- 494 名前:名も無きAAのようです :2013/11/28(木) 00:19:31 ID:XXLhWzjs0
- ξ ⊿ )ξ
ζ(;ー;*ζ「うう……お姉ちゃん」
( ^ω^)「これは、少々厄介なことになりましたね、ドクオさん」
('A`)「ふむ、せっかくのバカンスだというのに、私の悪運にも困ったものだ」
一つ息を吐いて、部屋に横たわる女性を一瞥する。
ツンデレ。このペンションの主である。
……主だった、という方が正しいか。
( ^ω^)「デレさん、話を、お聞かせください」
ζ(;ー;*ζ「いえ……詳しいことは私にも、ただ……朝起きたら、既に姉が……」
ξ ⊿ )ξ
('A`)「とろろまみれになっていたと……」
- 495 名前:名も無きAAのようです :2013/11/28(木) 00:21:19 ID:XXLhWzjs0
- ドクオはあごに手を当てた。
このペンションに来たのは昨日。積もりに積もった仕事にもめどがつき、気分転換としてスキーを楽しんだ矢先だった。
悲鳴が聞こえたのは、朝6時。ドクオはベッドを飛び出し、階段をかけ登った。
ペンションを管理している姉妹の内の一人、デレが、震えながら、一室を指さしていた。
('A`)「……これはひどい」
ξ ⊿ )ξ
山芋の臭いに、思わず顔をしかめた。
部屋の容積の約半分を占めるとろろと、その中心に埋もれているツンデレを見て、ドクオは呟いた。
('A`)「事件の臭いがする…」
( ^ω^)「一体、なにごと……な、これは!?」
('A`)「事件だよコロンボくん」
( ^ω^)「ドクオさん、この流れで、私が探偵だったら驚きです」
('A`)「これは失礼、ワトブンくん……あまりにも難事件のようなのでね……」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、あの、あなた方は一体……」
('A`)「申し遅れましたな、私……」
('A`)めいたんていのようです
- 496 名前:名も無きAAのようです :2013/11/28(木) 00:23:05 ID:XXLhWzjs0
- ζ(゚ー゚*ζ「た、探偵さん!?」
( ^ω^)「見た目は大人、頭脳は子供……聞いたことはございませんか?」
ζ(゚ー゚*ζ「……? すいません、お聞きするのは、初めてですが」
( ^ω^)「ドクオさんは、常識にとらわれない、子供のような柔軟な発想力を武器に活躍する探偵でしてね」
('A`)「土日はプラレールで遊んでます」
( ^ω^)「私は助手のワトブンと申します、以後、お見知りおきを」
ζ(゚ー゚*ζ「は、はあ」
( ^ω^)「まずは、状況を整理しましょうか」
('A`)「……デレさんが朝、ツンデレさんの部屋を訪ねると、そこには、とろろまみれのツンデレさんの姿があった」
( ^ω^)「山芋の痒みに、耐えきれなくなった彼女は失神している状態。
デレさんは悲鳴を上げ現在に至ると」
- 497 名前:名も無きAAのようです :2013/11/28(木) 00:25:09 ID:XXLhWzjs0
('A`)「ふうむ、どう思うポアロくん?」
( ^ω^)「ワトブンです、一体、誰がやったのか、そもそも犯人の目的が全く分かりませんね」
('A`)「それを考えるのが君の仕事だよ」
( ^ω^)「いや、それはドクオさんの仕事だろ、馬鹿なんですか?」
(;'A`)「馬鹿じゃないよ! ぐう、助手のくせに……」
( ^ω^)「いまだかつて、ドクオさんの探偵っぽいところ見たことがないのですが……」
('A`)「あー、言った、それ言うんだ、もう怒った、出るよ、探偵出るよ」
( ^ω^)「探偵出るってなんですか」
('A`)「いくよ?」
( ^ω^)「どうぞ」
m9('A`)「犯人はこの中にいるかもしれない!」バーン!
( ^ω^)「可能性のお話!?」
- 498 名前:名も無きAAのようです :2013/11/28(木) 00:26:19 ID:XXLhWzjs0
('A`)バーン!
