治安維持局―医務室―


(,,-Д-)「(また…誰かが俺を見ている…ジョルジュ…?誰だ…?)
      …う…ここは…?今のは…夢か…?」

从 ゚∀从「お!目を覚ましたか、ここは治安維持局の医務室だ。お前はジョルジュとのデュエルが終わった後、急にぶっ倒れたんだよ」

(,,゚Д゚)「ジョルジュ…!!そうか、俺は、奴に負けて…!」

从 ゚∀从「負けじゃねぇ!黒蠍は捕まり、俺達はこうして軽い怪我ですんだんだ!俺達の勝ちだ!」

???「そう、ジョルジュ含め黒蠍は、今は全て地下の牢獄で罰が下るのを待っている」

(,,゚Д゚)「誰だ!?」


( ФωФ)「君がサテライトから来た少年か…名前はギコと言ったな。…成程、よく似ている。我輩はロマネスク。この治安維持局の長官だ」

(,,゚Д゚)「…!そう、俺はサテライトから来た!そしてアンタなら、俺達の住むサテライトを救うことができる!そのために、アンタに会いに来たんだ!でも」

(´・ω・`)「……」

(;゚Д゚)「ショボンマスター、どうしてあなたがここに」

( ФωФ)「ショボン、我輩も貴様に聞かなければならない。何故他ならぬお前が、サテライトから人を出したのだ!」

(´-ω-`)「…そうだね、ギコには説明を、ロマネスクにはお願いをしなければならない。その為にここに来たんだ」



ギコがサテライトとシティを繋げるようです
外伝・第1話「モーメント(前編)」



(´・ω・`)「これを見てくれ」

ショボンが手渡したのは、『パラダイス・ドミノ』と書かれた1冊の書類だった。
丁寧に保管されていたようだが、随分と古いもので、紙は少し痛んでいる。

从 ゚∀从「『パラダイス・ドミノ』?なんだこれ…ドミノシティと関係あるのか?」

( ФωФ)「『パラダイス・ドミノ』…人間はデュエルをしているだけでいい。ただ楽しんで暮らせる。
       ドミノシティをそんな、人々にとっての楽園にするための計画だ」

从 ゚∀从「なんだそりゃ?聞いたことねぇぜ、それに、デュエルをしてるだけで生きていけるだなんて、そんな馬鹿みたいな話が…」

(´・ω・`)「出来たのさ、モーメントを使えば」

(,,゚Д゚)「モーメント?それって、サテライトでも一番酷い状態の、あの瓦礫の山のことか?」

(´・ω・`)「…モーメント。僕達の"願い"を具現化し、この世界を創りかえることができる装置。
      分かりやすく言うと、モーメントにお願いをすれば、何でも願いが叶うってこと。…人智を超えた機械さ」

从;゚∀从「何でも願いが叶うだと、んな馬鹿な!?」

(´・ω・`)「それが本当に出来たのさ。20年前、僕とロマネスクは助手として、フサギコ博士のもとで共にデュエルエナジーについて研究していた」




〜〜20年前、モーメント研究所〜〜


(´・ω・`)『本当にこれで願いが叶うんでしょうかね』

( ФωФ)『さぁ、やってみないことにはな』

ミ,,゚Д゚彡『ここよりもデュエルエナジーに満ちた異世界からやってきたという、M沢博士の協力を得て造ったモーメントだ
      期待してみるほどの価値があると信じようじゃないか』

ミ,,゚Д゚彡『モーメントのデュエルエナジー回収率はどんどん上がっている。
      あともう一度デュエルをすれば、エナジーは願いを叶える機能を実行するぶん溜まるはず。頼むよ、2人とも』

( ФωФ)『よし、いくぞ!』

(´・ω・`)『デュエル!』

(´・ω・`)『僕の先攻、ドロー!《黒竜の雛》を召喚し、効果発動!手札から《真紅眼の黒竜》を特殊召喚!
      《黒炎弾》を発動して、君に2400ダメージを与える。1枚伏せてターンエンド』

( ФωФ) LP8000→5600

( ФωФ)『我輩のターン!ドロー!《召喚僧サモンプリースト》を召喚、効果で守備表示になり、
       さらに効果発動!手札の《コアキメイルの鋼核》を捨て、デッキから《コアキメイル・ウルナイト》を特殊召喚!』

