藤は、どうにか目当ての建物までたどり着いていた。





( ^ω^)(……やっぱ、ここ……学校、だおね?)

 無人島、それも活火山の麓に建てられた学校。敷地はバカバカしいほど広い。なんだそれはと内藤も思うが、どうもその建物は、いわゆる"デュエルアカデミア"であるように思われた。
 空はまだ赤く染まっていて、日が沈むには少し間がある。まだ明るい。だがしかし、建物の窓にはところどころ、電気がついているようだった。

212 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:18:22 ID:kG7JXMeY0

(^ω^; )三( ;^ω^)(何を、どう考えても……間違いなく、ここが主戦場……!)

 門の陰に身を隠し、周囲に誰もいないことを確認してから、内藤は校舎へと駆け寄った。
 玄関のガラス戸を開けると、まずあったのは下駄箱。その先には、2階へ上がる階段も見える。

( ^ω^)

( ^ω^)(いや、こっからどうすりゃいいの?)

 内装は、どことなく内藤が普段通っているアカデミアと通ずるところがあった。
 長らく使われていないのは確からしく、ところどころ埃が目立ちはするものの――始めて来た気がしない、どこか親しみの持てる空間。
 今のところ、殺気は感じない。しかし、少し手慣れた決闘者なら、己の気配などたやすく消せる。

( ;^ω^)(一瞬たりとも、気は抜けない……)

 いつどこでデュエルが始まってもおかしくない。内藤はめいっぱい気配を殺すと、物陰に隠れ、床を這い、天井に張り付いて移動する。
 そうして、一度広いホールに出た内藤は、今度は壁に背を付けるようにして移動し――その壁にかかっていた、掲示板に気が付いた。

213 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:19:50 ID:kG7JXMeY0


( ^ω^)(……掲示板?)

 その掲示板には、2枚のカードが貼り付けられていた。《魔導書庫ソレイン》と《魔導書庫クレッセン》の2枚。
 これは一体とあたりを見回し、ふと内藤の目に留まったのは――ホールから伸びる一本の廊下。
 突き当たりは校舎の外へと続くドアになっていて、ドアの上には【図書館→】と書かれたプレート。そのプレートにも、『(王立魔法)』と落書きがされていた。

( ^ω^)(図書館……別館の、かお)

 要するにここの図書館は、生徒たちにも茶化されるほど広く、雰囲気のある空間だった――そういうことだろう。
 以前、昼飯奢りを賭けたデュエルで図書館エクゾを持ち出してきた友人をぶん殴ったときのことを思い出しつつ、内藤はひとり頷く。

( ^ω^)「……」

 だが、今大事なのは身内間のシングル戦で図書館エクゾを使うことの是非ではない。
 《ソレイン》と《クレッセン》のカード、そして掲示されたプリントはどこか古びているが、その中に1枚、妙に新しい紙が混ざっている。

214 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:20:47 ID:kG7JXMeY0

__________________________________________

【トレード希望】

下記のナンバーズを希望しています。
○《No.X4》 一の位が4のナンバーズ
○《No.10X》 オーバーハンドレッド・ナンバーズ

下記のナンバーズを提供出来ます。
○《No.5X》 十の位が5のナンバーズ
○《No.X1》 一の位が1のナンバーズ

希望者は図書室の中へ、詳しい手順の説明は室内で行います。
こちらに決闘の意志はありませんので、トレードは一定の距離を保った上で行われることになります。
信用出来ないと言う方は、トレードをなさらぬ様に。

__________________________________________


( ^ω^)

( ^ω^)(ブラックボックス)

 希望カードも提供カードも、指定の仕方がざっくりしすぎている。
 提供カードを隠すのは、自分の戦力を晒すことを避ける意図があるのかもしれないが――

215 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:21:37 ID:kG7JXMeY0


( ^ω^)(この書き方、100以上もしくは下一桁が4のナンバーズなら、なんでも構わないってことだおね。……いったい、何が目当てなんだお?)

( ^ω^)(《34》……《テラ・バイト》とか掴まされたらどうすんだって話だし、ナンバーズの性能が目的ってわけではないはず。であれば……)

( ^ω^)(……どうしても必要なキーカードがある。そのカードのステータスが、ATK1000、もしくはDEF400?)

( ^ω^)

( ^ω^)(っていうか、ナンバーズってトレード大丈夫なのかお?)

 ぐるぐると思考を巡らせる内藤。どうしても拭えないうさん臭さ。

( ;^ω^)(何かの罠かもしれない……というか、まず僕の手持ちは《6》と《13》なわけで、どっちもトレードの弾にはならない)

( ^ω^)(つーか、そもそも提供もどうなんだお? 《5X》と《X1》なら何でも揃ってます……って意味ではないだろうし)

( ^ω^)(《5X》……《5X》? 可能性としては……《50/ブラック・コーン号》、《52/ダイヤモンド・クラブ・キング》、《56/ゴールド・ラット》……うーん……)

( ^ω^)(《X1》。《11/ビッグ・アイ》、《21/氷結のレディ・ジャスティス》、《31/アベルズ・デビル》……)

( ^ω^)

( ゚ω゚)(《アベルズ》!)

 だが、見過ごすには惜しい誘惑もあった。

216 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:22:32 ID:kG7JXMeY0


( ;^ω^)(いや、いや待て落ち着けお。まだこのトレード主が《アベルズ・デビル》を持ってるとは限らないわけで……むしろ全然関係ないカードの可能性のほうが高いわけで……)

( ^ω^)(……いや、でも、こうしてトレードに出すってことは、失っても惜しくないカードなのは間違いないわけで。《ビッグアイ》引いといてトレードに出すやつはいない……)

( ^ω^)(《アベルズ》は単独じゃ役に立たないカードだし、トレードでうまく押し付けられればしめたもの……そう考えるのも自然……)

( ;^ω^)(いやいやいや、落ち着けお。仮に相手が《アベルズ・デビル》を持ってたとしても、僕にはトレードの弾がない。そもそもトレードが成立しない……)

( ^ω^)(……いや、でも、交渉しようと思えば、その余地がないわけでもない……?)

( ^ω^)(向こうも2枚以上ナンバーズを持ってるのは確定なんだから、場合によっちゃ《アトランタル》も、そこそこ強力なカードとして売り込めるかも……)

( ^ω^)

( ^ω^)(っていうか、最悪強引にデュエルに持ち込んでしまっても)

( ^ω^)

( ;^ω^)(いやいやいやいや落ち着けお。理性ある文明人のやることじゃないお。野蛮人の所業だおそれは。蛮族の狂宴Lv10ぐらいあるお)

( ^ω^)

( ^ω^)(や、でもこうしてわざわざトレードを持ちかけるってことは、向こうの持ち札もそんなにいいもんではないってことなのでは……?)

( ^ω^)(勝算、ないわけでもないのでは……?)

( ^ω^)

( ^ω^)(いやいや)

 誰が見ているわけでもないのに、内藤はあたりをきょろきょろと見回す。内藤の脳内に召喚された《ゼラの戦士》が、《大天使ゼラート》と《デビルマゼラ》の間で激しく揺れ動いていた。

217 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:23:23 ID:kG7JXMeY0


 だが、そうしている間にも、欲望に忠実な内藤の足は、意思とは無関係に、動いていた。

( ^ω^)(……)

( ^ω^)(……)

( ^ω^)(……いや、まあ、とりあえずは……ねえ?)

( ^ω^)(とりあえず、話聞くくらいは……ねえ? 話わかる人っぽいし? ねえ?)

( ^ω^)(その上で、なんか使えそうなナンバーズがもぎ取れそうなら……)

( ^ω^)(ねえ?) ニタァ....

 ――廊下の奥の、図書館に向かって。内藤の足は動いていた。
 そうして、内藤は《万魔殿−悪魔の巣窟−》の扉を開く。そもそも、こんな場所に堕ちてくる人間が、留年の危機に陥るような人間が、《天空の聖域》にたどり着ける道理など存在しないのである――――




 《王立魔法図書館》と揶揄されるだけあって、図書館はかなりの広さがあった。
 カーテンがすべて閉め切られているので、館内は薄暗い。内藤が一見したところでは、誰か人がいるような気配はない――

218 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:24:08 ID:kG7JXMeY0




( ^ω^)(天井たっけー……)

「やあ。トレード希望者かな? ようこそ図書館へ」

( ;^ω^)「!」

 と、どこからか聞こえてくる声。
 奥のほうの本棚、その陰から、ゆらりと現れた人影――人影が、一冊の本を放り投げた。
 心臓が飛び出るほど驚いた内藤だが、なんとかその本をキャッチする。

( ;^ω^)「おわ……っ!」
つ【DTマスターガイド】⊂

(´・ω・`)「この本はサービスだから、まず読んで落ち着いてほしい……」

(´・ω・`)「……ん?」

( ^ω^)「……DTマスターガイド?」


 ( ^ω^)               (・ω・` )


(´・ω・`)「あれ、ブーンじゃないか」

( ゚ω゚)「ショボン!?」

 お互いに、思わぬ再会であった。

219 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:24:57 ID:kG7JXMeY0


( ^ω^)「久しぶりだおね、ショボン。一年……くらいだっけ」

(´・ω・`)「そんなものかな。僕もまさかこんなところで会うとは思わなかったけど……あれほど出席には気をつけろと言ったのに」

( ;^ω^)「うっせ。わかってても月曜一限はダルいんだお」

(´・ω・`)「あ、ほんとに出席日数なんだ」

( ^ω^)「……うっせ」

 本当の親友というのは、長い間会っていなくても、ふと再会したとき昨日の続きのような自然さで言葉を交わすことができる間柄のことだ――そんなふうに言うこともある。
 だが、なんだこの余裕ぶりは。
                                       コロ
 こうしてこの場にいる以上、二人はもはや友ではない。互いに留年し合う関係だというのに、なぜこうも自然な会話ができる? 

( ^ω^)「……なんでおまえがここにいんのかとか、聞きたいことはいろいろあるお。でも、その前にひとつ」

( ^ω^)「掲示板のとこに貼ってた、トレード希望って、あれ、おまえが書いたやつかお。つーか、トレードって大丈夫なのかお?」

(´・ω・`)「それ質問ひとつじゃなくない?」

( ^ω^)「んなくだらねーツッコミ入れるほど余裕あるシチュエーションじゃないと知れ」

220 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:25:38 ID:kG7JXMeY0


(´・ω・`)「まあ、トレードはOKみたいだよ。ルールブックに書いてるし」

( ゚ω゚)「ルールブック!?」

(´・ω・`)「うん。合意の上ならOKだって」

 近付くわけにも逃げるわけにもいかず、中途半端な位置で立ち尽くしている内藤に対し、ショボンは落ち着いたものだった。机の上に座って、静かに本を読んでいる。
 机に積んであった本のうち一冊をひょいと持ち上げると、内藤めがけて放り投げた。

( ^ω^)「合意って……いや、そんなルールならデュエルしないで暴力に出るやつとか」
つ【NBR 掟】⊂  パシッ

( ^ω^)(掟て)
つ【NBR 掟】⊂

(´・ω・`)「いや、デュエルしないで暴力って。近付いたら強制デュエルなのにどうしろってのさ」

( ^ω^)「あー……」

(´・ω・`)「というか、デュエルディスクのほうにも監視機能とか付いてるみたいだよ? 『あまりに見苦しい手を使った者はその時点で失格とする』らしいし、そういう心配はいらないと思う」

( ^ω^)「……」

 やけに古めかしい装丁の本に目を落とし、とりあえずページをパラパラとめくってみる内藤。
 読むともなく読みながら、ショボンの言葉に耳を傾ける。

221 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:26:18 ID:kG7JXMeY0


(´・ω・`)「ただ、トレードが可能なのはナンバーズのみ……というか、あれだ、メインデッキに入るモンスターはデュエルディスクのほうで認識してるらしいから」

(´・ω・`)「手持ちのナンバーズで使用が許可されてないモンスターをトレードで入手しようってのは無理なんだってさ」

( ^ω^)「……っていうと?」

(´・ω・`)「たとえば君がNo.39、僕がNo.17を持っていたとして、君が僕からトレードでATK100のモンスターを受け取ったとしても、デッキに入れるのは不可能ってこと」

( ^ω^)「……」

(´・ω・`)「持っとくだけなら自由らしいから、トレード自体はできる感じかな。ただ、そのカードが使えるのは、10番台のナンバーズを獲得してからだ」

(´・ω・`)「でないと、デュエルに臨んだ時点で、ルール違反で即仮死状態だってさ」

 こつ、こつ、こつ、と。
 広い図書館に、ゆっくりとした足音が響き渡る。

( ^ω^)「……で、ショボン」

 本から顔を上げず、内藤は聞いた。

(´・ω・`)「なんだい?」

( ^ω^)「トレードのことだけど……」

(´・ω・`)「ああ、それなら別に心配いらない。あの紙書いたのはお前か、とも聞いたよね。そうだよ」

222 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:27:00 ID:kG7JXMeY0







【――敵性ナンバーズを感知! 敵性ナンバーズを感知! これよりデュエルモードに移行します!】










(´・ω・`)「だけど、僕は別にトレードがしたかったわけじゃない」


( ^ω^)


(´・ω・`)

 デュエルフィールドが出現する。
 内藤は、改めてショボンに向き直った。

223 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:27:44 ID:kG7JXMeY0


―――――
・デュエルディスクを装備した者と接近した場合、強制的にデュエルモードとなる。
―――――

 対峙する内藤とショボンのふたり。
 トレードは一定の距離を保って――その注意書きを無視して、ショボンは今、明確に、内藤に向かって一歩踏み出していた。


( ^ω^)「何が手に入るかも不明瞭なトレード。すでに十分な戦力が整っているプレイヤーなら、そんな話に乗る必要はない」

( ^ω^)「これで釣れるのは、ほんの少しでも手持ちのナンバーズが良くなることに期待する弱者。そーいうやつを釣り出して狩る……そういうことかお?」

(´・ω・`)「そんな認識でも、まあ構わないよ。君だって、まさかバカ正直にトレードだけが行われると、本気で思ってたわけじゃないだろう?」

( ^ω^)「まあ、なんとなく、こうなる気はしてたお……」

 ショボンは淡々と言いながらデュエルディスクを展開する。内藤も、それに応じた。

( ^ω^)(そーいう雰囲気は感じてた。でもまあ、逃げたところで、いつかは必ず誰かとデュエルしなきゃならないんだから……受けてやった、けど)

224 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:28:27 ID:kG7JXMeY0


( ^ω^)「……おまえ、デュエル、できるように……なったのかお?」

 険しい目で問いかける内藤に、ショボンは一度肩をすくめると、パチンと指を鳴らした。
 それが合図だったかのように、閉め切られていたカーテンが一斉に開き――窓から差し込む茜色の夕日が、床に、ふたりぶんの影を落とす。

(´・ω・`)「おかげさまで、……ってわけじゃないかな。まだちょっと厳しいところはあったよ」

( ^ω^)「……」

(´・ω・`)「ま、無駄話はいつでもできる。そんなことより、久しぶりのデュエルなんだ。今は、そっちに集中しない?」

( ^ω^)「……言われるまでもねーお」

(´・ω・`)「OK。じゃあ……」





( ^ω^)「「デュエル!!」」(・ω・` )

225 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:29:08 ID:kG7JXMeY0


・TURN 1-

( ^ω^)「どーも先攻はこっちらしいお。僕は、モンスターを1体裏守備表示でセット!」

( ^ω^)「リバースカードを1枚伏せて、ターン終了。おまえの番だお」

(´・ω・`)「じゃ、僕のターンかな……」

( ^ω^)「……」




―――――――

226 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:29:49 ID:kG7JXMeY0


――――――

 去年――NBR以前の話。
 夏休みが間近に迫ったある日、内藤は職員室に呼び出された。

( ^ω^)「あのー、なんすか、話って」

( ´∀`)「まあ、ちょっと……君、たしかショボンくんと仲良かったよね? ”インフィニティ”の、ショボンくん」

( ^ω^)「あー、まあ……最近はそんなに会ってないですけど。この頃、休みがちですし、あいつ」

( ´∀`)「……そうか、君でもそんな感じか。どうして休んでるかは知ってる?」

( ^ω^)「調子悪いってのは聞いてますけど……詳しいところは」

( ´∀`)「なるほど……。で、それはそうと」

( ^ω^)「はい」

( ´∀`)「君、【盤面解決専門演習】の単位落としたよね?」

( ゚ω゚)「落ちたんですかお!? マジで!?」

( ´∀`)「あ、まだ成績出てなかったか……まあいいや、とにかく、君、補習決定。夏休みの間、一週間。盤面解決専門演習、ネーヨ先生の補習です」

227 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:30:35 ID:kG7JXMeY0


( ´∀`)「で……あまりこういうこと言うのはよろしくないんだけど。ショボンくんも、この講義を落としました。補習決定です」

( ^ω^)「……まあ、出席足りてませんよね、どう見ても」

( ´∀`)「というわけで、君に頼みたいことがあって。その補習で、できればショボンくんの面倒を見てほしいんですね。
      彼はこの頃精神的に不安定らしくて、保健室であてがってもらったカウンセラーとのデュエルにも負け越してる」

