ギコがサテライトとシティを繋げるようです
第8話「外」

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( -∀-)「ククク…モーメントねぇ。こりゃビックリだなぁ」

( ・`ー・´)「なにをゴチャゴチャ言っている!俺の言うことを聞け!俺の親父は治安維持局長官直属護衛の一人の超エリートなんだからな!
       大体お前、何の音もしないこの牢獄で何を聞いてるんだ?」
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( -∀-)「…ククク、"俺"のデッキによ、首領ザルーグってのがあるだろ」

( ・`ー・´)「ん?それがどうかしたのか?」
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( ゚∀゚)「アレは政府の回収を逃れたウィルス入りのエラーカードなんだ。
     ザルーグの攻撃でダメージを喰らったデュエルディスクにはウィルスが入り込み、すぐにぶっ壊れちまう」
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( ゚∀゚)「本来はそれだけだったんだがな。それを"俺"が拾った時、ちょいと改造したんだ。
     ウィルスが破壊しているディスクの情報は、"俺"の元へと入ってくる」
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( ゚∀゚)「具体的には居場所、それから半径数キロ以内に居る相手に対しての盗聴。
     "俺"は今このピアス型盗聴器に入ってきてる、あの女セキュリティの声を聞いていたのさ」

(;・`ー・´)「と、盗聴だと!女セキュリティって誰だ?」
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( ゚∀゚)「興味深い話を聞いたぜ。お前は知ってるか?お前が信頼してる治安維持局長官の正体。それに、サテライトに何があるのか。
     あの女、随分と面白い話を聞いているみたいだな」

(;・`ー・´)「サテライトって何だ?ヤバいぞこいつ、どうしよう」
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( ゚∀゚)「それに、こんな話をするってことは、そばにギコも居やがるな。あいつも来るんだろうな。
     ならもうここに居る意味もない。さっさとここから出て、あいつらより早くモーメントってのを手に入れるか」

(;・`ー・´)「このセキュリティ本社の牢獄から出られる訳がないだろう!ロックシステムは世界で一番優れているんだぞ!」
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( ゚∀゚)「…鍵なら空いてるぜ、戸締りには気を付けろよ」

(;・`ー・´)「え?そんな馬鹿な!本当だ空いてる!」

・・・

(;・`ー・´)「い、今閉めたぞ!今しっかりと閉めたからな!お前はもう二度と出られないぞ!」
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( ゚∀゚)「オラまた空いたぞ。セキュリティのロックってのも大したことはねぇな」

(;・`ー・´)「え!な、なんでだ!?」
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( ゚∀゚)「お前の持ってるマスターキーよりも"俺"の針金のが高性能みたいだぜ」

(;・`ー・´)「ええぇ〜!」
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( ゚∀゚)「さて、行くか」

(;・`ー・´)「だ、脱獄する気か!?分かってるのか?ここはセキュリティ本部だぞ!?
       逃げたら第一級犯罪者認定されて、マーカーまで付けられて!一生追われ続けるんだぞ!
       いや、ここは厳重な警備が沢山いる!しかも地下3階だ!この建物から出ることすら出来る訳がないんだ!」
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( ゚∀゚)「今と大して変わらねぇし、"俺"がセキュリティなんかに捕まるわけがねぇ」

(;・`ー・´)「え…いや……、お、俺から逃げるつもりか!?お、俺の親父は超エリートの…!」
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(# ゚∀゚)「あぁ?そんなこと関係ねぇよ。"俺"が自分でここに来て、自分でここから出てくっつってんだ。文句ねぇだろ」

(;・`ー・´)「えっ」

( ・`ー・´)「(だ、だめだ!この男を、俺一人で押さえられる気がしない!…そうだ!)
        デュ、デュエルモード強制発動!これでお前は逃げられな…」
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( ゚∀゚)「おいおい、"俺"のデッキはお前に没収されてるだろうが」

