99 名前:名も無きAAのようです :2011/12/18(日) 02:06:01 ID:VPLRMq7I0

初夏、ジメジメとした梅雨も明け、期末テストを目前に控えた日曜日僕は図書室にいた。
それというのも、同じ高校に通う幼馴染が、このままでは夏休みの予定が補修で埋まってしまう、と助けを求めてきたからである。

午前から集まり、図書室の自習スペースに教科書を広げて、相手からくる質問に答えつつ自分の勉強を進めていたが
区切りのいい部分まで進んだので、一息付き時刻を確認する。

( ^ω^)「…。」

時刻は11時半を少し回ったあたり、飽きっぽい幼馴染にしては珍しく長時間机に向かっている、
普段ならば近くにあるマンガ等を持ち出し休憩と言い出し勉強をやめてしまうのだが、
無理に図書館まで引っ張って来て正解だった。

今後勉強会をする時はコレで行こう、と僕が思っていると隣にいた幼馴染が僕の方を見ている。
時計を見たあとに、ペンを止めた僕を見ていたのだろう、休憩の挟むとでも考えているのだろうか

( ^ω^)「わからない所でもあったかお?」

相手の意図に気づかないふりをして質問をする。

ζ(゚ー゚*ζ「ねぇブーン仮面ライダーって知ってる?」

100 名前:名も無きAAのようです :2011/12/18(日) 02:06:48 ID:VPLRMq7I0

雑談を挟み、集中力を切らせて休憩にでも入ろうとしているのだろう、体から休みたいというオーラが目に見えるようだ
休憩してやろうとは思わないが、一度乗った振りをして質問を返す。

( ^ω^)「仮面ライダー?街の平和を守る仮面のヒーローとかいうヤツの事かお?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん、それそれ。なんか最近、『仮面ライダーになれるアプリ』があるって噂があるんだって。」

( ^ω^)「なんだそれ、そんなんあったら街中仮面ライダーだらけなはずだお、残念だけど僕は見たことないお。」

ζ(゚ー゚*ζ「それがそのアプリ、普通の方法じゃ入手出来ないらしくて…」

( ^ω^)「ふぅん、まぁそんな眉唾物な噂気にしてないで、ペンを動かすお。まだ昼休憩まで30分はあるお」

ζ(゚ー゚*;ζ「はい…。」

┏━・・・・・・━┛

101 名前:名も無きAAのようです :2011/12/18(日) 02:07:32 ID:VPLRMq7I0

その後正午の昼食休憩、午後に一度休憩を挟み
その日の勉強会は終了した。

ζ(ー*ζ「知恵熱で明日学校休む事になったらどうしよう…」

( ^ω^)「馬鹿なこと言ってないで、暗くなる前に帰って復習しとけお。」

机に突っ伏して唸っている幼馴染の荷物をまとめ、時計を見上げる時間は午後六時頃
まだ日は落ちていないが、家につく頃には暗くなっているだろう。

( ^ω^)「ほら、置いてくおー」

二人分の荷物を持ち、出口の方へ歩き出すと、椅子を慌てて立ち上がる音、こちらへと走ってくる足音が聞こえる

ζ(゚ー゚*;ζ「ま、待ってよブーン」

┏━・・・・・・━┛

102 名前:名も無きAAのようです :2011/12/18(日) 02:08:55 ID:VPLRMq7I0

(;^ω^)「お…、筆箱がないお。」

自分の筆箱を忘れた事に気づいたのは、帰り道の途中コンビニに寄っている時だった
財布をカバンから出す時、カバンの中にないのに気づいたのである

( ^ω^)「仕方ない取りに行くか…、デレ僕ちょっと忘れ物したから図書館に戻るお」

先に会計を済ませ、外で飲み物を飲んでいたデレに声をかけ、今来た道を引き返そうとすると

ζ(゚ー゚*ζ「ちょっと待った、私が取りに行くからブーンは帰って寝なさい。」

(;^ω^)「いや、何言ってんだお。ブーンの筆箱をデレに取りに行ってもらう意味が無いお」

ζ(゚ー゚*ζ「今日勉強に使ったノート昨日徹夜で作ったでしょ。昨日夜中に起きた時電気付いてたよ?」

(;^ω^)「……。」

ζ(゚ー゚*ζ「ほら、今日の礼だと思ってさ。どうせ帰ったら私寝ちゃうし、少し散歩して気持ちを入れ替た方がさ」

( ^ω^)「わかったお、どうせ一緒に行くって行ってももめるだけだし先に帰らせてもらうお。
      でも、最近物騒なんだから図書館へ戻って寄り道せずに帰ってくるんだお?」