( ^ω^)「……はあ」

( ´∀`)「あと、君も結構単位危ないから。荷物を背負うことで、より必死になって補習に取り組んでくれたらなーと考えています」

( ^ω^)「それ教師としてどうなんすか?」

 ”インフィニティ”と呼ばれ恐れられたショボンだが、ある時期を境に調子を崩し、それ以降は学校も休みがちになった。

( ^ω^)(あれはたしか、ショボンが県大会で負けてからのこと――)

( ^ω^)(――”あのカード”に、負けてから……)


―――――――

230 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:33:06 ID:kG7JXMeY0

――――――――

・TURN 2-

(´・ω・`)「ドロー。僕もモンスターを1体守備表示で出して……これでターン終了」


・TURN 2− 終了
( ^ω^) 手札:3 LP8000
場:《裏守備》 / 伏せ:1枚

(´・ω・`) 手札:5 LP8000
場:《裏守備》


( ^ω^)「……お互い消極的だおねー」

(´・ω・`)「別に、いつもこんなもんだっただろう?」

( ^ω^)「僕のターン、ドロー(……じゃあ、ちょっと小突いてみるかお)」

228 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:31:35 ID:kG7JXMeY0


・TURN 3-

( ^ω^)「魔法カード発動。クロス・ソウル」

《クロス・ソウル》
通常魔法
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
(1):相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
このターン自分がモンスターをリリースする場合、
自分のモンスター1体の代わりに対象の相手モンスターをリリースしなければならない。

(´・ω・`)「む……?」

( ^ω^)「このターン僕はバトルフェイズを行わないかわりに、上級モンスターを召喚する際、自分じゃなく相手のモンスターを生贄にできる」

( ^ω^)「おまえの、その裏守備モンスターを生贄に――モンスターを、裏守備表示でセット!」

(´・ω・`)「……ふーん」

( ^ω^)(さて、生贄にしたモンスターは……)

( ^ω^)「……!」

229 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:32:24 ID:kG7JXMeY0


《ガスタ・ガルド》
チューナー(効果モンスター)
星3/風属性/鳥獣族/攻 500/守 500
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
デッキからレベル2以下の「ガスタ」と名のついた
モンスター1体を特殊召喚できる。


(´・ω・`)「アドバンス召喚のリリースにされちゃ、ガルドの効果は使えない。タイミングを逃してしまうからね」

( ;^ω^)「ガスタ……」

(´・ω・`)「……まあ、僕はやっぱり、どこにいても、誰と勝負してても……これしか、使えないみたいでね」

( ^ω^)「……リバースカードを1枚セット。僕は、これでターンエンドだお」

(´・ω・`)「けど、《帝王の烈旋》じゃなくて《クロス・ソウル》とはまた古風なカードだね。エクストラデッキを使うアテでもあるのかな? どうでもいいけどさ」

( ^ω^)「……」

(´・ω・`)「……そんなにカタい顔しないでほしいなあ。ひさしぶりのデュエルじゃないか」

231 名前:順番まちがい >>227と>>228の間に>>230が入る :2016/03/07(月) 20:35:21 ID:kG7JXMeY0

――――――――――――


( ; ω )「はー、はー、はー……うっ! おげええええ……」

 夏休みだというのに、内藤はその日一日をアカデミアで過ごしていた。
 【盤面解決専門演習】の試験で鬼のような赤点を取った内藤は、休みにも関わらず補習のためアカデミアへ出なければならなかったのだ。

( ; ω-)(あ、あのクソ野郎……あれが教師のやることか……ッ! あんなのもうデュエルじゃねえお……お…おえええええ)

 補習担当が鬼と名高いシラネーヨ教諭だったのが運の尽き。
 内藤を含む成績不振者全員は、「相手フィールドに《M・HERO ダーク・ロウ》が召喚されている状態からデュエルが始まる」という補習デュエルをひたすら繰り返すことになった。

 そのデュエルに勝利すると、次は《ダーク・ロウ》の隣に《エルシャドール・ミドラーシュ》が増えた。
 そのデュエルにも勝利すると、次は《ダーク・ロウ》《ミドラーシュ》の隣に《タイタニック・ギャラクシー》が増え……

 内藤はカンニングペーパーとして《コアキメイル・デビル》をデッキに投入、ただそれだけに望みを託し、敗北に敗北を重ねながらも死ぬ思いで勝利をつかみ取っていた。
 が、もはや何度目かもわからないほど繰り返されたデュエルの途中、《D-HERO Bloo-D》が追加されたのを見た瞬間に気を失った。

( ;^ω^)「あ"ー……くそ」

 昼休み、とりあえず補習に一区切りついた内藤は、アカデミアの屋上に来ていた。何も考えず、青空の下で寝っ転がっていたい気分だったのだ。
 しかし、屋上には先客がいた。

232 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:36:05 ID:kG7JXMeY0


(´・ω・`)「……ブーン?」

( ^ω^)「お、ショボン。おまえも来てたのかお」

 フェンスにもたれかかっていたショボンの隣に歩み寄ると、内藤はその場に座り込む。

( ^ω^)「……」

(´・ω・`)

 ショボンは、どこか虚ろな瞳で、空を見上げていた。

( ^ω^)「……調子、悪いみたいだおね。どしたお?」

(´・ω・`)「さあ……。どうしてだろうね」

 ショボンは首にかけていたペンダントから1枚のカードを取り出した。《ガスタの巫女 ウィンダ》。

(´・ω・`)「……補習、どこまでなら、クリアできた?」

( ^ω^)「お? おー……《クリスティア》まではどうにかなったけど、《Bloo−D》からはさすがに無理だったお」

(´・ω・`)「そっか」

( ^ω^)「あれ、ほとんどエクストリーム詰めデュエルの領域だと思うお。もっとこう、現実的な布陣と実戦的な返し方を教えるべきだと――」

(´・ω・`)「僕はね、レベル2からもう無理だったんだ」

( ^ω^)「……レベル2って、……」

233 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:36:50 ID:kG7JXMeY0


( ^ω^)「……ミドラーシュ、かお」

(´・ω・`)「ああ」

( ^ω^)「……やっぱ、まだ引きずってんのかお?」

 春の県大会。ショボンは、準決勝で大敗を喫していた。
 当時、まだ出たばかりだった新カード群――【シャドール】をメインとするデッキを使う相手に、である。

(´・ω・`)「……そうかもしれないね」

( ^ω^)「めちゃくちゃ強いおねー、シャドール。そのくせあれでまだ序の口とか、もっと強いカードがこれからどんどん出るなんて噂もあるし」

( ^ω^)「僕も、この先ついてけるかどうか……進路どうするとか考えてるかお?」

(´・ω・`)「そうかもしれない。けど、たぶんそれだけじゃない」

( ^ω^)「は?」

 ペンダントから取り出したカードを、ショボンはデュエルディスクにセット。
 晴れた屋上に現れる、ソリッドビジョンの《ウィンダ》の姿。

234 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:37:34 ID:kG7JXMeY0


(´・ω・`)「ただ強いだけのデッキなら、今までに何回も見てきたし、そのたびに乗り越えてもきた。そのはずなのに」

(´・ω・`)「どうして、だろうね……」

( ^ω^)「……おまえ……」

 最愛の《ウィンダ》を眺めるショボンの手は、小刻みに震えていた。
 この《ウィンダ》は立体映像にすぎない。だが、なぜだろう。
 内藤には、彼女がどこか悲しげな表情を浮かべているように見えてならなかった。
 
(´・ω・`)「……これは笑い話なんだけどね、最近《ウィンダ》を見てるとどうも体が震えてくるんだ。家でも。どこでも。デュエル中でも。
        前は、あんなに興奮してたのに、今じゃまるっきり逆なんだよ。自分で無限回収しといて自分で追い詰められてるんだから、ほんと、笑い話なんだけど」

(´・ω・`)「似てるからかな。どうしても、"あっち"を思い出してしまうんだ」

( ^ω^)「……」

(´・ω・`)「強いことは、強いよ、シャドール。でも、『これはもう無理だ』って、本気で思ってるかっていうと、たぶん違うはずなんだ」

(´・ω・`)「違うと、僕は思ってる。思ってるのに、どうしても……《ウィンダ》を見るたび、どうしても」

(´・ω・`)「あの"人形"に、おまえは、もうダメなんだ、って……言われてるような、気がして……」

( ´・ω・)「……」

( ^ω^)(……ショボン……)

235 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:38:57 ID:kG7JXMeY0


 ――たぶん、本人にもわかっていなかっただろう。
 シンクロ召喚に適応できず決闘界を去る者もいたし、エクシーズ召喚に適応できず決闘者人生を終えた者もいた。
 折れるきっかけなど、人それぞれだ。

( ´ー`)「おら、立て! どうしたショボン! "インフィニティ"の名が泣くぞ!! エルシャドール・ミドラーシュで攻撃!」

(;´・ω-`)「う、うう……けど、破壊されたガスタ・イグルの効果……デッキから、新たなガスタモンスターを――」

(;´・ω・`)「……ッ!」

 ただ、ショボンはこの後ゲロを吐くまで補習を繰り返した。
 《ウィンダ》に似た《ミドラーシュ》への拒否反応を克服するため、何度も、何度も、デュエルを続けて――


( # ´ー`)「エルシャドール・ミドラーシュが場に存在する限り――お互いのプレイヤーは、1ターンに1度しか、モンスターの特殊召喚が行えない!」

(;´・ω・`)「……」

( # ´ー`)「ダイレクトアタック!」

( ;´ ω )「う……ぐ、うッ、ああああああああああ!!!」

 それでも結局無理だったショボンは、それでダメになってしまったショボンは、結局、アカデミアを去った。


――――――――――――

236 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:39:43 ID:kG7JXMeY0

・TURN 3− 終了
( ^ω^) 手札:1 LP8000
場:《裏守備》 《裏守備》 / 伏せ:2枚

(´・ω・`) 手札:5 LP8000
場:なし



・TURN 4-


(´・ω・`)「僕のターン、ドロー。しょうがないな、ガスタの神官ムストを召喚。バトルに入ろうか」

《ガスタの神官 ムスト》
星4/風属性/サイキック族/攻1800/守 900
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。
自分の墓地の「ガスタ」と名のついたモンスター1体を選択してデッキに戻し、
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して
その効果をエンドフェイズ時まで無効にする。

( ^ω^)(500/500の次は、DEF900……そして、そのどちらも、《ガスタ》。どこまで揃えてるか、ってとこかお……)

(´・ω・`)「さて、そこの上級モンスターが何かもちょっと知りたくはあるけどね、まあ無難に下級のほうから叩こう、裏守備モンスターに攻撃」

237 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:40:25 ID:kG7JXMeY0

( ^ω^)「残念、このモンスターはヘル・セキュリティ」

《ヘル・セキュリティ》
星1/闇属性/悪魔族/攻 100/守 600 【チューナー】
(1):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
デッキから悪魔族・レベル1モンスター1体を特殊召喚する。

( ^ω^)「増援部隊! デッキから、2体目のヘル・セキュリティを特殊召喚するお」

(´・ω・`)「ふむ。じゃあ、ターン終了」

・TURN 4− 終了
( ^ω^) 手札:1 LP8000
場:《ヘル・セキュリティ》@DEF 600 《裏守備》 / 伏せ:2枚

(´・ω・`) 手札:5 LP8000
場:《ガスタの神官ムスト》@ATK1800


・TURN 5-


( ^ω^)「僕のターン、ドロー(……!)」

238 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:41:06 ID:kG7JXMeY0

《増援》
通常魔法(制限カード)
(1):デッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に加える。

( ^ω^)(増援……)

 引いたカードを見て、内藤の脳裏に蘇る記憶―― 一戦目、"留年死神"との戦いの記憶。
 今、必要なカードは何か。それを見極めなくてはならない。慎重に、しかし素早く。
 内藤は決断した。

( ^ω^)「……増援、発動!」

( ^ω^)「デッキから、E・HERO エアーマンを手札に加え……召喚!」

《E・HERO エアーマン》
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカード以外の自分フィールドの
「HERO」モンスターの数まで、
フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。

( ^ω^)「エアーマンの効果! デッキからD-HERO ディフェンドガイを手札に加えるお」

《D−HERO ディフェンドガイ》
星4/闇属性/戦士族/攻 100/守2700

239 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:42:11 ID:kG7JXMeY0


( ^ω^)「さて、エアーがDEF300に、ディフェンドのATKは100。早々に開示してやったけど……どう読むお、これ」

(´・ω・`)「どうでもいいさ」

( ^ω^)「あん?」

(´・ω・`)「君のナンバーズがなんであれ……僕は、僕のプレイスタイルを通していくだけのこと」

( ^ω^)「……言ってろ、だお。僕は……」

( ^ω^)「(……エアーとムストじゃ相打ち、ここはカウンター狙いで行く!)レベル1!ヘル・セキュリティでレベル4エアーマンをチューニング!」

( ^ω^)「シンクロ召喚。転生竜サンサーラ!」

(´・ω・`)「……ふーん」


《転生竜サンサーラ》
星5/闇属性/ドラゴン族/攻 100/守2600 【シンクロ】
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
「転生竜サンサーラ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのこのカードが相手の効果で墓地へ送られた場合、
または戦闘で破壊され墓地へ送られた場合、「転生竜サンサーラ」以外の
自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

240 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:42:51 ID:kG7JXMeY0


 黒い、コウモリのような竜。黒い炎のようにも見える毛むくじゃらの翼。
 その陰に隠れて、内藤はひそかに拳を握りしめた。

( ^ω^)(守備力2600! なまっちょろいアタッカーじゃあ突破に苦労する数字だし、破壊されてもヘルセキュリティを復活させて戦線を繋ぐか、エアーマンで手札を補充することができる!)

( ^ω^)(攻撃力こそ無いものの、こいつが使えるようになったのは僥倖だお……!)

( ^ω^)「僕はこれでターンエンド!」


・TURN 5− 終了
( ^ω^) 手札:2 LP8000
場:《転生竜サンサーラ》@DEF2600 《裏守備》 / 伏せ:2枚

(´・ω・`) 手札:5 LP8000
場:《ガスタの神官ムスト》@ATK1800


(´・ω・`)「エアーマンに、サンサーラ。いいカード持ってるじゃないか、意外と」

( ^ω^)「おまえなら知ってるはずじゃないかお? この僕の、悪運の強さ」

241 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:43:43 ID:kG7JXMeY0


(´・ω・`)「ああ、本当に運がいいよ、僕は」

( ^ω^)「……おまえが?」

(´・ω・`)「そうだよ。もともと、ここには死ぬつもりで来たからね」

( ^ω^)「は?」

(´・ω・`)「だから最初のナンバーズを見た時、本当に運がいいと思った。運命すらも僕に死ねって言ってくれてると思ったんだ。『彼女』が使えたからね」

( ^ω^)「……」

( ;^ω^)「いや、なんだって?」

 
 二人は向かい合っているはずだ。今まさに決闘の最中のはずだ。けれど、ショボンは僕を見ていない――内藤はそう感じた。
 ショボンはどこか虚ろな目をそのままに、カードを1枚引く。そして淡々とゲームを進めた。


・TURN 6-

242 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:44:25 ID:kG7JXMeY0

(´・ω・`)「レベル1、チューナーモンスター:ガスタ・イグルを手札から召喚。レベル4、ガスタの神官ムストにイグルをチューニング……シンクロ召喚」

《ガスタ・イグル》
星1/風属性/鳥獣族/攻 200/守 400 【チューナー】

《ガスタの神官 ムスト》
星4/風属性/サイキック族/攻1800/守 900

( ^ω^)(こいつもレベル5のシンクロ……?)

