265 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:10:13 ID:iKtle9.c0

 日が傾き夜の帳が降りはじめた秋の夕焼け空。
 とある部屋では四人の学生が机を囲んで勉強会をしていた。

 勉強会とはいっても四人のうち二人は既に宿題を終わらせていた。
 では残りの二人はというと?

从;゚∀从「だーっ! 終わんねぇ」

( ^^ω)「ハイン。うるさいホマ」

 こんなもんできるか! とハインがシャーペンを机に放り投げ、髪をクシャクシャと掻きむしる。
 静かな部屋で叫び声を上げるハインに読書をしていたハローさんは何事かとハインの方を見た。
 ハローさんにとっては見慣れた光景だったのようで、何も言わず直ぐに意識を本へと戻していた。

从;゚∀从「円周、宿題終わったんだろう?」

( ^^ω)「宿題を丸写しさせてくれホマか?」

从;゚∀从「わかってるならさ〜」

( ^^ω)「それはハインの為にはならないホマ」

从;゚∀从「一ページくらいさ〜」

( ^^ω)「一ページでも全部でも変わらないホマ、そもそもハインが勉強会をしたいと言い出したんだホマよ」

266 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:11:46 ID:iKtle9.c0

从 ゚3从「ケチ! 鬼、悪魔」

( ^^ω)σ「はいはい。伊藤さんを見習うホマ、ちゃんと勉強しているホマよ」

ハハ ロ -ロ)ハσ「は瀬川さん、は瀬川さん」

 不平不満を漏らしているハインには取り合わず真面目に勉強している伊藤さんを見習えと僕が伊藤さんを指差すと、本を読んでいたはずのハローさんが僕の肩を チョンチョンと突く。

( ^^ω)「ハローさん、どうしたホマ?」

ハハ ロ -ロ)ハ「伊藤をよく見てください」

( ^^ω)「伊藤さんを?」


                     φ('、`*川



 ハローさんにいわれて僕がもう一度伊藤さんを見ても特に変わったところは見当たらない。

( ^^ω)「別に変わったところはないホマ」

ハハ ロ -ロ)ハ「よく聞いてみてください」

 聞く? 
 言われたとおり耳を澄まして聞いてみると微かに寝息を立てている伊藤さんが居た。



                     φ('、`*川 Zzz



 傍から見るとちゃんと勉強をしているように見える。
 しかしそれはポーズで実際は居眠りをしていた。 微動だにしない伊藤さんを変なところで器用だなと僕が感心していると。

267 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:12:54 ID:iKtle9.c0

从 ∀从「円周〜。誰を見習えって?」

(;^^ω)「わっ、悪かったホマ、僕が教えるから―――」

 いつの間にか僕の背後に回っていたハインは首に腕を回して抱きついてきた。
 恥ずかしさとバツの悪さで僕がやきもきしていると、背中に当たっている柔らかな胸の感触に僕がドキリとする。

从 ^∀从「え? 何だって?」

 しかし、ハインが聞きたかった答えとは違うようで。

(;^^ω)「僕が最後まで勉強に付き合ってあげるから―――ぐぇ!!」

 首に回していた腕を絞め上げる。
 上半身を引き寄せられ、図らずともハインと密着することになった僕は背中に当たっているハインの柔なかな胸の感触を嫌でも感じる。
 普通なら役得かも知れないが、ハインはにアームロックを極められている僕にはそれどころじゃなかった。

(;゚ ゚ω)「絞まってる! ハイン、絞まってるって」

从#^∀从「絞まってる? それはそうだろ首絞めてるんだし」

(;゚ ゚ω)「わっ、分かったから宿題を写させてあげるから―――ぐげぇっ」

 宿題を写しても良いと言質をとった。
 最後、は瀬川がうめき声を上げていた気がするが、気にも止めていないハインは腕の中にいるは瀬川を解放した。
 解放されたは瀬川は自分の体を支えきれないのか、やじろべえのようにフラフラと揺れている。

