767 名前:名も無きAAのようです :2015/05/20(水) 00:36:10 ID:jVDp9L5w0

( ^ω^) 「泥水おいしいお!!」

ブーンは泥水を飲んでにっこりと笑った。彼は泥水が大好きなのだ。
特に砂泥の粒子が粗いのが好きだ。喉越しがジャリジャリしているのが好きなのだ。
口の中にジャリジャリが残るのが好きなのだ。歯磨きしてもなおジャリジャリしているのが好きなのだ。

( ^ω^) 「んん〜、たまらんなぁ」


   ( ^ω^)は泥水を飲むようです

768 名前:名も無きAAのようです :2015/05/20(水) 00:36:56 ID:jVDp9L5w0

('A`) 「ブーンお前wwwwマジキチwwww」

友達は彼をたいへんに面白がった。
小学生は、特に男子に言えるが、仔猿と同じだ。好奇心旺盛で、変な事をする奴が大好きだ。
「どんな泥水も好きである」。豪語してみせたブーンに、みんな次々とペットボトル入りの泥水をよこした。
ブーンは飲み干した。理科室に忍び込み、アルコールランプで煮沸して飲み干した。

「煮沸は反則ではないか」。これに対し、泥水に含まれる細菌やバクテリアと、それを摂取する危険性について、ブーンは放課後に2コマの講義を行った。
その後も生産者たちと議論を重ね、1週間後、内藤用泥水における安全管理のガイドラインを作成。すみやかに全校生徒に配布した。
このような大規模な活動により、噂はすぐに職員室に届く。

(´・_ゝ・`) 「内藤、お前泥水飲んでるの? それは止めた方がいいよ」

( ^ω^) 「そんなわけないじゃん先生馬鹿じゃないの」

(´・_ゝ・`) 「だよね」

ブーンは、泥水をグビグビいくことが、あまりにも異常な行動であると理解していた。
そしてこのような荒唐無稽に過ぎる噂話に、先生たちがまともに取り合わないであろうことも予測していたのだ。
このようにして、彼は泥水を飲み続けた。

769 名前:名も無きAAのようです :2015/05/20(水) 00:37:42 ID:jVDp9L5w0

しかし、小学校3年生の春。ブーンに転機が訪れる。

ξ゚听)ξ 「別野小学校から来ました、ツンです。べ、別にあんたたちのために転校してきたんじゃないんだからね」

( ^ω^) 「可憐だ……花だ……」

一目惚れだった。
その日、ブーンは突然泥水を卒業する。小学生にとっては学校が世界の全てであるのだから、その日全世界が悲しみに包まれたと言って過言ではない。

名前がちんこに若干似ているため、ツンはオスの猿どもにこれでもかといじめられた(性的な意味ではない)。
自分好みの気の強そうな女子が、からかわれて涙目になっている。ブーンは劣情と泥水を必死に抑え続けた。

ξ゚听)ξ 「ついに卒業ね。ところでブーンって泥水飲んでたって本当?」

( ^ω^) 「は? 飲まねーしブス。つーか死ねブス」

こうして彼の小学生生活は幕を閉じる。

770 名前:名も無きAAのようです :2015/05/20(水) 00:38:43 ID:jVDp9L5w0

これからはツンにもう少し素直になろう。
小さな決意を胸に秘め、中学校に入学早々、彼は絶望のどん底に叩き落される。

ξ゚听)ξ 「テニス部の先輩に告られちゃったわ」

(’e’) 「テニス部の先輩だ。イケメンだ。その上実家がとてもお金持ちで、うちの墓はすごくでかい」

( ゚ω゚) 「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

ブーンは何も言えなかった。
煌々と灼熱する陽光の、たった一筋さえも届かない、黒々とした水底へ。身動きがとれないまま、ゆっくりと、ゆっくりと沈んでいくような。そんな世界の終わりを感じていた。

自宅のベッドに仰向けに倒れ、目を瞑ったまま手を伸ばす。枕元のサイドテーブル。引き出しを開き、薄く被った埃を払う。
振って、飲んだ。口の端から一条、淀んだ筋が伝い、白いシーツに染みを作る。

じゃり。じゃり、じゃり、じゃり。じゃり、じゃり、じゃり、じゃり。じゃり。

( ^ω^) 「泥水おいしいお……」

おいしかったが、ブーンは笑わなかった。

771 名前:名も無きAAのようです :2015/05/20(水) 00:39:38 ID:jVDp9L5w0

それからブーンはまた泥水を飲むようになった。以前のように見せびらかすことは無く、家の中で。

( ・∀・) 「お前昔泥水飲んでたよな」

( ^ω^) 「それもう言わんといて」

友達も彼自身も未だアホの猿ではあったが、少しずつ常識を身に付けて、そこに近づいたり、あるいは遠ざかったりに必死だった。
  _
( ゚∀゚) 「ぼくはおおきなおっぱいがとってもすきだなあ」

('A`) 「『エロ画像 無料 人妻 触手 二穴 ボテ腹 アヘ顔』」

泥水が好きなんていうのは、異端なのだ。
異端者は声を上げてはならない。バレたらいつ迫害されるか分からない。

( ^ω^) ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ

ブーンは園芸を趣味にするようになった。ごく自然に、良質な泥水が手に入るからだ。
窓辺にプチトマトの苗がひょろひょろと伸びる部屋の中で、ブーンはこっそりと泥水を呑んだ。
この頃から、泥水を飲むのが好きではなくなった。以前ほどおいしくない。身体の調子はよくない。ケツの穴が痛い。