(´・ω・`)「口上、不要。ただ――"愛"。僕の隣に、ダイガスタ・ガルドス」


《ダイガスタ・ガルドス》
星5/風属性/サイキック族/攻2200/守 800 【シンクロ】
チューナー+チューナー以外の「ガスタ」と名のついたモンスター1体以上
1ターンに1度、自分の墓地の「ガスタ」と名のついた
モンスター2体をデッキに戻して発動できる。
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊する。


( ;^ω^)(ガルドス…! そういやこいつも守備3ケタかお!)

( ;^ω^)(素材に縛り付きとはいえ、軽めに出せて除去能力持ち……ぶつかり合うのは不利そうだお……)

243 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:45:40 ID:kG7JXMeY0


 大きな鳥を駆る少女。その少女こそ、かつてショボンが愛した《ウィンダ》に他ならない。
 薄暗い図書室にフワフワと滞空する《ガルドス》の姿を眺めて、ショボンは独り言のように言った。


(´・ω・`)「愛したカードで勝てもしない。愛した女で勃ちもしない。戦士としても男としても僕は不具だ」

( ^ω^)「……?」

(´・ω・`)「だから、NBRに呼び出されたとき、最初のナンバーズを見たときに――ここでなら死ねると思った。彼女を持て余したまま死ねば、それで終われると思った」


(´・ω・`)「でも、僕は勝ってしまった。マジックカード、発動」



 西日がショボンの影を形作る。
 その影が、ゆらり。

244 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:46:25 ID:kG7JXMeY0

      シャドール・フュージョン
(´・ω・`)「《影依融合》」






( ^ω^)





《影依融合-Shaddoll Fusion-》
通常魔法
「影依融合」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札・フィールドから
「シャドール」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在する場合、
自分のデッキのモンスターも融合素材とする事ができる。



( ^ω^)「は?」

245 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:47:05 ID:kG7JXMeY0



 窓から差し込む夕日によって形作られたサンサーラの影。
 その影は不気味にうねうねと蠢き、不自然な形にゆがんでいく。

(´・ω・`)「デッキから、シャドール・ファルコンとシャドール・ハウンドの2体を融合―――――」

《シャドール・ファルコン》
星2/闇属性/魔法使い族/攻 600/守1400 【リバース/チューナー】

《シャドール・ハウンド》
星4/闇属性/魔法使い族/攻1600/守 900 【リバース】


 ついに、影はひとりでに立ち上がると、《ガルドス》の隣に浮き上がり――
 《ガルドス》とよく似た影人形を形作った。

246 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:49:14 ID:kG7JXMeY0


(´・ω・`)「降霊、エルシャドール・ミドラーシュ」



《エルシャドール・ミドラーシュ》
星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800 【融合】
「シャドール」モンスター+闇属性モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードは相手の効果では破壊されない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
その間はお互いに1ターンに1度しかモンスターを特殊召喚できない。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、
自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。


( ^ω^)


 沈黙する内藤。

( ^ω^)(……《x8》、《x9》、《6x》……《69》? 《コート・オブ・アームズ》?)

( ;゚ω゚)(……いや、それどころじゃねえ!!)

 現れた影人形をちらりと眺め――ショボンはかすかな笑みを浮かべた。
 内藤はとっさに身構える。

247 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:49:56 ID:kG7JXMeY0

(´・ω・`)「ファルコンとハウンドの効果発動、素材となったファルコンは僕の場に裏側表情で蘇り……」

(´・ω・`)「ハウンドは、君の裏守備モンスターを攻撃表示に変える! さっき《クロス・ソウル》で出した、そいつをだ!」

 裏守備 DEF ??? → タン・ツイスター ATK 400

《タン・ツイスター》
星6/闇属性/悪魔族/攻 400/守 300
アドバンス召喚したこのカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
この効果を発動した場合、このカードをゲームから除外する。

( ;^ω^)「や、やば……ッ!?」

(´・ω・`)「妙なモンスターを使うね。まあ、なんでもいいんだけど……ガルドスの効果発動、墓地のムストとガルドをデッキに戻し、君の場のサンサーラを破壊する!」

( ;^ω^)「ぬおお……っ!」

 ガルドスの杖から放たれた雷を受け、サンサーラの肉体は爆散する。
 胸に埋め込まれていたアンクだけが、原型をとどめて地面に落ち――内藤は、すぐにそれを拾い上げた。

( ;^ω^)つ♀ バッ! 「だが、サンサーラの効果発動! サンサーラが破壊された時、それと入れ替わりに墓地のモンスターが1体復活す……」

( ;^ω^)$っ♀ 「るッ!?」

 しかし、内藤が腕を振り上げた瞬間、その手首に糸が絡みつく。

248 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:51:10 ID:kG7JXMeY0


(´・ω・`)「わかってるとは思うけど、エルシャドール・ミドラーシュの効果」

 糸に引っ張り上げられるように、内藤の腕がひとりでに上がっていく。
 細い糸の端は天井へと続いているが、その果ては暗がりに吸い込まれ、見えない――――

(´・ω・`)「ミドラーシュが僕の下にある限り、僕も、君も、1ターンに1回しか、モンスターの特殊召喚が行えなくなる」

( ;^ω^)「……言われなくても、知ってるお」

 手首を絞める糸の感触に、内藤は《ミドラーシュ》を睨みつけた。
 人形に表情はない。

( ^ω^)(こんなところで、こいつの顔を見ることになろうとは……)

(´・ω・`)「さて……どうする?」

( ^ω^)「言われなくても……その1回を、ここで使う! 墓地より、エアーマンを守備表示で特殊召喚! そしてこのときエアーマンの効果でデッキからD−HEROデビルガイを手札に加える!」

(´・ω・`)「かまわないさ。エルシャドール・ミドラーシュで、エアーマンを攻撃」

 どこからか飛び出した無数の糸がエアーマンの全身に絡みつき、ボンレスハムのようにその肉体を締め上げる。

249 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:51:52 ID:kG7JXMeY0


 どこからか飛び出した無数の糸がエアーマンの全身に絡みつき、ボンレスハムのようにその肉体を締め上げる。

( ;^ω^)$っ「耐えろ……ッ! リバースカード、オープン!」

 しかし、エアーマンの肉体は突如急激なビルドアップを始め、怒張していく筋肉が体に巻き付いた糸を引き千切った。
 わずかに目を丸くするショボンを尻目に、内藤はダブルバイセップス・フロントの姿勢で1枚のカードを誇示する。

( ^ω^)「速攻魔法、ドロー・マッスル……発動させてもらったお。デッキからカードを1枚ドローして、エアーマンは戦闘では破壊されない!」

《ドロー・マッスル》
速攻魔法
「ドロー・マッスル」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの守備力1000以下の表側守備表示モンスター1体を対象として発動できる。
自分のデッキから1枚ドローする。
そのモンスターはこのターン戦闘では破壊されない。

(´・ω・`)「ふーん。なら、ダイガスタ・ガルドスでタン・ツイスターを攻撃!」

( ゚ω゚)「ばばばばばばばばばば」LP8000→6200

 ショボンは動じることなく妖怪ベロお化けを内藤もろとも雷で焼き払った。

( ;^ω^)「け、けど! アドバンス召喚したタンツイスターが墓地へ行ったとき、これを除外することで僕はデッキからカードを2枚引ける! ドロー!」

(´・ω・`)「すごいね、転んでもただでは起きない。手札がいっぱいだ……まあ」

(´・ω・`)「それを《ミドラーシュ》の前で、どれだけ消化できるかって話だけど……リバースカードを2枚出してターンエンド」

250 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:52:41 ID:kG7JXMeY0

・TURN 6− 終了
( ^ω^) 手札:6 LP6200
場:《E・HERO エアーマン》@DEF 300 / 伏せ:1枚

(´・ω・`) 手札:2 LP8000
場:《エルシャドール・ミドラーシュ》@ATK2200 《ダイガスタ・ガルドス》@ATK2200 《裏守備 ※シャドール・ファルコン》 / 伏せ:2枚


・TURN 7-

( ^ω^)「僕のターン、ドロー。……魔法カード、デステニー・ドローを発動!」

( ^ω^)「手札のD-HERO、ディフェンドガイを墓地に送って2枚ドロー。……」

 手札の5枚と引いた2枚。手元の戦力を確かめながら、しかし内藤の顔面は歪んでいた。

( ;^ω^)(……この7枚の潤沢な手札! どうとでもなる、どうとでもなる……普通ならどうとでもなる場面なのに! 相手がちょっと規格外!!)

 例えるなら、雑に作ったばかりのデッキ――《サイクロン》すら積んでいないデッキで、当たった相手が《スキルドレイン》《マクロコスモス》を発動し――対抗策が《ハーピィの羽根帚》を引く以外にないことを思い出した時。
 例えるなら、エクストラデッキの枠がもったいないからと《ホープ・ザ・ライトニング》を積まなかったようなデッキで―――眼前に降り立った《アポクリフォート・キラー》の突破が、綺麗ごとや精神論を挟む余地すらなく、文字通り「不可能」であると悟った時。
 そんな絶望感を、内藤は目の前の相手から感じ取っていた。

251 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:53:29 ID:kG7JXMeY0
( ;^ω^)(どこまで……どこまでカードを揃えているかはわからない……が! 《影依融合》を堂々とぶちかましてくる程度には、まとまった構築がなされたデッキ……どう見たって、パワーが違いすぎる!)

( ;^ω^)(下手に闘いが長引けば、待ち受けるのは間違いなく……)

 わずか1枚2枚のカードだけを手札に抱えた自分が、その数倍のカードをバックにちらつかせつつ場に君臨する《ミドラーシュ》に絞め殺される――
 頭に浮かんだそんなヴィジョンを振り払い、内藤は手札のカードをひとまとめにすると、そこから1枚のカードを抜き出した。

( ;^ω^)「(だが、とりあえずは……)D−HERO デビルガイを召喚!」

《D−HERO デビルガイ》
星3/闇属性/戦士族/攻 600/守 800
このカードが自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する場合、
1ターンに1度だけ相手モンスター1体をゲームから除外する事ができる。
この効果を使用したプレイヤーはこのターン戦闘を行えない。
この効果によって除外したモンスターは、
2回目の自分のスタンバイフェイズ時に同じ表示形式で相手フィールド上に戻る。

(´・ω・`)「まあ、やっぱそう来るか」

( ^ω^)「デビルガイは時を操る! 効果発動、このターン、僕は一切の攻撃を放棄するかわりに、相手モンスター1体を一時的にゲームから消し飛ばすことができる!」

( #^ω^)「この効果で除外されたモンスターは、僕のターンで数えて2ターン経過するまで戻ってこれない! バトルを放棄! ミドラーシュを……除外しろ!」

(´・ω・`)「うん、かっこつけたのはいいけど、ここまで予定調和だよね。エアーマンでサーチしてたわけだし……だから」

(´・ω・`)「リバースカードオープン。手札のガスタ・グリフを、エルシャドール・ミドラーシュに……」

252 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:54:20 ID:kG7JXMeY0



(´・ω・`)「神の写し身との接触(エルシャドール・フュージョン)」


《神の写し身との接触-El Shaddoll Fusion-》
速攻魔法
「神の写し身との接触」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札・フィールドから、
「シャドール」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。


( ;^ω^)「……そこまで……引いてんのかお!」

(´・ω・`)「そう。僕のデュエルは異物である《ミドラーシュ》をガスタたちの元へ迎え入れることで完成する」

(´・ω・`)「速攻魔法の効果によって、相手ターン中に融合召喚を行う。シャドールモンスター/ミドラーシュに、風属性/グリフを融合し――」

(´・ω・`)「降霊、エルシャドール・ウェンディゴ」

《エルシャドール・ウェンディゴ》
星6/風属性/サイキック族/攻 200/守2800 【融合】
「シャドール」モンスター+風属性モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
「エルシャドール・ウェンディゴ」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターは特殊召喚された相手モンスターとの戦闘では破壊されない。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが墓地へ送られた場合、
自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。

253 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:55:01 ID:kG7JXMeY0

(´・ω・`)「素材となったミドラーシュの効果、墓地の影依融合を手札に戻し、そしてガスタ・グリフの効果も発動」

(´・ω・`)「デッキから、ガスタの希望 カムイを特殊召喚しようか……」

《ガスタの希望 カムイ》
星2/風属性/サイキック族/攻 200/守1000

( ^ω^)(……ウェンディゴとカムイ、《2X》……)

( ;^ω^)(……何枚……何枚持ってんだお、こいつ!?)

(´・ω・`)「さて。ミドラーシュが消えたため、デビルガイの効果は対象不在で不発。しかし不発とはいえ、君はもうバトルの放棄を宣言した。このターンはもう攻撃できない……」

(´・ω・`)「もっとも、攻撃できたとして……君のその貧弱な布陣が、僕の人形モンスターたちを越えられたかは怪しいけどね」

( ;^ω^)「……」

【(´・ω・`)】
《ダイガスタ・ガルドス》@ATK2200 《エルシャドール・ウェンディゴ》@DEF2800 《ガスタの希望 カムイ》@DEF1000 《シャドール・ファルコン※裏》@DEF1400

《D-HERO デビルガイ》@ATK 600 《E・HERO エアーマン》@DEF 300
【( ;^ω^)】

 《ミドラーシュ》を消し飛ばすために放った攻撃は回避され、それどころか逆に敵モンスターが増えてしまった形。
 内藤はちらりと手札を見やる。

254 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:56:00 ID:kG7JXMeY0

( ^ω^)「……だが、ミドラーシュはどっちにしろ消えた! 手首を締める糸はもうない、特殊召喚は何度でも行える!」

( ^ω^)「リバースカード、リビングデッドの呼び声を発動。墓地から、ヘル・セキュリティを蘇生。そして!」

( ^ω^)「レベル1チューナー、ヘルセキュリティとレベル3デビルガイでシンクロ!」

(´・ω・`)「む、レベル4のシンクロ。何か使えるのかな?」

( #^ω^)「揺れろ魂のチューニング、天空に描け虹のアーク! シンクロ召喚、現れろ我がしもべのモンスターよ!」





             アーク・デクレアラー
( ^ω^)「レベル4、虹光の宣告者!」

255 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:56:41 ID:kG7JXMeY0

 エクストラデッキから召喚されたアークデクレアラー。その体は窓から差し込む夕日に照らされて、図書室の床に影を落とす。
 その影は今、《エルシャドール・ウェンディゴ》と対峙して、怪しげにうねうねと蠢き出す――――が、しかし。
        ライトアップ
( ^ω^)「"照らし出せ"!」

 きらきらと輝く虹色の光が、フィールドを明るく照らし出す。
 《宣告者》は図書館の天井高くへふわりと舞い上がり、光源が高くなったことによって、内藤やモンスターたちの影は少しだけだが短くなった。


《虹光の宣告者》
星4/光属性/天使族/攻 600/守1000 【シンクロ】
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
お互いの手札・デッキから墓地へ送られるモンスターは墓地へは行かず除外される。
(2):モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、
このカードをリリースして発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
(3):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから儀式モンスター1体または儀式魔法カード1枚を手札に加える。


(´・ω・`)「なるほど、影依融合への対策を立てにきたってことかな? それにしたって涙の出そうな、しょっぱい対応策だけど」

( ^ω^)(そう、なんとも微妙なところ……さて……)

256 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:57:33 ID:kG7JXMeY0

( ^ω^)(奴の手札は、次のドローを考慮に入れても3枚だけ。その中の1枚は、さっき回収した《影依融合》で確定している……)

( ^ω^)(で、僕の場にはモンスターが2体、エアーマンとアークデクレアラーの2体……)

( ^ω^)(……)

