801 名前:名も無きAAのようです :2012/10/18(木) 12:55:36 ID:QTyG/q7A0

――――この島では、音楽は死んでいく。


 僕は、時折思い出す。
もうこの世にはいなくなってしまった音楽たちのことを。


 島の中心にある時計台の鐘の音、双子の兄弟のジャズピアニストたちが奏でる十八番、パン屋の若女将が歌うデタラメな鼻歌……


 一度失ってしまえば、彼等は二度と戻ってくることはなかった。
ひっそりと姿を消すと、足跡一つ残さずいなくなってしまうのだ。


 まるで始めから何もなかったかのように――

802 名前:名も無きAAのようです :2012/10/18(木) 12:58:35 ID:QTyG/q7A0


( ^ω^)「どうして僕だけが、死んでいった音楽たちを覚えているんだろうおね? 」

売れない作曲家 『内藤ホライゾン』


ζ(゚ー゚*ζ「お父さんの曲何にも覚えてないけど、きっと世界で一番好きよ」

ホライゾンの一人娘 『デレ』


ミセ*゚ー゚)リ「うちのお店、主人が死んでからずいぶん雰囲気が変わったわ。まるでお店も主人と一緒に死んだみたい」

パン屋の若女将 『ミセリ』


( ´_ゝ`)「何でなんだろうな? 」


(´<_` )「あぁ、全く見当もつかない」


( ´_ゝ`)(´<_` )「でも、俺達は一歩だって外屋から出たくないんだ」

双子のジャズピアニスト『兄者』と『弟者』


|  ^o^ |「ないとうくん きみは なにかを うしなったことは ありますか? 」

この島の町長 『ブーム』




( ^ω^)「僕は娘に何一つ残してやれない薄情者だお。……でも、僕にだって出来ることがあるはずだお」




――――このお話は、死んでいった音楽たちへの鎮魂歌――――




( ^ω^)音楽は死んでいくようですζ(゚ー゚*ζ

2112年春公開


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