- 658 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:16:02 ID:/lkawLT20
- ( ・∀・)「しかし、本当に驚きだよね、人生って何が起こるかわからない。元学年首席だった君がこんな底辺校で働いて、いつも万年二位だった僕がシベリアの教師だなんて、笑えちゃうよね」
(-_-)「…そうだね、こんなに幸せな毎日が送れるだなんて、高校生の頃は思いもしなかったから笑えちゃうよ」
( ・∀・)「……強がり言ってんじゃねぇぞ、ヒキコモリ王子が」
(-_-)「強がりなんかじゃないよ、僕は聖vipのみんなが好きだから」
( ・∀・)「こんな底辺校の生徒たちが好き?将来的に何も期待できないような奴らを?」
(-_-)「僕は、みんなのこと期待してるよ」
( ・∀・)「お前が生徒に対して期待なんて、それこそ信じられない。嘘だろ?」
川д川「嘘じゃありません、ヒッキー先生は私たち生徒に対して、たくさん期待をかけてくれます」
( ・∀・)「…ふーん、お前が期待ねぇ」
(-_-)「…」
( ・∀・)「あぁ、小森。お前って本当に可哀想な奴」
.
- 659 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:16:46 ID:/lkawLT20
从# ゚∀从「か、可哀想って何がですか!」
( ・∀・)「なぁ、狂本。愛を与えられずに育った人間が、人を愛することができるだろうか」
从; ゚∀从「は?」
( ・∀・)「ちなみに、僕はできないと思う」
从; ゚∀从「そんな話、今関係ないでしょう」
( ・∀・)「大アリさ。つまりね、誰にも期待されずに育った人間が、人に期待することなんて出来ないんだよ」
(;-_-)「…!」
( ・∀・)「だから、誰にも期待されなかったお前が教師だなんて、到底無理なんだよ、小森」
- 660 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:17:37 ID:/lkawLT20
川д川「そんなことありません!」
( ・∀・)「…ふーん、随分感情を露骨に現わせるようになったんだな、土井」
川д川「…聖vipのみんなと、ヒッキー先生のおかげですよ」
( ・∀・)「あっそ。ところで小森、お前なんで教師になろうと思ったの?」
(-_-)「それは…」
( ・∀・)「もしかして、自分が学生時代に誰にも期待されなかったから?だから、底辺校の期待されない生徒たちに自分が期待をかけてやってるのか?」
(;-_-)「そんなんじゃないよ!」
( ・∀・)「どうかなぁ、君のかけてる期待って、本当はただの自己満足じゃないの?自分がしてもらいたかったことをしてるだけでさ」
川#д川「もうやめてください!!」
.
- 661 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:19:22 ID:/lkawLT20
- ( ・∀・)「…さっきから、小森をやたら庇うね、土井」
川д川「ヒッキー先生は不登校だった私にですら、期待をかけてくれましたから」
( ・∀・)「じゃあ小森はお前にとって恩人だとでも?」
川д川「そうですね、恩師といっても過言ではありません」
(-_-)「貞子さん…」
( ・∀・)「土井、なんてお前は可哀想な奴なんだろう」
川д川「何が可哀想なんですか」
( ・∀・)「小森はお前の恩人なんかじゃないよ、むしろその逆」
川д川「は?」
( ・∀・)「小森さえいなければ、お前は俺にちょっかいをかけられることもなく、楽しい学校生活を送っていただろうよ」
川д川「…どういうことですか?」
- 662 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:20:44 ID:/lkawLT20
( ・∀・)「俺、頭がいい奴が嫌いっていったよな。お前みたいに人を不愉快にするほど頭いい奴のことが嫌いだと」
川д川「そうですね」
( ・∀・)「お前さ、学生時代の小森にそっくりだったんだよ」
川;д川「……まさか、私に辛く当たっていた理由って」
( ・∀・)「お前の頭の良さが小森に似てたから、お前の人生をめちゃくちゃにした」
(;-_-)「…!」
( ・∀・)「だから、小森はお前の恩人なんかじゃなくて、お前が嫌われて不登校になる原因そのものだったんだよ」
- 663 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:21:24 ID:/lkawLT20
从; ゚∀从「信じられない、モララー先生、あなたって人は…!」
(-_-)「…モララー君、君はどうしてそんなに僕のことが嫌いなの?」
( ・∀・)「不愉快だからさ、お前の存在が」
(;-_-)「そんな…だって、僕たち」
(;-_-)「友達だったのに…!」
( ・∀・)
- 664 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:22:18 ID:/lkawLT20
( ・∀・)「…小森、本当にお前って不愉快だよ、僕を不愉快にさせる天才だな」
(;-_-)「え?」
( ・∀・)「お前、僕にあんなことされた癖に、まだ僕のことを友達だったなんていうのか」
(-_-)「……うん」
( ・∀・)「お前の人生を無茶苦茶にして、夢も台無しにして、お前が好きだったものを出来ないようにしてやったのに?」
(-_-)「それでも、僕にとって、モララー君は…」
( #・∀・)「それ以上喋るな!!」
(;-_-)「…モララー君」
( #・∀・)「そこまで言うなら、聞かせてやるよ!俺がどれだけお前のこと嫌いだったかを、お前と一緒にいた時、どんな想いでいたのかをよぉ!!」
- 665 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:23:25 ID:/lkawLT20
- 『モララー君ってイケメンだし、運動もできるし憧れちゃうよね』
『後は勉強さえ一位取れれば完璧よね。もちろん、今でも充分いいんだけど』
『そりゃ無理よ、だって一位はあの小森君よ?勝てるわけないわよ』
『彼、断トツで学年トップだものね』
『学年二位でも充分すごいわよ、モララー君は』
( ・∀・)『おやおや、なんだい、僕の噂?』
『も、モララー君!なんでもないわよ』
( ・∀・)『そう?僕の名前が聞こえた気がしたんだけど』
『気のせいよ!じゃあ、私たち帰るから、あはは…』
( ・∀・)『気をつけてねー』
( ・∀・)『小森ヒッキーねぇ』
( ・∀・)『……勝てるわけねぇだろ、あんな化け物』
.
- 666 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:24:08 ID:/lkawLT20
中学3年間クラスメイトである小森ヒッキーは、天才だった。
( ・∀・)『これはこういうことだよ』
『うーん、わからん…』
( ;・∀・)『えー?まじかよ、結構わかりやすく教えたと思うんだけど』
『俺頭悪いからなぁ…ちょっと小森に聞いてみるか。おーい、小森!』
(-_-)『なに?』
『この問題なんだけど、教えてくれないか?』
(-_-)『…あぁ、これはね、この式をこうやって応用すると簡単に解けるよ』
『お、おぉー!なるほど!!すっげぇわかりすいな、サンキュー』
(*-_-)『どういたしまして』
( ・∀・)『…』
小森は単に勉強ができるだけではなく、人に教えるのも得意だった。頭が良すぎる奴は、人に教えるのは上手くないという仮説は小森には適用しなかった。
それくらい、小森は勉学に関しては優秀だった。
- 667 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:25:29 ID:/lkawLT20
- ( #・∀・)『どうしても小森にテストで勝てない…』
『でもさ、勉学以外は全部勝ってるじゃん。小森の奴、運動能力とか皆無に等しいし。それに、あんまりに頭が良すぎるから、皆に避けられて友達いないしさ』
( ・∀・)『友達の話はどうでもいいとして、運動で勝ってもなぁ。運動だと、スポーツ特待生の奴らの方が僕より上手いし』
『そりゃそうだろ』
( ・∀・)『なんか僕が一番になれるもので、完膚なきまでにアイツを負かしてやりたい』
『あるじゃん、お前が誰にも負けないこと。お前相手じゃ、きっと小森なんてお話にならないだろ』
( ・∀・)『え、何?そんなのあった?』
『ほら、あれだよ、あれ!』
( ;・∀・)『…あー、なるほど、あれね。でも、あれで勝ったとしてもどうなの?』
『そうなんだけどさ。なんでもいいから小森に勝ってみたら、意外と優越感感じられるかもよ?』
( ・∀・)『……それもそうだな、よし、早速明日の放課後にやってみるか』
- 668 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:26:11 ID:/lkawLT20
( ・∀・)『小森、放課後空いてるか?』
(;-_-)『え、あ、うん。空いてるけど…』
( ・∀・)『僕と勝負しようよ』
(;-_-)『しょ、勝負!?僕、喧嘩とかは勘弁というか…』
( ・∀・)『ばっか、違うよ。もっと平和的なものさ』
(-_-)『平和的なものって…?』
( *・∀・)『ゲームで勝負だ!』
(-_-)『…ゲ、ゲーム?』
.
