320 名前:名も無きAAのようです :2013/05/25(土) 11:57:25 ID:EZbG7Ou2O


あるところに、とても優しい絵かきさんがいました。

生を敬い、自然を恋しく思い、人愛する優しい優しい絵かきさんでした。

ある日、愛した人が遠い国へと行ってしまいました。
絵かきさんは悲しみに暮れる日々を過ごしていました。

そんな絵かきさんに感銘を受けなさった神様は、ある贈り物をしました。

それは描いたものに命を与える、魔法の力でした。

優しい絵かきさんは、神様から頂いた魔法の力を
自分のためではなく、人のため使うことを決め、旅に出ることにしました。

―外に出ることが許されない少女に

―人と接することを恐れた少年に

―夢を描くことができない青年に

―愛することを忘れ、孤独になった女性に

―万物から疎まれ、卑屈になった少年に

―偽りの笑顔を向ける冷めた女性に

自分のように影を落としていた様々な人間に、惜しむことなく魔法の力を使いました。

しかし、魔法の力で幸せを掴んだとしても
それは永遠に続くものではありませんでした。

優しい絵かきさんはただ静かに涙を流すしかありませんでした。


これは、とても優しい優しい、そしてとても悲しいお話です。

 (゚、゚トソンきみがためのようです

現行に区切りついたら、やってみます。


戻る inserted by FC2 system