(;・`ー・´)「…あっ…」

(;・`ー・´)「(今はデッキが3つある。俺の親父に借りたデッキ、俺の作ったデッキ、ジョルジュ本人のデッキ。
        ここは一番弱いデッキを渡し、俺が一番強いデッキを使うに限る
        あいつ本人のデッキを渡すのは論外。俺と親父のデッキ、どっちかを渡して強制デュエル、応援を呼ぼう)」

( ・`ー・´)「……よし、特別に俺のデッキを使わせてやろう。強制デュエルだ」
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( ゚∀゚)「ん?お前のデッキを貸してくれんのか?なんだそりゃあ」

( ・`ー・´)「(俺のデッキが一番弱そうだなんて言えるか!)
         このエリートデッキで貴様を拘束してやる!いくぞ!デュエルだ!」
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( ゚∀゚)「……」

( ・`ー・´)「俺の先攻!永続魔法《未来融合−フューチャー・フュージョン》!デッキから…」

《サイバー・ドラゴン》
《マシンナーズ・フォートレス》
《アーマロイドガイデンゴー》×3
《ドリルロイド》×2
《スチームロイド》×2

( ・`ー・´)「の計10体を墓地に送り、《キメラテック・オーバー・ドラゴン》を2ターン後に融合する!
       そして《エクスプレスロイド》を召喚、効果発動!」

《エクスプレスロイド/Expressroid》 †
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻 400/守1600
このカードの召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、自分の墓地に存在する
「エクスプレスロイド」以外の「ロイド」と名のついたモンスター2体を手札に加える事ができる。

( ・`ー・´)「その効果で墓地の《アーマロイドガイデンゴー》を2枚手札に加える!
       そして墓地の《マシンナーズ・フォートレス》の効果も発動!」

《マシンナーズ・フォートレス/Machina Fortress》 †
効果モンスター
星7/地属性/機械族/攻2500/守1600
このカードは手札の機械族モンスターをレベルの合計が8以上になるように捨てて、手札または墓地から特殊召喚する事ができる。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する。
また、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードが相手の効果モンスターの効果の対象になった時、
相手の手札を確認して1枚捨てる。

( ・`ー・´)「ガイデンゴーを捨てて、墓地のフォートレスを蘇生する!ターンエンドだ!」
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( ゚∀゚)「"俺"のターンだな、ドロー。ふぅん、《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚だ」
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( ゚∀゚)「…ん?そういや、さっきお前もサイドラを墓地に送ってたな。似たデッキなのか」

( ・`ー・´)「残念だったな!そっちは弱い方のデッキだぜ。なんせこっちは超☆エリートの親父に借りたやつなんだからな
       いいことを教えてやろうか?俺はセキュリティ入所試験からこのデッキを使い続けているが、
       それから5年たった今でも勝率は8割を超えてる。かなり強いぜ」
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( ゚∀゚)「デッキはエリートでもよ、こんな地下牢獄の警備に甘んじてるお前自身はエリートなのかよ?」

(;・`ー・´)「ちっ、うるせ―な、公務員は年功序列制なんだよ!
       俺くらいの若さで本部にいること自体がエリート街道を歩んでいる証だ!俺だっていつかは…」
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(# ゚∀゚)「あー面倒くせぇな、早くデュエルを進めるぞ」

(;・`ー・´)「こいつ、自分から話しかけておいて…!」
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( ゚∀゚)「《スペア・ジェネクス》召喚。2体をチューニングして星8《A・ジェネクス・アクセル》をシンクロ召喚」

《A(アーリー)・ジェネクス・アクセル/Genex Ally Axel》 †
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻2600/守2000
「ジェネクス」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、手札を1枚捨てる事で、自分の墓地に存在するレベル4以下の機械族モンスター1体を選択して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで倍になり、
相手プレイヤーに直接攻撃する事はできず、自分のエンドフェイズ時にゲームから除外される。
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( ゚∀゚)「アクセルに装備魔法《ブレイク・ドロー》を装備する。エクスプレスロイド(A400)にアクセル(A2600)で攻撃だ」