( ФωФ)『ウルナイトの効果発動!手札の《コアキメイルの鋼核》を見せ、デッキから《コアキメイル・クルセイダー》を特殊召喚!』

《コアキメイル・ウルナイト/Koa'ki Meiru Urnight》 †
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻2000/守1500
このカードのコントローラーは自分のエンドフェイズ毎に
手札から「コアキメイルの鋼核」1枚を墓地へ送るか、手札の獣戦士族モンスター1体を相手に見せる。
または、どちらも行わずこのカードを破壊する。
1ターンに1度、手札にある「コアキメイルの鋼核」1枚を相手に見せる事で、
自分のデッキから「コアキメイル・ウルナイト」以外のレベル4以下の「コアキメイル」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。

《コアキメイル・クルセイダー/Koa'ki Meiru Crusader》 †
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻1900/守1300
このカードのコントローラーは自分のエンドフェイズ毎に
手札から「コアキメイルの鋼核」1枚を墓地へ送るか、手札の獣戦士族モンスター1体を相手に見せる。
または、どちらも行わずこのカードを破壊する。
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、自分の墓地に存在する「コアキメイル」と名のついたカード1枚を手札に加える事ができる。

( ФωФ)『バトルだ!クルセイダーで黒竜(A2400)を攻撃―ダメージステップに速攻魔法《突進》発動し、クルセイダーの攻撃力を2600まで上げる!』

(;´・ω・`)『く、真紅眼が!』 LP8000→7800

( ФωФ)『クルセイダーの効果発動!相手を戦闘破壊した時、墓地の《コアキメイル》と名のつくカードを手札に加える!
       《コアキメイルの鋼核》を回収する』

( ФωФ)『メインフェイズ2、カードを1枚伏せてターンエンド。2体のコアキメイルの維持の為に、手札の《幻獣ロックリザード》を見せるぞ』
(手札3枚は鋼核+鋼核+ロックリザード)

(´・ω・`)【LP-7800 / Hand-3 /Monster /Magic,Trap-set1】
( ФωФ)【LP-5600 / Hand-3 /Monster《サモプリ(D1600)》《ウルナイト(A2000)》《クルセイダー(A1900)》/Magic,Trap-set1】

(´・ω・`)『一気に展開してきたね…僕のターン、ドロー。
      よし、《未来融合−フューチャー・フュージョン》を発動!《F・G・D》を指定し、
      《真紅眼の飛竜》×2《真紅眼の黒竜》《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》×2を墓地に送る』

(´・ω・`)『ターンエンド。エンドフェイズに飛竜を除外することで、墓地のレッドアイズと名のついたモンスターを蘇生する。
      飛竜2枚を除外し、レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン2体を蘇生する!』

(´・ω・`)【LP-7800 / Hand-3 /Monster 《ダークネスメタル(A2800)》/Magic,Trap-《未来融合》,set1】
( ФωФ)【LP-5600 / Hand-3 /Monster《サモプリ(D1600)》《ウルナイト(A2000)》《クルセイダー(A1900)》/Magic,Trap-set1】

( ФωФ)『ふん、そんなもので我輩は止められぬぞ、我輩のターン、ドロー!
       サモンプリーストの効果発動!鋼核を捨て、デッキから《幻獣クロスウィング》を特殊召喚!』

( ФωФ)『ここで罠発動、《連鎖破壊》だ!我輩のデッキのクロスウィング2体を破壊し墓地へ送る!』

《連鎖破壊(チェーン・デストラクション)/Chain Destruction》 †
通常罠
攻撃力2000以下のモンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚されたら発動する事ができる。
そのモンスターのコントローラーの手札とデッキから同名カードを全て破壊する。
その後デッキをシャッフルする。

( ФωФ)『そして場のクロスウィング1体をリリースし、《幻獣ロックリザード》をアドバンス召喚!』

(´・ω・`)『ロックリザードの攻撃力は2200、けど…』

( ФωФ)『墓地のクロスウィングの効果!クロスウィングが墓地に存在する限り、場の《幻獣》の攻撃力は300ポイントアップだ!
       クロスウィングは合計3体、つまりロックリザードの攻撃力は900アップで3100!』

( ФωФ)『まだまだ!ウルナイトの効果も発動!鋼核を見せ、デッキから2体目のクルセイダーも特殊召喚!』

( ФωФ)『そして最後の手札《コアキリング》!手札の鋼核を見せ、場のモンスター1体を破壊、互いに1000ダメージを受ける!
       レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを破壊だ!』

(´・ω・`)LP7800→6800
( ФωФ)LP5600→4600

《幻獣(げんじゅう)ロックリザード/Phantom Beast Rock-Lizard》 †
効果モンスター
星7/闇属性/獣戦士族/攻2200/守2000
「幻獣」と名のついたモンスターを生け贄に捧げる場合、このカードは生け贄1体で召喚する事ができる。
このカードが戦闘で破壊したモンスター1体につき、相手ライフに500ポイントダメージを与える。
相手がコントロールするカードの効果によってこのカードが破壊され墓地へ送られた時、
相手ライフに2000ポイントダメージを与える。