268 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:14:34 ID:iKtle9.c0

 バランスを崩したは瀬川は机の方へと力なく倒れようとする。
 焦ったハインは机の角に頭をぶつけないよう、は瀬川を咄嗟に自分の方へ抱き寄せる。
 てっきり「殺す気か!」とは瀬川から文句の一つでも飛んでくると思っていたハインは返事一つしないは瀬川を顔を見ると。


                 チー( ω)ーン


从;゚∀从「えっ、円周?!」

ハハ ロ -ロ)ハ「どうやら絞め過ぎたみたいですね」

 成り行きを見守っていたハローは意識を失っているは瀬川に近づき、首に指を添えて脈を調べていた。
 心配そうにそれを見守っているハインは気が気ではなかった。

从;゚∀从「でっ、円周は大丈夫なのか?」

ハハ ロ -ロ)ハ「安心してください。心配しなしなくてもそのうち目を覚ましますよ」

从 ゚∀从「それはどれくらい?」

ハハ ロ -ロ)ハ「さぁ? そこまではわかりません」

269 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:15:59 ID:iKtle9.c0

从 ゚∀从「つまり円周が目を覚ますまでこのまま?」

ハハ ロ -ロ)ハ「このままでしょうね」

 ハインの腕の中で気絶しているは瀬川が起きるまでこの姿勢のまま?

从;゚∀从「えぇっ―――!」

 静かな部屋にハインの叫びが響いた。




     ―――( ^^ω)ハハ ロ -ロ)ハ終わらない勉強会のようです从∀-;从('、`*川




 ハインはどうすればいいんだと頬を染め、羞恥に悶ていた。
 それでもは瀬川が倒れないようにちゃんと支えている。


ハハ ロ -ロ)ハ「(そのまま、後ろに下がっては瀬川さんをそっと床に寝かせればいいのに)」


 優しいのか優しくないのか判別に困る人だ。
 結局高岡さんは、は瀬川さんが目を覚ますまでそのままでいるつもりらしい。
 頬から耳にかけて真っ赤に染まっているが私には関係のないことだ。

270 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:17:48 ID:iKtle9.c0

ハハ ロ -ロ)ハっ「ペニサス起きてください」


                  ゚~φ('、`*川 ZZZ

ハハ ロ -ロ)ハ「……」

 勉強会に来てからずっと居眠りをして、宿題を一ページも進められていないペニサスの肩を揺らす。
 起こしても起きないペニサスの頬を私はムニ〜っと抓ってやった。
 目を覚ます素振りを見せないペニサスの眠りは余程深いのか、頬が赤い痕になるまで強く抓ったのに、それでも起きそうにないペニサスに構うのは時間の無駄だと判断した私は早々に起こすことを諦めた。
 後で泣きを見るのはペニサスなのだから。
 私は読みかけの本のページを開き、活字の海に飛び込んでいった。


* * *

 勉強会がお開きになり、私たちは、は瀬川さんの家を後にする。
 その帰り道、早速後悔しているペニサスは私に「勉強会中にどうして起こさなかったのよ!」とずっと私に文句を言っていた。


ハハ ロ -ロ)ハ「私は起こしましたよペニサス」


 ちゃんとペニサスを起こしたと主張する私に、後ろめたさを感じるのかペニサスは強気に出れない。
 それともあわよくば宿題を丸写しさせてもらおうとでも考えているのか。
 おそらく後者だろうなと頭の中で考える。
 私の毅然とした対応に協力を得られないと感じたのか、ペニサスの眼には涙が浮かび潤んだ眼で私を忌々しそうに睨みつけてくる。

272 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:19:41 ID:iKtle9.c0

(;、;*川「鬼! 悪魔、鉄面皮」

ハハ ロ -ロ)ハ「―――This is the waste of time」

(;、;*川「あっ、また英語で悪口言った」

 聞くに耐えない文句に私が英語で何かを喋ったのを聞いたペニサスが不満そうに口を尖らせる。
 翌日にはそのことでまた私に怒ってくるのだから質が悪い。
 その執念深さを何故勉強に活かせないかと切に思う。