( ・`ー・´)「喰らうぜ」LP8000→5800
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( ゚∀゚)「ブレイク・ドローの効果で1枚ドロー。カードを1枚セットしてターンエンド」
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( ゚∀゚)【LP-8000 / Hand-3 /Monster《A・(略)・アクセル(A2600)》/Magic,Trap-set1】
( ・`ー・´)【LP-5800 / Hand-5 /Monster《Mフォートレス(A2500)》/Magic,Trap-《未来融合》】

( ・`ー・´)「俺のターン、未来融合のカウントが1つ進む。これは俺の勝利へのカウントだ。
       このカウントがもう1つ進んで融合に成功した時、それが俺の勝利の時だ!」
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( ゚∀゚)「出るモンスターはキメラテックだろ?出てきた瞬間オダブツだぜ?」

( ・`ー・´)「それはどうかな!このデッキの破壊力はすごいぜ!」
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( ゚∀゚)「まぁ、狙いは墓地こやしってとこだな」

( ・`ー・´)「よく分かっているじゃないか!行くぞ!2体目のエクスプレスロイドを召喚!
       その効果で墓地から再びガイデンゴーを2枚手札に加える!」

( ・`ー・´)「バトルだ!Mフォートレスでアクセルに自爆特攻だぜ!」
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( ゚∀゚)「Mフォートレスが戦闘破壊された時の効果でアクセルを破壊、さらにガイデンゴーを捨て、
     またフォートレスを蘇生するってことか。面倒ではあるが…残念だったな。《次元幽閉》だ、Mフォートレスは除外されるぜ」

(;・`ー・´)「何っ!?エースのMフォートレスが!」
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( ゚∀゚)「これお前のデッキなんだろ?幽閉の可能性を読めたんじゃねーのか?」

(;・`ー・´)「そっちのデッキなんて、セキュリティに入ってからずっと使ってなかったから忘れていたぜ…
       ちっ、だがこのデッキの本領発揮はまだこれからだ!カードを1枚伏せてターンエンド!」
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( ゚∀゚)「俺のターン。
     (さっきからやってることは落としたモンスターの回収だけ。コンボパーツが揃ったら一気に攻め入るデッキか。ま、様子をみるかね)」
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( ゚∀゚)「《ジェネクス・ニュートロン》を召喚、さらにアクセルの効果発動。
     手札のドゥルダークを捨て、墓地のスペアを蘇生させる。この効果で蘇生したモンスターの攻撃力は倍になる」
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( ゚∀゚)「スペア(A1600)でエクスプレス(A400)に攻撃だ」

( ・`ー・´)「リバースカードオープン!《地霊術−「鉄」》!エクスプレスをリリースし、
       墓地のもう1体のエクスプレスを守備表示で特殊召喚!
       そしてエクスプレスの効果でドリルロイドとスチームロイドを回収する!」
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( ゚∀゚)「守りながらまた回収か、面倒くせぇな、スペアで守備のエクスプレスに攻撃」

( ・`ー・´)「ふっ、これで大分揃ったぜ。次のターンd」
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( ゚∀゚)「あぁー、こんなにつまらねぇデュエルは久しぶりだぜ。
     俺はとっととここから出て俺の願いを叶えたいんだ、とっとと終わらせてもらうぜ。
     ニュートロン(A1800)とアクセル(A2600)でダイレクトアタック」

(;・`ー・´)「くっ、願いだと!金か、女か、力か知らんが、捕まってなお、まだ何か企むつもりか!」LP5800→4000→1400
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( ゚∀゚)「ニュートロンとスペアで《A・ジェネクス・トライフォース》をシンクロ召喚する」

《A(アーリー)・ジェネクス・トライフォース/Genex Ally Triforce》 †
シンクロ・効果モンスター
星7/闇属性/機械族/攻2500/守2100
「ジェネクス」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードがシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの属性によって、このカードは以下の効果を得る。
●地属性:このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
●炎属性:このカードが戦闘によってモンスターを破壊した場合、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
●光属性:1ターンに1度、自分の墓地の光属性モンスター1体を選択して、自分フィールド上にセットできる。
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( ゚∀゚)「ニュートロンは光属性だ。効果を発動して、墓地のサイドラをセットする。
     最後にカードを1枚伏せてターンエンド」
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( ゚∀゚)【LP-8000 / Hand-1 /Monster《アクセル(A2600)》《トライフォース(A2500)》《サイドラ(裏D1800)》/Magic,Trap-set1】
( ・`ー・´)【LP-1400 / Hand-8 /Monster- /Magic,Trap-《未来融合》】
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( ゚∀゚)「…俺の願いはどうせお前みたいな無能には分かんねぇよ」

