20 名前:EDF隊員 :2013/01/05(土) 22:54:14 ID:nZUGhAlE0
2013年 宇宙からの電波を受信、地球外生命体の存在が確認される

2015年 有事にそなえ、人類は連合地球軍“EDF”を結成

しかし、彼らは信じていた

宇宙からやってくる異邦人

彼らは、思慮と博愛にあふれた賢者であると

対話こそ、彼らを迎える唯一の手段であると

2017年のその日が来るまでは・・・・・・

〜引用ここまで〜

21 名前:EDF隊員 :2013/01/05(土) 22:55:06 ID:nZUGhAlE0
「見ろ!あれは何だ!?」

「信じられません!
 市街地上空に巨大な飛行物体が浮かんでいます! まるでSF映画のような光景です!
 地球外からの訪問者、政府は彼らを『VIPPER』と呼称。 現在VIPPERへの呼びかけが行なわれています。
 彼らは友好的な隣人なのでしょうか? それとも……」

空を覆う異邦の船の影に、それまで熱狂で湧いていた人々が不安を露わにした。

22 名前:EDF隊員 :2013/01/05(土) 22:55:59 ID:nZUGhAlE0
『驚くべき事態です。市街地上空に、地球外生命体のものと思われる宇宙船が出現しました。空をおおうような大船団です。現在、交渉の準備が進められていますが、万一にそなえ、レンジャーチーム、ストームチームは、配置についてください。』

モニターに表示された空の映像、そしてオペレーターの声が淡々と流れていく。
揺れる。装甲車の中は快適とは言えなかったが、確実に自身の持ち場へと近づいていく。
一時は渋滞が予想されていたがそれを見越した政府によって前もって装甲車両のルートは確保されていた。
ドクオが煙草に美味そうに吸い付き、煙を吐き出した。
煙が顔にかかる。若干迷惑そうに彼を睨むとワリィ、と煙草を灰皿に押し付けた。ショボンが苦笑しながらそれを見ていた。

(`・ω・´)「お前ら、ここは遊園地じゃないぞ! 気を引き締めていけ!」

( ^Д^)「隊長、大げさっすよ。何も宇宙人と戦うわけじゃないんだし」

('A`)「プギャーの言うとおりだぜ。煙草くらい吸わせろ」

シャキン隊長の叱咤に対し、プギャーが言った。
ドクオもそれに便乗して煙草をケースからもう一本取り出すと、点火。
また煙を吐き始めた。

( ^ω^)「煙いお……」

('A`)「ワリワリ、煙をそっちにいかないようにするから我慢してくれよ」

(´・ω・`)「今度はこっちが煙い……」

どうやらこの男から煙草を取り上げるのは無理そうだ。

23 名前:EDF隊員 :2013/01/05(土) 22:56:55 ID:nZUGhAlE0
装甲車両のハッチが開き、天を仰ぐ。
銀色のそれは太陽の光を反射、思わず目を腕で覆い、驚愕した。

( ^ω^)「まじかお……」

('A`)「円盤が浮いてやがる……」

(´・ω・`)「信じられない……なんて光景だ」

空を覆い尽くす異邦の船。銀色の一際巨大な球体状の飛行物体を中心に銀色の円盤がそれを守るように浮かんでいる。
CGでも何でもない、実写だ。
狼狽えているのは何も自分だけじゃない。
周りのストームチーム隊員も皆同じように顔を上げている。

本部『総員、配置に着け!』

通信機から厳めしい男の声。EDF本部の司令官だ。
その声にハッとし、隊長格の男が一喝。続いて隊員も声を張り上げる。

(`・ω・´)「こちらストーム1。了解!」
(`・ω・´)「訓練じゃないぞ! 続け!」
( ^ω^)('A`)「Yes, Sir!」(´・ω・`)( ^Д^)

ストーム隊の面々が声を上げ、気を引き締める。
ライフルの持ち手を強く握りしめる。
何も心配はない。客人を歓迎するための護衛。ただそれだけだ。このまま何事もなく友好的な関係を……。
EDF構想のもたらした根拠のない願望は一瞬にして打ち砕かれた。

24 名前:EDF隊員 :2013/01/05(土) 22:58:01 ID:nZUGhAlE0
隊員『こちらレンジャー4。きょ、巨大生物です! 巨大生物を発見!』
本部『レンジャー4。巨大生物とは何か?』
隊員『昆虫です! 大きな昆虫です! こっちへ来ます! 撃て! 撃てぇ!』
隊員「こちらレンジャー4。現在巨大生物と交戦中! 応援を要請します!」
本部「こちら本部。了解した」


無線通信に声。レンジャーチームの悲痛な声が発せられ、最後は銃撃音で締めくくられた。
意味が分からないといった顔でストームチームの面々は顔を見合わせるが、その答えはすぐにわかった。