ハハ ロ -ロ)ハ「……でも言っている事が分かるってことはリスニング能力が高いってことよね」

(;、;*川「明日は盛岡だよ。宿題を出さなかったら絶対盛岡にグチグチ言われる」

 私がそう考えている横で、「どうしよう、どうしよう」と頭を抱えているペニサスが私の方に顔を向ける。
 私と目があったペニサスは雨の中で震える捨てられた子猫のように潤んだ眼で私を見つめる。

ハハ ロ -ロ)ハ「……見せませんよ」

(;、;*川「鬼! 悪魔! 鉄面皮! 閻魔大王!」

 私は危うくそれにやられそうになる。
 宿題を見せてあげたいと思いを飲み込んだ私はペニサスの申し出を拒否する。
 その代償に私の悪口のレパートリーが一つ増えた。

274 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:21:28 ID:iKtle9.c0

 ペニサスが言った閻魔大王とはいい得て妙だと思う。
 親友の訴えを一刀両断に切り捨てる私は正しく。


ハハ ロ -ロ)ハ「正しく私は鬼で悪魔で鉄面皮な閻魔大王ですね」


 私の横でぐずっているペニサスに聞こえない小さな声でそう呟いた。
 意地の悪い私はさぞ悪い顔をしているに違いない。


ハハ ロ -ロ)ハ「………しかし」


 スマホの画面を開いて写っているものを見た私はどうして撮ってしまったんどろうと首を傾げる。

 画像には、姉が寝ている弟を抱きしめて一緒にいる姿は仲睦まじい兄妹にしか見えない。
 見ていて微笑ましい仲の良い兄妹のような二人を私はカメラに収めたかったのだと思う。
 私はその画像を消去して、これからペニサスの宿題を手伝わされることになると思うと憂鬱でしかたなかった。

275 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:23:12 ID:iKtle9.c0

* * *

 ハローたちが帰ってからもは瀬川は目を覚ますことなく眠っていた。
 流石のハインも常時膝立ちという訳には行かず、姿勢を崩したハインはぬいぐるみを抱くように腕の中にいるは瀬川をギュッと抱いていた。


从 -∀从「……ん? 何だ寝てたのか」


 目を覚ましたハインは、ハローたちが帰った後もずっとそのままでいた。
 睡魔に負けて何時の間にか寝てしまったらしい。
 抱き枕がないと眠れないハインは、微睡む意識の中でそういえば今日の抱き枕は暖かいなと、ハインはぼんやりする意識の中でそんなことを考えていた。

 幼い頃から知っている温もりだと。

  眠たい目をパチパチ、と瞬かせ目を開けると何故か腕の中には瀬川が居た。


从;゚∀从「なっ、なっ、ななな……」

276 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:24:45 ID:iKtle9.c0

 寝ぼけていた頭が一気に覚めた。
 おもちゃ箱をひっくり返したように、散らかっている思考が纏まるのよりも先にハインにとっては予想外が続く。
 腕の中に抱かれているは瀬川が寝返りをうったのだ。
 
 擽ったさから変な声が出る。恥ずかしさもあったハインは手で口を抑える。

从;゚⊂从「ムムッ、厶」

(  - -ω)「……」

 落とさないように気をつけながらも変わらずハインの腕の中で気絶しているは瀬川は起きそうにもない。

从 ゚∀从「……」

(  - -ω)「……お母さん」

 どうやら夢を見ているようだ。
 お母さん子だったは瀬川の数少ないお母さんのとの思い出を。
 腕の中で震えているは瀬川をハインは包み込むように優しく抱きしめる。


从 ∀从「……」


 お転婆だった幼い頃のハインも、は瀬川の母親の前ではお転婆っぷりも影を潜め借りてきた猫のように大人しかった。
 不思議な魅力を持った黒髪が綺麗な美人だったことは覚えている。
 お母さんにベッタリの甘えん坊だったは瀬川が幼い頃のハインは嫌いだった。

277 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:26:01 ID:iKtle9.c0

从 -∀从「今なら分かる気がするよ。おばさんに嫉妬してたんだろうな」

从 ゚∀从「まったく、人の気も知らないで気持ち良さそうに寝やがって。美少女に抱かれて眠るなんていい身分だな円周?」

从 ゚∀从「お前なんかこうしてやる」
σ'')- -ω)