《コアキリング》 †
通常魔法
手札の「コアキメイルの鋼核」1枚を相手に見せて発動する。
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を破壊し、
お互いに1000ポイントダメージを受ける。

( ФωФ)『バトル!ロックリザード(A3100)でダークネスメタル(A2800)に攻撃!
       さらにロックリザードの効果で追加ダメージだ!500ポイントを喰らえ!』

(;´・ω・`)『くっ、何もできない』LP6800→6500→6000

(* ФωФ)『フハハハハッ!今日は我輩の勝ちのようだな!クルセイダー(A1900)×2
       ウルナイト(A2000)でダイレクトアタック!』

(´・ω・`)LP6000→4000→2100→200

(* ФωФ)『はっ、サモプリも攻撃していれば勝てたものを、大量展開に興奮して攻撃表示にするのを忘れていたか!
       まぁいい、ロックリザードには効果で破壊された時に2000ダメージを与える効果すらある。
       3100もの攻撃力を持つロックリザードがいれば戦闘破壊も不可能、貴様は詰みだ!!ハハハッ!』

( ФωФ)『エンドフェイズにウルナイトの維持コストとして鋼核を捨てるが、他は維持できない。
       クルセイダー2体は破壊されるぞ。ターンエンドだ』

(´・ω・`)【LP-200 / Hand-3 /Monster /Magic,Trap-《未来融合》,set1】
( ФωФ)【LP-4600 / Hand-0 /Monster《サモプリ(D1600)》《ウルナイト(A2000)》《ロックリザード(A3100)》/Magic,Trap 】

(´・ω・`)『僕のターン、ドロー4。《手札抹殺》発動。僕の手札(ダークネスメタル、真紅眼の黒竜、メタル化)を捨て、3枚ドロー。
      《龍の鏡》を発動。(ダークネスメタル×3、黒竜の雛、真紅眼の黒竜)を除外し、《F・G・D》を融合召喚』

( ФωФ)『えっ、ちょ』

(´・ω・`)『リバースカード《異次元からの帰還》。ライフの半分100ポイントを支払い、除外されている
      レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン×3、真紅眼の雛を特殊召喚』

( ФωФ)『あの』

(´・ω・`)『雛をリリースして手札から真紅眼の黒竜を特殊召喚。真紅眼の黒竜をリリースして手札から《真紅眼の闇竜》を特殊召喚。
      真紅眼の闇竜の攻撃力は墓地のドラゴンの数×300ポイント上がる。墓地には雛と黒竜がいるから3000まで上がるね』

( ФωФ)『おいやめろ』

(´・ω・`)『手札も使い切ったしバトルしようか』




《ファイブ・ゴッド・ドラゴン》A5000           vs    《幻獣ロックリザード》A3100
《真紅眼の闇竜》A3000                vs    《コアキメイル・ウルナイト》A2000
《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》A2800  vs    《召喚僧サモンプリースト》D1600
《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》A2800        ダイレクトアタック!
《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》A2800        ダイレクトアタック!



(;ФωФ)『うおおおおおおおおおおっっ!』

( ФωФ)LP4600→2700→1700→0→0


(;ФωФ)『っくぅ!だが、これでエナジーは溜まったか』

ミ,,゚Д゚彡『よし、システム起動!』







システムチェック……オールグリーン。
デュエルエナジースキャン……スタンバイオーケー。モーメントシステム起動します。



デュエルエナジー充填完了。
さぁ、願いを――――



( ФωФ)『エナジーの溜まったモーメントにいえば、願いがなんでも叶う…か』

ミ,,゚Д゚彡『うん、とりあえず―――お腹が空いたからシンクロ弁当が食べたい!』

(´・ω・`)『えっ』




―――エナジー86%減少。システムを維持できません。スタンバイモードに移行します。


ミ,,゚Д゚彡『おおっ!本当にシンクロ弁当が目の前に現れたぞ!』

(# ФωФ)『おいド阿呆め、シンクロ弁当ごときで溜めたエネルギーの殆どを消費してしまったろうが!』

ミ,,゚Д゚彡『い、いや、これでいいんだ。実験は成功だよ。
      ここに跡形もなかったはずのシンクロ弁当がこの世界の法則を完全無視して出現したことは事実だ。』

(´・ω・`)『とりあえずの成功…次からはシステムを効率化してエナジーの消費を抑えるよう改良ですね。
      そうすればモーメントは、いつか誰でも・どこでも・なんどでも、願いを叶えられる、夢のような装置になる』

