49 名前:名も無きAAのようです :2013/11/18(月) 21:41:33 ID:JHtcTOcw0

これはもっとも長く救世を行った救世者の物語
最後から二番目の男の悲劇で――ハッピーエンド。

「HERO-MRR-667272、起きなさい」

「現救世者643132が救世不能となりました」

「前回の適正テストの結果により、MR……いえ、あなたを次の救世者とします」

「事態は急を要します、急ぎ継承を」


HERO-MRRシリーズ。
それは救世のためだけに作られる改造クローン。
はじまりの救世者「結都モラル」を元にした、使い捨ての救世者。

( ・∀・)ノ゜

( ・∀・)ノ(;,∀・ )

( ・∀・)「あ」(;,∀, )。ぺちゃり

( ・∀・)   (;,∀, )

( ・∀・)「イケメンが台無しだね、元救世者」(;,∀, )

( ・∀・)「しかし、ここはどこかな」

.

50 名前:名も無きAAのようです :2013/11/18(月) 21:42:47 ID:JHtcTOcw0

HERO-MRR-667272
救世の継承を終えた彼は、ひょんなから監視者の目の下から離れてしまう。

( ・∀・)「君、そんなとこに寝てどうしたの」

(゚、゚トソン「……人の勝手でしょ」


都村トソン――彼を嫌う車椅子の少女。

( ・∀・)「世界を救う、そのために作られた」

(゚、゚トソン「厨二は間に合ってます」

( ・∀・)「……意味わからないけど胸がざわついた」

彼女の言葉は人形であった彼に息を吹き込んでいく。

( ・∀・)「名前……救世者と呼ばれる予定だったんだけれど」

(゚、゚トソン「黙れ厨二。……決めました。モララーと呼びます」

彼女を初めとした出会いが彼の――世界の運命を変えた。

.

51 名前:名も無きAAのようです :2013/11/18(月) 21:44:25 ID:JHtcTOcw0

( ・∀・)「お世話になります、で合っているかな?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「ただいまが正解だよ」

流石家――気の良い、楽しい、優しい家族。

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「アンタの名字は流石だよ。流石モララー。流石家の長男だ」

( ・∀・)「流石、モララー……」

( ´_ゝ`)「くっ、イケメンが言うと似合いすぎてダメージが!」

(´<_` )「流石だな兄者」

l从・∀・ノ!リ人「かっこいい兄者かっこいいのじゃー」

( ´_ゝ`)「かっこいい兄者って俺のことだよね? あ、ごめんなさいそんな目で見ないで何かに目覚める」

彼にとって初めての日常。それはとても暖かく。
出会う人々皆―― 一人を除いて ――彼にとって大切な存在となっていく。

「連絡先は予め教えたはずです」

しかし

「152793。これが貴方が遊んでいる内に消えた命の数です」

(  _ゝ )

非日常のために作られた彼に、世界は冷たく

「さぁ、救世に戻りましょう救世者。あなたはそのために産まれたのだから」

( <_  )l从 ∀ ノ!リ人

とても簡単なきっかけだけで

「幸運なことに貴方は沢山の大切な人を作ることが出来たようです」

 (  ノ ) (  _ゝ )

日常は崩れていくのだ。
.

52 名前:名も無きAAのようです :2013/11/18(月) 21:45:21 ID:JHtcTOcw0

「これはあなたの救世の機会が増えたということです。実に喜ばしい」

( ・∀)

「救世者、理解していますね」


「大切な人たちと引き換えに、世界を救う。それが救世者の役目です」



.

53 名前:名も無きAAのようです :2013/11/18(月) 21:46:03 ID:JHtcTOcw0

(゚、゚トソン「その笑み」

(゚、゚トソン「私、嫌いです。コピペみたいに貼りつけた笑顔」

(゚、゚トソン「意志のない、主体性のない、そんな貴方を表しているみたい」

( ・∀・)「……救世者としては悔しいんだけど、君だけはほんと、イラつくよね」

(゚、゚トソン「厨二ぶって不格好な大人ぶって、ただの子どものくせに」

(  ∀ )「……わかったようなことをいうね」

(゚、゚トソン「つらいなら泣けばいいのに、叫べばいいのに。それを成せる身体があるのに何もしない。人形のまま」

(  ∀ )「……君を殺すことだけはないだろうな」


彼が惑う中でも時間は残酷に過ぎ

( ∀  ) 「そぉんなに救世がつらいならさぁ」

(・∀ ・) 「交代しよーぜぇ救世者ぁ」

彼の居場所を狭めていく。


( ・∀・) 「君ってさ、あれ、あれだよね。えっと……」

(゚、゚トソン「なんですか」

( ・∀・)「ツンデレ」

(゚、゚トソン「……ばかでしょ」
.

54 名前:名も無きAAのようです :2013/11/18(月) 21:46:58 ID:JHtcTOcw0

大切な人を犠牲にしていく中で、絶対に大切にならない少女との触れあいは彼にとっての救いで、

(゚、゚トソン「手は借りないと言ったはずです。同情は大嫌い」

( ・∀・)「同情じゃありませーん。いやがらせでーす」

(゚、゚トソン「後で覚えてろ」

( ・∀・)「君が元気にならないと張り合いないんだよねー。だから無理はしてほしくないなー」

( 、 トソン「……無理なんか」

( ・∀・)「冗談だよ。……一緒にいたいだけっていったら怒る?」

( 、 トソン「……」

( ・∀・)「いやぁほんとはこのままどこかに放置してやろうといてててて」


けれどもその時は、前触れもなく簡単に訪れて、


(゚、゚トソン「モララー。私、貴方が「やめろ!」

( ;∀;)「やめ……やめて……くれ……やめてくれよ。お願いだから、君は僕を嫌ってくれ。僕に触れないで」

(゚、゚トソン「どうせ、明日のわからぬ身です。私が死んだって、世界は変わらない。価値なんてない」

( 、 トソン「私は」

(゚、゚トソン「私は嬉しいんですよ。私の死に価値が出来て。運命より貴方に殺されたい」

(゚、゚トソン「私の死は君の貴方のためのもの。私の死は「愛されていた証」」



(゚―゚トソン「愛しいヒーロー。私を殺して?」



.

55 名前:名も無きAAのようです :2013/11/18(月) 21:47:58 ID:JHtcTOcw0

奴等がいるのに、大切な人がいない、誰もいない。

⌒*リ´;-;リ「たすけて、おにいちゃん」

あぁ、なんて可愛い声。
大切だ大切だ。
この子が大切だ。
だから、まだ戦える。

( ・;∀・)「人殺し、人殺しのヒーロー。悪人殺してヒーローで、善人殺してヒーローだ」

( う∀・)「十じゃ足りない、百じゃ平凡、千でまぁまぁ、万はなかなか。でも足りない、まだまだ足りない」

( ・,∀・)「初めてだって愛そうか、どこかに救世を見いだして、君が大切と刻もうか」

( ・,∀・)「世界まるごと愛してヒーロー、ヒーローだからみんな大切」

( ・,∀・)「世界中のみんな殺しても、世界救えたならそれでいいよね」

(  ∀ )「ヒーローは世界を救えばいいのだから」

    ⌒*リ ρ リ

救世者はありがとうと笑った『大切な』少女の亡骸を跨ぎ、夜の闇へと歩き続けた。



( ・∀・)モララーは選んでいたようです



まずは('A`)が選んだようですを書かないと公開できないから、無理なんだからな!


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