- 669 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:26:59 ID:/lkawLT20
僕が誰にも負けないこと、それはゲームだった。僕はどんなジャンルのゲームでも、負けたことがなかった。
( ・∀・)『シューティングゲームでも、パズルゲームでも格闘ゲームでもなんでもいいよ』
『小森は何のソフト持ってんだ?』
(;-_-)『あの、その…』
( ・∀・)『なんだよ、僕なんかの相手はできないっていうのか?』
(;-_-)『そうじゃなくて、僕、ゲーム機持ってないんだ、一つも。やったこともないし…』
( ;・∀・)『は?!ゲーム持ってないとかマジ?』
(;-_-)『うん。読書と勉強と料理以外興味なくて…』
( ・∀・)『人生損してるよ、お前…』
『んじゃ、俺のゲーム機貸してやるから、モララーと戦ってみ』
(;-_-)『いいの?』
( ・∀・)『とりあえず、操作が簡単なパズルゲームで対戦しよう』
(;*-_-)『う、うん。ありがとう』
( ・∀・)『初心者でも、僕手加減しないからそこんとこよろしく』
(*-_-)『うん!』
- 670 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:27:46 ID:/lkawLT20
結果はもちろん、僕の圧倒的勝利で終わった。初心者相手に大人気ないといわれたってよかった。僕は小森に勝てればどうでもよかった、小森が僕に負けてくれればなんだって。
小森が自分のゲーム機を買ってからは、放課後は毎日、教室で色んなゲームをやった。一緒に連んでいた友達が塾でいない日でも、小森と二人で見回りの先生に注意されるまでゲームをやり、小森を負かしてやった。
小森が負けて悔しそうな顔をするのを見るのが、とても幸せだった。ゲームをしている間だけ、優越感に浸れた。
でも、それは最初だけだった。小森ヒッキーは、僕が思っている以上に天才だったのだ。
(-_-)『…よしっ!』
(-_-)□<ばいよえーん!
( ;・∀・)『なっ…!』
( ;・∀・)□<…ばたんきゅー
(*-_-)『やった!!初めてモララー君に勝てた!』
( ;・∀・)『ま、負けた…嘘だろ?も、もう一回!!』
(-_-)『うん!』
何回も何回も何回も勝負したが、僕はそれ以降勝てなかった。他のゲームも、次第にヒッキーが勝つようになると、僕はまったく歯が立たなくなってしまった。
僕は、ゲームですら、小森ヒッキーに勝てなかった。
.
- 673 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:29:38 ID:/lkawLT20
高校に進学すると、今まで部活に入っていなかった小森が部活に入ると言い出した。
(-_-)『僕、コンピュータ部に入部しようと思うんだ。自作のゲームを作りたくてさ』
( ・∀・)『ふーん。いいんじゃないの?』
どーでもいい、小森がどこに入部しようが僕には関係ない。
(*-_-)『モララー君も、コンピュータ部入らない?』
( ;・∀・)『え、なんで僕まで…。僕は別にゲームやるのは好きだけど、作りたいとかは思ってないし』
(*-_-)『入部してみたらゲーム作りたいと思うかもしれないよ?それに、僕が作ったゲーム、モララー君に一番にプレイして貰いたいんだ』
( ・∀・)『…なんで?』
(-_-)『ゲームをやったことなかった僕を、モララー君が誘ってくれたから…僕、本当に嬉しかったんだ。毎日一緒にゲームしてくれたのも嬉しかったし、だから僕が作ったゲームは一番にプレイして貰いたいんだ』
( ・∀・)『…あっそ、わかったよ。僕も入部するよ』
(*-_-)『ありがとう!モララー君!』
- 674 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:30:54 ID:/lkawLT20
ゲームに誘ったのは、お前を完膚なきまでに負かしたかったから。
ゲームを毎日一緒にやったのも、お前が悔しそうにする顔を見たかったから。
勝てなくなっても、一緒にゲームしてるのは、悔しいから。僕の一番大好きなものまで、負け続けて逃げるのが嫌なだけ。
今だって、同じ部活に入るのは、小森より面白いゲームを作ってやろうと思ってるからだ。
(*-_-)『嬉しいな、同じ部活に入れるなんて。…僕ね、ゲームの楽しさを教えてくれたモララー君には本当に感謝してるんだ。あの時、誘ってくれてありがとうね』
( ・∀・)『…どういたしまして』
あぁ、あの時、ゲームをやろうだなんて誘わなきゃよかった。
本当、お前は僕を不愉快にする天才だよ、小森。
- 675 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:31:45 ID:/lkawLT20
高校一年生では、大きなトラブルもなく、僕らは高校二年生になった。変わったことといえば、それまで功績がなかったコンピュータ部が、規模の小さいロボットプログラミング大会や、ちょっとした自主制作ゲームの大会で、賞を取ったということだけだ。
もちろん、賞を取れた理由は単純だった。うちの部活に小森がいたから。
小森は、プログラミングに関しても類い稀なる才能を発揮した。
(-_-)『この前の大会、賞とれて本当に良かったよね。みんなで夜遅くまで作った甲斐あったね』
( ・∀・)『グループ発表だったけど、ほとんどお前が作ったもんだろ。他の奴はお前の打ち込んだデータ吹っ飛ばしたり、足引っ張ってただけじゃん』
(-_-)『そんなことないよ、僕だけじゃあんな面白いゲーム、きっと作れなかったもの』
( ・∀・)『あっそ、本当お前っていい奴だよなぁ』
(;*-_-)『そうかな?そんなことないと思うけど、ありがとう』
- 676 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:33:07 ID:/lkawLT20
だから、嫌いだ。
大嫌いだ。なんでそんな風に笑えるんだよ、なんでそんな屈託もなく笑えるんだ。
少しくらい、傲慢に驕り高ぶって、「自分のおかげで入賞できた」くらい言えよ。
そうすれば、少しは僕のこの気持ちだっておさまるのに。データを吹っ飛ばした奴とかに対して、文句くらい言えよ。あいつがデータ吹っ飛ばしさえしなければ、もっと出来の良い作品にできたはずだろ。
なんでそんな「いい奴」なんだよ、何なんだよ、お前は。
あぁ、不愉快だ。
- 677 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:34:02 ID:/lkawLT20
(-_-)『ところでさ、モララー君は進路どうするの?』
( ・∀・)『僕はこのまま内部進学するつもりだよ』
(-_-)『そっか、そうだよね』
( ・∀・)『え?何、まさか受験するつもりなの?』
(-_-)『実はそのつもりなんだよね』
海外の大学にでも行くつもりなのだろうか。こいつならどこの名門大学だって行けるだろう。
( ・∀・)『どこ受験すんの?』
(-_-)『具体的にはまだ決めてないんだけど、ゲームのプログラミングとかが学べる大学に行こうかなぁって』
( ;・∀・)『…え?』
(-_-)『専門学校でも良いんだけどね』
( ;・∀・)『本気で言ってんの?』
(-_-)『うん。…でも、二者面談で言ったら、ショボン先生に反対されちゃった』
( ・∀・)『そりゃそうだろ。シベリア開校以来の学年首席がそんなこと言ったら、ショボン先生だって怒るよ』
(-_-)『ショボン先生にも、そう言って怒られたよ。「シベリアの学年首席の癖に、そんな勝手なことされたら担任である俺の面子が丸潰れだ」ってね』
( ・∀・)『あの人らしい解答だな』
- 678 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:35:14 ID:/lkawLT20
中学校から持ち上がりで担任のショボン先生は、悪い意味で生徒の間で有名な先生だった。体育の先生だったからか、スポーツ特待生には優しく、勉強だけが出来る生徒に対しては冷たいことで有名だった。
僕は勉強も運動もできたので、目を付けられていなかったが、小森は運動音痴で、勉強だけができる生徒だったから、ショボン先生には中学生の頃から目を付けられていた。
