98 名前:名も無きAAのようです :2013/12/20(金) 22:27:05 ID:Zz82v/WMO
裏ストーリー


 一生を全うする間に、人はどれだけの後悔をするのだろうか。

( A )「……守れなかった」

 幾つかの飛び抜けた才を持つドクオとて、悔い多き人生を送る、一人の凡夫に過ぎなかった。

('A`)「弱っていく妹を眺めていることしかできなかったのは、俺が無力だからだっ!!」

 ドクオは失ってから初めて気づいたのだ、妹の笑顔にどれだけ己が救われていたのかと。

(=゚ω゚)ノ「失ったのなら、もう一度取り戻せばいいよぅ」

('A`)「猫が、しゃべっている……?」

(=゚ω゚)ノ「まだ終わってなんかいない。まだ取り返しがつくんだよぅ」

 なぜ猫がしゃべっているのかという疑問よりも、ドクオには内容の方が何倍も大切だった。

 猫が語る、まだ取り返しがつくというのは事実なのだろうか。
 本当にまだ妹は助かるのだろうか。
 そればかりが脳裏を占める。

(=゚ω゚)ノ「ただ、敵は恐ろしく強大な組織だよぅ。きみはそれと、一人孤独に戦えるのかよぅ」

('A`)「俺はリリのためになら命なんて惜しくない。俺は世界を敵に回したって戦える!」

 奈落の底ごとく暗澹とした自責の念が、男を戦いの道へと進ませる。

99 名前:名も無きAAのようです :2013/12/20(金) 22:28:50 ID:Zz82v/WMO
 ドクオの妹、リリは下着泥棒にあってから深く沈んでいた。
 ドクオはそれをただ、黙って眺めているだけしかできなかったのだ。
 妹の部屋からとってきたパンティーを無力感と共に握り締めながら。

('A`)「メタモルフォーゼスペル! カイザァァァ! フォォォォムッ!!」

 しかし今のドクオは、かつての無力を嘆いていた少年ではない。

(;゚ω゚)ノ「それがきみの、心理を象徴する魔法の杖……!?」

(')∞(`)「パンティーカイザー! ――見参!!」

 この日からドクオと、闇の魔導組織シタ・ギドロン・ボーとの、熾烈な戦いが幕を上げた。


(')∞(`)魔導少年はなにかと戦うようです


 それは、なにかと大変な魔法少女の物語の裏で起こった。
 誰にも語られることはない、なにかと戦う魔導少年の物語。


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