( ^ω^)「デレさんは、犯人に心当たりはないのですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「いえ、全く……今日もペンションには、お二人しか泊まっていませんし……」
('A`)「やれやれ、仕方ありませんな、部屋に失礼しますよ」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、あの、その前に警察に……」
('A`)「警察はどうですかね、とろろまみれの事件なんて扱ってくれませんよ」
('A`)「それに、ワトブンくんは前科者なので、少々めんどくさいことに」
ζ(゚ー゚;ζ「えっ!?」
( ^ω^)「驚かせてしまいましたかな、私、手のひらサイズの小動物を握りしめる癖がありまして」
ζ(゚ー゚;ζ「握りしめる……?」
( ^ω^)「木っ端微塵です」
ζ(゚ー゚;ζ「ひィッ!」
( ^ω^)「握力は136kgです」
ζ(゚ー゚;ζ「ただの、ゴリラじゃん!!」
- 499 名前:名も無きAAのようです :2013/11/28(木) 00:27:56 ID:XXLhWzjs0
- ( ^ω^)「…………」
('A`)「おっと、これは?」
( ^ω^)「ドクオさん、なにか見つかりましたか? リスですか?」
('A`)「リスではない。しかしこれは………」
ドクオは手にとった雑誌を広げた。
( ^ω^)「その表紙、美容雑誌ですか?」
('A`)「そのようだ、山芋まみれで見にくいが、最近のやつに違いない」
( ^ω^)「何故分かるんです?」
('A`)「見てみなさい、ここに」
('∀`)「………刊行日が書いてある」ドヤァ
( ^ω^)「当たり前じゃないですか。そんなの猿でも分かりますよ」
ζ(゚ー゚*ζ
( ^ω^)
- 500 名前:名も無きAAのようです :2013/11/28(木) 00:30:33 ID:XXLhWzjs0
- ('A`)「他に目立ったものは特にないな、ふうむ」
( ^ω^)「真相には辿り着けそうですか?」
('A`)「まず、無理だろう」
( ^ω^)「諦めるの早っ」
('A`)「元来、考えるのは苦手なんだ」
( ^ω^)「ただの馬鹿じゃないですか?」
(#'A`)「ムキーっ! ひ、ひとよひとよに、おうむなく!」
( ^ω^)「ただの馬鹿じゃないですか!」
(#'A`)「このやろー! 助手のくせに! こんなところにいられるか! 俺は帰るぞ!」
( ^ω^)「……行っちゃった」
ζ(゚ー゚*ζ「あの……大丈夫なんですか?」
( ^ω^)「安心してください、最後の最後には、いつも解決するんです」
( ^ω^)「あの人は、どこか不思議な力を持って……」
チュンチュン
( ^ω^)「………いるんです」グチャア!!
ζ(゚ー゚;ζ「木っ端微塵!?」
- 501 名前:名も無きAAのようです :2013/11/28(木) 00:31:38 ID:XXLhWzjs0
- ('A`)「……お待たせしましたな」
( ^ω^)「自信アリ気なその顔……分かったのですね?」
('A`)「ああ、有栖川くん」
( ^ω^)「ワトブンです」
('A`)「事件の真相をお話ししよう」
('A`)「ツンデレさんは、美容に興味があり、毎月美容雑誌を買っていた……」
('A`)「今月号に載っていたのは山芋美容法、彼女は、スキーシーズンで客が来ている今こそ
綺麗にならなくてはと焦った」
('A`)「ありったけの山芋を買い占め、すり下ろし、それを全身に浴びた」
('A`)「しかし、予想以上の痒みに耐え切れず、彼女は気絶した」
('A`)「これが、事件の真相だ!!」
( ^ω^)「しょーもなっ!!」
- 502 名前:名も無きAAのようです :2013/11/28(木) 00:32:46 ID:XXLhWzjs0
- ζ(゚ー゚*ζ「でも、たしかに言うとおりです、姉はミーハーなところがあったので……」
( ^ω^)「それなら最初に気づきそうなものですが……」
ζ(゚ー゚*ζ「さすがにとろろまみれはレアケースなので……」
('A`)「まあ、なかなかありませんな」
( ^ω^)「……それにしても、凄かったですね、あんなさっぱりな状態から、それらしい答えに行き着くなんて」
('A`)「これでも名探偵と言われて……ん?」
RRRRR………
('A`)「失礼、私だ。はい、もしもし、あ、うん。ヘリカルちゃんの言うとおりだった。……うん、美容法
いつもありがとねー、おじちゃんも鼻が高いよー」
( ^ω^)「?」
ζ(゚ー゚*ζ「?」
('A`)「はーい、じゃあねー、またねー、はーい」ピッ
( ^ω^)「ドクオさん……今のは?」
('A`)「ん? 私の兄の娘だよ、状況を説明すると大体、推理してくれるんだ」
(;^ω^)「えっ、じゃあドクオさんが推理したんじゃ……」
('∀`)
ζ(゚ー゚;ζ「姪……探偵……」
('A`)めいたんていのようです おわり
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