(-_-)『将来、ゲーム会社に勤めたいっていったら「勉強しか能がないお前には無理だ」って言われちゃった』
( ・∀・)『あーあ、どうすんの?』
諦めるしかないだろうけど。
(-_-)『ショボン先生に、僕のゲームを認めて貰おうと思ってるんだ』
( ;・∀・)『いやいやいや、認めるわけないだろ。相手はあの脳筋のショボン先生だぞ?』
いかに小森がゲーム作りの才能があったとしても、あいつにその凄さがわかるはずがない。
(-_-)『大きな大会で優勝すれば、ショボン先生も認めてくれるかもしれないと思ってさ』
( ;・∀・)『大きな大会って、まさか…』
- 679 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:36:15 ID:/lkawLT20
(-_-)『僕、ゲーム王決定戦に出場する、そして優勝してみせるよ』
( ;・∀・)『無理だ、そんなの。いくらお前が才能があるからって、まだ1年ちょっとしか才能がないのに、そんな全国区の大会で優勝なんて…』
そうだ、今までの大会とは訳が違う。いくら小森だって無理だ。負けるに決まってる
そう、負けるに……
( ・∀・)『…でも、まぁ、いいんじゃない?ゲーム王決定戦出場してみなよ、可能性はゼロじゃないしな』
(-_-)『…ありがとう、モララー君!僕、絶対に優勝して、ショボン先生に認めてもらうよ!』
( ・∀・)『おう、楽しみにしてるよ』
本当、楽しみにしてるよ。
お前がボロボロに負けて、ショボン先生にも認めてもらえず、自分の才能の限界を知って、絶望に打ちひしがれる姿をな。
- 681 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:37:01 ID:/lkawLT20
それから小森は毎日ゲーム制作に奔走していた。授業中も隠れてプログラミングの本を読んでいた。本当、バカな奴。そんなことしたって、無駄なのに。
『小森の奴、ゲーム王決定戦で優勝するために最近ゲーム作ってんだろ?優勝なんてできるのかねぇ』
( ・∀・)『ははっ、無理に決まってるだろ』
まだ1年ちょっとしか経験がない奴が、そんな簡単に優勝できるような作品が作れるわけない、例えそれが小森だったとしても。結局あいつは大した作品を作れずに、すぐに敗退して終わるはずだ。
そのはずだった、のに。
.
- 682 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:37:50 ID:/lkawLT20
(*-_-)『モララー君、ついに出来たよ!』
( ・∀・)『何が?』
(*-_-)『ゲーム王決定戦に出す作品さ!』
( ・∀・)『おー!お疲れ様、良かったね』
(-_-)『今から部室に来てよ!モララー君に最初に見てもらいたいんだ』
( ・∀・)『わかった』
小森はシューティングゲームが好きだから、そういうゲームかもしれない。もしかしたら、一番最初にやったパズルゲームのような作品かもしれない。
( ・∀・)(まぁ、どんなゲームだっていいけど)
- 683 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:38:36 ID:/lkawLT20
(-_-)『モララー君、部室のドア、開けてくれる?』
( ・∀・)『いいけど、なんで?』
(-_-)『いいからいいから!』
( ・∀・)『はいはい、わかったよ』
ガラッ
( ・∀・)『これで満足……』
(//‰ ゚)
( ・∀・)『……』
- 684 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:39:30 ID:/lkawLT20
- (*-_-)『驚いた!?』
( ・∀・)『驚いたけど、何アレ。何でロボット?』
(-_-)『ふふふ、彼こそが僕の作ったゲームに欠かせないロボットなんだよ!早速、スイッチおーん!』
(//‰ ゚) 【ドウモ。家庭科担当ロボット 横堀デス】
(*-_-)『どう!?』
( ;・∀・)『いや、どうって言われても。ツッコミどころ多すぎるんだけど、ゲーム王決定戦に出すんだよね?なんでロボット?』
(-_-)『まぁまぁ。まずはこのノートPCでゲームやってくれる?』
( ・∀・)『これがゲーム王決定戦にだすゲームね』
(-_-)『うん。ミニゲームがたくさん入ってるんだ』
( ・∀・)『ミニゲーム?あ、本当だ。どれやればいいの?』
(-_-)『そうだなぁ、じゃあ、まずは時間内に料理をつくるゲームやってくれる?』
( ・∀・)『オッケー』
- 685 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:40:15 ID:/lkawLT20
メニューの中から、一番簡単そうなオムライスを選び、作っていく。本当に単純な操作だし、単純なゲームだった。
やっぱいくら小森でも、自分一人でゲームを作るのにはまだ経験が…
( ・∀・)『…何、この匂い』
(-_-)『オムライス完成したね、モララーくん』
( ・∀・)『まぁ、簡単な操作だったし。ところで、この匂いは…』
(-_-)『後ろを見てみてよ』
(・∀・ )『後ろ?』
(・∀・ ; )『…え?』
(//‰ ゚) 『オムライス 完成。ゲームスコア 100点デスネ。スバラシイ』
後ろを振り向くと、出来立ての美味しそうなオムライスをロボットが持っていた。そのオムライスはまるで、さっき自分がゲーム内で作ったオムライスのようであった。
.
- 686 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:41:45 ID:/lkawLT20
( ;・∀・)『ど、どういうこと!?』
(*-_-)『ふふふ、これこそが僕の作ったゲーム、【家庭科担当横堀】だよ!』
( ;・∀・)『意味わからない。どうなってんだよ、小森』
(-_-)『実は横堀は遠隔操作、つまり、リモートコントロールで動くロボットなんだよ』
( ;・∀・)『でも別に僕はロボットを操作なんかしてないぞ』
(-_-)『ミニゲームでオムライス作ったでしょ?』
( ・∀・)『…まさか、このゲームをやるとロボットがそのゲーム通りのことをするってことか?』
(*-_-)『その通り!他にも皿洗いゲームとか、お掃除ゲームをやると、そのスコアに応じて横堀が現実で行ってくれるんだよ!』
( ;・∀・)『遠隔操作で?』
(*-_-)『うん。今は簡単な家事みたいな遠隔操作しかできないけど、ゆくゆくはゲームとしてだけじゃなくて、社会のためにも役立つものになると思うんだ』
(*-_-)『これならきっと、ショボン先生も認めてくれるよね、モララーくん!』
( ・∀・)
- 687 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:42:51 ID:/lkawLT20
本当に、紛う事なき天才なんだ、こいつは。
これこそ、天才だ。信じられない、嘘だろ?なんだよ、これ。こんなのゲーム作り始めたばっかりのやつが出来ることなの?ロボット作りだって、最初は僕の方が得意だったのに。
なんだよ、こいつ、なんなんだよ、止めてくれよ。
意味がわからない、理解できない。
本当に同じ人間なの?同じ学校に通って、同じ授業を受けてる人間だなんて、嘘だと言ってくれよ。本当は特殊な勉強とか訓練とかしてるんだろ?なぁ、そうなんだろ?
そうじゃないと、僕、僕は
お前に一生追いつけない、ただの凡人ってことを認めなきゃいけないじゃないか。
- 688 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:43:58 ID:/lkawLT20
(-_-)『…モララーくん?どうかしたの?』
( ・∀・)『…いや、小森は本当にすごいなと思って。これならゲーム王決定戦で絶対優勝できるよ。ショボン先生だって認めてくれるさ』
(*-_-)『…ありがとう、モララーくん。モララーくんのおかげで、僕、やりたいことを見つけられて、本当に嬉しいよ』
やめろ。
お前はどんだけ僕を惨めにすれば気がすむんだ。もしかして、本当は気付いてるのか?僕がお前の事大嫌いで、腹の中はお前に対するルサンチマンで溢れていること、知ってるのか?知っていてやってるのか?
