891 名前: ◆3sLRFBYImM :2015/10/31(土) 23:11:51 ID:tTdXfKsE0
■9    - 自殺の理由 -



【いつか帰る場所で】において、
遺書をしたため魔導力の海に身を投げた(`・ω・´)


彼は産まれた頃からの記憶と、生まれつき備わる予知夢をもつ。

笑顔を向けてはいても感情のない人の群れ。
成長し、アーカイブを覗いたことでそれが
"哲学ゾンビ" と呼ばれる存在であることを知った。


幼い頃。
なにも知らない内藤たちにそれを伝えることも憚られ、
眠れば夢の中でアサウルス(主に名瀬)が現れる。
…将来出現する( ゚∋゚)もいたのだが、まだ彼には見分けがつかなかった。



毎日が苦痛の連続。
何年も続く孤独な地獄。

いつしか心を閉ざしかねないまでに追い詰められた彼は、
勇気をもって、友にこの世界の話を切り出した。


なぜこうなったのか。
どうして今こんな世界に居なければならないのかを。



……だが。

892 名前: ◆3sLRFBYImM :2015/10/31(土) 23:14:22 ID:tTdXfKsE0
(` ω ´)

( ^ω^ )『あまり考えすぎないで、まずは僕たち六人がずっと一緒に楽しく過ごそうお』



――無駄だった。
人というものに対する考え方が、自分とはあまりに違う。
このとき友に理解して貰うことは不可能なのだと心の奥底で感じてしまった。


現実には友に否定され、
夢には世界の終末とアサウルスに心を追い込まれた結果、
彼は逃げ道としての自殺を決意する。



それでも。
死に直面して僅かにもっていた希望が、魔導力の海。

魔導力が感情の塊であり、歴史そのものが微睡んでいるのではないかと推測した彼は
足掻くように別の道を模索していたといえる。


『気が狂う前に試したい』
…それは最後の最後に、魔導力による生まれ変わりを信じていた彼の遺言。

『三度目の大嵐にまた』
…それは世界の最後に、何が起こっているのかを予知夢した彼の遺言だった。




[かがみ]の向こうの世界でまさに生まれ変わろうしていた彼の推測は正しかった。

…それがやっと現実になるまえに、ショボンに出逢わなければ。



<了>


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