 目を覚まさないは瀬川には聞こえないこと良いことに、は瀬川の頬をつんつんと突いた。


ウリウリ 从 ゚∀从「男のくせして私よりスベスベだと! なんかこの感触は癖になるな」
   σ'')- -ω)


 は瀬川の肌の感触に嫉妬し始めた。
 ハインの部屋にあるぬいぐるみの荒巻と同等の感触にハインは嫉妬よりも一種の癒やしを感じていた。
 今度はもっと感触を楽しもうと、人差し指を動かそうとした瞬間。

从*゚∀从「もう一回……」
σ)- ^ω)「あれっ、いま確か……」

 守られるようにハインの腕の中で赤子のようにスヤスヤと寝ていたは瀬川が目を覚ました。

278 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:27:23 ID:iKtle9.c0

* * *

 夢を見ていた。
 小高い丘から見える景色は広大な草原で、頬をなでる風は心地良い。
 僕は周囲を見渡すと向こうから人が歩いてくるのが見えた。
 遠目で見て、その人は腕の中に子供を抱いていた。その子の親だと思われる人は肩まで届くほどの黒髪、顔を見ようとしても日の光が逆光になって顔は分からない が、その姿には見覚えがあった。


( ω)「……お母さん?」


 無意識に口からこぼれ出た言葉を僕は否定する。
 生きているはずがない、もうこの世にはいないのだから。
 お母さんに会えたとしても僕が見た幻でしかないんだ。

 草原の丘の上に立っている僕を見たお母さんが会釈をして通りすぎていく。
 あの子供は幼い頃の僕だろう。お母さんの顔はもう思い出せないけど、温もりと心地良い子守唄のようなリズムの心音は今でも覚えている。
  遠ざかるお母さんの後ろ姿を僕は見つめ、何とも言えない気持ちのまま見送るしかなかった。

 心の奥底で押さえ込んでいたものが溢れ、悲しみや寂しさが濁流となって僕を飲み込んでいく。
 体の内側から冷えていくのを感じる。このままだと僕は凍りついてしまうんじゃないかと漠然とした不安を感じた。
 震える体を無意識のうちに自分の体を抱きしめていた僕は、震える僕を包み込むような暖かさを―――お母さんに抱かれているような温もりと鼓動を感じた。

 上に引っ張られるような浮遊感を感じ下を見ると足が地面から離れ僕が宙を浮いていた。
 止まることなく上昇を続ける僕の目には遠くなっていくお母さんの姿を見える。

279 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:28:45 ID:iKtle9.c0

(; ω)「お母さん。お母さん!」


 叫ぶように呼び続ける僕はなんとか降りようと体をジタバタと動かす そんな滑稽な姿を嘲笑うように上昇していく。
 視界が白一色に染まるその瞬間。


              ―――“大きくなったわね円周”


( ω)「えっ?」

 確かにそう聞こえた。
 僕の成長を喜んでいるお母さんの声が聞こえた気がした。
 そして僕は意識は白に飲み込まれた。


* * *

「今のは……」

「起きたか円周?」

 僕の後ろから聞こえるハインの声が聞こえる。
 何で後ろからと思いながら体を動かそうとしても動けない。
 周囲を見渡した僕は、そこで僕は初めてハインの腕の中に抱かれていることに気づいた。

280 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:31:00 ID:iKtle9.c0

「えっ、あっ、なんで……」

「落ち着け」

 うろたえてえいる僕をハインがギュッと抱きしめる。
 ハインの突然の行動に驚いた僕の顔が熱を帯び始め、心臓は早鐘をうったかのようにドキドキして胸が苦しい。
 恥ずかしくてハインの方を見れない。

