- 575 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:02:18 ID:LHuZp9P20
(;-_-)「た、高岡くんが、『狂本クルウ』…?」
从 ゚∀从「…どうして僕が『狂本クルウ』だと思うんだい?僕と彼とでは髪の毛の色も違うじゃないか」
川д川「ミルナ君が狂本クルウのコスプレをしてるのを見て気付いたんですよ」
(*-_-)「あー!見たことあるけど、ミルナくん、カツラとマスクしただけでソックリだったよね」
川д川「はい。それで分かったんですよ、狂本くんも普段はカツラを被っていて、実は地毛は黒髪じゃなかったのではないかと」
从 ゚∀从「なるほどね。でも、それだけで僕が狂本クルウだと言えるのかな?」
川д川「いえ、他にもありますよ、高岡くんが狂本くんだという証拠は」
从 ゚∀从「面白い、聞かせて貰おうかな」
- 576 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:03:50 ID:LHuZp9P20
- 川д川「まず、狂本くんは私と中学校から高校まで同じクラスでした。私が美術部だったことも知ってますし、文化祭で出した冊子を持ってても不思議ではありません。それに、狂本くんなら、私がシベリアを好きじゃなかったことを知らなくても納得いきますしね」
(-_-)「え、それはどうして?」
川д川「狂本くんは仕事が忙しかったので、ほとんど学校来てませんでしたからね。特待生だったので、狂本くんは学校来なくても単位出てましたし」
(-_-)「なるほど」
川д川「次に、高岡くんが私のアパートまで送ってくれた次の日に、狂本くんのサイン付きの新刊が宅配ではなく、私の家に直接投函されていたこと。狂本くんには私の住所教えてなかったからおかしいと思ったんですよ」
(-_-)「むしろ何でそこで気づかなかったの、貞子さん」
川д川「その通りなんですけど、正論やめてください」
- 577 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:04:55 ID:LHuZp9P20
- 从 ゚∀从「でもそれだけじゃ、僕の仕業とは言えないんじゃない?」
川д川「いえ、この新刊こそ、高岡くんが狂本くんだという揺るがぬ証拠ですよ」
(-_-)「なんでなんで?」
川д川「だって、その本、最後が米endなんですもの。しかもよくよく考えたら、あの本に出てくる米ネタ、フォックスくんが米道部で調べてた内容でしたし」
(-_-)「なるほど、米道部の人じゃなきゃかけないってことか…!」
从 ゚∀从「…たまたまじゃないの?」
- 578 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:05:41 ID:LHuZp9P20
川д川「それだけじゃありません。高岡くんはバッドエンドが嫌いだって、図書室で言ってましたよね?だから狂本クルウの作品は読まないって」
从 ゚∀从「あぁ、うん、言ったね。僕はバッドエンドが嫌いだからね」
川д川「それって可笑しくないですか?」
从 ゚∀从「何が?」
川д川「だって、この前部活の時に…」
- 579 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:06:23 ID:LHuZp9P20
( ´_ゝ`)『とにかく、ハインの怖い話は勘弁な!』
爪'ー`)y-『んー、じゃあ、貞子なんか面白い話ねぇの?』
川;д川『え、私ですか?』
( ´_ゝ`)『さっきからずっと黙ってるけど、どうかしたの?部活には積極的に参加しなきゃだよ?』
川д川『怖い話をするのが部活動だったんですか、米道部は』
爪'ー`)y-『でも、本当にハインの怖い話はやばいぜ?後味が悪い結末ばっかりで』
川д川『へぇ…。高岡くん、怖い話好きなんですか?』
从 ゚∀从『好きっていうか、話のネタになるからね』
- 580 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:07:47 ID:LHuZp9P20
川д川「って、やり取りしましたよね?」
从 ゚∀从「確かにしたね」
川д川「どうしてバッドエンドが嫌いな高岡くんが、後味の悪い怖い話をたくさん知ってるんですか?」
从 ゚∀从「それは、みんなと話す時にネタになるからで…」
川д川「確かに、話のネタになるという発言あの時は私もそういう意味で言ってるのかと思っていました。でも、本当は違いますよね?」
从 ゚∀从「…何が言いたいんだい?」
川д川「…あれって、本当は『話を書くときのネタになる』、って意味ですよね?」
(;-_-)「な、なるほど!」
- 581 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:09:24 ID:LHuZp9P20
从 ゚∀从「…」
川д川「…どうですか?他にも沢山ありますが、まだ足りませんか?」
从 ゚∀从「……」
(-_-)「高岡くん?」
从* ゚∀从「…あっははははは!やっぱり君は最高だよ、貞子!」
(;-_-)「!?」
川д川「…どうやら、満足していただけたようですね、狂本くん」
从 ゚∀从「…あぁ、“伏線回収”ご苦労様ってところかな」
.