(-_-)、『…でも、もし行きたい大学行けたとしても、モララーくんと離れ離れになっちゃうのは寂しいなぁ』
もう、限界だ。
( ・∀・)『…ねぇ、そのリモートコントロールのプログラム、どうやって組んだの?教えてくれないかな』
(*-_-)『もちろんいいよ!これはね……』
こんなつまらないゲームは、もう終わりにしよう。
ね、小森。
- 689 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:44:39 ID:/lkawLT20
( ・∀・)『ついに明日だね、ゲーム王決定戦』
(-_-)『うん、優勝できるといいんだけどね』
ガラッ!
(#´・ω・`)『ここにいたのか、小森!!!』
(;-_-)『しょ、ショボン先生?』
(#´・ω・`)『とんでもないことをしてくれたな!!』
(;-_-)『と、とんでもないこと?』
- 690 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:45:31 ID:/lkawLT20
(#´・ω・`)『お前、学校中のPCをハッキングしただろう!』
(;-_-)『…へ?』
- 691 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:46:28 ID:/lkawLT20
(#´・ω・`)『うちの学校のPCから変なメールが大量に送られたり、大切なデータが削除されたりしていた。こんなこと、お前しかできないだろ、小森!』
(;-_-)『そんな、僕がそんなことをする訳ないじゃないですか!』
(#´・ω・`)『お前は俺に恨みをもっていたからな、充分ありえる話だ』
(;-_-)『恨みなんてありませんし、僕がこんなことする訳ないじゃないですか!』
(#´・ω・`)『いや、絶対に犯人はお前だ!』
(;-_-)『どうしてそう決めつけるんですか、ただのウイルスかもしれないじゃないですか!』
(#´・ω・`)『ウイルスなんかじゃない、遠隔操作されていたんだ!』
(;-_-)『遠隔、操作…?』
- 692 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:47:15 ID:/lkawLT20
(´・ω・`)『お前、ゲーム王決定戦とかいう馬鹿げた大会にでるために遠隔操作を使ったゲームを作っていたそうじゃないか』
(;-_-)『確かにリモートコントロールを使用したゲームを作ってはいましたが、そんなハッキングだなんて…』
(#´・ω・`)『黙れ!!!』
(;-_-)『っ…!』
(#´・ω・`)『……お前は、歴代トップの学年首席だから校長先生が恩情をかけて、コンピュータ部を退部することと、それと内部進学か、名門大学に行くことでお咎めなしにしてくださるそうだ』
(;-_-)『そんな!!僕は何もしてないんです、本当なんです、ショボン先生!信じてください!』
(´・ω・`)『あ?信じるわけないだろ、お前のことなんて』
(;-_-)『そんな…!』
(´・ω・`)『いいか?二度とこんなふざけたことするなよ。くだらねぇゲーム作りも禁止だ、何も問題も起こさず、黙って勉強してろ』
- 693 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:47:58 ID:/lkawLT20
(#´・ω・`)『所詮、お前の価値は、勉強しかないんだからな!!』
.
- 694 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:49:30 ID:wKdEf89.0
( ・∀・)『…いやぁ、怖かったな、ショボン先生』
(;-_-)『僕じゃない、僕じゃない僕じゃない僕じゃない僕じゃない僕じゃない!!!!』
( ・∀・)『大丈夫か?小森』
(;-_-)『も、モララーくん、僕じゃない、僕じゃないんだ!!きっと、どっかからデータが流出して、それで…!!』
( ・∀・)『小森』
(;_;)『信じて、モララーくん…!!』
( ・∀・)『例え、他のみんながお前を犯人だと思ってても、俺だけは知ってるよ、お前は犯人じゃない』
(;_;)『ありがとう、モララーくん。信じてくれて……』
( ・∀・)『信じるに決まってるじゃないか』
( ・∀・)『だって、犯人は俺なんだから』
.
- 695 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:50:28 ID:wKdEf89.0
(;_;)『…え?』
( ・∀・)『馬鹿だね、プログラミングのやり方ホイホイ教えちゃってさぁ。危機感が足りないよね、悪い奴がどこに潜んでるかわからないのに』
(;_;)『うそ、だよね?モララーくんが、そんなこと…』
( ・∀・)『するよ。だって、俺、ずっとお前のこと大っ嫌いだったもん』
(;_;)『そ、んな…僕たち、友達じゃ…』
( ・∀・)『俺、友達だなんて一言も言ってないでしょ?』
(;_;)『あ、うぁあ…』
( ・∀・)『犯人は俺ですって、言いふらしてもいいよ。まぁ、みんなは俺とお前、どっちを信じるかな?』
(;_;)『うそ、嘘だ、こんなの…だって…!!』
( ・∀・)『…もう充分楽しんだでしょ?小森』
( ・∀・)『友達も、やりたいこともなかったお前が、クラスの人気者の俺なんかと、友達ごっこできたんだからさぁ!』
.
- 696 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:51:13 ID:/lkawLT20
(´・ω・`)『…小森は今日も休みか』
『むしろ、あんなことがあってからも学校に来てたのがビックリだったよなぁ』
『本当。でも、みるみるうちに成績下がっていったよね、学年首席だったのに』
(´・ω・`)『勉強面だけは期待してやってたのに、本当、どうしようもない奴だ、アイツは』
『今じゃ学年首席も、ヒキコモリ王子′トばわりだしな』
『あはは、でも、小森にはそっちの方がお似合いよね』
( ・∀・)『……ショボン先生、大丈夫なんですかね?小森くん』
(´・ω・`)『さぁな。どうでもいいさ。あんな奴、来ない方が清々するしな』
『確かにー!』
『陰口いってたら、リモートコントロール?とかいうので仕返しされるかもしれねぇぞ』
『こわっ!やめてよー』
『大人しそうに見えて、やることエゲツないよな、アイツ』
『頭良すぎて不気味だったしな。いなくなってよかったよ。な、モララー』
( ・∀・)『うん、本当』
( ・∀・)『久々に、清々しい気分だよ』
.
- 697 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:52:18 ID:/lkawLT20
( ・∀・)「…結局、誰も彼もお前のことを信じなかった。ショボン先生はお前に『失望』した。すると、お前の成績は見る見るうちに落ちていって、ついに不登校になった」
( ・∀・)「それを見て思ったんだよ」
( ・∀・)「あぁ、どんな天才でも、それが例え、小森だとしても、誰にも「期待」されなければこんなふうになってしまうんだなぁって」
( ・∀・)「あぁ、それって、なんて、なんて…」
( ・∀・)「滑稽なんだろう、ってね」
- 698 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:53:49 ID:/lkawLT20
( #・∀・)「…だから僕は教師になったんだ。教師になって、ゴーレム先生となって、小森、お前みたいに人を不愉快にする天才的な生徒の芽を潰して、努力しても努力しても報われない可哀想な凡人の生徒を助けるためにね!!」
川д川「……それで、私を不登校に追いやった、と」
( ・∀・)「あぁ、そうさ。全部全部、元はと言えば小森の所為なんだよ」
从; ゚∀从「ヒッキー先生は何も悪くないじゃないですか!!」
( #・∀・)「…お前には分かんないだろうな、天才作家だもんな。凡人の気持ち、考えたことあるか?圧倒的な才能の差を見せ付けられた時の気持ちが!!」
从; ゚∀从「それは…」
- 699 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:54:57 ID:/lkawLT20
( ・∀・)「…小森、あれからトラウマになって、ゲーム触れなくなったんだろ?」
(-_-)「…」
( ・∀・)「本当、可哀想な奴。お前は誰にも信じてもらえなかった、誰にも「期待」してもらえなかった。自分の好きなものさえ失ってしまった。だから、自分がしてもらいたかったことを生徒たちにしているだけだ。お前のそれは、ただの自己満足なんだよ!!」
(-_-)「……確かに、モララーくんの言う通りかもしれないね」
川#д川「そんなことありませんよ!!」
(;-_-)「貞子さん…」
川#д川「ヒッキー先生のこと、誰も信じてない?「期待」してない?冗談も休み休み言ってくれますか!?」
( ・∀・)「本当のことを言ってるだけだ」
川д川「ふざけないでください。例え、誰もヒッキー先生のことを信じなくても、「期待」しなかったとしても…」
川#д川「…私は、ヒッキー先生を信じますし、「期待」します!!」
(-_-)「…!」
- 700 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:56:46 ID:/lkawLT20
『誰でもいいから、僕を信じてほしい。僕はやってない、そんなことやってないんだ。誰でもいい、誰でもいいから…』カキカキ…
『なに、それ。ポエムでもかいてるの?お兄さん』
『あ、いや、これは…』
『…よく分かんないけど、お兄さんは悪いこと、してないよ。ぜったいに』
『…え?』
『だって、お兄さん、いつも優しいし、それにみんなに勉強をおしえてくれるじゃない。きっと、私以外のみんなも、お兄さんのこと信じると思うよ』
『でも、僕はもう、ダメなんだよ。ダメな人間なんだ…』
『そんなことない!!そんなこと絶対にないよ』
『…なんでそんなこと言い切れるのさ』
『信じてるから、お兄さんのこと』
『…』
『だから、大丈夫。お兄さんの人生は』
川*ー川『まだ、間に合うよ』
.