「はっ、ハイン?」

「どうした円周?」

「もしかしてハインはずっとこうしてたホマ?」

「……しっ、仕方ないだろう! 故意ではないにしろお前を絞め落としたことにはかわりはないし」

 ハインが早口で捲し立てるように喋る。
 お互いに罪悪感からくる気まずさに口を閉ざしていると。

「なぁ、円周。どんな夢を見てたんだ?」

「……」

 ハインが徐に口を開いて聞いてきたのはさっきまで僕が見た夢のことだ。
 幼い頃の僕と在りし日のお母さんが居た夢のことを。

「……お母さんを見たホマ」

「……」

 ポツリ、ポツリと僕は夢のことを話していく、ハインは僕の言葉を黙って聞いている。

281 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:33:03 ID:iKtle9.c0

「……そこで聞いたんだ。“大きくなったわね円周”ってお母さんが言ったんだ」

 気のせいかもしれないしれないけどね。 と僕がそう言うと、ハインが小さな声で「そうか」と呟いた。

「お母さん子だったよなお前」

 くっくっ、と笑いを噛み殺すハインにその通りだと相槌を打つ。

「そうホマね。いつもお母さんの後ろをついて回っていたホマ」

「俺がよく円周を泣かせてたっけ」

「あの時のハインは凄かったホマね。女の子なのに服はいつも汚すし、虫は平気だし、ハインくらいホマよ虫を持って僕を追い掛け回したの」

「それで円周がおばさんに泣きついて」

「そしてハインがお母さんに怒られた」

 記憶を振り返るように、幼い頃のお転婆なハインと泣き虫の僕がいた在りし日のことを思い出していた。


* * *

( ^^ω)「ところでハイン?」

从 ゚∀从「ん? どうした円周?」

( ^^ω)「……いつまでこのままでいるホマ?」

从 ゚∀从「このまま?」

282 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:34:43 ID:iKtle9.c0

 僕の指摘にどうかしたのか? と首を傾げるハインは腕の中に収まっている僕を見て今の状態を思い出す。

从#//∀从「いっ、いつまで座ってるんだお前は!」

( ω)「いでっ!」

 状況を理解したハインが僕を突き飛ばした。
 机の側面に鼻をぶつけた僕は痛む鼻を抑えながら、僕を突き飛ばしたハインに食って掛かる。

(#^^⊂)「なにするホマ?!」

从#゚∀从「わかってたんならさっさと言えよ! この変態!」

(#^^⊂)「いっ、言い出しづらかったんだホマ!」

 やんややんや言い合っていた僕たちは肩で息をしながら睨み合っていた。
 睨み合う僕たちを漫画的表現をするなら目から火花が散らせていたかもしれない。
 さっきまで密着していたことを思い出した僕は顔が熱くなるのを止められず、見るのが恥ずかしくなった僕はハインから目をそらす。
 僕が何も言ってこないハインの方を見たら、僕同様に顔をそらしていたが、頬をから耳にかけて紅くなっていた。

从 ∀从「悪かったよ……」

 そっぽを向きながらハインがぶっきらぼうに謝ってきた。

283 名前:名も無きAAのようです :2014/08/03(日) 14:35:54 ID:iKtle9.c0

( ^^ω)「ハインは悪くないホマ」

从 ∀从「でも……」

( ^^ω)「勉強嫌いのハインが自分から勉強をしたいと言ったときは素直に僕は嬉しかったホマ」

 直ぐに集中力が切れてしまったみたいだけど、と僕がハインにチクリと嫌味を言ってやると悪かったな、とハインがバツが悪そうに返してきた。
 日は完全に暮れていて夜の帳が降りていた。 僕は席に戻ってハイン呼ぶ。

( ^^ω)「宿題が終わるまで今日は返さないホマ」

从;゚∀从「俺は丸写しさせてくれればいいんだけど……」

( ^^ω)「それでは身につかないホマ。わからないところは全部僕に聞くホマ」

从;-∀从「へぇ〜、へぇ〜、分かりましたよ」

 こうして始まったは瀬川とハインの勉強会は深夜にまで及んだ。
 時々、部屋からはハインとは瀬川の口喧嘩が部屋に飛び交い、ハインのあまりの理解の出来なさには瀬川が僕の教え方が悪いのかと本気で凹み、ハインがそれを慰 めたりしていた。
 結局宿題が終わったのは東の空から日が上り始めた時だった。 


                            【―終わり―】


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