370 名前:二レス ( ΦωΦ)膝枕のようですlw´‐ _‐ノv :2015/09/16(水) 00:31:16 ID:7zsI6swk0
 吾輩は猫である。そして外の世界を自由気侭に生きる。
 故に吾輩は誰にも媚びず、誰にも従わず、何にも束縛されることなく自由を謳歌するのだ。

 人間などに飼われる猫では比較になるまい。
 吾輩が他の縄張りを見回っている間に、不届き猫が吾輩の寝床を我が物顔でふんぞりかえっていた。
 なんとか追い払えてよかったものの、そのせいで全身の毛が逆立ち、毛並みが乱れていた。
 別に毛づくろいは苦ではないが、いくら吾輩でも背中の毛づくろいはできない。
 この短い脚が恨めしい。
 
 惨めさを嘲笑うかのようにカラスが鳴いた。
 小馬鹿にされているような気がしないではないが、誇り高き猫である吾輩は小さなことは気にしないのである。
 決して。
 
* * *

 気ままに歩いていても、どうしても足があそこに向いてしまう。
 無意識というのもは恐ろしい。いつの間にかあの女がいる家に来てしまった。
 中に入り茂みから顔を出して周囲を伺う。
 居た―――。

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371 名前:二レス ( ΦωΦ)膝枕のようですlw´‐ _‐ノv :2015/09/16(水) 00:33:17 ID:7zsI6swk0

lw´‐ _‐ノv

 
 縁側に座っている。
 今回も特別に吾輩を撫でさせてやろう。
 吾輩が意気揚々とそこへ向かうもーーー

ノハ--) Zzz

 なんと、吾輩の指定席に小娘が寝ているではないか!
 そこをどけ!
 威嚇するように鳴くとーーー

lw´‐ _‐ノv「悪いね。何時も君に貸してる膝だけど、今日は貸せないんだ」

 静かにしてもらえるかな? と、女は指を一つたて口元に当てる不思議な動作をした。



 吾輩には口に指を当てる動作の意味はが分からず首を傾げる。
 女にそう言われては強く言えない。誇り高い吾輩は物分りがいい猫なのである。
 小娘が起きるのを待てばいい話なのである。そうと決まれば、吾輩は縁側に上って女の隣に座って体をまるめる。

lw´‐ _‐ノv「ん? 背中の毛が乱れてるね」

 女が毛並みが乱れた背中をさする。優しく手つきが撫でられた吾輩は生あくびが漏れる。
 気持ちいいのかな? と微笑む。
 見られたことが恥ずかしい吾輩はそっぽを向く。
 からかい過ぎたかな、と女が苦笑する声が聞こえる。

( ΦωΦ)「……」

(*ーωー)

 膝で寝られなかったが、たまにはこういうのもいいのかもしれない。
                                  【―了―】


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