4 名前:名も無きAAのようです :2013/01/04(金) 13:11:31 ID:R5icnbhk0
カタリ......カタリ......

君が手を叩き僕を呼ぶ

カタリ......カタリ......

僕の歯車はそれに反応して君のところへと歩いていく

カタリ......カタリ......

でも僕の足は遅いから

カタリ......カタリ......

僕が辿り着くときには君はもういなかった

カタリ......カタリ......ガチッ

あ、またネジが切れてしまった

今日はここまでのようだ

おやすみ

明日こそ会えますように......

5 名前:名も無きAAのようです :2013/01/04(金) 13:12:13 ID:R5icnbhk0
............
......
...

( ^ω^)「......またあの夢かお」


夏休みに入ってから毎晩のようにみる、謎の夢。
機械仕掛けの少年が雪の中、誰かを探し求め歩く夢。
決して悪夢ではない。
しかし楽しい夢でもない。
なんとなく鼻の奥がツンとするような夢。


( ^ω^)「......君は一体誰なんだお?」


夢の向こうにいる、機械仕掛けの少年に僕は尋ねる。
答えはあるはずがない。
窓の外を見ると、そこは雪の気配すらない夏景色。
半袖短パンの僕の体には玉のような汗が流れていた。
汗を袖で拭いながら時間を確認する。
約束の時間までは、まだある。
だが、他にやることもない。

6 名前:名も無きAAのようです :2013/01/04(金) 13:13:01 ID:R5icnbhk0
( ^ω^)「......となれば、行くかお!いざ決戦の地へ!」


僕は部屋にあった金属バットを握りしめ、近所の遊び場へと向かう。
あそこに、みんなが待っている。
今日こそ野球部のモナーの球を打ってやると心に決め、自転車に股がる。
倉庫にしまってあった自転車はひんやりとし思わず抱き締めたくなるような感覚を覚えた。


( ^ω^)「さ、いくお!」


目一杯力をこめ、ペダルを漕ぐ。
僕の足の力は歯車の回転へと変わり、チェーンの回転へと変わり、そしてタイヤへと伝わっていく。

カタリ......カタリ......

錆び付いた歯車の音が町に響き出す。
今日は八月一日。
夏休みの絶頂期。
だから僕は考えもしなかった。
八月の、この夏一番の暑さを記録したこの日に。
冬の、雪と氷の世界の記憶を探しにいくなんてことになるなんて。
雪の中の知らない少女のために、僕が世界の歯車になるなんて。
誰も知りはしなかった。

カタリ......カタリ......ガチッ

歯車が止まる。
まるで凍りついたかのように。
まるでネジが切れた人形のように。

7 名前:名も無きAAのようです :2013/01/04(金) 13:13:48 ID:R5icnbhk0
─────踏み切りの、ど真ん中で。


( ^ω^)「......え?」


プアアァァァァァァ!!!


──────グシャッ


この日を境に僕は、この《夏》の世界から僕が姿を消すなんて、誰も分かりはしなかった。





( ^ω^)は凍りついた歯車を回すようです

そもそも自分でも設定が意味不明になったから公開できません


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