ζ(^ー^*ζ「わかってるよ、じゃあまた明日ね!」

┏━・・・・・・━┛

103 名前:名も無きAAのようです :2011/12/18(日) 02:10:13 ID:VPLRMq7I0

ζ(  *ζ「良かった間に合いそう…。」
駆け込んだ部屋、体を引き摺る様に壁に背を当て肩で息をする。
少し呼吸が落ち着いた瞬間、昔の出来事を思い出しながら、作業を進める。

━━・・・・・・・・━━
(;^ω^)『少しは説明書を読んでからにしろお!操作方法わからないでゲームやりだすのいい加減どうにかするお!』

ζ(゚ー゚*;ζ『いやぁ、でもほら最近のゲームはちゅーとりあるとかで操作方法がさぁ』

( ^ω^)『前もそんな事言って、別のゲームで死にまくってたじゃないかお…。ほら、いいから最低限の操作方法くらい見ておけお。』
━━・・・・・・・・━━
・ライダーアプリ 【ダウンロード】
このアプリでは、貴方のライダー適性を計る事が出来ます。
適性有りと判断された場合は、その時表示されている画面から次のアプリのダウンロードをお願いします。
適正無しと判断された場合は、信頼のおける『人間』にこのアプリの添付送信をお願いします。

ζ(  *ζ「ちゃんと説明読んどいて良かったなぁ…。」

これが本物ならば、きっとこのアプリが彼を守ってくれるはず
いや今、目の前で起こった現実が、このアプリの信憑性を高めてくれる

ζ(  *ζ(あぁブーンに適正があったのなら彼はこいつらと戦う事になるのだろうか…。)

自分の身を守る為だけでなく、大勢の人を助ける為に…。
いや、彼は確実に戦うだろう。誰かを守るためなら自分の事など顧みない性格だ…。

一際大きな音がなり、扉がこじ開けられる。扉を破壊した化物が部屋の中へ侵入してくる

ζ(  *ζ「ごめんねブーン…。す」

彼女が最後の言葉を吐き終える前に、彼女の命は化物の手によって途絶える事になる

104 名前:名も無きAAのようです :2011/12/18(日) 02:11:59 ID:VPLRMq7I0
┏━・・・・・・━┛

( ^ω^)「お、メール…『ごめんね。』?筆箱なくなってたとかかお。なんだおこれ添付アプリ…?
      今日話してた噂のヤツかお、添付機能なんて珍しい。んー明日あいつ直接詳しく聞いてみるかお。」

その時、僕は二度と彼女と会えなくなるなんて、思ってもいなかった。
彼女は翌日、死体で発見された…。

――――思い返せばきっとこの日が分れ道だったんだと思う。
――――デレと一緒に帰っていれば。わざわざ図書館なんか行かないで家で勉強していれば。
         ┌──────────
         │おめでとうございます。貴
         │方の適性が確認されまし
         │た貴方に適性のあるライ
         │ダーは『仮面ライダー......
         └─────────

――――そして僕は様々な人と出会い、戦いの中に身を投じる事になる。


   ('A`)「お前が新しいライダーだな?突然で悪いが試させてもらう。変身…。」
     【復讐者】
               ( ・∀・)「悪いけど協力する気はない、まぁ互いに邪魔しないようにしようぜ?」
                  【孤高】
      ( ´_ゝ`)「通りすがりの仮面ライダーだ。(決まったァァ。)」
         【正義】
             (゚、゚トソン「さぁ受けなさい、我が大気を揺るがす至高の魔弾!」
               【厨二病】

( ^ω^)「此処で死んでいけお、化物共――変身」
   【騎士】

( ^ω^)は仮面ライダー騎士のようです


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