- 701 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:57:43 ID:/lkawLT20
(-_-)「…君は、本当にずっと僕のことを救ってくれるんだね、貞子さん」
川д川「本当のことを言っただけですよ」
从 ゚∀从「言っときますけど、僕だってヒッキー先生のこと信じてますからね!それに、ヒッキー先生なら貞子のことをこれからも面倒みてくれるって「期待」してますし!」
(-_-)「…ふふっ、ありがとう、高岡くん」
( ・∀・)「……なんだよ、それ」
- 702 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:58:27 ID:/lkawLT20
( ・∀・)「なんでお前なんかを信じて、「期待」なんかするんだよ。可笑しいだろ、ありえないだろ、そんなの。小森は人を不愉快にする存在で、誰にも「期待」なんてされないで、それでそれで…」
川д川「モララー先生」
( ・∀・)「僕はクラスで人気者だったし、教師になってからも生徒から人気者。そうだ、高岡と土井が可笑しいだけで…」
「いやぁ、残念ながら、そんなことはないんだよなぁ」
( ・∀・)「は?」
- 703 名前:最終回 :2016/03/08(火) 19:59:18 ID:/lkawLT20
( ゚д゚ )「どうも、放送委員会の委員長、高知ミルナでーす」
川;д川「み、ミルナくん!?今はちょっと取り込み中で…」
( ゚д゚ )「知ってるよ。だって、監視カメラで見てたし」
川;д川「監視カメラ、って、えええ!?」
从; ゚∀从「この部屋は安全だったんじゃないの!?」
( ゚д゚ )「不審者が入らない限りは監視カメラの電源もつかないようにはなってるけど、不審者が入れば別だ。例えば、この学校以外の人、とかね」
爪'ー`)y-「ちなみに俺たちもいるぜ!」
( ;´_ゝ`)「モララー先生ってこんな腹黒だったのか、こえぇ…」
ミセ*゚ー゚)リ《…》
- 704 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:00:05 ID:/lkawLT20
( ゚д゚ )「ヒッキー先生!」
(;-_-)「な、何?」
( ゚д゚ )「言っときますけどね、俺だってヒッキー先生のこと大好きですし、愛してますし、信じてますし、ヒッキー先生となら、放送委員会がもっともっと楽しいものになるって「期待」してますからね!」
川;д川「私はそこまでいってません!」
爪'ー`)y-「ミルナほどじゃねーけど、俺だってお前のこと信じてるぞ。それに、お前が居てくれれば、留年せずにみんなと卒業できるって「期待」してるし」
从 ゚∀从「それはお前の努力次第だろ」
爪;'ー`)y-「うっせ!」
( ´_ゝ`)「まぁ、俺もひきにゃんのこと好きだし、学校生活一緒に送れたら楽しいことありそうって信じてるし、「期待」してるよー」
爪'ー`)y-「なんだそれ」
( ´_ゝ`)「俺らしくていいでしょ?」
ミセ*゚ー゚)リ《私も、ヒッキー先生のこと大好きだし、尊敬してるし、信じてます。先生のお陰で、放送委員会続けられたし、新しい友達も沢山できました。これからも先生と、みんなと一緒に楽しい学校生活の思い出を作れるって「期待」してますよ》
(-_-)「…ありがとう、みんな」
( #・∀・)「嘘だ!!!!」
- 705 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:00:45 ID:/lkawLT20
( #・∀・)「そんなわけない、小森が生徒に慕われるなんて、誰かに信じられたり、期待されるなんて、こんなの嘘だ、嘘だ!!」
川д川「モララー先生…」
( #・∀・)「あ!?」
川д川「ヒッキー先生は、誰にも期待されなかったから教師になっただけだ、って言ってましたよね」
( #・∀・)「それがなんだ!!」
川д川「…それって、本当に、ヒッキー先生のことを言ったんですか?」
( #・∀・)「何を言って…!!」
( ・∀・)「…!」
- 706 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:01:25 ID:/lkawLT20
『今回も学年二位だって、モララーくん』
『モララーくん凄いよねぇ、でも、小森くんには敵わないけど』
『あんなのと比べちゃダメよ、モララーくんが可哀想』
『それもそうね。でも、一回くらい勝てないのかなぁ、モララーくん』
『無理無理。小森くんは天才で、モララーくんは努力の人だもの。やっぱり天才には勝てないわよ』
- 707 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:02:23 ID:/lkawLT20
『あーあ、モララー』
『ついにゲームでも負けるようになっちゃったな』
『…そんな落ち込むなよ、仕方ないじゃん』
『だって、相手は天才だぜ?小森に勝てなくても気にするなよ。仕方ないことなんだから』
『相手が悪かっただけさ』
- 708 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:03:41 ID:/lkawLT20
(´・ω・`)『今回のテストも良くできてたな、モララー』
(´・ω・`)『…ん?小森には負けた?ははは、仕方ないさ』
(´・ω・`)『小森は天才なんだから、勝てるわけないさ。気にしなくていいんだぞ、モララー』
(´・ω・`)『お前はそのままで充分だよ』
.
