- 184 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 00:42:44 ID:GVAJVgXI0
- 静かな教会に騎士が戦う轟音が鳴り響く。
多くの人が騎士の戦いと聞くと剣と剣の打ち合いを想像するだろう。
が、今、この教会には鉄のぶつかり合う音は何一つしない。
代わりに響いているのは
( ^ω^)「...」
(;゚Д゚)「ハァハァ...糞が!」
(;゚U゚)「...うおおおあ!!」
野郎共の怒号と
(;゚Д゚)「あ!! 馬鹿!!」
(;`U´)「ふん!!」
剣が空気を切り裂く音と
( ・∀・)「風よ。対象の腹部を槍となり串刺しにしろ」
風がグチャリと人を潰す音。
- 185 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 00:47:28 ID:GVAJVgXI0
- (;゚Д゚)「あ、ああ...」
( ゚#;#.. ドチャ...
( ・∀・)「おいおい、俺を殺す気ならもっとまともなのを連れてこいよ。こんな雑魚二人じゃ相手になんねーぞ?」
モララーは死体にも目もくれず、ブーンを睨み付ける。
不気味だ。
モララーは素直にそう感じていた。
ブーンは感情に素直な人間だ。
なのに飛びかかってこないどころか黙ったまま、この戦況を見つめている。
( ・∀・)「(何を企んでやがる...)」
- 186 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 00:54:19 ID:GVAJVgXI0
- ( ・∀・)「おい、そこの」
(;゚Д゚)ビクッ
( ・∀・)「お前は来ないのか?」
(;゚Д゚)「ぐ、ううう...」
( ^ω^)「のせられるなお。でないと死ぬお」
ブーンの低い声に怯えていた騎士の震えが止まる。
今のブーンの声には殺気が込められていた。それも相当のもの。
怯えていた騎士にもう、戦意は感じられない。剣先は下を向き、足に力が入っていない。恐らく、もう恐怖に押し潰されているのだろう。
となると...
( ・∀・)「(残るはこいつか)」
剣を握り直し、ブーンに向ける。
二人の間に、これまでにないほどの殺気が立ち込める。
- 187 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 00:59:56 ID:GVAJVgXI0
- ( ・∀・)「おい」
( ^ω^)「...なんだお?」
( ・∀・)「なんで、俺を狙う? 教会は何をかんがえてるんだ?」
( ^ω^)「...犯罪者に教えるほど僕は優しくないお」
( ・∀・)「(犯罪者...?)」
どういうことだ?
聞いたことのない情報に思わず眉をひそめる。
勝手に教会の上が暗殺命令を出してるのだと考えていたが、まさか犯罪者にされているとは。
モララーの予想以上に物事が進んでいるらしい。
- 188 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 01:05:34 ID:GVAJVgXI0
- ( ・∀・)「(ま、こいつを倒さないとどうにもならんか...だが、情報をとるには半殺しか? いや、あの横にいる騎士でもいいかな?)」
( ^ω^)「...火炎よ。対象を囲むように渦を巻き起こせ」
(; ・∀・)「ぬお!?」
考えがまとまらないうちに、ブーンが火炎の魔術を発動させる。
圧倒的な熱量がモララーに襲いかかる。
(; ・∀・)「風よ! 俺を包み火を切り裂け!」
対し、モララーは風を体の周りに纏い、火を引き裂く。
その火の隙間に飛び込み、転がり炎の渦から逃げ出す。
- 189 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 01:14:31 ID:GVAJVgXI0
- (; ・∀・)「(あ、あぶねぇ...てか今の炎はなんだよ...馬鹿みたいな魔術を使いやがって...すぐにバテるぞ)」
辺りを焼き尽くす炎。
聞く限り、かなり強い魔術だろう。
しかし、強い魔術には代償が伴う。
いくら強靭な肉体をもつ男でも使える魔術の量は決まってる。
( ・∀・)「(本当になに考えてやがるんだこいつ...一気に魔術でカタをつける気か?)」
( ・∀・)「だったら、体力切れまで待つだけだ」
ニヤリと不適にモララーは笑う。
勝ち筋はもう見えている。
もう、戦いは決したも同然だろうと思っていた。
そう、思っていたのに。
( ^ω^)「...炎の龍よ。対象を飲み込み、焼き尽くせ」
(; ・∀・)「はい?」
刹な、モララーの目の前に灼熱の龍が立ち塞がる。
- 190 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 01:20:28 ID:GVAJVgXI0
- 『ゴガアアアア!!』
(; ・∀・)「まてまてまてまて!」
目の前の炎の龍。
人一人殺すにはあまりに強大すぎるその存在。
とてもじゃない、とてもじゃないが。
(; ・∀・)「(人が作り出す魔術の限界越えてんぞ!?)」
先程の炎の渦でさえ、常人が作るにはかなりの付加がかかる。
だというのに、目の前にいるこの男は先程の渦の数倍あるであろう大きさの龍を顔色ひとつ変えずに作り出していた。