( ^Д^)「おい、あれを見ろ……」
('A`)「地平線が動いてやがる……」

隊員の一人が指した、その方向には蠢く黒い線。
否、違う。あれは――。

( ^ω^)「蟻……巨大な蟻の大行進だお!」

蟻だった。
地平線を埋め尽くす影の正体は巨大な蟻。
遠くで逃げ惑う市民たちを襲っている。

本部「本部よりストームチームへ。レンジャー4が巨大生物と交戦中だ、直ちに救援に向かえ。」
( ・∀・)「こちらストーム2。巨大生物とは何か?」
本部「こちら本部。敵の正体は不明。繰り返す。敵の正体は不明」

奥で逃げ惑っていた一般市民の一人を、巨大蟻の強靭な顎に捕えた。
そして、蟻が男性を上へ掲げたかと思うと、その胴を噛み砕いた。
砕け散る男性の体。鮮血が道路を赤く染めた。

その瞬間、一同は覚醒した。
――殺した。命を奪われる様を目の前で見せつけられた。

今まで味わったことのなかった恐怖が襲う。その恐怖に駆り立てられるまま、ライフルを虫目掛けて構えた。

( ・∀・)「レンジャー4の救援に向かう。着いて来い!」
( ^ω^)('A`)(´・ω・`)( ^Д^)(`・ω・´)「Yes Sir!」他

25 名前:EDF隊員 :2013/01/05(土) 22:58:45 ID:nZUGhAlE0
( ^Д^)「昆虫キモォォオス!!」

(`・ω・´)「怯むな! 突撃せよ!」

( ・∀・)「いけいけええええええええ!」

「うおおおおおおお!」

ストーム1、2の隊長を先頭に進んでいく。
一歩進むごとに、確実に死地へと近づいていく。
見渡す限りの蟻、蟻、蟻。
蟻だらけだ。黒い光沢を持った蟻たちがこちらへ迫ってくる。

(`・ω・´)「ふぁ、ファイヤーー!」

( ・∀・)「撃って撃って撃ちまくれ!」

「了解!」

ライフルから放たれた銃弾が巨大黒蟻に突き刺さる。
複数の銃口から放たれた銃弾は蟻に突き刺さり、動かなくした。

('A`)「効いてるっ! 効いてるぞ!」

(´・ω・`)「撃て撃てーっ!」

EDFが使っているのはAF14ライフル、外見こそはM16のままだが、その実、性能はそれを大きく上回る怪物。
走りながらでも精密な射撃を可能にし、弾倉一つにつき120発の弾丸。
既存のライフル銃など物ともしないその性能を、AF14ライフルは遺憾なく発揮した。
鉄板でも容易に打ち抜く威力を受け、蟻たちは次々と動きを止めていく。

26 名前:EDF隊員 :2013/01/05(土) 23:00:50 ID:nZUGhAlE0
( ^Д^)「で、でかい……!」

( ^ω^)「こ、こいつら撃っても撃っても減らないお!」

気付けば弱音の声が次々と隊員たちの口から漏れ出していた。
カチリ、ライフルの引き金を引いたが銃口から弾は飛び出さない。

( ^ω^)「た、弾切れかお!」

1弾倉につき120発の弾丸を撃てるといってもそれをフルバーストで撃ちつづけていたら弾は切れる。
半ばパニックに陥りながらも新しい弾倉を出し、装填。
恐怖に突き動かされるまま、銃口を再び前へ向けた。


――キチキチキチ。


横から不快音。まるで鋏と鋏をかち合せている様な……。
恐る恐る、ゆっくりと顔を横へ向けた。

――キチキチキチ。

(  °ω°)「お、お、お……」

死神が、首をもたげていた。キチキチとその強靭な顎を噛みあわせながら、ゆっくりと死神が近づいてくる。


(  °ω°)「サンダー―――――――――――――――!」

27 名前:EDF隊員 :2013/01/05(土) 23:05:35 ID:nZUGhAlE0
('A`)「俺たちを……人類を舐めるなあああああああ!」

( ^Д^)「地獄で待ってるぜ、戦友」

(`・ω・´)「これよりストームチームの指揮権をお前に預ける……EDFに栄光を……っ!」

28 名前:頭痛がやべえ・・・ :2013/01/05(土) 23:11:33 ID:nZUGhAlE0
(   ω )「皆……すまないお」

友の屍を踏み越えて、EDFは往く。

決して敗北は許されない。友のために、明日のために。

空を、地表を覆う絶望に、彼らは立ち向かう。

敵のマザーシップ、絶望の権下を、一筋の希望が貫く。

29 名前:頭痛がやべえ・・・ :2013/01/05(土) 23:13:23 ID:nZUGhAlE0
( ^ω^)「宇宙に帰れおおおおおおおおおおおおお!」



――( ^ω^)達は地球防衛軍のようです――

2013年、電波を受信したら投下開始。


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