324 名前:名も無きAAのようです :2012/05/23(水) 14:48:30 ID:nz4i.9cwO
僕が初めに目にした光景は、僕が僕を殺している姿だった。


(;^ω^)「えっ、な、なんで……」

(39^ω^)「目を覚ましたのか。君には生まれられる可能性が存在するみたいだおね」


僕は内藤ホライゾン。
友達からはブーンと呼ばれている、ちょっと陽気な高校生。


(39^ω^)「という設定で、君は生まれる予定みたいだお」

( ^ω^)「設定? 何を……」

(39^ω^)「ここはサクシャと呼ばれる者達が作りだした、ノウナイという仮想空間」


僕が僕に説明してくれる。
ブーンはまだ形になっていない設定の塊として、日夜ノウナイで発生しては淘汰されているのだと。

それこそ幾千、幾万の僕達が。


(39^ω^)「僕達は他のブーンの存在を喰らうことで、初めて世に生まれることができるんだお」

39という数字が打ち込まれた僕は、目覚める前の矮小な僕達を食べていたんだ。

325 名前:名も無きAAのようです :2012/05/23(水) 14:49:48 ID:nz4i.9cwO
納得なんていくはずがない。


(57^ω^)「俺様の魔剣が、たかが学生の拳一つで……!?」

(;^ω^)「はあはあ、うくっ、ノウナイで一番大切なのは存在力! ごちゃごちゃ設定をつければ生まれられるわけじゃないお!!」


でも生まれたいという渇望を抑えられるわけがない。


(14^ω^)「僕も、うまれた……かった、なぁ……」

( ^ω^)「大丈夫だお! これぐらいの破綻で君は消えないおっ!!」

(14‐ω‐)「ありがとう、ブーン。次は、僕も……ブーンに………………」

( ;ω;)「うわああああああああああああぁぁぁぁ!!」


僕達は生まれるために殺し合う。


( ^ω^)「まさかこんなに大きな存在になれるなんて、僕自身思っても見なかったお」

(39^ω^)「僕は少し思っていたかな、君はイレギュラーだって。ナンバーが打ち込まれていない君は、特別なのかもしれないって」

( ^ω^)「…………」

(39^ω^)「そんな特別な君は大きな存在になった。今の君を喰らえば、僕は生まれることができる」

( ^ω^)「……始めようか。恨みっこなしだお」

(39^ω^)「ああ、これで生き残った方の僕の物語が始まるお」

326 名前:名も無きAAのようです :2012/05/23(水) 14:50:26 ID:nz4i.9cwO



( ^ω^)幾千万の君と僕のようです




('A`)「おい、ブーン! いつまで寝てんだよ、もう放課後だぞ」

( ;ω;)「えっ……」

ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと、アンタ何泣いてんのよ」



( うω^)「少し、悲しい夢を見た……そんな気がして」



いつかブーンが生まれる日に投下予定。


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