- 709 名前:>>708 ははは、仕方ないさ ですね。ミスです :2016/03/08(火) 20:05:15 ID:/lkawLT20
( ・∀・)「…あぁ、そっか」
( ・∀・)「ずっとずっと、期待されたかったのは、小森。君じゃなくて…」
( ・∀・)「他でもない、僕だったのか」
(-_-)「…モララーくん」
- 710 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:06:05 ID:/lkawLT20
( ・∀・)「誰も彼も、僕に「期待」してくれなかった」
( ・∀・)「仕方ないって、無理だといって、「期待」なんてかけてくれやしなかった」
( ・∀・)「みんな、僕のことを憐れんだ。相手が悪いって、小森相手じゃ歯が立たないって」
( ・∀・)「僕を唯一、憐れまず、対等に見てくれたのは……」
- 711 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:06:51 ID:/lkawLT20
(-_-)『モララーくん、本当にすごいなぁ』
( ・∀・)『何言ってんだよ、今日も勝ったのはお前だろ』
(-_-)『ギリギリだったよ。それに、コンボ数ならモララーくんの方が勝ってるよ』
( ・∀・)『…あ、本当だ。でも、負けは負けだしなぁ』
(-_-)『そういえば、モララーくんゲームやってる時、本当にカッコいいよね』
( ;・∀・)『はぁあ?何、小森はホモなわけ?』
(;-_-)『ち、ちがうよ!そうじゃなくて、普段よりなんていうか、楽しそうだし…』
( ・∀・)『…負けてるから楽しくないけどな』
(-_-)『モララーくんに負けないように努力してるからね、僕も』
( ・∀・)『努力?お前が?嘘だろ』
(-_-)『嘘なんてつかないよ、これでも必死なんだから、僕』
( ・∀・)『意外と負けず嫌いなの?』
(-_-)『んー、それもあるけど…』
(*-_-)『いつまでも、モララーくんの好敵手で居たいから、かな』
( ・∀・)『…なんだよ、それ』
(-_-)『あはは。だからさ、モララーくんも練習あるのみ、だよ?』
( ・∀・)『言われなくても。次は絶対に負かしてやる』
(-_-)『期待してるよ、モララーくん!』
- 712 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:08:39 ID:/lkawLT20
( ・∀・)「……なんで、なんで僕はずっと気付かなかったんだろう」
(-_-)「…」
( ・∀・)「お前だけじゃないか、お前だけが、僕のことを対等に見てくれていたんじゃないか」
(-_-)「当然じゃない、友達なんだから」
( ・∀・)「…此の期に及んでまだ僕のことを友達だなんていうのか。僕がお前に対して、どんな気持ちで近づいたのか知ってもなお、そんなことを…!」
(-_-)「言うよ」
( #・∀・)「ふざけるな!お人好しで、愚か者にも程がある!僕のこと惨めだとでもおもってるんだろ?結局、僕は誰にも信じてもらえず、「期待」もしてもらえなかったんだからな!!」
(-_-)「誰も信じなかったとしても、「期待」しなかったとしても、僕はモララーくんを信じるし、「期待」するよ」
( #・∀・)「こんな僕を、こんなドロドロで歪んでる俺を、どうして信じられるんだ!こんな俺を、どうして「期待」するだなんて言えるんだよ!!」
(-_-)「だって、だって僕は…」
(;_-)「君と過ごした学校生活が、あの時間が、本当に楽しかったんだ…!!」
( ;・∀・)「…っ!」
- 713 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:09:27 ID:/lkawLT20
( ;・∀・)「…お前が、いくら信じてくれたって、「期待」してくれたって、僕はもう駄目だ。もう、どうしようもないことを、沢山しでかしてしまった…もう、取り返しがつかない」
(;-_-)「それは…」
( ;・∀・)「僕の人生は、もう…」
川д川「…きっと、まだ、間に合いますよ」
( ;・∀・)「土、井…?」
- 714 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:10:13 ID:/lkawLT20
川д川「モララー先生。ヒッキー先生ほど、人を不愉快にする生徒は私の他にいましたか?」
( ;・∀・)「え、いや、いなかったけど…」
川д川「じゃあ、大丈夫ですよ。モララー先生はまだ私にしか、そこまで酷いことしてませんから」
( ;・∀・)「いや、でも…」
川д川「…モララー先生が、ヒッキー先生の将来の夢を潰してくれなきゃ、私たち生徒はヒッキー先生に会えませんでしたし、私も、モララー先生が性格ドロドロに歪んでなきゃ、この学校のみんなに会うこともできませんでしたから」
( ・∀・)「…でも、俺がお前に酷いことをした事実は消えない」
川д川「まぁ、そうですね。でも、いいんですよ、結果よければ全て良しですから」
川ー川「…それに、私も、ヒッキー先生と同じ。モララー先生が、これからはいい先生になるって信じてますし、心から生徒と笑える日が来るって「期待」してますから」
( ・∀・)「…お前と、小森は、本当に……」
- 716 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:11:08 ID:/lkawLT20
川д川「まぁ、そういうことですから。そんなクヨクヨしないでくださいよ」
( ・∀・)「…」
川д川「ね?モララー先生」
( ・∀・)「…わかったよ、信じてもらって、「期待」されたのなら、答えないわけにはいかないからな」
(*-_-)「それでこそ、僕の好敵手、モララーくんだよ!」
( ・∀・)「…うるせーやい」
- 717 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:12:14 ID:/lkawLT20
( ゚д゚ )「ヒッキー先生、かっこよすぎる…一生養いたい…」
ミセ;*゚ー゚)リ《戻ってきて、ミルナ!》
爪'ー`)y-「…あー、俺、貞子に一生ついてくわ」
从 ゚∀从「それは僕の役目だから、譲らないよ?」
爪'ー`)y-「んだと、ゴラァ」
( ´_ゝ`)「そんなことより、キューちゃんの話でもしよーぜ」
爪#'ー`)y-「お前は自由すぎるだろーが!」
( ・∀・)「…中々、個性的な生徒たちだね、聖vipの生徒たちは」
(*-_-)「えへへ、みんな可愛いでしょ」
川д川「今のは褒められてませんよ、ヒッキー先生…」
- 719 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:17:51 ID:/lkawLT20
( ・∀・)「…僕はシベリアに戻るけど、お前はどうする?」
从 ゚∀从「俺も帰りますよ」
爪'ー`)y-「あ?帰る?」
从 ゚∀从「うん、僕もシベリアに戻ろうと思ってね」
爪;'ー`)y-「は、はぁああ!?なんでだよ!」
从 ゚∀从「最初からそのつもりだったんだ」
爪;'ー`)y-「なんだよ、それ…」
从 ゚∀从「何?」
爪'ー`)y-「せっかく、仲良くなれたのに…悲しいじゃねーかよ」
从 ゚∀从「……ツンデレキャラだったのか、フォックス」
爪'ー`)y-「あ?」
- 720 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:18:33 ID:/lkawLT20
( ・∀・)「…土井」
川д川「はい」
( ・∀・)「本当に、お前には酷いことをしてしまった。謝っても許されることじゃないけど…」
川д川「謝っても許されることじゃないと思うなら、謝らなくていいですよ」
( ・∀・)「…」
川д川「その代わり、ゴーレム先生なんかやめて、ピグマリオン先生になってくださいよ」
( ・∀・)「…あぁ。そうだな、ゴーレム先生は今日でおしまいだ」
川д川「えぇ」
- 721 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:19:55 ID:/lkawLT20
( ・∀・)「…土井、お前と高岡なら良い絵本作家になれるだろう。「期待」してるよ、お前らが美大に入学して、素晴らしい作品を作ることを」
川д川「…期待されたのなら、答えなきゃいけませんね」
(*-_-)「僕も期待してるからね、高岡くん、貞子さん!」
川д川「はいはい、わかってますよ」
川ー川「必ず美大に合格して、夢を叶えて見せますよ。なんたって、2人のピグマリオン先生から期待されちゃったんですから」
.
- 722 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:20:45 ID:/lkawLT20
.
- 723 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:21:44 ID:/lkawLT20
爪'ー`)y-「……今日で、この学校ともお別れか」
( ^ω^)「ついに卒業だお」
爪;ー;)y-「うえぇ…」
( ;^ω^)「泣くのはやっ!!まだ式始まってもないのに!?」
爪;ー;)y-「お前は悲しくねぇのかよおおおお!」
( ^ω^)「いや、悲しいけど泣くほどでは…」
爪;ー;)y-「言っとくけどなぁ、ペニサスとも、もう会えないんだからなぁー!?」
( ^ω^)
- 724 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:22:30 ID:/lkawLT20
( ´_ゝ`)「おはよー、あのさ、卒アルの後ろに何か書いてよー」
爪;ー;)y-「うえええん…」
( ;ω;)「おおおおおおん!!」
( ´_ゝ`)「…おまえら!」
( ´_ゝ`)「泣き顔面白いから、写真とっても良い?!俺、真ん中はいるね!」
爪;ー;)y-「お前は鬼かよ、兄者あぁあ!!」
( ;ω;)「ペニサス先生ぇえええ!!」
- 725 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:23:47 ID:/lkawLT20
( ><)「ついに卒業ですね」
( <●><●>)「まぁ、また同じ大学ですけどね」
( ><)「ワカッテマスくんが勉強教えてくれたお陰で同じ大学にいけるんです!感謝してるんです!」
( <●><●>)「私も、ビロードが隣にいてくれないと困るんでね」
( ><)「これで来年はちんぽっぽちゃんがスポーツ推薦で大学にくればまた三人組ですね!」
( <●><●>)「全て私の計画通りになることはワカッテマス」
( ><)「流石ワカッテマスくんなんです!…ところで、ちんぽっぽちゃんはどこなんです?」
( <●><●>)「今頃、最後のけじめをつけてるんでしょう」
( ><)「けじめ…?」
- 726 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:24:40 ID:/lkawLT20
(*‘ω‘*)「…これが最後ですっぽ、クー先輩」
川 ゚ -゚)「あぁ、そうだな。是非、卒業していく先輩への餞として、一本取られてくないか?」
(*‘ω‘*)「最後に後輩へのプレゼントとして、一本取らせてくれませんっぽ?」
川 ゚ -゚)「ふっ、欲しけりゃ自分で取りに来るんだな、ちんぽっぽ!」
(*‘ω‘*)「ぽっぽっ、言われなくてもそうしますっぽ!」
「「いざ、勝負!!!」」
.