( ・∀・)「化け物かよ...」
目の前の男が人に見えなくなる。
人の皮を被った、何か。
一体、やつの皮の下に何が隠されているのだろうか。
( ・∀・)「(...知りたくはねーな)」
- 191 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 01:27:37 ID:GVAJVgXI0
- ( ^ω^)「さっきから何をぶつくさ言ってんだお? さっさと焼け死ぬお」
そういい、ブーンは剣を一振りする。
『グオオオオオ!!』
その一振りに反応するかのように火龍は咆哮し、こちらに迫ってくる。
もう、あれこれ考えることはできない。
やることはただひとつ。
(; ・∀・)「(こいつを消すのは無理だ! 本体を隙を見て一瞬でカタをつける!!)」
火龍の前では棒きれに過ぎないような剣を構え直す。
背中にかつてないほどの汗を感じる。
死。
すぐそこに死が待っているのを感じた。
- 192 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 01:36:53 ID:GVAJVgXI0
- (; ・∀・)「風よ! 俺と龍の間に風の壁を作り出せ!」
口を広げ、突っ込んでくる龍との間に壁を作り出す。
気休め程度の薄い壁。
数秒もしないうちにいとも簡単に突破される。
( ;∀)「がふぁ!?」
避けきることはできなかった。
左の腕が龍に食われる。
肉は焼け、ビリビリとした痛み以外、何も感じない。
どうやら左の腕はもう機能していないようだ。
だらりと左腕が垂れ下がる。
- 193 名前:ごめんなさい、ねます :2012/09/09(日) 01:47:06 ID:GVAJVgXI0
- ( ;∀)「(ひ、左で助かった。利き腕がやられたら死んでた。だけどどうする!? こんな状態であいつを殺れるのか!?)」
( ^ω^)「あーあ、みっともないお。弱すぎて欠伸がでそうだおー」
( ∀)「!!」
ブーンが剣の構えをとき、伸びの体勢をとる。
一瞬の油断。
ここだ。恐らく、最後のチャンス。
これで、終わらせる!
( ; ∀)「風よ! 四方八方からやつを切り裂く剣となれ!」
( ^ω^)「!!」
ゴウッと言う爆音と共に、ブーンは風の刃の中に閉じ込められる。
避ける手段は、ない。
- 197 名前:帰宅しました :2012/09/09(日) 20:07:00 ID:GVAJVgXI0
- (; ∀)「うぐっ...」
吐き気、目眩がモララーを襲う。
体に限界が近づいていた。
体は火傷で傷つき、魔術を使いすぎていた。
いつ倒れてもおかしくはない。
( ;∀)「ガアアアア!!」
だが、倒れはしない。
まだ、死ぬわけにはいかないのだ。
全身の力を振り絞り、魔術を発動させる。
そうして作られた風の刃は今までのモララーの魔術で最高レベルのもの。
ただの人間に防ぐ術はない。
- 198 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 20:15:16 ID:GVAJVgXI0
- そう、ただの人間には、だ。
( ;∀)「あ!?」
目の前にいたのは化け物だった。
確かに目の前の化け物は風により切り刻まれた。
が。
(::::::::::)「...」
煙が晴れてくる。
辺りには血が流れていた。
確実に致死量だろう。
なのに、なぜ。
理解ができない。
( ;∀)「生き...てる?」
( ^ω^)「...」
そこには無傷のブーンが立っていた。
- 199 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 20:22:09 ID:GVAJVgXI0
第七話 旅の始まり
教会でモララーとブーンが戦う少し前、国境付近に一つの馬車が走っていた。
乗っているのは二人の男と一人の女。
彼らの間には会話がなく、ただただ馬が馬車を引くのを眺めているだけであった。
('A`)「ふあーあ」
その馬車に乗っている一人の男、ドクオはひとつ、大きな欠伸をした。
まあ、無理もないだろう。
何もない草原を会話もなくただ眺めているだけなのだから。
- 200 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 20:27:11 ID:GVAJVgXI0
- (´・ω・`)「...暇ならさ、少しは彼女を何とかしてよ」
もう一人の旅の同行人、ショボンが小さな声でドクオに話しかける。
それを聞いたドクオは思わず顔をしかめてしまった。
(;'A`)「...待ってくれよ。俺だって状況がよくわかってないんだぞ? なのにその役目を俺に投げないでくれよ」
(´・ω・`)「...そんなこと言ったって僕は手綱から手を離せないし...彼女とはあんまり関わりたくないし」
(;'A`)「てめっ! 確実に後者が本音だろそれ」
- 201 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 20:32:10 ID:GVAJVgXI0
- 彼女、とはこの馬車に乗る唯一の女性のクーのことである。
クーは不機嫌そうに馬車の端に丸くなって座っていた。
川#゚ -゚)ブツブツ...