 数秒間の黙考ののち、内藤は決断する。

( ^ω^)「……レベル4! エアーマンとアークデクレアラーでオーバーレイネットワークを構築!」

(´・ω・`)「……へえ?」

( ^ω^)「エクシーズ召喚、さて! 鳥は鳥でも、夜行性の鳥といえば?」

(´・ω・`)「ヨタカ、ゴイサギ、トラツグミ、えーっと……」

( ^ω^)「なんでそういうの知ってんの」

(´・ω・`)「だって僕ガスタ使いだし」

( ^ω^)「にしたって他にいるだろわかりやすいのが……ランク4! 来い、RR−フォース・ストリクス!」

 虹色の光がふっつりと消え、少し薄暗くなった部屋の中。かすかな羽音を立てながら、どこからか、一匹のフクロウが舞い降りた。
 窓から差し込む茜色の陽――内藤の影が、細長く伸びる。

《RR−フォース・ストリクス》
ランク4/闇属性/鳥獣族/攻 100/守2000 【エクシーズ】
レベル4モンスター×2
(1):このカードの攻撃力・守備力は、
このカード以外の自分フィールドの鳥獣族モンスターの数×500アップする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから鳥獣族・闇属性・レベル4モンスター1体を手札に加える。

257 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:58:24 ID:kG7JXMeY0


( ^ω^)「影の、闇の中で戦うなら、そこで信ずるべきは……同じ闇の住人。ストリクスの効果発動、オーバーレイユニットを1つ使って、デッキからBF−陽炎のカームを手札に加えるお」

《BF−陽炎のカーム》
星4/闇属性/鳥獣族/攻 600/守1800

(´・ω・`)「いやあ、洒落たこと言うのは別にいいんだけどさ。僕の手札に影依融合があることを知っておきながら、曲がりなりにもそれを封じる虹光の宣告者を捨ててまで……」

(´・ω・`)「戦闘能力すら持たない、普通のエクシーズモンスターを召喚するとは。ちょっと驚いたね」

( ^ω^)「……」

(´・ω・`)「で? まさか今のセリフ言いたいがために出したってわけじゃないだろう」

( ^ω^)「……リバースカードを2枚セットして、ターンエンド!」

(´・ω・`)「え、ほんとに言いたかっただけ?」


・TURN 7− 終了
( ^ω^) 手札:5 LP6200
場:《RR−フォース・ストリクス*1》@DEF2000 / 伏せ:2枚 魔罠:《リビングデッドの呼び声 ※対象不在》

(´・ω・`) 手札:2 LP8000
場:《エルシャドール・ウェンディゴ》@DEF2800 《ガスタの神官ムスト》@ATK1800 《裏守備 ※シャドール・ファルコン》 《ガスタの希望カムイ》@DEF1000 / 伏せ:1枚

258 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:59:09 ID:kG7JXMeY0


・TURN 8-

(´・ω・`)「じゃあ僕のターン、ドロー」

( ^ω^)(……このドローでショボンの手札は3枚。うち1枚は、さっき回収した《影依融合》……)

(´・ω・`)「シャドール・ファルコンを反転召喚、効果発動」

《シャドール・ファルコン》
星2/闇属性/魔法使い族/攻 600/守1400 【リバース/チューナー】
「シャドール・ファルコン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードがリバースした場合、
「シャドール・ファルコン」以外の自分の墓地の「シャドール」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを裏側守備表示で特殊召喚する。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
このカードを墓地から裏側守備表示で特殊召喚する。

(´・ω・`)「このカードが裏側から表側になった時、墓地のシャドール1体を裏守備表示で蘇らせることができる。墓地の《エルシャドール・ミドラーシュ》が裏守備表示で復活する……」

( ^ω^)「……」

(´・ω・`)「で、……どうしようかな。ガルドスの効果を使ってもいいんだけどね」

( ^ω^)(……ここからは、僕もタイミングが命……)

( ;^ω^)(さあ……どう出てくる!)

259 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 20:59:56 ID:kG7JXMeY0


(´・ω・`)「だがまあ、とりあえず……レベル2のシャドール・ファルコンとガスタの希望カムイで、オーバーレイ」

( ^ω^)(……《カムイ》と《ファルコ》……いや、どうでもいいお。どうでもいいけど、ランク2エクシーズ……ナンバーズじゃないとしたら)

( ;^ω^)(《ファルコン》が使えてるってことは、僕と同じでATK600が使えてるってことだから……!)

(´・ω・`)「エクシーズ召喚! ランク2、聖光の宣告者(セイント・デクレアラー)」

《聖光の宣告者》
ランク2/光属性/天使族/攻 600/守1000 【エクシーズ】
レベル2モンスター×2
このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、
自分の墓地のモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターを手札に加え、
その後、手札を1枚持ち主のデッキに戻す。
「聖光の宣告者」の効果は1ターンに1度しか使用できない。


(´・ω・`)「なにか、罠とかないのかい?」

( ^ω^)「……いや」

(´・ω・`)「そう。じゃあ、セイントデクレアラーの効果発動。オーバーレイユニットを1つ使い」

(´・ω・`)「墓地のガスタ・グリフを手札に回収する。それと引き換えに、今あるこの手札1枚をデッキに戻すことになるけどね」

260 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:00:38 ID:kG7JXMeY0


( ^ω^)(……ショボンの手札は《影依融合》を抜いて2枚。加えて、片方は《ガスタ・グリフ》で確定した。残る手札は1枚だけ)


(´・ω・`)「さて……では、満を持して。せっかく、エクシーズモンスターを出してくれたんだから……」

(´・ω・`)「――《影依融合》。発動!」


( ^ω^)(かつ、今ショボンの場にいるモンスターは、《エルシャドール・ウェンディゴ》/《聖光の宣告者》/《エルシャドール・ミドラーシュ(裏)》――)


(´・ω・`)「君の場のそのフクロウの影が、さらなる影の温床となる。影依融合の真骨頂、僕はデッキのモンスターを素材として融合召喚を行える!」


( #^ω^)(――――となれば!)

 西日が床に落とした《フォース・ストリクス》の影、それが不自然にうねうねと蠢き出す。
 そう、このタイミング――内藤は叫んだ。

( ^ω^)「フクロウが飛んでるってことは、もう太陽は沈んでる! リバースカード、発動!」

( ^ω^)「ゴッドバード・アタック!」

《ゴッドバードアタック》
通常罠
(1):自分フィールドの鳥獣族モンスター1体をリリースし、
フィールドのカード2枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

261 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:01:18 ID:kG7JXMeY0

(´・ω・`)「!」

 フォース・ストリクスは勢いよく飛び立つと、図書館の天井を突き破り、高く、高く空へと舞い上がる。

( #^ω^)「つまり影もないってことで! 2体の敵を引き裂け、ブレイブフクロー・レヴォリューション!!」

 そして空中で身をひるがえすと、ショボンに向けて猛然と急降下した。

( #^ω^)「フィールド上のカード2枚! エルシャドール・ウェンディゴと、裏守備表示のエルシャドール・ミドラーシュの2体を粉砕する!」

(´・ω・`)「む……」

 天井に開いた穴からオレンジ色の夕日が差し込み、高い位置から注ぐ光に、室内の影が少し短くなる。
 内藤は後ろに飛びのきながら叫んだ。

( #^ω^)「さあ! これで僕の影は消えた! しかし!! おまえが発動した影依融合の効果はまだ生きている!」

( ^ω^)「デッキからなんて横着はさせない、ただし融合はしてもらう……」

( #^ω^)9m「もっとも、その手札1枚の中に《シャドール》があればの話だがなあ!」

(´・ω・`)「なるほど、そういう作戦か……」
                              シャドール
 ウェンディゴとミドラーシュ、ショボンの場にあった影人形はすべてフクロウの突撃で砕け散った。
 それだけにとどまらず、突撃の余波は室内全体に広がる。

262 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:02:01 ID:kG7JXMeY0


( ^ω^)「で、よそ見してていいのかお?」

(;´・ω・)「ッ!?」

 ストリクスの突撃は図書室全体を揺らし、それにより立ち並ぶ本棚たちはバタバタとドミノ倒しになる。
 背後の本棚が倒れてくるのに気付くのが遅れたショボンは、逃げきれず、大きく、重い本棚の下敷きになってしまった。 
 地響きのような余韻を残して、図書室にはしばしの静寂が訪れる。

( ^ω^)(ウェンディゴもミドラーシュも潰した、今やつの場にシャドールは無い。これで手札にもシャドールがなければ、融合素材が足りずに《影依融合》は不発になる……)

( ^ω^)(……このガタガタのデッキでどうやってシャドールに勝つかと思ったけど、よく考えれば向こうのデッキだって完全な【シャドール】じゃないはずなんだお)

( ^ω^)(融合体は軒並みそうだし、何より《ビースト》と《リザード》がルール上使用不可。そして《ハウンド》がポンと出て来たってことは、向こうも、数合わせには苦労してるはず……)

( ^ω^)(……)

 長らく使われていなかったであろう古い部屋の中で、天井をぶち抜き本棚を倒しの大立ち回りである。今や室内はもうもうと立ち上る埃に満たされていて、ひどく視界が悪い。

( ^ω^)(……やったか?)

263 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:02:46 ID:kG7JXMeY0






「いいや、残念ながら」







( ^ω^)「!」


 しかし、瓦礫の山の中から突如カーキ色の触手があふれ出る。


(´・ω・`)「ひとつ見落としがあるよ、『その手札1枚の中に』? なにも影は見えるところにだけ潜むわけじゃない。むしろ逆だと思うんだよね」

 ショボンを守るようにうねうねと蠢く触手を見て、内藤は自分の失策を悟った。
 ショボンが伏せた2枚のカード、そのうち1枚が今オープンしている。

( ;^ω^)(こいつは……!)
                       シャドールーツ
(´・ω・`)「今の瞬間、僕は永続トラップ《影依の原核》を発動していた……」

264 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:03:33 ID:kG7JXMeY0

《影依の原核》
永続罠
(1):このカードは発動後、効果モンスター
(魔法使い族・闇・星9・攻1450/守1950)となり、
モンスターゾーンに特殊召喚する。
この効果で特殊召喚されたこのカードは、
「シャドール」融合モンスターカードに記された属性の融合素材モンスターの代わりにできる。
このカードは罠カードとしても扱う。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、
「影依の原核」以外の自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。

 折り重なって倒れた本棚を、触手は何でもないように弾き飛ばし――そうして空いたスペースに、ショボンは悠然と立っている。
 服の埃を払う余裕すら見せつつ、手札から1枚のカードを抜き出した。

( ;^ω^)(モンスター化する罠カード! ……そうか、罠モンスターはステータス縛りに引っかかんねーのかお……クソっ!)

(´・ω・`)「で、影依融合の効果はまだ生きていると言ったよね。その通り、そして素材は確保した。僕はその力により場の《原核》と手札の《グリフ》を融合し――」
っ《ガスタ・グリフ》

(´・ω・`)「――降霊、二度目の《エルシャドール・ウェンディゴ》」

《エルシャドール・ウェンディゴ》
星6/風属性/サイキック族/攻 200/守2800 【融合】

( ;^ω^)「く……」

265 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:04:27 ID:kG7JXMeY0


(´・ω・`)「さあ、チェーンが忙しくなるよ。融合素材として墓地に行った《原核》と《グリフ》の効果、そしてフォース・ストリクスに壊された《ミドラーシュ》と《ウェンディゴ》の効果……」

(´・ω・`)「ウェンディゴで《影依融合》、原核で《神の写し身との接触》、ミドラーシュで《影依の原核》をそれぞれ手札に回収」
っ■■■

(´・ω・`)「そしてグリフの効果を発動、デッキからガスタの神官ムストを特殊召喚だ」

( ;^ω^)(……《影依融合》を引きつけてスカして、融合不発でテンポが崩れたところを突く予定だったのが……全然崩れてねえし、持ち札も減ってねえお!)

(´・ω・`)「さて、ちなみに僕はまだ通常召喚をしていない。というわけで、手札からシャドール・ハウンドを召喚」

【(´・ω・`)】LP:8000
《エルシャドール・ウェンディゴ》@DEF2800 《聖光の宣告者》@DEF1000 《ガスタの神官 ムスト》@ATK1800 《シャドール・ハウンド》@ATK1600

《なし》
【( ;^ω^)】LP:6200

(´・ω・`)「じゃあ、バトルフェイズに入ろう。神官ムストで――」

( ;^ω^)「待った! もう1枚のリバースをオープン! 速攻魔法、手札断殺!」

(´・ω・`)「む?」

( ^ω^)「(シャドール相手に撃ちたいカードじゃないけど、んなこと言ってらんねーお!)お互いのプレイヤーは手札を2枚墓地に送り2枚ドローする!」

(´・ω・`)「じゃあ、影依の原核と影依融合を墓地に送って2枚ドローしよう」

( ^ω^)「僕が墓地に送るのは、グローアップ・バルブとBF−陽炎のカーム! この2枚のカードを切って……」

266 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:06:26 ID:kG7JXMeY0


( ^ω^)「即座に! 墓地に置かれた陽炎のカームを除外してその効果を発動!」

《BF−陽炎のカーム》
星4/闇属性/鳥獣族/攻 600/守1800
相手のバトルフェイズ時、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動する事ができる。
自分の墓地に存在するシンクロモンスター1体を選択して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはバトルフェイズ終了時にゲームから除外される。

( ^ω^)「蘇れ、転生竜サンサーラ!」

【(´・ω・`)】LP:8000
《エルシャドール・ウェンディゴ》@DEF2800 《聖光の宣告者》@DEF1000 《ガスタの神官 ムスト》@ATK1800 《シャドール・ハウンド》@ATK1600

《転生竜サンサーラ》@DEF2600
【( *^ω^)】LP:6200

(´・ω・`)「……ここに来て、守備力2600をひねり出すかぁ」

( ^ω^)「わかってると思うけど一応言っとくと、カームで蘇生したモンスターは急場しのぎの壁にしかならない。このバトルフェイズが終わればすぐ除外されてしまうだけの陽炎……」

( ^ω^)「だが! おまえが勝負を焦ってゴリ押しでサンサーラを破壊しようって言うなら! そのときのサンサーラはちゃんと墓地に行く!」

(;^ω^)「ゆえにサンサーラの効果も発動するから、攻めてくるならそこんとこはちゃんと頭に入れとくことだお(頼むからこのターンは攻めてこないでくれお……!!)」

267 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:07:19 ID:kG7JXMeY0


(´・ω・`)「じゃあ、君もわかってると思うけど一応言っとくよ。影依の原核が墓地に送られたことで、捨てた影依融合は僕の手札に戻ってきたから。都合1枚手札が増えたよ」

(´・ω・`)「別に、僕が焦る局面じゃないさ。メインフェイズ2、レベル4のムストとハウンドでオーバーレイネットワークを構築!」

( ;^ω^)「!?」

(´・ω・`)「エクシーズ召喚。おいで、ランク4《ダイガスタ・エメラル》」

《ダイガスタ・エメラル》
ランク4/風属性/岩石族/攻1800/守 800 【エクシーズ】
レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分の墓地のモンスター3体を選択して発動できる。
選択したモンスター3体をデッキに加えてシャッフルする。
その後、デッキからカードを1枚ドローする。
●効果モンスター以外の
自分の墓地のモンスター1体を選択して特殊召喚する。

( ;^ω^)(……こ、こいつもガスタでDEF800……!)

(´・ω・`)「オーバーレイユニットを使い、エメラルの効果発動。墓地のウェンディゴ、ミドラーシュ、ハウンドの3枚をデッキに戻して、カードを1枚ドロー」

(´・ω・`)「カードを1枚伏せて、これでターンを終了しておこう」

268 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:08:02 ID:kG7JXMeY0


・TURN 8− 終了
( ^ω^) 手札:5 LP6200
場:なし / 伏せ:なし 魔罠:《リビングデッドの呼び声 ※対象不在》

(´・ω・`) 手札:4 LP8000
場:《ダイガスタ・ガルドス》@ATK2200 《エルシャドール・ウェンディゴ》@DEF2800 《ダイガスタ・エメラル*1》@ATK1800 《聖光の宣告者*1》 @DEF1000 / 伏せ:1枚


・TURN 9-

( ^ω^)「……僕のターン、ドロー」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…………」

( ^ω^)(さっきのターン、ショボンの保持していたカードは8枚で、対する僕の保持カードも実質8枚だった)

( ^ω^)(で、今の1ターンの攻防を終えて、今僕の手元にあるカードは実質5枚、対してショボンのそれは9枚で……)

( ;^ω^)(……まともにやり合って勝てるわけがない!)