(;・`ー・´)「俺が無能だと!俺の親父は…」
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( ゚∀゚)「あぁうぜぇ!!さっきから口を開けばオヤジオヤジと!
     父親の金魚の糞みたいにくっついてるだけでてめぇは何一つ持ってるものがねぇじゃねぇか!!」

( ・`ー・´)「…さっきも言っただろ!セキュリティは年功序列!
       俺だって親父くらいの歳になれば、上から同じくらいの地位を貰えるんだ!俺はエリートだ!」
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(# ゚∀゚)「それはてめぇが何か持ってるやつに恵んで貰っただけのこったろ!
     てめぇ自身のデッキで親父を倒そうとか、実力で何かをなそうと思ったこともねぇのか!てめぇは何一つ優れちゃいねぇ!」

(;・`ー・´)「うっ…違う!俺だって、」
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(# ゚∀゚)「盗むものが何一つないやつと戦っても何の得もねぇ!時間の無駄だ!くそつまんねぇ!」

(;・`ー・´)「お、俺にだって、持ってるものはある!俺は…俺は、親父を持ってる!親父に恵まれてるんだ!
       俺は、このデッキで勝率8割なんだ!
       俺のターン!……よし、遂に来た!未来融合の効果!キメラテックが融合召喚されるが、未来融合が墓地に送られることで共に墓地に行く」

( ・`ー・´)「いくぞ!《オーバーロード・フュージョン》!」

《オーバーロード・フュージョン/Overload Fusion》 †
通常魔法(制限カード)
自分フィールド上または墓地から、融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、
闇属性・機械族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)

( ・`ー・´)「墓地の6体(※)を除外し、真の《キメラテック・オーバー・ドラゴン》を特殊召喚する!攻撃力は融合素材の数×800、つまり4800だ!」

※(《サイバー・ドラゴン》《エクスプレスロイド》×2
  《キメラテック・オーバー・ドラゴン》《ドリルロイド》《スチームロイド》)

( ・`ー・´)「そして魔法カード《融合》!手札のガイデンゴー×3、スチーム、ドリルを合体する!
       親父のデッキのもう1体の最強融合モンスター、《極戦機王ヴァルバロイド》!」

《極戦機王(きょくせんきおう)ヴァルバロイド》 †
融合・効果モンスター
星12/地属性/機械族/攻4000/守4000
「ロイド」と名のついた機械族モンスター×5
このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
このカードが攻撃した相手の効果モンスターの効果をダメージ計算後に無効化する。
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、相手ライフに1000ポイントダメージを与える。
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃をする事はできない。

( ・`ー・´)「魔法カード《融合回収》!墓地のガイデンゴーと融合を回収、そして融合発動!
       手札のヴォルカニック・バレットとガイデンゴーを融合!《起爆獣ヴァルカノン》!
       そして効果発動!ヴァルカノンとサイドラを破壊し、相手に、サイドラ分のダメージを与える!」

《起爆獣(きばくじゅう)ヴァルカノン》 †
融合・効果モンスター
星6/地属性/機械族/攻2300/守1600
機械族モンスター+炎族モンスター
このカードが融合召喚に成功した時、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する事ができる。
選択した相手モンスターとこのカードを破壊して墓地へ送る。その後、墓地へ送られた相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
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( ゚∀゚) LP8000→5900

( ・`ー・´)「バトルだ!このデッキの真の力を見せてやる!極戦機王(A4000)でトライフォース(A2500)に攻撃!!機神黒掌!
       極戦機王は相手を破壊した時、さらに1000ダメージを与える!」
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( ゚∀゚)「(セットカード、ここで使うか…いや、どうせライフは尽きないのなら、手札を優先するべきだな)」
LP5900→4400→3400