(;'A`)「うわぁ...」
確実に切れてる。
片手にはナイフまで持っているようだ。
今、無闇に話しかけるとナイフで刻まれるような気さえする。
(´・ω・`)「だから、君に頼んでんだよ」
思ったことをショボンに伝えるとこんなことを言いやがった。しかも、笑いながら。
正直にふざけんなと思った。
- 202 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 20:37:54 ID:GVAJVgXI0
- (´・ω・`)「さっきも言っただろう? 君と彼女は魂の契約で結ばれている。殺されそうになったらこの間、あの子に襲われた時のように助かるよ...多分」
(;'A`)「最後の一言でかなり不安なんですけど!」
ショボンが言うには、荒巻から貰った情報に俺とクーの間に魂の契約とやらがあるらしい。
よくわからんがこの間、助かったのはそのお陰らしい。
(´・ω・`)「それにもし、切られたら回復してあげるから」
('A`)「...くそ」
何があってもショボンはいくつもりはないらしい。
腹を括るしかないようだ。
- 203 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 20:46:10 ID:GVAJVgXI0
- (;'A`)「あ、あの...」
意を決して話しかける。
何事かブツブツと呟いていたクーは、ちらりとこちらを向いた。
川 ゚ -゚)「...何のようだ?」
(;'A`)「ひっ!?」
表情は無表情。
なのになんだこれは。
溢れんばかりの殺気。
思わず腰が抜けそうになる。
- 204 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 20:57:50 ID:GVAJVgXI0
- (;'A`)「あの...その...えっと」
川 ゚ -゚)「おい、貴様」
(;'A`)「はひっ!?」
川 ゚ -゚)「私は今、とてつもなく機嫌が悪い。用がないなら、さっさと一人にしてくれ」
(;'A`)「す、すみません! すぐに退きます!」
無理だ。あんなのと会話をするなんて。
空気だけでも殺されそうな気がする。
後ろの方からまるで使えないことを呆れるようにショボンがため息をつく音が聞こえた。よし、後であいつ殴ろう。
ドクオは逃げ腰になりながら心にそう誓った。
- 205 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 21:14:29 ID:GVAJVgXI0
- 川 ゚ -゚)「(なんで私がこいつらの...)」
クーはあたふたしているドクオを眺めならがらそう思っていた。
初めはかの大怪盗の息子に会いたいだけだったのに。なぜ、こいつらの旅の供をしなくてはいけないのか。
川 ゚ -゚)「(...確実に母さんに嵌められた訳か)」
思い出してみればあの時の契約でこんな目に遭っている。
あの時に、私の運命は決していたようだ。
- 206 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 21:19:56 ID:GVAJVgXI0
- 川 ゚ -゚)「(それに...この頼りないのがあの大怪盗の息子らしいし...大損だ)」
改めてドクオを見る。
体は貧弱そうだし、顔立ちもお世辞にもいいとは言い難い。
しかも、今はこそ泥をしているとまでショボンとかいう男に聞いた。
もう怒りを通り越し、あきれることしかできない。
川 ゚ -゚)「(仮にもあのロマネスクさんの息子だろうに。誇りとかは無いのか?)」
はっきりいってこの男の行動はロマネスクの面汚し。良いことなどどこにもない。
私はそんなのと旅をしなければいけないのか。
思わずため息をついてしまう。
- 207 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 21:38:07 ID:GVAJVgXI0
- いくら考えても怒りしか出てこない。
少しでも気を紛らわせるために他のことを考えようとしてみたが最終的には何故か、ドクオに対する怒りが沸き上がってくる。
川 ゚ -゚)「疲れた...」
考えるのも嫌になってきた。
気持ちのせいか、体が随分重く感じる。
川 ゚ -゚)「(寝よう...)」
荷台にごろりと寝転がる。
馬車は振動や板張りの固い床はとてつもなく寝にくい。
しかも、耳が地面に近づいたせいか余計に地面と車輪が噛み合う音が聞こえる。
...もう我慢の限界だ。
手のナイフを握り直す。
そして、狙いを定めて...
