387 名前:名も無きAAのようです :2013/06/07(金) 00:09:54 ID:/fM.Z19Y0
Σz#゚ー )リ「あたしが流行したら始めるですって?馬鹿にしないでよ!ここで言うってことはあたしが流行るなんてこれっぽっちも思ってないってことじゃない!」

Σz ゚ー )リ「いいわ。キャラも立ち位置も、一人称すら定まってなくてもあたしには誇りがある!意思がある!絶対、あなたに始めさせてやるんだから!」

( ´∀`)「はい。そのまま続けてー」

私は『言われたとおり』演技を止めて審査員の方へ頭を下げる

Σz ゚ー )リ「審査なんて大きなお世話よ!」

( ´∀`)「じゃ、次の人こなくていいモナ」

出て行く私と入れ替わるようにして黒髪の女性が部屋に入っていくが、私はさっさと荷物をまとめてちっぽけなオーディション場を出て行く


Σz ゚ー )リ「はぁ〜、ほんっと審査って元気が出るわ〜」

四畳一間のボロアパートにて、大の字に寝っころがりながら溜息


人類から『正直者』がいなくなって十数年。人は嘘しかつけなくなった。

神罰だとか特異ウィルスだとか言われているが原因は未だ不明。ただ単に人は言葉だろうが紙面上だろうが真実を言語として発信できなくなった

最初こそ混乱があったものの、時を重ねるごとに対策も進み今では日常生活に殆ど問題はなくバレンタインに恋人たちが「大嫌い」と囁き合い、それを見た非リア充が「幸せになれよ」と呪いを呟く

が、もちろん。常日頃から嘘に晒されていてはストレスが溜まるのも道理。そこで人は、真実に限りなく近い嘘を舞台の上に求めた


そんな舞台俳優に憧れて都会に飛び出してきたのが私、酒蔵スニフィで、しかしさっぱり芽が出ず女としてはまだしも女優としてはギリギリで

Σz ゚ー )リ「はぁ、女優なんて簡単になれると思ってたけどこの結果……私、才能あるなぁ」

言っててものすごく虚しい。実際はオーディションは連戦連敗。そろそろ実家からの呼び出しもきつくなってきた


ピンポーン


Σz ゚ー )リ「はーい、宗教ですか新聞ですか。何でも大歓迎ですよっと」

だらけた体に無理を言って起き上がり、茶色く変色したドアを開ける

ミセ*゚ー゚)リ「どうも〜、隣に前から住んでたミセリって言いません。引越しうどんを……って後輩!後輩じゃないですか!」

388 名前:名も無きAAのようです :2013/06/07(金) 00:14:18 ID:/fM.Z19Y0
ドアの向こうにいたのは学生時代の後輩ミセリ。確かに今日入居予定の人がいると聞いていたがまさか彼女だったとは…

ミセ*^ー^)リ「もう二度と会いたくありませんでした!演劇部のOBから紹介されなかったここにいるってことは先輩も女優の道は諦めてたんですね!」

Σz;゚ー )リ「ま、まあぼちぼちね。ミセリはもうどこかの劇団か何かから追い出されたの?」

ミセ*゚ー゚)リ「ええ、VIP劇団には入れませんでした。とはいっても雑用を抜け出してお金があるからこの安いところに入ってるんですけど」

マジか。私よりずっと先に進んでる。思えば昔から器量、要領、技量よしの優秀な子だった

ミセ*゚ー゚)リ「スニフィ後輩はどちらに?」

Σz;゚ー )リ「えっ、私?私はほら、その―――」

後輩に見栄を張るために苦し紛れについた嘘の嘘。嘘だらけの世の中では何の変哲もない光景だったはずなのに…

ミセ*゚ワ゚)リ「しょぼーい!流石後輩!色々教えてあげていいですよ?」

Σz;゚ー )リ「も、もちろんダメに決まってるでしょ。オホホホホホー!」

ここから私の停滞が暴走気味に動き始めた

389 名前:名も無きAAのようです :2013/06/07(金) 00:15:07 ID:/fM.Z19Y0
――道楽者の有名役者

( ・∀・)「へぇぇぇ、道理で見たことのある顔だと思った〜。なるほど、僕が所属してない劇団の一員だったとはねぇ〜?」

Σz;゚ー )リ「ひぃぃ、後輩へのちょっとした見栄とかじゃないんです。謝りませんから仕事を回すのは許して…」

( ・∀・)「ふ〜ん?ところで……その見栄を『嘘』にしてみる気はあるかい?

Σz ゚ー )リ「……へ?」


――双子の詐欺師

( ´_ゝ`)「他人の真実は自分にとって真実だと思うか?」

(´<_` )「もう一人の真実をさも自分のことのように話せば」

( ´_ゝ`)「嘘かどうか分からなくなる。こんな方法があるとは、流石だよな俺ら」(´<_` )

Σz;゚ー )リ(でもやってることは詐欺なんだよねぇ)


――そして――

( ´∀`)「はい。それじゃ最終オーディションを終わるモナ!参加者は呼ばれるまで控え室で騒がしくしていて欲しいモナ!」

ミセ*゚−゚)リ「……私、相手が誰で、境遇だろうと、絶対に負けて見せます」

Σz;゚ー )リ(しまらないなぁ)

私にとって最後のチャンスが、幕を開ける


Σz ゚ー )リ スニフィは嘘だらけの世界で舞台女優になりたいようです


Σz ゚ー )リ系創作板のようです が出来たら連載決定

Σz;゚ー )リ(例え出来たとしても連載自体が嘘だからなぁ)


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