136 名前:名も無きAAのようです :2013/02/13(水) 21:05:11 ID:FpBXKAHUO

あぁ。あぁ。

僕はどうして生きなければいけないのだろう。

毎日毎日、やりたくない事ばかりやって、笑いたくないのに笑って、下げたくない頭を下げて。

誰からも必要とされず、生きたくもないこの世界で、どうしてこんなに生きなければいけないんだ。

子供の頃、正義の味方に憧れていた時は、あんなにも世界が輝いて見えたのに。

世界には、正義なんて物は存在しないと気付いてからは、輝いて見えた世界はただ黒光りしているだけだと気付いてしまった。



――あぁ、もしもこの世界が、風にたゆたう一羽の蝶が見た夢ならば。

その姿形と同じ位、綺麗な世界を作って欲しかった。

どうして、こんな世界を夢見てしまったのだろう。

こんなに汚く、浅ましい世界は、蝶が見た夢というよりは・・・







―――明るい炎に惹かれて焦がれる、火盗蛾の夢のようではないか。

137 名前:名も無きAAのようです :2013/02/13(水) 21:06:15 ID:FpBXKAHUO
――――――――――――――――――――――――――――――



世界大戦、勃発。

きっかけは、アジアの大国の加護を得た小さな独裁国が、世界に喧嘩を売ったのが始まりだとか言われている。
まぁ、私は歴史を受講していないので、詳しい事は知らないが。



( ^Д^)「津出戦術小尉!一歩前へ!」

ξ゚听)ξ「復唱!!津出戦術小尉!一歩前!!」

( ^Д^)「貴官を『第二八特殊強襲歩兵中隊』、隊長に任命する!!」

ξ゚听)ξ「復唱!!・・・・・・・・え?」

( ^Д^)「復唱!!!」

ξ;゚听)ξ「は、はッ!復唱!!津出戦術小尉!『第二八特殊強襲歩兵中隊』、隊長に任命されました!!」



戦争が始まって、もう30年が過ぎようとしていた。

今の若い士官にも、戦争じゃない時代を知らない世代も増えて来ていた。

かくいう私もその一人・・・津出麗子、22歳。

138 名前:名も無きAAのようです :2013/02/13(水) 21:07:35 ID:FpBXKAHUO



ξ;゚听)ξ「・・・どうしよう」



ただ今絶賛。困惑中です。

士官学校を卒業し、晴れて軍人として、お国の為に尽くして行こうと決心し。
初めて部隊へと任命され、どんな事でも地道に努力していこうとした矢先の出来事でした。



『第二八特殊強襲歩兵中隊』と言えば、

開戦直後から編成され、数々の輝かしい戦果をあげてきた部隊。
恐らく、我等が祖国が誇る、最強の歩兵部隊と言ってもいいだろう。
その偉業の数々は国内外に問わず知れ渡り、祖国では英雄、他国では悪魔として敬われている部隊である。