- 727 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:25:20 ID:/lkawLT20
o川*゚ー゚)o「ツンちゃんともお別れかぁ…」
ξ゚听)ξ「…」
o川*゚ー゚)o「うぅ、悲しいなぁ。キューちゃん、寂しくて死んじゃうよぉ」
ξ゚听)ξ「ツッコミしなきゃダメなわけ?違う大学だけど、隣の大学だよーって」
o川*゚ー゚)o「会おうと思えば会える距離ってのが、一番会わなくない?」
ξ゚听)ξ「会いたくなきゃいいけど」
o川*゚ー゚)o「嘘だから!!会いに行くし、マジで!!!」
ξ゚听)ξ「あー、もう、本当うるさい……」
o川*゚ー゚)o「あれ?今日はそんなに怒んないんだね」
ξ゚听)ξ「まぁ、今日で最後だし、それに…」
o川*゚ー゚)o「それに?」
ξ゚听)ξ「…うるさいの、嫌いじゃないしね」
o川*;ー;)o「ツンちゃぁあああん!」
ξ゚听)ξ「はいはい」
- 728 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:26:07 ID:/lkawLT20
( ゚д゚ )「この放送室とも今日でお別れか…」
ミセ*゚ー゚)リ《そうだね》
( ゚д゚ )「……そして、この学校とも」
ミセ*゚ー゚)リ《ミルナ…》
( ゚д゚ )「ミセリ。俺さ、実はな、その…」
ミセ*゚ー゚)リ《言わなくてもいいよ、ミルナ。ミルナが言いたいこと、分かってるから》
(; ゚д゚ )「み、ミセリ!それじゃあ…」
ミセ*゚ー゚)リ《…大丈夫だよ。私、付き合うよ》
(; ゚д゚ )「ミセリ……!!」
( ゚д゚ )「本当にありがとうな、学校中の隠しカメラと盗聴器の回収付き合ってくれて…」
ミセ*゚ー゚)リ《1人じゃ無理だもんね、この量は》
- 729 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:26:47 ID:/lkawLT20
(゚、゚トソン「みんな卒業しちゃうんですよねぇ…寂しいです」
(-@∀@)「学校とは、旅立ちの場でもありますからね」
(゚、゚トソン「旅立ちの場、ですか」
(-@∀@)「えぇ、ですから、祝福してあげないといけませんよ」
(゚、゚トソン「じゃあ、私も…」
(-@∀@)「え?」
(゚、゚トソン「私も、そろそろ旅立って、みんなに祝福されたいんですけど」
(;*-@∀@)「……えーと、それって」
(゚、゚*トソン「…言わせるつもりですか?」
(;*-@∀@)「けっ」
「結婚してくださああああい!!!」
「…図書室では静かに、ですよ。アサピーさん」
- 730 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:27:28 ID:/lkawLT20
('、`*川「今年も卒業式かぁ」
( ФωФ)「また寂しくなるのう」
('、`*川「また新しい出会いもあるでしょう?」
( *ФωФ)「お、いいこと言うであるな」
('、`*川「新任の若い男の先生とかね!あー、楽しみ!」
( ФωФ)「…」
('、`*;川「ちょ、痛い痛い!無言でほっぺつねるのやめなさいよ!馬鹿ネコー!」
- 731 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:28:10 ID:/lkawLT20
- / ,' 3「今年も卒業式がきたのぉ」
('A`)「誰も問題起こさなきゃいいけど」
/ ,' 3「教師が生徒に手を出す以上の問題はそうそう起こらないから平気じゃろうよ」
('A`)「ごめんなさいごめんなさい」
/ ,' 3「…でも、あれじゃのう。これで合法的に手を出せるのう」
(;'A`)「え、何!?卒業式でセンチメンタルな気分の時にそんな話する!?頭おかしいんじゃねーの!?」
/ ,' 3「ツンは大学で新しい出会いもあるじゃろうなぁ、かっこいい先輩とかもいるだろうし」
('A`)「やめてくださいやめてください、死んじゃうから…いや、想像するだけで本当死んじゃうから!!やめて!!」
- 732 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:29:04 ID:/lkawLT20
(-_-)「今日でみんな卒業だなんて、信じられないよ」
川д川「…そうですね」
(-_-)「本当に楽しかったなぁ、みんなとの学校生活」
川д川「まるで生徒みたいな言い方しますね、先生」
(-_-)「おっと、いけないいけない。ちゃんと先生らしくしないとね」
川д川「…卒業だし、ずっと聞きたかったことがあるんですけど」
(-_-)「なんだい?貞子さん」
川д川「ヒッキー先生と私って、昔どこかで…」
(-_-)「…さぁて、それはどうかな?」
川д川「言うつもり、なさそうですね」
(-_-)「まぁ、言わなくてもいいかなぁって」
川д川「…感じがするだけで、全く見当がつかないんですけどね」
(-_-)「いいんだよ、それで。ただ、僕は昔、貞子さんに救われたんだよ」
川;д川「救った?私が?」
(-_-)「うん。貞子さんのお陰で、こうしてヒキコモリ王子≠フままで終わらず、みんなの先生になれた」
川;д川「…申し訳ないですけど、全く心当たりが…」
(-_-)「あはは、まぁ、君の何気ない一言で、救われた人がいるってことだけ分かってればいいさ」
川;д川「…はぁ、そうですか」
(-_-)「おっと、そろそろ用意しないとね」
川д川「そうですね」
- 733 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:29:49 ID:/lkawLT20
/ ,' 3「…で、あるからしてー、君たちはこれから羽ばたいて行くわけじゃが…」
爪'ー`)y-「校長の話も今日で最後か…」
( ^ω^)「クー、結局、ちんぽっぽとの戦いはどうだったんだお?」
川 ゚ -゚)「ふっ、秘密だ」
爪'ー`)y-「最後くらい校長の話聞いてやれよ…」
ξ゚听)ξ「あの三バカ、相変わらずうるさいわねぇ」
o川*゚ー゚)o「まぁ、うちのクラスは兄者くん寝てるし静かだよね」
ξ゚听)ξ「最後くらい起きてられないのかしら…」
- 734 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:30:37 ID:/lkawLT20
/ ,' 3「……以上で、卒業式は終わりじゃ。卒業生、退場。新しい道へ向かっていくんじゃぞー!」
.
