- 112 名前:堕としのショボのようです :2014/07/08(火) 19:20:55 ID:uVfrG6S60
ここは美筆警察署の取り調べ室。
狭く簡素な部屋の中央に小さな机が一つ。部屋の隅では記録係の捜査官が供述調書をとっている。
そして、中央の机を挟んで相対するように二人の男が剣呑な雰囲気で座っていた。
,、
(# ゚ω゚)i!。ゝバンッ「このヤクをどこから仕入れたか
とっとと吐けっつってんだおこのブサイク!」
右手につまんだ白い粉の入った小袋を目の前の男に突きつけつつ、
机を叩いて吠えたスーツ姿の大男は、美筆警察刑事部捜査二課の刑事、内藤 ホライゾンだ。
(#,,゚Д゚)「うるせーんだよデブゥ!
. さっきから言ってるじゃねーか!
. 俺が海外で買い集めたモンだってよぉ!!」
売り言葉に買い言葉と机に乗り出すような形で怒鳴り返す、
黒のタンクトップに大仰な刺青が入った男。
麻薬の取引の売人と目されてる刃仁 ギコである。
(# ^ω^)「テメーみてえな小チンピラにあれだけの量のヤクが買えると思ってんのかお!
. 大体調べは済んでんだ! おめーここ最近海外に行ってねーだろうが!」
(#,,゚Д゚)「だからなんだってんだゴルァ!」
- 113 名前:名も無きAAのようです :2014/07/08(火) 19:21:44 ID:uVfrG6S60
(# ゚ω゚)「だーかーらー! どこの組が糸引いてんのか答えろって聞いてんだボケェ!」
(#,,゚Д゚)「そんなん俺が知るかってんだこの包茎!」
( ^ω^)
(。゚^ω^)ブワッ
(;,,゚Д゚)「……あっ(察し
いい病院紹介するぜ……?」
:( ;ω;):グスッ「うるせー! どうせ皮かむりだよコノヤロー!」
(゚、゚;トソン「……」
終わらない怒鳴り合いに、内藤の隣に立つ新米刑事、都村トソンはうんざりしていた。
誰かはやくこの不毛なやり取りを終わらせてくれないかと――
- 114 名前:名も無きAAのようです :2014/07/08(火) 19:22:35 ID:uVfrG6S60
(´・ω・`)「邪魔するよ」
そのときだった。取り調べ室の扉が開き、一人の男が入ってきた。
男の名は 眉下 ショボン。“堕としのショボ”と呼ばれる捜査一課の敏腕刑事である。
(゚、゚トソン「あれっ? ショボさん?」
(# ^ω^)「ああん? なんで一課のてめえがここに来てんだショボ!
. 邪魔すんなら帰れお! 帰ってポカリ飲んで暖かくして寝ろ!」
(゚、゚;トソン「先輩、それ風邪引いたときの対処法です」
内藤の悪態を気にせず、ショボンは要件を話し出す。
(´・ω・`)「……二日前に美筆港で変死体が見つかっただろう?」
( ^ω^)「……それ、殺しだって言いたいのかお?」
(´・ω・`)「ああ、そんでもって、ソイツがその事件の重要参考人なんだよ」
そう言ってショボンはギコの方を見る。
(;,,゚Д゚)「……」
ギコは何か後ろ暗いことでもあるのか、内藤とのやりとりで見られた怒鳴り声は鳴りを潜め、
今入ってきた乱入者への警戒でいっぱいいっぱいのようだ。
- 115 名前:名も無きAAのようです :2014/07/08(火) 19:23:42 ID:uVfrG6S60
(# ^ω^)「だからって一課に手柄をくれてやる理由にはなんねえお!
. コイツは俺らのところのヤマだ!
. 帰れ帰れ! 帰ってタオルケットで腹冷やさないようにして寝ろ!」
縄張り意識と小さな自尊心、それが内藤の口を動かす。
今まで追ってきた事件を横から掻っ攫われてはたまらないと、
ショボンを死肉に群がる禿鷹とでもみなしたかのように追い払おうとする。
だが、ショボンは退かなかった。
(´・ω・`)「……現場の痕跡から、殺しはコイツの単独犯じゃない」
(゚、゚トソン「共犯者がいると?」
(´・ω・`)「ああ、だから事は一刻を争う」
――共犯者に逃げられる前に。
ショボンがそう言わなくとも、刑事である内藤と都村にはわかっていた。
- 116 名前:名も無きAAのようです :2014/07/08(火) 19:24:30 ID:uVfrG6S60
(´・ω・`)「ヤクの件はそっちで追えばいい、わかった情報は流す。
. だから――」
手柄などいらないとでも言うような言葉。
(´・ω・`)「10分だけ、俺に時間をくれ、内藤」
(# ^ω^)チッ
内藤は諦めたかのように舌打ちをすると、その場から立ちあがった。
( ^ω)「煙草、吸ってくるお。それまでに終わらせとけ」
そう言って、内藤は取り調べ室を後にする。
(゚、゚;トソン「えっ」
「都村、とっととついてこいお!」
(゚、゚;トソン「ハ、ハイ、それじゃあショボさんあとはよろしくお願いします!」
部屋の外からの内藤の怒鳴り声に従い、都村も部屋を後にした。
- 117 名前:名も無きAAのようです :2014/07/08(火) 19:25:20 ID:uVfrG6S60
(´・ω・`)「さてと」
ショボンは内藤が座っていた椅子に腰かけ、ギコと相対する。
取り調べ室に残っているのは、ショボンとギコと供述調書を取っている捜査官だけ。
(;,,゚Д゚)「な、なんだゴルァ……
. い、言っておくが俺は何も知らねえし、何も言わねえぞ!」
内藤のときと同じようにギコは悪態をつこうとする。
しかし、目の前の男が持つ謎の雰囲気に呑まれ、うまく口が回らないようだ。
(´・ω・`)「……」
ショボンはギコの言葉など意に介さず、
黙ってギコを品定めするかのように観察している。
(;,,゚Д゚)「こ、殺しのことなんか何も知らん!
知らないことを喋れるとでも――」
- 118 名前:名も無きAAのようです :2014/07/08(火) 19:26:06 ID:uVfrG6S60
- 119 名前:名も無きAAのようです :2014/07/08(火) 19:26:55 ID:uVfrG6S60
- 120 名前:名も無きAAのようです :2014/07/08(火) 19:27:41 ID:uVfrG6S60
- 121 名前:名も無きAAのようです :2014/07/08(火) 19:28:29 ID:uVfrG6S60
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- 122 名前:名も無きAAのようです :2014/07/08(火) 19:29:16 ID:uVfrG6S60
バーボンハウス
(´・ω・`)「やあ、殺伐とした一課にようこそ。
. 都村君なにしにきたの?」
ここは美筆警察署の刑事部捜査一課。
資料などで散らかった部屋内を刑事達が忙しそうに動き回っている。
(゚、゚;トソン バーボン?「いえ、この間のお礼に……
ショボさんのお陰で大規模な麻薬の流通ルートを一網打尽に出来たので」
机で書類仕事をしていたショボンに、和菓子屋『丹生足』の紙袋片手に都村が言った。
(´・ω・`)「ソイツは重畳。内藤はどうしてる?」
(゚、゚トソン「先輩はなんか拗ねてました」
(´^ω^`)「ワロス」
(゚、゚;トソン「しかし、ショボさん。どうやってあのチンピラの口を割らせたんですか?
我々があんなにてこずっていたのに……」
(´・ω・`)「なあに、ちょっと――」
- 123 名前:名も無きAAのようです :2014/07/08(火) 19:30:12 ID:uVfrG6S60
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