( ・`ー・´)「まだだ!極戦機王は2回攻撃できる!アクセルにも攻撃する!」
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( ゚∀゚)「それを待ってたぜ、リバースカード《リミッター解除》、アクセルの攻撃力を倍(A5200)にするぜ」

(;・`ー・´)「うっ、極戦機王が…!」 LP1400→200
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( ゚∀゚)「ブレイク・ドローの効果でドローさせてもらうぜ」

( ・`ー・´)「ちっ、アクセルの攻撃力は5200…キメラテックでも敵わないか。だが、エンドフェイズに自壊して貴様のモンスターは尽きる!次のターンで終わりだ!」
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( ゚∀゚)【LP-3400 / Hand-2 /Monster- /Magic,Trap- 】
( ・`ー・´)【LP-200 / Hand-0 /Monster-《キメラテック(A4800)》/Magic,Trap- 】
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( ゚∀゚)「なるほど、一気に攻め立ててきたな。てめぇの言うとおり、そのデッキの破壊力はなかなかすげぇもんがある」
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( ゚∀゚)「だが、それを使うてめぇが無能じゃ話にならねぇ」

(;・`ー・´)「ほざけ!このデッキが俺の力なんだ!」
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(# ゚∀゚)「てめぇの親父の力で組んだデッキなんだろうが!」

(;・`ー・´)「…俺は優れた親父を持ってる!」
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(# ゚∀゚)「それはてめぇが恵まれてるんじゃねぇ、てめぇの親父が息子に恵まれなかったんだろ!
     お前自身の中に何か一つでも信じられるものはねーのか!お前の力だけで勝ち取ったもんは!?」

(;・`ー・´)「…は、初めから何か持ってる人など居るものか!俺だって、これから手にするものがある!
       それに、自分の力で手に入るものなんてそうそう有るものか!貴様だって何かあるわけじゃないだろ!」
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(# ゚∀゚)「"俺様"は全て全戦全勝!!!欲しいものは全て手に入れてきた!!"俺様"とてめぇごときを比べるんじゃねぇ!」
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( ゚∀゚)「俺のターンだ。何のために俺がライフを減らしてまでリミッター解除のタイミングを遅らせたのか。
      俺には、お前を倒す手が揃いつつあったのを、自分のデッキの内容すら覚えていないてめぇには分かんねぇだろうな」

(;・`ー・´)「……っ!」
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( ゚∀゚)「魔法カード《簡易融合》。ライフを1000払い、《バロックス》を融合召喚」
LP3400→2400
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( ゚∀゚)「手札から《ジェスター・コンフィ》を特殊召喚、こいつは手札から特殊召喚できる。
     そしてチューナー《ジェネクス・コントローラー》を召喚する。」
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( ゚∀゚)「コンフィ(☆1)とバロックス(☆5)にリモート(☆3)をチューニング。
     シンクロ召喚《レアル・ジェネクス・クロキシアン》!やっぱり奪わないと"俺"らしくねぇよな!!
     効果発動!てめぇの場のキメラテックを頂戴するぜ!!」

(;・`ー・´)「そ、そんな、俺のキメラテックが…俺の場はがら空き…負ける!?」
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( ゚∀゚)「…これでてめぇの負けだ。お前のデッキも、そう悪くないぜ。
     もし自分だけのデッキを信じて使い続けていたら、いつかは自分の力で親父にも勝てたかもしれねぇのにな」

(;・`ー・´)「…俺のデッキ…あ、ああ…!」


( ・`ー・´)「そうだ、クロキシアンは俺自身のデッキのエースだったんだ…!!
       俺だって、俺だって昔は!自分のデッキで親父のデッキに勝とうと思っていた…」

( ・`ー・´)「でも全然勝てなくて…自信がなくて、自分の力だけでセキュリティとして認められる気がしなかった。
       それで親父に少しだけ力を借りた、その筈だった…」