- 735 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:31:29 ID:/lkawLT20
ミセ*゚ー゚)リ《はぁ》
川д川「…終わっちゃいましたね」
ミセ*゚ー゚)リ《まぁ、でも、教室でのお別れ会がまだあるからね!》
川д川「そうですね」
爪'ー`)y-「花束とか寄せ書きとかちゃんと用意してあるよな?」
( ><)「抜かりなしなんです!」
( ^ω^)「おっおっ、ヒッキー先生が泣く顔が楽しみだおー」
川 ゚ -゚)「お主も悪よのぉ」
- 736 名前:名も無きAAのようです :2016/03/08(火) 20:32:21 ID:/lkawLT20
(-_-)「…コホン、皆さん。遂に卒業式終わっちゃいましたね」
爪'ー`)y-「ガッツリ泣いたぜ!」
ミセ*゚ー゚)リ《私もー》
(-_-)「ははは、いいことだよ。…まぁ、そんなわけで、みんなとこうしてお話できるのも今日で最後です」
川д川「…」
(-_-)「だから、最後に少し、みんなに僕からちょっとした話をしたいなぁって思ってます」
( ^ω^)「ありがたいお言葉って奴ですかお?」
(-_-)「それはさっき校長先生がやってくれたから、そうだなぁ…」
(-_-)「僕はみんなへの感謝の言葉を言いたいと思います、短いけどね」
爪'ー`)y-「感謝の言葉を長く語ってくれてもいいのに」
川 ゚ -゚)「照れ隠しなのは分かるが静かにしないか、フォックス」
(-_-)「ははは、そんな大層な話でもないんだけどね。…まぁ、話させてもらうね」
- 737 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:33:01 ID:/lkawLT20
(-_-)「…僕は、本当にみんなと学校生活を共にできてよかった。修学旅行も行けたし、あ、僕、高校では修学旅行に行けなかったんだけどね、あんなに楽しいなら行っておけば良かったって後悔したよ」
(-_-)「それに文化祭も、みんなでアリスのコスプレをしたりして、本当に楽しかったよねぇ。実は文化祭も初めてだったんだけどね、僕」
(-_-)「…それと、高校三年生では、みんな受験勉強を本当に一所懸命頑張ったね。これから夢への第一歩が始まろうとしているけど、きっと、みんななら大丈夫!担任の僕が言うんだから間違いないよ!」
爪;'ー`)y-「ヒッキー、お前、話下手か…?」
(;-_-)「うっ、ごめんね…!伝えたいことが多すぎて、うまくまとまらなくて…」
- 738 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:34:14 ID:/lkawLT20
(-_-)「…あ、そうそう。そういえば、みんなは僕のことをピグマリオン先生って呼んでくれてたけど、すごく嬉しかったよ」
(-_-)「でもね、それは間違ってるよ。…僕は、みんなが思うようなピグマリオン先生なんかじゃないんだ」
川;д川「…」
(-_-)「…だってね、僕はみんなが期待してくれたからこそ、こうしてみんなの先生をやれているだけなんだよ。それはきっと、僕だけじゃなくてドクオ先生やペニサス先生も同じ。みんなが僕たち教師を信じて、期待してくれたから、ここまでやってこれたんだ」
(-_-)「…だからね、教師にとって、君たち生徒こそが」
- 739 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:34:54 ID:/lkawLT20
(-_-)「僕たちのピグマリオン先生、なんだよ」
.
- 740 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:35:56 ID:/lkawLT20
爪;ー;)y-「う、うおおおおおん!ヒッキー!!本当、本当に、ありがとなー!!」
( ^ω^)「ヒッキー先生と学校生活送れて本当によかったお」
川 ゚ -゚)「…私も、将来ヒッキー先生みたいな教師になれるように頑張ります」
( ><)「僕、本当にヒッキー先生のクラスでよかったんです!」
ミセ*゚ー゚)リ《ヒッキー先生は、私にとって最高の先生です!》
(;_;)「ううっ、ありがとう…みんな」
川д川「…みっともない。ハンカチ貸してあげますから、拭いてください」
(つ_-)「ぐずっ、ありがとうね、貞子さん」
川д川「…こちらこそ、本当に今までありがとうございました」
(-_-)「じゃあ、君たちの新しい門出を祝って…」
「卒業おめでとう!!!」
.
- 741 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:37:26 ID:/lkawLT20
(-_-)「…」
(-_-)「あーあ、終わっちゃったなぁ…卒業式」
lw´‐ _‐ノv「いい卒業式だったよねー」
(-_-)「ですよねぇ」
(;-_-)そ「…って、シュー先生!?」
lw´‐ _‐ノv「うっすうっす。卒業式も終わったし、もういらないと思うけど、預かってたこのお面、返しに来たよ」
(*-_-)「…おぉ、懐かしい!ありがとうございます!久々に付けていいですか?」
lw´‐ _‐ノv「勿論、ご自由に。それより、こちらこそ色々世話になったね」
lw´‐ _‐ノv「読書家ビコーズ$謳カ」
(* ∵)「…その名で呼ばれるのも、久々ですねぇ」
- 742 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:38:08 ID:/lkawLT20
lw´‐ _‐ノv「貞子には言ったの?貞子が小学生の時、図書館で勉強を教えてあげてた読書家ビコーズは自分だってこと」
( ∵)「言ってませんよ」
lw´‐ _‐ノv「なーんだ、言えば良かったのに」
( ∵)「読書家ビコーズでも、小森ヒッキーでも、今も昔も僕が貞子さんにとって先生なことに変わりはありませんから」
lw´‐ _‐ノv「ふぅん。貞子は君が期待した通りの子になってたかい?」
( ∵)「あぁ、それは…」
- 743 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:38:56 ID:/lkawLT20
川д川『お兄さん、私、四月からシベリアに行くんだ』
( ∵)『シベリアに?』
川д川『うん。お兄さんも昔、シベリアだったんでしょ?だから私もシベリアに行きたくて頑張ったんだよ』
( ∵)『…そっか。貞子ちゃんは偉いなぁ、毎日ちゃんと努力してたもんね』
川д川『お兄さんだって、四月から大学行くんでしょ?』
( ∵)『…うん。このままずっと図書館で過ごして生きて行こうと思ってたけど、貞子ちゃんが「まだ間に合う」って言ってくれたから。僕も頑張ってみることにしたんだ』
川д川『…そっか、なら良かったぁ。ところで、お兄さんは大学行って何を勉強するの?』
( ∵)『んー、先生になる勉強とかいいかなぁーって。図書館で色んな人に勉強教えるの、楽しかったし』
川д川『いいじゃん、お兄さんにピッタリだよ』
( ∵)『本当?』
川д川『うん、私もお兄さんに教わりたいなぁ』
(; ∵)『うーん。最低四年間は大学だから、貞子ちゃんが中学生の内に教師になるのは無理だけど、高校二年生でなら、もしかしたら…?』
川д川『そうなるといいなぁ。絶対に先生になってね、お兄さん』
- 744 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:39:56 ID:/lkawLT20
( ∵)『…貞子ちゃんは、僕が立派な先生になれる思う?』
川д川『大丈夫だよ、お兄さんなら。絶対にいい先生になれるよ!』
( ∵)『…貞子ちゃんに言われると、本当になれる気がしてくるよ』
川ー川『だって本当になれるもん。お兄さんならいい先生に。高校生になったら、教師になったお兄さんに教えてもらえること、期待してるよ。ビコーズ先生』
( ∵)『…ありがとう、僕も貞子ちゃんに期待してるよ』
川д川『私に?私に期待って、何を?』
( ∵)『貞子ちゃんが努力することについては、誰がなんと言おうと、お構いなく、貞子ちゃんが成し遂げることができるように…っていう、そんな期待さ』
川д川『…何、その期待。変なの』
( ∵)『僕は学生時代、自分がやりたいと思って努力してたことを成し遂げることができなかったから、貞子ちゃんには自分の夢を叶えて欲しいなぁと思ってさ』
川д川『…なるほど。わかった、頑張って努力するね、私。それで絶対夢を叶えてみせるよ』
( ∵)『うん、貞子ちゃんならきっとできるよ』
川*ー川『うん!期待しててね、先生!』
- 746 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:40:50 ID:/lkawLT20
( ∵)「…ちゃんと、貞子さんは僕の期待に応えてくれてましたよ」
lw´‐ _‐ノv「そっか。それは良かった良かった」
( ∵)「えぇ、本当に」
lw´‐ _‐ノv「ところで、久々につけたお面の着け心地はどう?」
(* ∵)「やっぱりしっくりきますよー」
lw´‐ _‐ノv「…ねぇ、また図書館の本を端から端まで読む生活に戻りたい?」
( ∵)「そうですねぇ、最近図書館巡りもできてないし、それも魅力的ですが…」
- 747 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:41:58 ID:/lkawLT20
(-_-)つ( ∵) カポッ
(-_-)「僕はもう、ヒキコモリ王子≠ナも、読書家ビコーズ≠ナもないんです」
lw´‐ _‐ノv「へぇ、じゃあ、一体何になったの?」
(-_-)「それは、ですね…」
.
- 749 名前:最終回 :2016/03/08(火) 20:43:43 ID:/lkawLT20
僕たちのピグマリオン先生のようです
おわり
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