( ^ω^)(耐えるだけならなんとかなる、なる……かもしれないけど、そうなるとこっちがジリ貧になって死ぬだけで……)

( ^ω^)(だらだら数の勝負をしてても、勝てる理由はどこにもない……攻めへの布石をそろそろ打っていく必要が……ある……けど……)

269 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:08:56 ID:kG7JXMeY0

( ;^ω^)「……《手札断殺》で墓地に置かれた、グローアップ・バルブの効果発動!」
っ《陽炎獣 メコレオス》

《グローアップ・バルブ》
星1/地属性/植物族/【攻 100】/守 100
「グローアップ・バルブ」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在する場合に発動できる。
自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送り、
このカードを墓地から特殊召喚する。

( ^ω^)「デッキのカード1枚を養分に、この球根はデュエル中一度だけ花を咲かせる。メコレオスを墓地に送り、満開! 守備表示で特殊召喚するお!」

(´・ω・`)「ふーん」

 内藤が球根を栽培するのを、ショボンは腕組みをしながら見ている。
 動く気配は、見られない。

( ^ω^)「……そして! 手札から、モンスターを召喚。レベル1、ADチェンジャー!」

《ADチェンジャー》
星1/光属性/戦士族/攻 100/守 100
自分のメインフェイズ時に、
墓地のこのカードをゲームから除外し、
フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターの表示形式を変更する。

(´・ω・`)

( ^ω^)(《神の写し身との接触》……今も持ってるはずだけど、《ミドラーシュ》も出せそうなもんだけど……ここまで反応なしってことは、使うつもりがあるようには見えない……)

270 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:09:36 ID:kG7JXMeY0


( ;^ω^)(……やるしか……ないか……)

 無意識のうちに、内藤は拳を固く握りしめていた。

( ^ω^)「レベル1! ……ADチェンジャーとグローアップ・バルブでオーバーレイ!」

 エクストラデッキから1枚のカードを抜き出し、それを天高く掲げる。

( ^ω^)「2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築……」

       \|/
     ― ■ ―  カッ!
( ;^ω^)∩「……エクシーズ召喚!」

(´・ω・`)「!」


 円形に広がるデュエルフィールド。その中央に、巨大な数字が浮かび上がる――

 内藤の目の前の床が、裂けた。

271 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:10:19 ID:kG7JXMeY0

――――――――――――― "Embodiment of Crime" ――――――――――――――


――――――――――――― "The First Murder" ―――――――――――――――

272 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:11:05 ID:kG7JXMeY0

 裂け目から巨大な十字架がせり上がってくる。
 そして、その十字架を抱き込むような姿勢で、ショボンを睨んでいる悪魔――――


( ^ω^)「《No.13》―――




                  
( ^ω^)「――― 《 ケ イ ン ズ ・ デ ビ ル 》! 」

273 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:11:50 ID:kG7JXMeY0

(´・ω・`)


( ^ω^)




―――――DEF、500。

274 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:12:30 ID:kG7JXMeY0

/:{◇∧◇ } |


( ^ω^)


(´・ω・`)


《No.13 ケインズ・デビル》
ランク1/闇属性/悪魔族/攻 500/守 500 【No.】
レベル1モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
相手フィールド上のモンスターは、全て表側攻撃表示になり、
このターン攻撃可能な場合このカードを攻撃しなければならない。
この効果は相手ターンでも発動できる。
―――――
また、自分フィールド上に「No.31 アベルズ・デビル」が存在する限り、以下の効果を得る。
●エクシーズ素材を持っているこのカードは戦闘及び効果では破壊されない。
●このカードへの攻撃によって発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。
―――――


―――――効果、後半使用不能。

275 名前:名も無きAAのようです :2016/03/07(月) 21:13:10 ID:kG7JXMeY0

( ^ω^)


(´・ω・`)


/:{◇∧◇ } |



(´・ω・`)「何の」


( ^ω^)


(´・ω・`)「冗談かな、それは」

( ;^ω^)「……マジックカード、発動。死者蘇生」

( ;^ω^)「墓地から虹光の宣告者を守備表示で特殊召喚するお……」

(´・ω・`)「……」

( ;^ω^)「……リバースカードを2枚セットして、これでターン終了」


・TURN 9− 終了
( ^ω^) 手札:2 LP6300
場:《-No.13-ケインズ・デビル*2》@DEF 500 《虹光の宣告者》@DEF1000 / 伏せ:2枚 魔罠:《リビングデッドの呼び声 ※対象不在》

(´・ω・`) 手札:4 LP8000
場:《ダイガスタ・ガルドス》@ATK2200 《エルシャドール・ウェンディゴ》@DEF2800 《ダイガスタ・エメラル*1》@ATK1800 《聖光の宣告者*1》 @DEF1000 / 伏せ:1枚

286 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:24:36 ID:mk9soIAc0

・TURN 10-

(´・ω・`)「……もしかすると、あれかい? 《アベルズ・デビル》も持ってるとか、そういう系の」

(´・ω・`)「こんなルールで2枚揃ったって、ほとんど奇跡だよね。僕のターン、ドロー」
っ■

( ^ω^)「さあ、どうかお? コンビで真価を発揮するモンスターだからといって、単独で使っちゃダメなんてルールはないお。なにか一発逆転のコンボを狙ってる可能性だって……」

(´・ω・`)「……まあ、だったら、危険な芽は摘んでおくとしようかな」
っ■

( ^ω^)「あん?」

(´・ω・`) 
っ《ハーピィの羽根帚》

( ^ω^)

(´・ω・`)「発動、ハーピィの羽根帚。君の場の伏せカードを一掃する!」

( ゚ω゚)

 ショボンが箒をひと振りした瞬間、図書館内部に強烈な嵐が巻き起こされ、本棚の本がそれに吸い込まれてモンスターと共に地を蹴り宙を舞う。
 飛ばされないよう足と腹に精一杯の力を込めて、内藤は覚悟を決めた

287 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:26:06 ID:mk9soIAc0

( ;^ω^)(……しゃーねえ、しゃーねえお! 別に損してるわけじゃねーし! ちょっとネタばらしが早くなっただけで……)

( ;^ω^)「残念ながら、ハズレだお! チェーン発動――ダブル・リバース!」」

( ^ω^)「ドロー・マッスル&スキル・プリズナー! 2枚とも、ケインズ・デビルを対象に発動するお!」

(´・ω・`)「……!」

《ドロー・マッスル》
速攻魔法
「ドロー・マッスル」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの守備力1000以下の表側守備表示モンスター1体を対象として発動できる。
自分のデッキから1枚ドローする。
そのモンスターはこのターン戦闘では破壊されない。

《スキル・プリズナー》
通常罠
自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。
このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする。

(´・ω・`)「ドロー・マッスル、2枚目……」

( ^ω^)「カードを1枚ドロー! このターン、ケインズデビルは戦闘では破壊されなくなり、かつ、自身を対象に発動したモンスター効果をすべて無効化する!」

288 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:26:52 ID:mk9soIAc0

 ケインズ・デビルの体に巻き付いていた無数の鎖が、怒張していく筋肉によって引きちぎられる。
 今やケインズ・デビルの肉体はとても攻守500とは思えないほどに膨れ上がっていた。

(´・ω・`)「……なるほど、ね」

( ^ω^)「そう。確かに、《ケインズ・デビル》の真の力は、片割れの《アベルズ・デビル》が隣にいないと発揮できない……が!」

( ^ω^)「全部じゃなくて、一部なら! 筋肉によってその能力を解放することは可能だお!」

 内藤がサイドチェストの姿勢で叫ぶと、ケインズ・デビルの筋肉がそれと呼応するようにピクピク動いた。

《No.13 ケインズ・デビル》
ランク1/闇属性/悪魔族/攻 500/守 500 【No.】
レベル1モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
相手フィールド上のモンスターは、全て表側攻撃表示になり、
このターン攻撃可能な場合このカードを攻撃しなければならない。
この効果は相手ターンでも発動できる。

(´・ω・`)「すべての攻撃を自身に誘導し、それを《ドロー・マッスル》で耐える。さらに……」

 内藤を守るようにして屹立する、筋骨隆々の《ケインズ・デビル》。その周囲を、《虹光の宣告者》がふわふわと旋回している。

289 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:27:36 ID:mk9soIAc0
(´・ω・`)「……ケインズ・デビルを徹底的に守ることで、その隣の《虹光の宣告者》も攻撃から守られる」

(´・ω・`)「そうして守られた虹光の宣告者が、僕の《影依融合》を牽制する……そういう仕組みなわけだ」

 天井に開いた穴から差し込む夕日、床に落ちる内藤とショボンの影。
 その影はわずかに蠢いたかと思うと、次の瞬間虹色の光に照らされて動きを止める。

( ^ω^)「これが、僕に与えられた力……僕が手に入れた”ナンバーズ”の力! 突破できるもんなら、してみろ!」

(´・ω・`)「突破とは言うけどね、《ドロー・マッスル》の効果は1ターンしか続かないんだよ。次のターンが来れば、《ケインズ・デビル》はただの貧弱な★1モンスターだ」

(´・ω・`)「君のやってることって、結局はただの時間稼ぎだろう? ダイガスタ・エメラルの効果を発動、オーバーレイユニットを1つ使い、墓地のモンスターを3枚デッキに戻し、カードを1枚ドロー」

( ;^ω^)(……そうなんですよねー!)

 内藤とショボンの保有戦力には、現時点で既に大差がついている。このまま持久戦が続けば、不利なのは明らかに内藤のほうだ。
 ショボンは何でもないように《エメラル》で1枚のカードを引いたが、ジリ貧の内藤からしてみると、その何気ない1枚が途方もない重みを持っている。

( ´・ω・)っ■ 「……まあ、突破しろって言うんなら」
                                 ・ ・
 そして、引いたその1枚は、実際に――それなりに、重いカードだった。

(´・ω・`)っ■「応えてあげなくも、ないんだけど、さあ……」

( ;^ω^)(……何を引いた!? 何を狙ってる!?)

290 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:28:23 ID:mk9soIAc0
(´・ω・`)「行こうか。場のダイガスタ・エメラルと聖光の宣告者、そして墓地のガスタの神官ムスト――この3体を、ゲームから除外!」

( ;^ω^)「!?」

(´・ω・`)「計3体のモンスターを生贄に――――」

(´・ω・`)「The・アトモスフィア!」

《The アトモスフィア》
星8/風属性/鳥獣族/攻1000/【守 800】
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に存在するモンスター2体と
自分の墓地に存在するモンスター1体を
ゲームから除外した場合に特殊召喚する事ができる。
1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを
装備カード扱いとしてこのカードに1体のみ装備する事ができる。
このカードの攻撃力・守備力は、
このカードの効果で装備したモンスターのそれぞれの数値分アップする。

( ゚ω゚)

(´・ω・`)「アトモスフィアの効果発動――相手モンスター1体を捕獲、吸収する!」

( ;^ω^)(いや……いや待て、落ち着け! ビビったけど! ビビったけど、こいつは高攻撃力を吸ってこそのモンスター! 現時点では別にそこまでの脅威ではない! ……はず!)

291 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:29:45 ID:mk9soIAc0


(´・ω・`)「といっても、《ケインズ・デビル》は今《スキル・プリズナー》によって守られているから。対象は、《虹光の宣告者》! さあ、どうするんだい?」

( ^ω^)「(……スキル・プリズナーの第二効果はこのターンまだ使えない!)言われるまでもなく、《虹光の宣告者》の効果発動!」
                                                                             デクレアラー
( ^ω^)「相手がカード効果を発動した時! 虹光の宣告者を生贄に捧げることで、それを無効にし、破壊する――"獅子身中の宣告者"!」
         スフィア
 腹部に大きな球体を抱えた巨鳥:the アトモスフィア。その球体の中に、虹光の宣告者が吸い込まれていく。
 が、完全に球体の中へと取り込まれた虹光の宣告者は、その球の中で目も眩まんばかりの強い光を発し――球体は内部からひび割れて崩壊、アトモスフィアが悲鳴を上げる。

(´・ω・`)「そう、間違いなくそうなる。だからリバースカードをオープン、速攻魔法:神の写し身との接触」

(´・ω・`)「消滅寸前のアトモスフィアに、手札のシャドール・ファルコンを融合させることで命を繋ぐ!」

 ショボンの手札から飛び立ったファルコンが、割れた球体の中に飛び込んだその瞬間、七色の光は一転してドス黒い色へと代わる。
 影のように黒くなった光はそのまま空中で渦を巻き、そこから、新たなモンスターが現れ出でる。

(´・ω・`)「融合召喚――降霊、エルシャドール・ウェンディゴ」

《エルシャドール・ウェンディゴ》
星6/風属性/サイキック族/攻 200/守2800 【融合】
「シャドール」モンスター+風属性モンスター

(´・ω・`)「ファルコンの効果発動。融合素材として墓地に送られた《シャドール・ファルコン》は、僕の場に裏側守備表示で復活する」

292 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:30:27 ID:mk9soIAc0
( ^ω^)「……わかってるお」

 《アトモスフィア》が動かした戦況、そこで生じた一瞬の攻防。
 内藤も虹光の宣告者を失ったが、鉄壁の《ケインズ・デビル》は健在。対するショボンは2体のエクシーズモンスターを犠牲に召喚したアトモスフィアを失い、その損害はそれなりに大きい――大きい、が。
 虹光の宣告者が消えた図書室、その床に、ケインズ・デビルの影が落ちる。十字架型の影が、落ちる――――

(´・ω・`)「……虹光の宣告者が消えた。それがどういう意味かは――」

「わかるだろう?」

 影が、ひとりでに立ち上がった。

(´・ω・`)「影依融合、発動! 君を守護するナンバーズの、その影が! このカードの真価を引き出す!」

(´・ω・`)「デッキのシャドール・ハウンドと、イェシャドール・セフィラナーガを融合し――僕の下へ! エルシャドール・ミドラーシュ!」


【(´・ω・`)】
《ダイガスタ・ガルドス》 《エルシャドール・ウェンディゴ》 《エルシャドール・ウェンディゴ》 《エルシャドール・ミドラーシュ》 《シャドール・ファルコン(裏)》

《-No.13-ケインズ・デビル》
【( ^ω^ )】

293 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:31:08 ID:mk9soIAc0
( ;^ω^)「……いくら、場を固めようと! このターン《ケインズ・デビル》を戦闘破壊することはできない! それは変わらないお!!」

(´・ω・`)「うん、それが僕のナンバーズの力だおー、ってさっき言ってたね。だから、僕のほうからも見せるよ」

( ^ω^)「あん?」

(´・ω・`)「僕と、このウェンディゴを引き合わせてくれた恩人を。レベル6のエルシャドール・ウェンディゴ2体で――オーバーレイ!」

( ;^ω^) !?

 円形に広がるデュエルフィールドが揺れる。

( ;^ω^)(エクシーズ! ランク6! このルールで!? 何を――いや)

( ;゚ω゚)(――――"ナンバーズ"!!)

 フィールドの中央に、ゆっくりと数字が浮かび上がってゆく――

(´・ω・`)「結構、感謝してるんだ。これが2枚目だったことには」
っ■ ―-
/|\  カッ!