( ・`ー・´)「親父のデッキを使って勝って、勝ち続けてしまった…今度は負けるのが怖くなった!
       いつか自分のデッキを強くして親父を超えようとしていた、でも親父のデッキを使わないと俺は負けてしまう!」

( ・`ー・´)「…いつの間にか俺は親父のデッキを使うことに抵抗感も感じなくなって、俺自身のデッキに目を向けることがなくなっていた…!
       俺は、俺自身で俺のデッキを見捨ててしまっていた…!」

( ・`ー・´)「何も持っていない俺でも、ただ一つだけ持っていた俺だけのデッキなのに…!俺は……!!」


  (;・`ー・´)『(俺のデッキが一番弱そうだなんて言えるか!)


( ・`ー・´)「どうしてあんなことを言ってしまったんだ。どうして自分のデッキを諦めてしまったんだ…!
       俺は、なんて馬鹿なことを…!」
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( ゚∀゚)「…良かったじゃねぇか、馬鹿でもなんでも。、今たった一つ信じられるものを取り戻せたんだからよ」

( ・`ー・´)「……」

( ・`ー・´)「…サレンダーする。お前自身のデッキも返してやるから、返してくれ!
       たった一つの俺だけのもの…俺のデッキを!」

監守は腰に付けていた3つめのデッキホルダーを外してジョルジュに投げ渡すと、
そのまま右手をデュエルディスクの上に置いた。

( ・`ー・´) LP200→0(サレンダー)

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( ゚∀゚)「…ありがとよ。ようやく見つけたな、お前のもの」

(*・`ー・´)「ああ!」

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( -∀-)「…ククク…じゃあ、貰ってくぜ、お前のデッキ!」


( ・`ー・´)「…え?」
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( ゚∀゚)「何もねぇ奴からは何も奪いようがねぇからな!これでやっと奪えるぜ!!」

(;・`ー・´)「そ、そんな!」
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( ゚∀゚)「当たり前だろ。奪うのが"俺"の仕事なんだからよぉ!!」

(;・`ー・´)「おい、嘘だろ…!返してくれよ…!
       もう貰った親父のデッキとか、貰ったエリートとか!そんな安いプライドも要らない…!
       たった一つの、やっと見つけた俺のものなんだっ…!俺のデッキ…!!」
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(* ゚∀゚)「良かったじゃねぇか!!自分のもの一つだけあってよ!!
     ならこいつを奪っちまえば、正真正銘てめぇは何もねぇすっからかんのカスってことだ!!!!」

(;・`ー・´)「え…あ…!俺の…!い、いやだ…!返してくれ…俺の…」
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(* ゚∀゚)「返して欲しいなら自分で奪い返してみろよ!てめぇの力だけじゃもう立ち上がることもできねぇってのか!?」

(;・`ー・´)「あ…ああ…!?」
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(* ゚∀゚)「いいだろ別に!!何も変わらねぇさ!!
     てめぇが頼りにしてる親父のデッキは奪わないでおいてやるよ!!
     今まで通りそのデッキで勝ち続けりゃいいだろ!!ハハハハッ!!」
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(* ゚∀゚)「犯罪者を逃して、しかもわざわざ没収したデッキまで返してくれてよ!
     グハハハハ!!それがバレたらエリート街道ってのからは外れちまうかもしれねぇがなぁ!!?」
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(* ゚∀゚)「"俺"の罠に嵌まったとか取り繕っておけば、お前が頼りにしてるエリートの親父が助けてくれるかもしれないぜ!!?」
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(* ゚∀゚)「もう俺がてめぇから奪うものは何もねぇ!追ってこないなら"俺"は行くぜ!!
     てめぇより楽しいものを、"俺"のものにするためにな!あばよクソッタレ!!
     ハハハハハッハハハハッハッハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!!」


(     )「…応援も、まだ来てない…追わないと…」

(     )「あ…俺には捕まえられない…俺じゃもう、どうしようも…!」

(     )「いや、親父のデッキを使えば…親父に助けてもらえば…
      何も変わらないっ…?違う……!俺には…俺にはもう…」


( ;`ー;´)「何もない…」


―――――ジョルジュ、脱走…!

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