207 名前:名も無きAAのようです :2012/01/27(金) 13:16:43 ID:HjjMrAes0



 『それ』は、研究者たちの「遊び」から生まれた。

命と倫理を弄んだその遊びは、とある異質な生物を作る結果になった。

その生物は半分、人の形であり―――
―――もう半分は、異形。

ヒトと他生物の特徴を併せ持った彼らは、高い能力を持っていた。
―――だが、突出した能力には代償が付き物である。

208 名前:名も無きAAのようです :2012/01/27(金) 13:17:36 ID:HjjMrAes0

lw´‐ _‐ノv『―――そう逃げるでないよ、お前らが私たちを作ったんじゃないか』

 『蜘蛛』の遺伝子を持つ、彼女。

丈夫でしなやかな糸を吐きだせる代償として、蜘蛛の足が下半身に残った。

('A`)『もう切り刻まれるのは嫌だなぁ……』

 『プラナリア』の遺伝子を持つ、彼。

切り刻まれても再生する能力と引き換えに、熱に対する耐性がなくなった。

川 ゚ -゚)『あれ、これ私詰んだんじゃね』

 『魚』の遺伝子を持つ、彼女。

水中で呼吸を必要とせず、高い遊泳速度を持った代わりに、身体中を覆う鱗が残った。

(*゚∀゚) 『あーあ、こんな腕じゃ触るものみんな傷つけちまうよ』

 『蟷螂』の遺伝子を持つ、彼女。

全てを切り裂く両手の鎌と引き換えに、ものを掴む手がなくなった。

爪ξ ゚听)ξ爪『腕が欲しい。切実に』

 『蝙蝠』の遺伝子を持つ、彼女。

空を駆ける黒い翼の代わりに、ものを掴む両手がなくなった。

209 名前:名も無きAAのようです :2012/01/27(金) 13:18:41 ID:HjjMrAes0

 それぞれ、決して軽くない代償を抱えた彼ら。
研究所の地下奥の檻で過ごす、灰色の日々。

そんな彼らの前に現れた、ひとりの男―――


(    )「君たちを、この研究所から逃がしてあげよう」


 はたして、男の目的とは?
そして、檻の中で生き続けてきた彼らの選択は―――



(   )「檻の中」のようです(仮)


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