294 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:31:54 ID:mk9soIAc0


―――――――――――――――――― "The Verdict of Frozen" ―――――――――――――――――





―――――――――――――――――――― "Judgment! " ――――――――――――――――――――

295 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:32:35 ID:mk9soIAc0


(´・ω・`)「―――《氷結のレディ・ジャスティス》」


《No..21 氷結のレディ・ジャスティス》
ランク6/水属性/水族/攻 500/守 500 【No.】
レベル6モンスター×2
このカードは自分フィールドのランク5のXモンスターからX素材を1つ取り除き、
そのXモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×1000アップする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
相手フィールドの守備表示モンスターを全て破壊する。

( ^ω^)

(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
相手フィールドの守備表示モンスターを全て破壊する。

( ^ω^)

( ゚ω゚)

(´・ω・`)「現在、レディ・ジャスティスのオーバーレイユニットは2つ。よって攻撃力は2500程度……」

(´・ω・`)「といっても、ここからまた下がるんだけどね。なぜなら、今ここで効果を使うから」

( ;゚ω゚)「……よりにも……よって……この、局面で、なぜ、おまえが、こいつを、持って……!!!」

296 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:33:16 ID:mk9soIAc0


(´・ω・`)「兄のアベルを殺した弟、人類最初の殺人者、カイン――判決、有罪以外に、ある?」

(´・ω・`)「ケインズ・デビル単体を対象にとって発動する効果は、スキル・プリズナーに無効化される。だが、罪は誰であろうとすべて等しく裁かれるべきだ――オーバーレイユニットを1つ使う」

(´・ω・`)「『すべてを裁く』”すべて”の中に、ケインズ・デビルもいるというだけの話!」

 レディ・ジャスティスの背後で空気が凍り、無数の十字架が形作られていく。
 鋭く尖った十字架、そのすべてが、一斉にケインズ・デビルのほうを向いた。

( ;^ω^)「あああああああクソッ!! ケインズ・デビルの効果発動、オーバーレイユニットを1つ使い!」

( ;^ω^)「相手モンスターをすべて攻撃表示に変える! この効果を受けたモンスターは、このターンケインズ・デビル以外に攻撃できなくな――」

 内藤の指示を受け、ケインズ・デビルは抱き込んでいた十字架を手放す。と同時に、十字架はひとりでに宙に浮き上がる――
 が、その十字架はすぐさま飛来した氷の刃によって貫かれ、背後のケインズ・デビルごと降り注ぐ氷の十字架によってズタズタにされてしまった。

( ゚ω゚)「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ―――............」

(´・ω・`)「オーバーレイユニットとして墓地に送られたウェンディゴの効果、墓地から神の写し身との接触を手札に戻す……まあ、なんであれ、そのケインズ・デビル本体がいなくなったんだから、どうにもならないよね」

297 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:33:57 ID:mk9soIAc0
( ;^ω^)「……け、けど! 忘れんなお、シャドール・ファルコンの効果は1ターンにどちらか片方しか発動できない」

( ^ω^)「ケインズデビルの効果で表側になりはしたものの、すでに自己再生能力を発動したこのターン、そのリバース効果は発動しない!」

(´・ω・`)「や、それはそうだけど……」

【(´・ω・`)】LP:8000
《ダイガスタ・ガルドス》@ATK2200 《-No.21- 氷結のレディ・ジャスティス》@ATK1500 《エルシャドール・ミドラーシュ》@ATK2200 《シャドール・ファルコン》@ATK600

《なし》
【( ;^ω^)】LP:6200

(´・ω・`)「2200と、2200と、1500と、600。足すと何点になると思ってる? 自滅?」

( ;^ω^)

(´・ω・`)「……はあ。バトルフェイズに入るよ」

( ; ω )「……」

 ショボンが片手を上げると、場の四体のモンスターたちのギラつく視線がすべて内藤へと注がれた。
 総打点6500を前にして、内藤は思わず一歩下がる。
 それに何の意味があると言わんばかりに、ショボンは上げた腕を振り下ろした。

(´・ω・`)「お疲れさま。全モンスター総攻撃――総打点6500、ダイレクトアタック!」

298 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:34:41 ID:mk9soIAc0


(´・ω・`)


(  ω )


(´・ω・`)


(  ω )


(´・ω・`)「……?」

 ――――――が、何も起こらない。
 場のモンスターたちは真っ赤に血走った目を内藤に向けるばかりで、ショボンの攻撃命令に従おうとしない。

299 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:35:44 ID:mk9soIAc0


(´・ω・`)「ガルドス! ミドラーシュ! レディ・ジャスティス! ダイレクトアタック! ……なんだ? なぜ攻撃できない?」

(  ω )「ふ……フフ、っくく……」

(´・ω・`)「……何か、したのか?」

( ^ω^)「そう、その通り……今このフィールドには、既に――――」

( #^ω^)9m「――――ケインズ・デビルの、隠された効果が発動している!」
バァ―――――z_______ン!!!

(´・ω・`)「……なんだって?」

( ^ω^)「そう、ケインズ・デビル……カインは、人類最初の殺人者。兄のアベルを殺した、殺人者! ゆえに、その身体には烙印が押されている!」

( ^ω^)「それはさらなる悲劇を防止するための印。カインは殺人を犯した、しかしそれを理由にカインを害することを許してしまえば! 待ち受けるのは永遠に終わらぬ復讐の螺旋。だからこそ!!」

( ^ω^)「アベルを殺したカインをさらに殺した者には13倍の報復があると神様は言って、その刻印をカインに押した! それがケインズ・デビルの番号、《No.13》の由来!」

(´・ω・`)「……」

300 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:36:25 ID:mk9soIAc0


( #^ω^)「復讐の連鎖は必ずどっかで切らなきゃならない! それが神の教え! 人の身で背くことは許されない、絶対の掟!」

( ^ω^)「ケインズ・デビルの効果を受けたモンスターは! 殺人者カインへの憎しみを募らせるモンスターたちは、《ケインズ・デビル》に"しか"攻撃できない。
       だが、じゃあ、その張本人が! 《ケインズ・デビル》がフィールドから消えてしまったら! 残されたモンスターたちの、その復讐心はどこへ行く! いったい誰に向ければいい!?」

( #^ω^)「『どこにも向けられない』が答えだお! ケインズ・デビルがフィールドから消えたら、他のモンスターにもプレイヤーにもそのモンスターは攻撃できない!」

 砕けた十字架の欠片を蹴り飛ばし、内藤は絶叫する。
 それで気圧されたわけではないだろうが、ショボンはしばらく立ち尽くすと、思い出したようにターンを終えた。

(´・ω・`)「……カードを1枚伏せて、ターンエンド」

・TURN 10- 終了
( ^ω^) 手札:3 LP6200
場:なし / 伏せ:なし 魔罠:《リビングデッドの呼び声 ※対象不在》

(´・ω・`) 手札:2 LP8000
場:《ダイガスタ・ガルドス》@ATK2200 《エルシャドール・ミドラーシュ》@ATK2200 《-No.21- 氷結のレディ・ジャスティス》@ATK1500 《シャドール・ファルコン》@ATK 600 / 伏せ:1枚

301 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:38:08 ID:mk9soIAc0

( ;^ω^)(な、なんとか凌いだか……)

(´・ω・`)「……このターンで潰せると思ったんだけどね。仕留めそこなったわけだ」

(´・ω・`)「けど……それで、何がどうなるんだい?」


・TURN 11-


(´・ω・`)「結局、君はモンスターをすべて失った。新たにモンスターを増やそうにも、ミドラーシュをどうにかしない限り特殊召喚は1度だけ」

( ^ω^)「……僕のターン、ドロー。……魔法カード、デステニー・ドローを発動」

( ^ω^)「手札から、D−HERO デビルガイを墓地に送って、カードを2枚ドローするお」

(´・ω・`)「場の状況は、依然として僕の有利……というか、そもそも君のデッキに、この状況をひっくり返すだけのパワーはあるのかな?」

( ^ω^)っ■■ 「……」 シュバッ

(´・ω・`)「ドロー・マッスルにタン・ツイスター、手札断殺、今のデステニー・ドローもそう。よくわからない手札交換を繰り返すばかりで、君は今の今まで、僕のライフにかすり傷ひとつつけられていない」

( ^ω^)っ■ 「……」

302 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:39:34 ID:mk9soIAc0

(´・ω・`)「《虹光の宣告者》、《ケインズ・デビル》……全部、小手先と口先だけの姑息な時間稼ぎに過ぎない。結局、君は何がしたい?」

( ^ω^)っ■ 「……何がしたいか、かお。それなら、今から教えてやれると思う」

(´・ω・`)「?」

( ^ω^)「速攻魔法、異次元からの埋葬を発動」

《異次元からの埋葬》
速攻魔法(制限カード)
(1):除外されている自分及び相手のモンスターの中から
合計3体まで対象として発動できる。
そのモンスターを墓地に戻す。

( ^ω^)「ゲームから除外されている僕のモンスター、タン・ツイスター/転生竜サンサーラ/BF-陽炎のカームを墓地に戻すお」

(´・ω・`)「……で?」

( ^ω^)「よくわからない手札交換、って言ったおね。それは違うお」

( ^ω^)っ■ 「よくわからないも何もない。手札を交換する目的なんか、『引きたいカードがある』それ以外にないお」

(´・ω・`)

303 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:40:28 ID:mk9soIAc0

( ^ω^)っ■ 「見習うことにしてみたんだお、あの留年の死神を」

( ^ω^)っ■ 「どうしても引きたいカードがある。それは、カードプールに制限の課されるこの戦いでも、テーマのない、秩序だっていないデッキでも、
          引けさえすれば、たとえそれが烏合の衆であっても、まとめて場に呼びつける、そんな力を持つ――――――切り札!!」


《ソウル・チャージ》
通常魔法(制限カード)
「ソウル・チャージ」は1ターンに1枚しか発動できず、
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
(1):自分の墓地のモンスターを任意の数だけ対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、
自分はこの効果で特殊召喚したモンスターの数×1000LPを失う。


( ´・ω・)「!」

( #^ω^)「魂を! 賭けて!! 《ソウル・チャージ》――――発動!」

( ^ω^)「1体につき1000ポイント! ライフを失うことと引き換えに、自分の墓地のモンスターを任意の枚数復活させることができる……!」

( #^ω^)「ミドラーシュが封じるのは、1ターンに『複数回』の特殊召喚! 『1度』に『複数体』呼ぶのであれば、それに何の問題もない!」

351 名前:>>303と>>304の間抜けてました :2016/03/11(金) 22:59:25 ID:mk9soIAc0

(´・ω・`)「……だが、1回は1回だ。何体蘇生させてもその1回で特殊召喚の権利は失われる!」

( #^ω^)「蘇れ!」

( ^ω^)「☆6/陽炎獣メコレオス!」LP6200→5200

( ^ω^)「☆6/タン・ツイスター!」LP5200→4200

( ^ω^)「☆4/虹光の宣告者……そして!」LP4200→3200

( ^ω^)「☆3/D−HERO デビルガイ!!」LP3200→2200

 ショボンの場の四体と対応するように、内藤の場にも四体のモンスターが蘇る。

【(´・ω・`)】LP:8000
《ダイガスタ・ガルドス》@ATK2200 《-No.21- 氷結のレディ・ジャスティス》@ATK1500 《エルシャドール・ミドラーシュ》@ATK2200 《シャドール・ファルコン》@ATK600

《タン・ツイスター》@ATK 400 《陽炎獣メコレオス》@ATK2100 《D−HERO デビルガイ》@ATK 600 《虹光の宣告者》@DEF1000
【( ^ω^ )】LP:2200

 特殊召喚に反応した《ミドラーシュ》が手にした杖を振り上げると、どこからか飛び出した無数の糸が内藤の全身を締めあげようと迫る。
 が、直後、その糸はすべて――内藤をかばうように前に出た《デビルガイ》の、鋭利な爪によって切断された。

304 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:41:12 ID:mk9soIAc0


(;´・ω・)「……ちぃっ!」

( ^ω^)「墓地にこの悪魔がいる以上、特殊召喚なぞ1回で十分! デビルガイの効果発動、このターンのバトルを放棄する代わりに、ミドラーシュをゲームから除外する!」

( ´・ω・)「―――リバース、神の写し身との接触!」

( ´・ω・)「場のミドラーシュとファルコンを融合させ――新たなミドラーシュを融合召喚する! 加えてファルコンは裏守備表示で復活!」

( ^ω^)「――だが! さっきまでいたミドラーシュと、このミドラーシュは別物! ゆえに、『1度しか特殊召喚できない』制約は持続していない!」

( ^ω^)「僕は、ここからさらに1回、特殊召喚が行える……!!」

(´・ω・`)「……」

 高速で交わされた攻防の後、ふたりの視線は同時に2体の☆6モンスターへと向く。
 内藤が、拳を振り上げて、叫ぶ――――

( #^ω^)「レベル6! タン・ツイスターと陽炎獣メコレオスをオーバーレイ!」

 地面が、揺れた。

305 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:42:01 ID:mk9soIAc0

(´・ω・`)「っ……」

( #^ω^)「……思えば!! 僕は、最初からハンデを背負わされていたわけだ! カードプールも通常の半分、ナンバーズの効果も使えない! そんな二重のハンデを、さあ!」

( #^ω^)「だったら……ここで、ここでくらいその代償を貰えないと……何もかもが割に合わない!!」

(´・ω・`)(なんだ、この揺れは……)


( -ω-)(そうだ……改めて思えば、そうだ!)
       ・・
( #-ω-)(これが使えるという、その事実! その事実だけで! その事実が! 僕の力を保証する!)

         NBR
( #^ω^)「このルールで、この力が使えるという、ただそれだけで! 僕は! 強い! 強いんだお!!!」

 吠える内藤と揺れる足元、図書館に満ちる異様な気迫に、ショボンは窓際まで後ずさる。

(´・ω・`)(図書館……じゃ、ない)

(´・ω・`)(島全体が、揺れ―――――)

 こつん、と壁に背中がぶつかり、そこでふと、窓の外に目を向けて――そして気付く。

306 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:42:51 ID:mk9soIAc0



307 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:43:32 ID:mk9soIAc0

( ;´・ω・)(――――――火山!?)
                   ・ ・ ・ ・ ・
( ;´・ω・)(火山……火山が、立ち上がる……!?)

 島の中央にそびえ立ち、もくもくと煙を吹いていた火山。
 その火山が今まさに揺れ動いていた。
 その下に眠っていた巨人が、今まさに立ち上がろうとしていた。


( ^ω^)「神秘の大陸アトランティス。失われた大陸、アトランティス! それが今ここに蘇る!」


( #^ω^)「はるか昔の! 神話の時代に消えた大陸が蘇るなら、今年に消えた単位だって! 蘇らないはずがない!!!! エクシーズ、召喚!」


■⊂( #^ω^)「来い、"一勝"の証明!!」

308 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:44:39 ID:mk9soIAc0

―――――――――――――― "Out of Place Artifacts" ――――――――――――――――――







     
――――――――――――――― "The Lost Continent" ――――――――――――――――――

309 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:46:01 ID:mk9soIAc0





( #^ω^)「 《 先 史 遺 産 ア ト ラ ン タ ル 》!!」

310 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:47:00 ID:mk9soIAc0

《No.6 先史遺産アトランタル》
ランク6/光属性/機械族/攻2600/守3000 【No.】
レベル6モンスター×2
このカードがエクシーズ召喚に成功した時、
自分の墓地の「No.」と名のついたモンスター1体を選択し、
装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。
このカードの攻撃力は、この効果で装備したモンスターの攻撃力の半分の数値分アップする。
また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、
このカードの効果で装備したモンスターを墓地へ送って発動できる。
相手のライフポイントを半分にする。
この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。


( ;´・ω・)「アトランタル……! ……なるほど。なるほど!」

( ;´・ω・)「……なるほど、なるほど、なるほど! この土壇場で! ずっと狙っていたわけだ!」

( ´・ω・)「ロクにライフを削れもせず、ただフラフラと耐え凌ぐだけのデュエル……何をするのかと思ったら」

( #´・ω・)「ただこの力に賭けたわけだ。こいつの、この召喚に!」

 突如として窓の向こうに現れた巨人――規格外の巨人、巨大な山がそのまま立ち上がったような巨人。
 《アトランタル》はその巨大なる腕をゆっくりと振り上げる。

311 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:47:44 ID:mk9soIAc0


――――――――――――― "death scythe" ―――――――――――――――


――――――――――――― "death scythe" ―――――――――――――――


( #^ω^)「――アトランタルの効果発動! 死神の鎌をもて!」

 空中に刻まれた”13”の刻印から、アトランタルは巨大な鎌を取り出す。

( ^ω^)「エクシーズ召喚時、アトランタルは墓地のナンバーズを装備カード扱いとして自身に装備し、その攻撃力の半分を得る……そして!」
                                  ケインズ・デビル
 巨人が扱うに相応しいだけの巨大さを有するその鎌は、《殺人者》の名にもまた相応しい、ドス黒い炎を纏っており、そして。
 一歩進むごとに島全体を揺らしながら、アトランタルは、図書館へと近付いてくる。

312 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:48:26 ID:mk9soIAc0
                                           ナンバーズ
( #^ω^)「第二効果発動! オーバーレイユニットを1つ使い、装備した《鎌》を墓地に送ることで!」