・・・・・・・・・・・・・表上の話は。

139 名前:名も無きAAのようです :2013/02/13(水) 21:08:36 ID:FpBXKAHUO



ξ゚听)ξ「・・・よし」

ガチャ

ξ゚听)ξ「気をつけーっ!! 本日付けで『第二八特殊強襲歩兵中隊』に配属された津出・・・」

カチャリ ( 'A`)っy==-ξ゚听)ξ


ξ;゚听)ξ「なっ・・・!?」

('A`)「なんだぁ?小娘よぉ・・・ここはてめぇのようなガキが来るような所じゃねぇぞ?」

('∀`)「あ、もしかしてスパイ?この部隊探りにきたの?じゃあ殺していいよね、頭吹き飛ばしていいよね?」

ξ;゚听)ξ「ヒッ・・!」

ミ,,^Д^彡「いいぞー毒尾ー!殺っちまえー!」

( ´_ゝ`)「いやまて、達磨にして便器にでもしてやれば良いんじゃね?よく見りゃ可愛いし」

(;´・ω・`)「や、やめてよ!女の子と一緒の部屋に居るなんて僕耐えられないよ!毒尾!早く殺してよ!!」



『第二八特殊強襲歩兵中隊』。
通称、『人外部隊』。
我が国の『人種適性検査』で『社会不適合』の烙印を押され、戸籍も破棄された者が集まる部隊である。

精神疾患者、道徳欠如者、異常性愛者・・・
そんな、人間でありながら人間としての枠組から逸脱した者達を集めた、『使い捨ての突撃部隊』。

それが、私が隊長として配属された部隊。

140 名前:名も無きAAのようです :2013/02/13(水) 21:13:13 ID:FpBXKAHUO
('∀`)「んじゃま、グッドバイ、小娘」

ξ;><)ξ「やっ――――」



「やめろ、毒尾」



「……………」( 'A`)っy==-ξ;><)ξ



「・・・チッ」( 'A`) カチャリ ξ;゚听)ξ



('A` )「あーぁ、しけちまった」

ゾロゾロ 「あーぁつまんね」( ´_ゝ`)ミ,,-Д-彡「ポーカーすっかぁ」  ゾロゾロ



ξ;゚听)ξ 「………………」

「お嬢ちゃん、大丈夫かお?」

( ^ω^)「ここはお嬢ちゃん見たいなボンボン将校が来る所じゃないお、早く帰った方がいいお」



――そして、この人が生ける伝説。
ただの使い捨て部隊でしかないこの部隊を、彼等と同じ不適合者でありながら、国内最強の歩兵部隊に仕立てあげた、我が国の英雄。


ξ;゚听)ξ「・・・はっ。 あ、あのっ!!」

(ω^  )「んお?」

ξ;゚听)ξ「ほ、本日付けで配属となった津出戦術小尉であります」

( ^ω^)「おぉ、お嬢ちゃん・・・いや、小尉殿がそうでしたかお」

( ^ω^)「第二八特殊強襲歩兵中隊副隊長の内藤特別准尉ですお」



―――それが、私と第二八特殊強襲歩兵中隊の面々達との出逢いでした。

141 名前:名も無きAAのようです :2013/02/13(水) 21:13:52 ID:FpBXKAHUO



これから、私は彼等と共に沢山の戦場を駆け巡る事になります。



('∀`)「よっしゃあ!俺達の勝ちぃ!!早速あの村を略奪じゃあ!!」

ミ,,^Д^彡「久しぶりの女だぁ!皆楽しめよぉ!!」



ξ;゚听)ξ「え!? ちょ、侵略地域の略奪や凌辱は我が国では禁止されて・・・」

( ^ω^)「お嬢ちゃん、私達は人外部隊だお。
       ・・・祖国に人として認められない者が、唯一祖国から黙認される『報酬』の時間を、邪魔しないでやってくれお」

ξ;゚听)ξ「そんな・・・」

142 名前:名も無きAAのようです :2013/02/13(水) 21:14:18 ID:FpBXKAHUO
そのどれもが、私が生きときた常識の全てを、打ち壊してくれる物でした。



( ^Д^)「津出小尉、息災か?」

ξ゚听)ξ「教官、お久しぶりです」

( ^Д^)「まだ人外部隊に所属しているのか・・・まぁ、適当にやっていればいいぞ、どうせ奴らは・・・」

―――終戦後には、軍規違反で処刑されるんだからな―――



ξ゚听)ξ「・・・・・・えっ?」

143 名前:名も無きAAのようです :2013/02/13(水) 21:15:06 ID:FpBXKAHUO
今でも、私は忘れる事が出来ません。
いえ、これからもずっと、忘れる事はないでしょう。



ξ;;)ξ「どうしてっ! 戦争が終われば死ぬって判ってて、どうしてそこまで戦えるんですか!!」

('A`)「生きてるとか、死んでるとか、俺達にとってどうでもいいんだよ」

( ´_ゝ`)「どのみち俺達、最初から国に見捨てられてるしな」

(´・ω・`)「で、で、でも、こ、こんな僕達でも、ひ、必要とするのが、せ、戦争だから」

( ^ω^)「例え戦争の中だけでも、私達を捨てた国が、私達を必要とする。
       戦争の中でなら、私達は国民達の英雄になれるんだお」



(  ω )「―――例え戦時中だけでも、誰かに必要とされてるだけで、私達は―――僕達は満足なんだ」

144 名前:名も無きAAのようです :2013/02/13(水) 21:15:51 ID:FpBXKAHUO
この戦争の中で見た、本当の英雄達の姿を。
戦火の間を駆け巡った、私の遅すぎる青春時代を。

歴史に残る事はない、あの部隊の本当の名前を。



( ^ω^)「お嬢ちゃんは、以前教えたこの部隊の通称を知ってるかお?」

ξ゚听)ξ「え? えっと、人外部隊・・・」

( ^ω^)「それは軍の中で使われている通称だお。
       それとは別に、軍から正式に付けられた通称があるんだお」



――――その、名前は――――







( ^ω^)「ようこそ、お嬢ちゃん。第二八特殊強襲歩兵中隊―――」



「通称、『ヒトリガ部隊』へ」





【( ^ω^)まるでヒトリガの夢のよう。です】

145 名前:名も無きAAのようです :2013/02/13(水) 21:17:14 ID:FpBXKAHUO
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川 ゚ -゚)「と、いうのを考えたんだが、ここにどうやってクトゥルー要素を混ぜればいいと思う?」

o川;゚ー゚)o「ねぇ、絶対にクトゥルーを混ぜないといけないの?」

川 ゚ー゚)+「私としては、『火盗蛾だと思った?残念!実はアザトース様の夢でした!』というのを考えたんだが」

o川;゚д゚)o「タイトル詐欺にもほどがあるでしょうが!!」






【戦争物なんて書けそうにないので、執筆未定】


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