(´・ω・`)「...毛布ならそこの箱の中に入ってるから好きに使ってよ」
川;゚ -゚)「っ!?」
- 208 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 21:48:39 ID:GVAJVgXI0
- いきなりショボンから話しかけられる。
狙ったかのようなタイミングにクーは少しだけ怯んだ。
川;゚ -゚)「(切りかかろうとしていたのがバレていたのか? 偶然にしてはタイミングが良すぎる)」
手綱を操っているショボンの後ろ姿からは殺気などは感じられない。
狙ったのか、偶然なのかはわからない。
わかりはしないが。
川 ゚ -゚)「(こいつには注意しておこう...)」
警告をしておくことに無駄はない。
おとなしくショボンに従うことにしよう。
そう考えたクーはナイフをしまい、毛布を箱から取り出すために起き上がった。
箱の中を覗いてみるとそこには本やら魔法道具などがぎっしりと詰め込まれていた。
- 209 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 21:57:39 ID:GVAJVgXI0
- 川;゚ -゚)「ここから毛布を探すのは一苦労だな...」
少し漁っただけでも分かる。
無理矢理詰め込まれた道具たちはところせましと詰まっていた。なにかを取り出そうとするのでさえかなりの力がいる。
川 ゚ -゚)「これは整理した方がいいかもな」
早々に毛布を取り出すのを諦めた私はそんなことを考えていた。
暇潰しにもなるかと考え、箱の道具をとりあえず全て取り出してみる。
中には錬金術や魔術の指南書、更には魔力を強化する様々な珍しい物が入っていた。
川 ゚ -゚)「む?」
その中に一際気になるものがあった。
道具を整理していくと中から一冊の手書きの本を箱の奥の方に見つけた。
作者名は書いておらず題名は『教会』とだけ書かれている。
- 210 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 22:09:22 ID:GVAJVgXI0
- ペラペラとページをめくっていく。
本には神の言い伝えやら地域によっての信仰の違い、教会の黒い噂などが懇切丁寧に纏められていた。
川 ゚ -゚)「へぇ...」
書いたのは誰だかわからないがかなりの知識人だったようだ。
特に魔術の観点の考察が素晴らしかった。
これはあり得るのかどうか、実験も交え、とてもよく考えられている。
川 ゚ -゚)「ホムンクルスと...合成キメラか」
その中でも特に考察がされていたのは人工的に人を作り出すホムンクルスと生き物と生き物を合成するキメラについてだった。
特に合成キメラは本によれば、古来の化け物の血を使い教会は怪物を作ってるとかいう噂があると書いてあった。
その他にも思わず苦笑いしてしまうような胡散臭い話が並んでいる。
- 211 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 22:21:39 ID:GVAJVgXI0
- ホムンクルスも同じような感じだった。
胡散臭い話がただずらずらとならび、可能かどうかの実験の考察がかかれている。
途中まで読んでみたが難しすぎて飽きてしまった。
適当にページをめくっていき結論のページを探す。
川 ゚ -゚)「...え?」
思わず目を疑ってしまった。
結論のページには可能性大と纏められていた。
思わず何度も読み返してしまう。
川;゚ -゚)「バカな...」
しかし、いくら読もうとも結果は変わらない。
だが、とてもじゃないが信じられはしない。
教会がこんなことをするとは思えない。
- 212 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 22:32:30 ID:GVAJVgXI0
- しかも、結論はそれだけでは終わらない。
古代の化け物を使っているという事実さえあり得ると纏めていた。
川;゚ -゚)「どうなっているんだ...?」
ここに書かれていることが本当ならこの旅は確実に危険なものとなる。
何故なら彼らは教会と戦うと言っていた。
勝ち目がないどころの話ではない。
死ににいくようなものだ。
川 ゚ -゚)「...」
本にもう一度目を落とす。
本は最後にこう纏めていた。
『教会の真実を知ろうもするもの。この本を信じて欲しい。そして願わくは教会の化けの皮を剥いでほしい。私にできるのはここまでだ。あとはこの本を読む君たちに全てを託す』
川 ゚ -゚)「...全くこの本の作者は身勝手なやつだな」
最後まで読みきったクーはそう呟いた。
正直、クーは教会の真実などどうでもよかった。
- 214 名前:名も無きAAのようです :2012/09/09(日) 22:41:15 ID:GVAJVgXI0
- 川 ゚ー゚)「だが...面白い」
憧れていたのは正義の怪盗。
教会の悪を暴く怪盗...カッコいいじゃないか。
まさに私の目指していたロマネスクのような怪盗の姿だ。
弱気ものを救い、悪を滅ぼす。
どうせどうあがいてもこいつらと共に旅をすることは決まっている。
だとしたらもう、行くしかない。
川 ゚ー゚)「さあ、いこうか」
世界を救う怪盗。
彼女はそれを夢に描き決意を固める。
ドクオ、ショボン、そしてクー。
三人とも目的は違う。
だが、歩く道は同じ。
一人は生き残るため。
一人は仇のため。
そしてもう一人は夢のため。
彼らはようやく一つとなり旅を始めたのだった。
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