( ;´・ω・)「っ……!」

 巨体ゆえのゆっくりとした動作で、アトランタルは鎌を振り上げ――――


          ライフポイント    ハンブン
( #^ω^)「相手の身体を―――真っ二つにする!!」



( ;´ ω ) 「う、お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」LP8000→4000

 ―――横薙ぎに振り抜かれた鎌が、建物ごとショボンを両断した。
 切断された図書館の上半分がズレて轟音と共に崩れ、その音に負けないよう内藤は声を張る。

( #^ω^)「《ソウル・チャージ》と《デビルガイ》と《アトランタル》の三重の制約で、僕はこのターンバトルフェイズを行えない!」

( #^ω^)「だから! 僕は、リバースカードを2枚セットして! これで……ターンエンドォ!!」



・TURN 11- 終了
( ^ω^) 手札:0 LP2200
場:《-No.6- 先史遺産アトランタル》@DEF3000 《D−HERO デビルガイ》@ATK 600 《聖光の宣告者》@DEF1000 / 伏せ:2枚 魔罠:《リビングデッドの呼び声 ※対象不在》

(´・ω・`) 手札:3 LP4000
場:《ダイガスタ・ガルドス》@ATK2200 《エルシャドール・ミドラーシュ》@ATK2200 《-No.21- 氷結のレディ・ジャスティス》@ATK1500 《裏守備(シャドール・ファルコン)》 / 伏せ:なし

313 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:49:07 ID:mk9soIAc0
・TURN 12-

( #´メω・)「……僕のターン……ドロー!!」

 デュエル中ゆえにかろうじて無事だったものの瓦礫の山に埋もれていたショボンが、ドローの勢いで瓦礫を撥ね飛ばしながら立ち上がる。
 
( ´メω )「っ……フフ……アトランタルか……そうか、アトランタルかあ……」

( ^ω^)「この一撃は、読めなかったかお?」

( ´メω・)「いいや。君の狙いなんてどうでもいいんだ。そんなものに興味はない」

( ´メω・)「確かなのは。《アトランタル》と《ケインズ・デビル》、どっちが先にあったかは知らないが……君のその戦略は、ナンバーズを2枚必要とする……少なくとも、二戦目以降でなければ取れない戦略だということ」

( ^ω^)「……それがどうした?」

( ´メω・)「つまり君は、どこかで必ず方針を転換させている……。一本、このNBRをこの手で戦い抜くと言い切れる道が君にはなかった。途中で曲がるしかなかったんだ」

( ^ω^)「……」

314 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:49:47 ID:mk9soIAc0




( ´メω・)「君には、柱がない」


( ^ω^)

( ´メω・)「そこがどんな場所であろうと、たとえ地獄の底であろうと、これさえあれば戦える。百回生まれ変わろうと、これを捨てることだけはできない」

( ´メω・)「魂に染みついた自分の柱。己を託すに足る柱が、君には、何もない」

( ^ω^)

――――

( ・∀・)「俺は信じたぞ……! 不完全なカードプール、ぶっつけ本番1回きり……事故を起こしたら終わりの一戦! だが、俺は信じたんだ!」
      イノチ
( ・∀・)「単位がかかっているからと言って、慣れない武器に手を出すなど愚の骨頂……!」

――――

( ^ω^)「……もう一回言うお。それがどうした」

( ´メω・)「僕には、あったよ」

( ^ω^)

315 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:50:28 ID:mk9soIAc0


( ´メω・)「最初に引いたナンバーズで、《ミドラーシュ》が使えるのを確認したとき。神が僕に死ねと言っていると、最初はそう思った」


( ´メω・)「ずっと思ってた。許せなかった。《ウィンダ》と同じ顔をして、《ウィンダ》を、《ガスタ》の効果を否定するその効果……僕にとっての死神なんだと。ここに来てなおそう思った」


( ´メω・)「ほとんど意地だったよ。他のシャドールは1枚もないのに、ミドラーシュを3枚フル投入して。《簡易融合》まで使って出した。勝てるとは思っていなかった」



( ´メω・)「―――――でも、僕は勝ってしまった」



( ^ω^)


( ´メω・)「……その時に思ったよ。彼女を受け入れることができれば」

( ´メω・)「ただいたずらに嫌うのではなく、彼女を受け入れて、その先に進むことができれば」

( ´メω・)「僕はまた、僕はまだ、戦えるんじゃあないかって。――ダイガスタ・ガルドスの効果発動!」

( ^ω^)「!」

316 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:51:10 ID:mk9soIAc0


( ´メω・)「ガスタの神官ムスト&ガスタの希望カムイ、墓地のガスタ2枚をデッキに戻し――アトランタルを破壊する!」

( ^ω^)「リバースカードオープン! じゃなしに、セメタリートラップバニッシュ! 墓地からスキル・プリズナーの効果を発動!」

( ^ω^)「墓地のこれを除外することで、このターンアトランタルを対象に発動したモンスター効果すべてを無効とする!」

( ´メω・)「……」

( ^ω^)(……元々高打点を出しにくいこのルール! 対象に取れない守備力3000を素で突破するのは難しいはず……!)

( ^ω^)(突破手段といえば、オーバーレイユニットを1つ残しているレディ・ジャスティスくらいのもんだけど……それも!)

( ´メω・)「……ならばレディ・ジャスティスの効果発動! オーバーレイユニットを氷の剣に変え――」

( ^ω^)「その効果にアークデクレアラーから異議あり! これをリリースしてそれを無効にしレディ・ジャスティスが砕け散る!」

( ´メω・)「……ちっ!」

( ^ω^)(アークデクレアラーで対処可能……! ナンバーズは1枚しかない、レディ・ジャスティス2枚目は出せない!)

( ´メω・)「……」

( ^ω^)(となれば、次に狙うのは……)

317 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:51:53 ID:mk9soIAc0

【(´メω・`)】LP:4000
《ダイガスタ・ガルドス》@ATK2200 《エルシャドール・ミドラーシュ》@ATK2200 《裏守備(シャドール・ファルコン)》

《-No.6- 先史遺産アトランタル》@DEF3000 《D−HERO デビルガイ》@ATK 600
【( ^ω^ )】LP:2200

( ^ω^)(その隣に突っ立っている、デビルガイ! ミドラーシュを消すためには、効果を使うためには攻撃表示でなければならなかった、この貧弱なデビルガイ……)

( ^ω^)(……が! このデビルガイは、決して”隙”なんかじゃあない――――) チラリ
■ ■


《魔法の筒》
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時、
攻撃モンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃モンスターの攻撃を無効にし、
そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。

《魔法の筒》
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時、
攻撃モンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃モンスターの攻撃を無効にし、
そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。


( #^ω^)(――――”餌”だ!!)

319 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:52:38 ID:mk9soIAc0


 伏せた2枚のカードに一瞬だけ視線を走らせ、内藤は深く息を吸い込む。

( ^ω^)(《ヘイト・バスター》に《バーバリアン・ハウリング》、《業炎のバリア−ファイヤー・フォース−》……いろいろ積んだけど、土壇場で引くのがこの2枚! 我ながらかなりキてるお……!!)

( ^ω^)(アトランタルで減ったライフに、カウンター系のバーンカードをぶち込んでそのまま焼き殺す……)

( #^ω^)(《6/アトランタル》と《13/ケインズ・デビル》、どうしたってパワー不足になるこのデッキの、唯一の勝ち筋! さあ……仕掛けてこい、ショボン!!)

( ´メω・)「……」

 伏せた2枚の《魔法の筒》、最後の切り札を前にして、腹に力を入れる内藤。
 対するショボンはそんな内藤には眼もくれず、自分の場に並び立つ《ガルドス》と《ミドラーシュ》をじっと眺めていた。

( ´メω・)

( ´メω-)「……そう、やっぱり、そうなんだ」

( ^ω^)「……?」

 その視線に応えるかのように、《ガルドス》がショボンを振り返る。
 内藤には、鳥に騎乗する《ウィンダ》が一瞬頷いたように見えた、その次の瞬間――――
 
( ´メω・)「レベル5、ダイガスタ・ガルドスと、エルシャドール・ミドラーシュの2体を――2体で」

( ´メω・)「オーバーレイ・ネットワークを構築」

320 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:54:01 ID:mk9soIAc0

( ^ω^)

( ^ω^)(《ガルドス》と、《ミドラーシュ》で……)

( ;^ω^)(……エクシーズ!? 何を――!)

 ショボンがパチンと指を鳴らすと、《ミドラーシュ》と《ガルドス》は光の粒子となって舞い上がり――既に半壊した図書室がさらに揺れる。
 
( ´メω・)「正直、こんなものを使う機会が来るとは思わなかった……さっき手に入れたばっかりで、一応は唯一のランク5だから積んでただけで。それだけだった」

( ´メω・)「でも、これも運命なんだろうね。運命が、神が、《ウィンダ》が、彼女が。僕にそう告げている」

( ´メω・)「”受け入れろ”と、そう告げている――――――」

 ふたつに融け合う《ガルドス》と《ミドラーシュ》、本物と影人形の《ウィンダ》。
 飛び散った瓦礫や本に覆い隠された床の上に、ゆっくりと、その番号が浮かび上がる。

321 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:54:50 ID:mk9soIAc0
( ´メω・)「僕の時間は、凍りついていた」


――――――――――――― "Ice Agent"――――――――――――――――


 



――――――――――――― "Revival" ――――――――――――――――


( ´メω・)「”No.19”――フリーザードン」

《No.19 フリーザードン》†
ランク5/水属性/恐竜族/攻2000/守2500 【No.】
レベル5モンスター×2
自分のエクシーズモンスターがエクシーズ素材を取り除いて効果を発動する場合、
取り除くエクシーズ素材1つをこのカードから取り除く事ができる。
この効果は1ターンに1度しか適用できない。

322 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:55:38 ID:mk9soIAc0

( ^ω^)

( ^ω^)「……フリー……ザー、ドン……?」

( ´メω・)「魔法カード、発動……」


―――――――――――――――――― "The Verdict of Frozen" ―――――――――――――――――

―――――――――――――――――――― "Retrial " ―――――――――――――――――――――


( #´メω・)「死者蘇生。――蘇れ、《氷結のレディ・ジャスティス》!」

( ^ω^)

( ゚ω゚)「お……ッ……!?」

( ´メω・)「シャドール・ファルコンを反転召喚、効果で墓地のハウンドを蘇生。そして」

( #´メω・)「――影依融合、発動……!!」

( ;゚ω゚)「……!」

323 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:56:22 ID:mk9soIAc0


( #´メω・)「場の、裏守備のシャドール・ハウンド及びデッキのEMトランプ・ガールをを融合し……」

( #´メω・)「降霊せよ! エルシャドール・ミドラーシュ!!」


【(´メω・`)】LP:4000
《エルシャドール・ミドラーシュ》@ATK2200 《-No.19- フリーザードン》@ATK2000 《-No.21- 氷結のレディ・ジャスティス》@DEF 500 《シャドール・ファルコン》@ATK 600

《-No.6- 先史遺産アトランタル》@DEF3000 《D−HERO デビルガイ》@ATK 600→DEF 800
【( ^ω^ )】LP:2200


( ´メω・)「墓地に送られたハウンドの効果で、デビルガイを守備表示に変える……!!」

( ;^ω^)

 先ほどエクシーズ素材になったはずのミドラーシュが、再び場に舞い戻っている。
 もはや執念としか言いようがない――――内藤が気圧された一瞬の隙を突いて、ショボンは攻勢に出る。

( #´メω・)「氷結のレディ・ジャスティス、効果発動……! オーバーレイユニットを1つ使い! 君の場の守備表示のモンスター全てを破壊する!」

( #´メω・)「蘇生したレディジャスティスに、オーバーレイユニットはない。だが! ここに代理人を立てる!」

324 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:57:04 ID:mk9soIAc0
( #´メω・)「フリーザードンは、自分のエクシーズモンスター1体の代わりにオーバーレイユニットを使う能力を持つ! 食らえ――」

 ――――壁モンスター一掃!!

(^ω^; )(――――――クソッ!)

 火山が急速に色を失い凍りつき、氷塊と化したアトランタルはそのまま内部から砕け散った。
 降り注ぐ氷の雨の中、しかし内藤の眼には獲物を狙う光。

( ^ω^)(……僕の場はガラ空き! だが、まだ――――)

( #´メω・)「バトルフェイズ……!! フリーザードンのダイレクトアタック!」

( #^ω^)「――――リバースカード、オープン!! マジック・シリンダー!」

( ´メω・)「なっ……」

( #^ω^)「フリーザードンの攻撃を無効にし! その攻撃力2000ポイント分のダメージをお前に与える!」

( ;´メω・)「うぐ……ッ!!」LP4000→2000

( ;^ω^)(よし……!! あと一発! あと一発で……いける!)

( #´メω・)「……知っ……た、こと、かァ!!」

( ^ω^)(そうだ、もっと熱くなれ! アツくなったまま、そのまま……)

325 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:57:53 ID:mk9soIAc0


( #´メω・)「――エルシャドール・ミドラーシュで、ダイレクトアタック!!」

( #^ω^)「(――――――勝った!)リバースカード、オープン!」

 親指の骨が折れるほどの勢いで、内藤は指をバチンと鳴らす――

( #^ω^)9m 「2枚目の―――マジック・シリンダー! これで、終わ―――」






( ;^ω^)「!?」   ガスッ

 突如、内藤の足元に1枚のカードが突き刺さる。

326 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:58:36 ID:mk9soIAc0


( #´メω )っ 「…………」

( ;^ω^)(なん、これ……なんだ? 《ガスタ・グリフ》……グリフ……!?)

( #´メω )「さっきのターン、デビルガイの効果をかわすために発動したエルシャドールフュージョンで、1体」

( #´メω )「フリーザードンのオーバーレイユニットになったのが、さらに1体」

( #´メω )「そして、今、この場にいるのが、3体目……ミドラーシュは、もう使い切った。けど」

( #´メω・)「《ウェンディゴ》は……まだ使い切っていない!!」
っ《神の写し身との接触》

( ゚ω゚)

( #´メω・)「神の写し身との接触! 場のミドラーシュと手札のグリフを素材に融合召喚……」

( ;゚ω゚)(ミドラーシュ、のみ、ならず……ウェンディゴまで、3積み……!!)

( #´メω・)「EXデッキのエルシャドール・ウェンディゴ! デッキのガスタの神官ムスト! 2体を同時に召喚する! ミドラーシュの効果で、接触を回収!」

( ;゚ω゚)(……ミドラーシュが消えて……シリンダーが不発……!?)

327 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 20:59:21 ID:mk9soIAc0



【(´・ω・`)】LP:2000
《-No.19- フリーザードン》@ATK2000 《エルシャドール・ウェンディゴ》@DEF2800 《-No.21- 氷結のレディ・ジャスティス》@DEF 500 《ガスタの神官ムスト》@ATK1800 《シャドール・ファルコン》@ATK 600

《なし》
【( ^ω^ )】LP:2200





( #´メω・)「もう何もない。手札も無い。リバースもない。遮れない!!」


( ゚ω゚)


( #´メω・)「バトルフェイズ!! ムストとファルコン、2体のモンスターでダイレクト―――――」

( ;゚ω゚)「―――――陽炎のカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアム!!!!」


《BF−陽炎のカーム》
星4/闇属性/鳥獣族/攻 600/守1800
相手のバトルフェイズ時、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動する事ができる。
自分の墓地に存在するシンクロモンスター1体を選択して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはバトルフェイズ終了時にゲームから除外される。

328 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:00:05 ID:mk9soIAc0

【(´・ω・`)】LP:2000
《-No.19- フリーザードン》@ATK2000 《エルシャドール・ウェンディゴ》@DEF2800 《-No.21- 氷結のレディ・ジャスティス》@DEF 500 《ガスタの神官ムスト》@ATK1800 《シャドール・ファルコン》@ATK 600

《転生竜サンサーラ》@DEF2600
【( ^ω^ )】LP:2200


( ;゚ω゚)(い、いじ、異次元からの埋葬で戻した保険! 保険!! 危ねえ! ……危ねえ!!)