- 582 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:10:13 ID:LHuZp9P20
(;-_-)「伏線回収ってことは、やっぱり…」
从 ゚∀从「…えぇ、貞子の言う通り僕こそがバッドエンド作家、『狂本クルウ』ですよ」
川д川「…どうしてこんなことをしたんですか、狂本くん」
从 ゚∀从「それは前々から言っているけど、君がどうして転校したか知りたかったからだよ」
川д川「だからって、シベリアから転校してくるなんて…」
从 ゚∀从「…転校くらいするさ。だって、君は僕にとって大切な友達なんだから!」
川д川「…狂本くん」
- 583 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:10:59 ID:LHuZp9P20
(-_-)「貞子さん、なんで転校してきたか説明してあげたら?」
从 ゚∀从「いや、もう説明してもらわないでも平気ですよ。貞子はシベリアがつまらなかったって言ってましたし…」
(-_-)「学校がつまらなかった、だけで貞子さんが転校するとは思えないんだよね。それに、つまらなかったとはいえ、高岡くんという友達はちゃんといた訳だし」
从 ゚∀从「確かに、友達なのに何の説明もなく転校されてショックでしたけど、僕の存在くらいで転校しないというのは無いのではないかと…」
(-_-)「…いや、むしろ、高岡くんの存在があったからこその転校だったんじゃない?」
从; ゚∀从「え?」
川;д川「!!」
- 585 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:11:56 ID:LHuZp9P20
- (-_-)「だって、貞子さん言ってたじゃない」
川;д;川『あなたは、私にとってシベリアでの唯一のお友達で、私が誰よりも幸せになって欲しいと願ってた人なのに…!』
(-_-)「あれだけ大事に思っている友達を、説明もなく転校して悲しませるようなこと、貞子さんがするとは思えないんだよね。…何かよっぽどの理由がない限り」
从; ゚∀从「そ、そうなのかい?貞子!」
川;д川「…それは」
- 586 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:13:02 ID:LHuZp9P20
(-_-)「貞子さん」
从; ゚∀从「教えてくれ、貞子!どうして君は、僕をおいて転校してしまったのかを…!」
川;д川「でも、でも…!」
从; ゚∀从「頼む、貞子、真実を教えてくれ…僕は君が転校してから、ずっと怖くて怖くて仕方がなかったんだ。君が転校してしまったのは、僕のことを嫌いになってしまったんじゃないかと…!」
川;д川「そんなことないですよ!私が狂本くんを嫌いになるだなんて、そんなことありえません!」
从 ゚∀从「じゃあ、どうして、僕を置いて去ってしまったんだい?」
川;д川「…真実を話せば、狂本くんはショックを受けるかもしれませんよ」
从 ゚∀从「それでも、知りたいんだ。もし、君がそのことで苦しんでいるのなら、僕に分けて欲しい。僕はどんな時でも君の味方なのだから」
- 587 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:13:47 ID:LHuZp9P20
川д川「…でも」
(-_-)「貞子さん、大丈夫だよ」
川д川「大丈夫って、何も知らないくせに…」
(-_-)「大丈夫だよ。高岡くんだけじゃなくて、僕もついてるんだから」
川д川「……相変わらず、先生にそう言われると、本当に大丈夫な気がするから不思議ですね」
(-_-)「だって本当に大丈夫だもの」
- 588 名前:名も無きAAのようです :2016/02/04(木) 04:16:07 ID:29mi3vgk0
川д川「はぁ…」
川д川「…わかりました、話します」
从; ゚∀从「ありがとう、貞子!」
川д川「大丈夫っていったんだから、責任もってくださいね、ヒッキー先生」
(-_-)「もちろんさ」
川д川「……少し長くなるかもしれませんが、シベリアにいた時のお話をさせていただきますね。どうして私が、転校したのかを…」
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