670 名前:名も無きAAのようです :2013/09/09(月) 03:51:37 ID:zkAKE5p.0

VIP学園には、四人の魔王と四人の従者がいる。

四人の魔王――普段は天真爛漫なミセリさんも、優しくてオトナな素直さんも、いかにも不健康での根暗っぽいドクオさんも。
そして、何をする時だって不真面目でおちゃらけている、変人の代表格こと、俺の『姉さん』高岡ハインリッヒだって。
みんながみんな、今目の前に転がっている様な心霊現象に対しては、途轍も無く敏感に反応する。
そして、一様に不気味に歪んだ瞳を、『従者』たる俺達に向けるのだ。

ミセ*゚ー゚)リ「始まったみたいだね、トソン」

束の間の静寂を破ったのはミセリさんだった。
その瞳は、すでに現実を捉えていない。 そこに映るのは、恐らく尋常ではない何か。

('A`)「今回のは……ケッコーヤバ気だなぁ、ツンちゃん」

続いて言い放ったドクオさんの口元は、歓喜を滲ませていた。
普段より更に細まった仄暗い眼には、致命的な狂いが顔をのぞかせている。

川 ゚ -゚)「お前らはここで引き返せ。
      最後までこの件に関わるつもりなら、情緒の保証は出来ないぞ、ブーン」

素直さんの声には多少の震えが混じっていた。
それは如何なる感情から来るものだったのだろうか。
恐怖か、愉悦か。
恐らくは、そのどちらもなのだろう。

从 ゚∀从 「その女の言ってることは本当だぜ。 多分、俺みたいなのでも楽じゃないヤマになる」

続けて何かを口にしようとした素直さんを制して、僕の『魔王様』が一歩前に出る。
まるで底のない空洞のような瞳を俺に向けて。

671 名前:名も無きAAのようです :2013/09/09(月) 03:52:36 ID:zkAKE5p.0

从 ゚∀从 「ここから先は深淵だ。
      ちょっと覗くだけのつもりでも、気を抜けば頭っから引っ張り込まれちまうような、そんな領域。
      俺もお前らは帰った方がいいと思うなぁ、特にジョルはチョロいから。 ただ、それでも・・・」
  _  
( ゚∀゚)「行きますよ、僕は」

ハインさんの言葉を遮って言った。
そして、調子付いて名乗りを上げる同士たち。

(;^ω^)「っていうか、ここまで来たら引き返せないお」

ξ゚听)ξ「むしろ上等じゃない。 こちとら伊達にオカルトマニアしてないっつーの」

(゚、゚トソン「こんな大事、ミセリだけには任せられませんから」

从 ゚∀从「……って言うだろうから、俺は止めないけどね」

途端、まるで裂けた様に引きのばされた姉さんの目尻や口元。
そして、魔王達は宣言する。
僕が、僕達が闇へ到達した、その瞬間を。

672 名前:名も無きAAのようです :2013/09/09(月) 03:53:17 ID:zkAKE5p.0

从 ゚∀从ミセ*゚ー゚)リ「――ようこそ、現世の端へ。 心と霊の世界へ。 夢も希望もない、深淵へ」('A`)(゚‐ ゚川


違和が始まる予感がした。
いつものように。 愉しくて、虚しくて。
生の中で死を感じて、死を暴いて安堵を得る。
虚脱感の中に充足感を感じるような、そんな曖昧な灰色の時間。
  _  
( ゚∀゚)「ごめんな。 でも、ちゃんと悼むから。 ちゃんと、愉しむから」
  _  
( ゚∀゚)「……あんたの、死も、この、異聞録も」


  _  
( ゚∀゚)まちの異聞録のようです

俺が霊能力者になったら公開!!


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