( #´メω・)「だが――それもこのターン限りだ!!」

 サンサーラの影に隠れて震えていた内藤だが、ショボンがバトルフェイズを終えると、そのサンサーラも揺らめく陽炎のように消滅してしまった。

( ´メω・)「これで君はすべてを失った。すべてのリソースを失った。メインフェイズ2、レベル4のムストにレベル2のファルコンをチューニング」

《大地の騎士ガイアナイト》†
星6/地属性/戦士族/攻2600/守 800 【シンクロ】
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

( ´メω・)「シンクロ召喚――大地の騎士ガイアナイト。次のターン以降、戦いを続ける戦力はもう無い。僕の攻撃をしのぐ手も、もうない!」

( ;^ω^)「……ひ、人のこと、言えんのかお。お前だって! いくらシャドールを回収しようと、もうミドラーシュは3枚使い切ってるはずだお! 見た目ほどリソースは多くない!」

329 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:00:52 ID:mk9soIAc0


( ´メω・)「ああ、そうさ。だから僕はこれを使う。装備魔法、再融合」

( ;^ω^)「……は?」

《再融合》
装備魔法
800ライフポイントを払う。
自分の墓地から融合モンスター1体を選択して
自分フィールド上に特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードが破壊された時、装備モンスターをゲームから除外する。

( ´メω・)「800ライフを払うことで、墓地の融合モンスター1体を特殊召喚し、このカードを装備する……」LP2000→1200

( ;^ω^)

( ´メω・)「蘇生するのは、もちろん、ミドラーシュ――いや。いや、今は、こう呼ぼう」

( ´メω )「今、満を持して、こう呼ぼう……蘇れ。僕の手の中で、蘇れ!!」

330 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:01:33 ID:mk9soIAc0





( #´メω゚)「 E l  S h a d d o l l  W i n d a !!!」


《エルシャドール・ミドラーシュ/El Shaddoll Winda》
星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800 【融合】
「シャドール」モンスター+闇属性モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードは相手の効果では破壊されない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
その間はお互いに1ターンに1度しかモンスターを特殊召喚できない。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、
自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。

331 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:02:16 ID:mk9soIAc0

( ;^ω^)(……こ、ここまで……)

( ;^ω^)(ここまで執着するのか……《ミドラーシュ》、いや……《ウィンダ》に……!!)

( ´メω・)「正直なところ、最初は舐めてたよ。ミドラーシュを出そうが出すまいが関係なく、元からロクに特殊召喚もできないような、そんな貧弱なデッキだと思ってた。だから、《アトランタル》には驚かされた……」

( ´メω・)「だから、今、改めて、念には念を入れておく」

 内藤の全身に糸が絡みつく。
 硬い、ワイヤーのような糸が、腕に、首に――絡みつく。

( ´メω・)「手札は、ゼロ。場にも、何も無い。次に引くカード1枚が君のすべてだ」

( ´メω・)「だが、その1枚で何をしてくるか、それが意外と油断ならないというのは、さっきの《ソウル・チャージ》で分かった。だから改めてフタをする」

( ´メω・)「何かあるなら、見せてみなよ。逆転のコンボがあるならさ。この不利な盤面をひっくり返して、僕のライフを削り切る」

( #´メω・)「次の、1枚のドローだけで! それを達成する手段があるのなら!!」

( #´メω・)「ミドラーシュの妨害を跳ね除けて、それを達成するだけの一撃を! たった1枚で! 見せられるなら!! 見せてくれよ、この僕に!」

( ;^ω^)「……!」

( #´メω・)「僕は、これでターンエンド……! さあ、……さあ! さあ!!!」

( #´メω・)「カードを1枚伏せ――君の、ラストターンだ!!」


・TURN 12- 終了
( ^ω^) 手札:0 LP2200
場:なし / 伏せ:なし 魔罠:《リビングデッドの呼び声 ※対象不在》

(´・ω・`) 手札:0 LP1200
場: 《エルシャドール・ミドラーシュ》@ATK2200 《-No.21- 氷結のレディ・ジャスティス》@DEF 500 《-No.19- フリーザードン》@ATK2000 《エルシャドール・ウェンディゴ》@DEF2800 《大地の騎士ガイアナイト》@ATK2600

332 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:02:59 ID:mk9soIAc0


・TURN 13-


( ;^ω^)

( ;^ω^)(……何を)

( ;^ω^)(……何を、どう考えても、向こうのほうが有利……向こうの組み上げたデッキのほうが、強い!)

( ;^ω^)(……いや、でも、勝つ手が……ない、わけじゃない、はずで……)

( ´メω・)「どう転んでも、たぶんこれがラストドローだ。さあ、引きなよ」

( ;^ω^)(……何を引けばいい? 何を引けば勝てる、いや、そうじゃなくて……)

(( ;^ω^))(……どうすれば、引ける……?)

( ´メω・)「怖いだろう。カードを引くのが。引けなかったときのことを考えるのが。――負けるのが、怖いだろう!」

( #´メω・)「何度も、何度も味わった……負けられないと、負けたくないと、そう心から願っているのに」

( #´メω・)「ここで負けたら、もう二度と立ち上がれないんじゃないかって。もう、こいつには勝てないんじゃないかって。そう感じてしまう恐怖!」

333 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:03:39 ID:mk9soIAc0

( #´メω・)「――そんな恐怖を跳ね除けるために、すがる何かが君には無い! それだけは信じられる魂が! 己の柱がそこには無い!!」

( #^ω^)「……うるせえ……!!」

( #^ω^)「柱が、魂が、何だってんだお。そんなものが戦いに必要か!! そんなものなくたってカードは引ける!」
          NBR
( #^ω^)「このどん底で、負け犬の吹き溜まりで!! 御高説かましてんじゃねえお!!」

( ´メω・)「……ああ、何を言ったって今の僕は、僕たちは負け犬さ。だけど、忘れたとは言わせない」

( #´メω・)「アカデミアにいた頃の僕は……まちがいなく、君よりも強かった!!」

( #^ω^)「……っ」

( #´メω・)「君は、それなりに要領が良かったよね。どんなデッキを使わせてもそれなりにうまく扱える。試験や大会があるたび、その都度上手いことデッキを使い分けて、
        なんだかんだでそこそこの成績を残した。《ウィンダ》、《ガスタ》一本だった僕とは、全然違ったよ。だけど。――――だけど!」

( #´メω・)「勝ち上がるのは、いつも僕だった……それを忘れたと言わせない!!」

( #^ω^)「……過去の栄光に縋るような……みっともねえこと言ってんじゃねえお!!」

( #^ω^)「何も……何も、無くたって、僕は……僕は、戦った!」

 ――そう言いながらも、内藤の身体はまだ震えていた。

334 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:04:20 ID:mk9soIAc0


( ;^ω^)(――僕は勝った。僕は勝った! ”留年死神”を倒して、《ケインズ・デビル》を手に入れた! それで《アトランタル》も使えるようになった!! それが僕の力の証明!!)

( ;^ω^)(その結果が、今、このフィールドで……)


( ^ω^) 手札:0 LP2200
場:なし / 伏せ:なし

(´・ω・`) 手札:1 LP1200
場: 《エルシャドール・ミドラーシュ》@ATK2200 《-No.21- 氷結のレディ・ジャスティス》@DEF 500 《-No.19- フリーザードン》@ATK2000 《エルシャドール・ウェンディゴ》@DEF2800 《大地の棋士ガイアナイト》@ATK2600


( ;^ω^)(……1vs1だった初戦とは違う。ショボンのほうが、どう見たって、多くのナンバーズを持っていて)

( ;^ω^)(……デッキの完成度も、場のアドバンテージ差も、絶大で。どう見ても、流れはショボンに向いていて……)

335 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:05:02 ID:mk9soIAc0


( ;^ω^)(……何か……何か! 何か、どこかに……隙が……あるとするなら……)




( ^ω^)(僕に、流れを向ける方法が、どこかにあるとするのなら……)




( ;^ω^)(付け入る隙が、あるとするなら……!)

336 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:05:44 ID:mk9soIAc0




――――――――――――――――――――――――

【トレード希望】

下記のナンバーズを希望しています。
○《No.X4》 一の位が4のナンバーズ
○《No.10X》 オーバーハンドレッド・ナンバーズ

――――――――――――――――――――――――

337 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:06:25 ID:mk9soIAc0


( ^ω^)


( -ω-)「……」

( -ω-)「……ぶっちゃけ」

( ´メω・)「?」

( ^ω^)「ぶっちゃけた話、おまえ、ナンバーズ……何枚持ってる?」

( ´メω・)「……いや、僕がこういうこと言うのもなんだけどさあ、君大丈夫? 今それ聞いて何がどうなるの?」

( ^ω^)「冥土の土産が欲しいなあ、って。枚数次第じゃ、そりゃ負けてもしょうがねーかなって、そんな慰めくらいにはなるかなあ、って」

( ´メω・)「……はあ。まあ、答えてどうなるものでもないと思うけど……そういう君のナンバーズは? 何枚?」

( ^ω^)「2枚。ここまで見てたんならそれくらいわかれお」

( ´メω・)「そう。じゃあ確かに、負けるのも無理はなかったかもしれないね。3枚差だもの」

338 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:07:06 ID:mk9soIAc0


( ^ω^)「3枚……」

( ´メω・)「5枚だよ。僕が持ってるナンバーズは」

( ^ω^)「……まだ一日目だおね、これ」

( ´メω・)「ああ」

( ^ω^)「多いお」

( ´メω・)「多いのかもね」



( ^ω^)



( ´メω・)

339 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:07:47 ID:mk9soIAc0








■⊂( -ω-)「なら、僕が勝つと思う」

340 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:08:28 ID:mk9soIAc0







 静かなドローだった。

 内藤は、掛け声ひとつ、音ひとつ立てずにカードを引いた。引くことができた。


■⊂( -ω-)



■⊂( -ω-)「……ブラックフェザー」

《BF−残夜のクリス》
星4/闇属性/鳥獣族/攻1900/守 300 
「BF−残夜のクリス」の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):自分フィールドに「BF−残夜のクリス」以外の「BF」モンスターが存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードは1ターンに1度だけ、
魔法・罠カードの効果では破壊されない。


( ^ω^)「残夜のクリスを、召喚……!」

( ´メω・)「……最後に引いたのが、それかい」

( ´メω・)「他の何とも繋がらない、ただの下級モンスター。手札ゼロ、場も空っぽで、引き当てた頼みの綱が、そんな―――」

341 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:09:09 ID:mk9soIAc0





342 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:10:17 ID:mk9soIAc0


( ;´メω・)「―――!?」 ゾクッ

( ^ω^)

( ;´メω・)(なんだ、今の……殺気……? 鎌……)

( ^ω^)「……じゃ、なくて。旗だお、ただの」 パタパタ



( ´メω・)「旗……」

( ´メω・)

343 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:10:58 ID:mk9soIAc0

――――――――

( ^ω^)「レベル1! ……ADチェンジャーとグローアップ・バルブでオーバー……

――――――――


《ADチェンジャー》
星1/光属性/戦士族/攻 100/守 100
自分のメインフェイズ時に、
墓地のこのカードをゲームから除外し、
フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターの表示形式を変更する。


( ;´メω・)「―――――――――――――――――!!」

( #^ω^)「死神の、真似事を! ADチェンジャー効果発動、墓地のこのカードを除外することで、場のモンスター1体の表示形式を変更する――――」

( #^ω^)「僕が対象に選ぶのは! 僕が、最後に倒すのは!! 御大層な決意表明と共に出された、ミドラーシュなんかじゃあない!」

344 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:11:39 ID:mk9soIAc0


( #^ω^)「――――《氷結のレディ・ジャスティス》! おまえを攻撃表示に変える!」」


【(´・ω・`)】LP:1200
《-No.19- フリーザードン》@ATK2000 《エルシャドール・ウェンディゴ》@DEF2800 【《-No.21- 氷結のレディ・ジャスティス》@ATK 500】 《大地の騎士ガイアナイト》@ATK2600 《エルシャドール・ミドラーシュ》@ATK2200

《BF-残夜のクリス》@ATK1900
【( ^ω^ )】LP:2200

( ;´メω・)「あ……ッ、な……」

( ^ω^)「……ウェンディゴなら、どうだか知らないけど。《レディ・ジャスティス》は水属性! 《アノマリリス》が使えないこのルールでは! 《接触》で逃がすこともできない!」

( ^ω^)「自分の中でケリが付いたんなら、それはそれで結構だお。受け入れられたんならそれはめでたい。……でも、今はデュエル中だ!!」

( #^ω^)「自分と、カードと対話する前に、目の前に相手がいることを。自分を殺そうと迫る相手がいるってことを、おまえは忘れてる……!!」

( ;´メω・)「……僕は! 僕は、」

( ;´メω )「……僕は……!」

345 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:12:26 ID:mk9soIAc0



( ^ω^):《BF-残夜のクリス》@ATK 1900
(´・ω・`):《レディ・ジャスティス》@ATK 500


( ^ω^)「バトルフェイズ――――残夜のクリスで、レディ・ジャスティスを――――」

( #^ω^)「攻撃!」


 LP1200→ 0



――――――――――決着!

346 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:13:13 ID:mk9soIAc0
( ^ω^)「……おまえの敗因は、ふたつある」

( ^ω^)「ミドラーシュに、執着しすぎたことと……僕を、買い被ったことだお」

( ;´メω・)「……」

( ^ω^)「手札にも、墓地にも、ロクなリソースが残ってないあの状況で……何を引こうと、大量展開なんて、できるわけねーんだお。こんなデッキじゃ」

( ^ω^)「……使わなくてよかったんだお、《再融合》なんて……」

( ;´メω )「僕は……ぼ、くは……」

( ;´メω )「……許して、くれ……」


―――――
・敗者は修得済み単位をすべて失い、仮死状態となり、その時点でNBRから脱落。
―――――


( ^ω^)「……」

 ショボンの意識が飛んだのを確認すると、内藤もその場にへたり込む。

( ;^ω^)「……か、勝った、負けた、というよりは……命拾いした、って感じ……」

347 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:13:53 ID:mk9soIAc0


( ^ω^)(ショボンに、ミスはあったにしろ……結局のところ、この勝負は……最後の最後で……1900、《残夜のクリス》を引けるかどうかの、運勝負だった……)

( ^ω^)(《6》と《13》、まともなアタッカーなんてそれこそ《エアーマン》と《クリス》しか入ってなくて……エアーマンはもう使用済みで……)

( ^ω^)(《ADチェンジャー》を使っても、ライフを削り切るだけのアタッカーを用意する方法は、本当に……《クリス》を引くくらいしかなかった……)

 隙を作ったのは、ショボン自身。ショボンは攻めを焦っていたし、周りが見えていなかった。
 それでもショボンは強かった。方針をちゃんと定めていて、必要なカードは死地で集めた。実際、内藤は盤面を見て何度も勝てる気がしないと思った。
 そもそも、隙ができたとは言っても、それを突けるかどうかは結局のところ運でしかなかった。

( ^ω^)(……じゃあ、僕が勝てたのは、僕のほうが運が良かったから……?)


( ^ω^)(……違う)

 内藤は震える足でどうにか立ち上がると、ショボンの死体に近づき――ショボンが持っていたナンバーズを、すべて回収した。

348 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:14:33 ID:mk9soIAc0

( ^ω^)(……出てこねえなあとは、思ってたけど……)

 そうして手に入ったナンバーズに、目を落とす。

 《フリーザードン》、
 《氷結のレディ・ジャスティス》、
 《炎圧鬼バーナー・バイサー》、
 《紋章神コート・オブ・アームズ》、
 《おしゃもじソルジャー》。


( ^ω^)「……5枚も、集めといて、これかお……」


 19、21、58、69、63。

349 名前:名も無きAAのようです :2016/03/11(金) 21:15:14 ID:mk9soIAc0


( ^ω^)「……僕のほうが運がよかった、っていうか」

( ^ω^)「……おまえの運が悪かったんだお。最初から、ずっと……」




 内藤の持っていたナンバーズも、《6》と《13》の2枚だけ。
 《ミドラーシュ》を受け入れてなお、ショボンは最後まで会えなかった。



 どこにでもいる、悪友と笑い合う日々を過ごした思い出を胸に秘める学生決闘者:内藤ホライゾン。
 彼の物語の二冊目は、6枚のナンバーズという有言を実行するどころか1枚上回ったところで終わる――





−遊戯王NBR−


   その2.「愛憎人形劇」

                 ――ここまで










《ガスタの巫女 ウィンダ》:星2/風属性/サイキック族/攻1000/守 400


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