ミ,,゚Д゚彡『いや、それよりも大事なことがある。ハフッハムハム!誰でもどんな願いが叶えられるのはあまりに危険だ。モグモグ!
      絶対に悪用しようとする人が現れるよ。ムシャムシャパクパク!人とはそういうものだ』

( ФωФ)『喰うな』

ミ,,゚Д゚彡『…だから悪用されないよう、モーメントに善悪の基準となるAI、人工知能を組み込む。
      客観的に"良い子"な意識を組み込んで、そのAIが"悪い願い"と判断したものは叶えないようにする』

(´・ω・`)『人工知能…確かに、機械的にモーメントに制限をかけるなら悪用はされ辛いですか』

ミ,,゚Д゚彡『それに、モーメントを実用化するときには、もっと制限を加えるよ。人の一部の願いしか叶えられないようにするんだ。
      例えばさっきやった、"お腹が空いたからご飯が食べたい"とか。僕らの生活の役に立つようなものだけにね』

(;ФωФ)『…!そうか、それが治安維持局から言われていた"パラダイス・ドミノ"の意味!』

ミ,,゚Д゚彡『そう。治安維持局はモーメントで、デュエルをするだけで生活できる街を創ると言っている。モーメントが実用化されれば、
      僕達人間がデュエルをするだけで、衣食住なんでも思いのままな楽園、パラダイス・ドミノが誕生する』

ミ,,゚Д゚彡『ドミノシティをデュエルの楽園にするんだ。モーメントはその心臓になる。
      しかしモーメントは万能すぎる。デュエルエナジーには未だ謎が多いが、万物の法則を覆して事象を変化させるなんて、人智を超えている』

ミ,,゚Д゚彡『絶対に予定外の願いを叶えられたらマズイからね、
      人々を守るための、精密で柔軟な人工知能を造らなければならない。
      僕達が死んだあとも、ずっとモーメントと共に世界を守ってくれるモーメントの知能…いや、心をつくるんだ』

(´・ω・`)( ФωФ)『はい!』

ミ,,゚Д゚彡『シンクロ弁当食べてからね』


―――それから数年の月日が経ち


     『……』

     『ここは…?私は…?あなた達は誰…?』

(´・ω・`)『おお!口をきいたぞ!』

( ФωФ)『成功か!?』

ミ,,゚Д゚彡『やぁ、おはよう!僕はフサギコ、君をつくった開発者だよ!君はモーメントを制御する人工知能、いわばモーメントの心だ』

     『……モーメント?私、それを知っている…?いや、私がモーメント…?』

ミ,,゚Д゚彡『まだ分からなくても無理はない、君はまだ試作段階、赤ん坊のようなものだ。これから色々な知識が君に入っていく。
      そしていつか、君の知識、君の正義が世界を守ることになる。今はゆっくりとお休み』

     『……フサ…ギコ…』


(´・ω・`)『人工知能、行動停止しました』

( ФωФ)『早速これに世界中の知識を詰め込んで、常に物事に正しい線引きを行えるように設定するのだな』

ミ,,゚Д゚彡『いや、知識は少しずつ入れていこう。最重要なのは僕ら人間と会話をすることだ』

( ФωФ)『?』

ミ,,゚Д゚彡『モーメントが相手をするのは紙に書かれた歴史じゃなくて、デュエルエナジーを通じてくるリアルタイムの人の心だ。
      そしてこの人工知能もデュエルエナジーを糧に動いているから、僕らの心の真意を読み取る力がある』

ミ,,゚Д゚彡『過去の歴史から正しいものを選ぶのは難しいことではない。だけど、今僕らがどう生きたら正しいのか?僕らには分からない。
      線引きなんて、僕らには無理な話さ。…でもこの子には、それを遠い未来までずっとやって貰うんだ。
      だから、この子に必要なのは、僕らの心を読み取り、自分の意思で考えること。人の心を理解すること』

( ФωФ)『どういうことだ』

ミ,,゚Д゚彡『この人工知能を、愛情を持って良い子に育てるってことさ』





―――計画は順調だった、それから数年の間、人工知能には世界中の知識をデータとして記憶させ、
   僕らを含む研究者の心を読み取りながらの会話をして思考を強化していった。
   モーメントの知能はとても良い子に育っていた。
   思考が成熟してくると共に知識も増やしていって、いつしか研究所内で最も賢い存在になっていた。

   実際に僕らの願いを具現化するテストも重ね、それも全てが上手くいっていた。
   モーメントには、何も問題はなかったんだ。


   問題があったのは・・・




前編 了

←第7話「バトルロイヤル!『感染』」 / 戻る / 外伝・第1話後編→




inserted by FC2 system