( ^ω^) ジャリッ、ジャリッ、ジャリッ

それでもブーンはやめなかった。

773 名前:名も無きAAのようです :2015/05/20(水) 00:40:51 ID:jVDp9L5w0

ξ#゚听)ξ 「既読無視が罪だとお前は言う! そのような法はどこにあるのだ、誰が裁くのだ!!」

o川#゚ー゚)o 「たわけ、法などいらぬ! 在るのは裁きのみ!それを下すのは我々であり君ではないのだ、それが全てだ! 死ねい!」スマホポチー

ξ;゚听)ξ 「グワアアアア、馬鹿な、こ、この私が、馬鹿なアアアアアアアア!!」

半年後の卒業を待たず、遂に女子の派閥が真っ二つに分かれる。
背中の仲間たちが融通無碍に旗色を変える中、ツンはただ1人の革命家として最後まで戦い、そして鮮やかに玉砕した。

( ^ω^) 「一緒に帰る?」

ξ゚听)ξ 「そうする」

この頃から、ブーンとツンはまた話すようになった。
一挙手一投足が攻撃の理由となるツンは、やはりこの件でモメにモメる。

( ^ω^) 「大丈夫?」

ξ゚听)ξ 「別に」

その日ブーンは、ツンを自分の部屋に呼んだ。

774 名前:名も無きAAのようです :2015/05/20(水) 00:42:01 ID:jVDp9L5w0

ブーンは押入れの中から、泥水の入ったペットボトルを2本取り出し、片方を差し出した。

ξ゚听)ξ 「あれ、本当だったんだ」

( ^ω^) 「まぁ……そういうことだお」

目の前で飲み干してみせた。前歯の裏の砂を下で弄びながら、やってみるかと言う。

ξ゚听)ξ 「……」

ツンはしばらく考えてから

ξ゚听)ξ 「私はいいわ」

そう言ってブーンにペットボトルを突き返した。
そうかと頷き、初心者向けにと思って調整した薄い泥水を、プチトマトにじゃばじゃばと注いだ。

775 名前:名も無きAAのようです :2015/05/20(水) 00:42:49 ID:jVDp9L5w0

ツンはベッドに座り込み、「それ、もう枯れるだけじゃないの」と言った。

( ^ω^) 「ん、あぁ……ちゃんとしてやれば、冬も越えるらしいお」

ξ゚听)ξ 「へぇ。ちゃんとしてるの?」

( ^ω^) 「してない。よくわからん」

ξ゚听)ξ 「じゃあ駄目じゃん」

そう言ってくすりと笑った。

776 名前:名も無きAAのようです :2015/05/20(水) 00:43:46 ID:jVDp9L5w0

ξ゚听)ξ 「プチトマトって、あんまり水あげちゃ駄目なんだよ、確か」

( ^ω^) 「そうなの?」

ξ゚听)ξ 「今度、調べてきてあげる。ちゃんとしたやり方。そうしたら、冬も越せるよ」

ブーンは驚いて彼女を見る。
泥水の最後の一滴が行き場を間違えて、ひたひたになった水受け皿の横にぽたりと落ちた。

( ^ω^) 「いいの?」

ξ゚听)ξ 「いいよ。まかせといて」

彼女は左手を軽く握り、胸にぽんと当ててみせた。

( ^ω^) 「じゃあ……お願いするお」

ブーンは泣きそうになりながら、なんとか搾り出した。

777 名前:名も無きAAのようです :2015/05/20(水) 00:44:38 ID:jVDp9L5w0

ξ゚听)ξ 「なんなら今すぐ、そこのパソコンで調べてもいいけど?」

( ^ω^) 「駄目だ。動くな。僕のパソコンに近寄るな」

それからも二人は、なんだかんだ末永く仲良くやったらしい。


ところでブーンの泥水は、ほとんど習慣みたいになっていて、治る気配が無かった。

( ^ω^) 「不味い、でも飲んじゃう」ゴクンゴクン

( ^ω^) 「そんな自分が嫌いじゃない。俺はずっとこうだ、俺はこういう人間だ」キリッ

もちろん表には出さないものの、すっかり開き直ってしまったブーン。
この期に及んでは矯正不可能かと思われたが、この件に関してはツンは割合あっさりした態度を取った。

ξ゚听)ξ 「腹壊すわよ」

そしてある日、彼はノロウイルスにこっぴどく痛めつけられることになる。

778 名前:名も無きAAのようです :2015/05/20(水) 00:45:48 ID:jVDp9L5w0

( ;ω;) 「痛い、死ぬ、死なせてっ、もう、ごろ゛じて゛え゛え゛えええええええええええええっ!!!!」

泥水が原因だったかは分からない。しかしそれ以来、彼は腹に悪そうなものをいっとう怖がるようになった。

( ^ω^) 「間一髪だった。本当に生きててよかったよ。二度と泥水は飲まないって、ママに約束する」


一方で、高校、大学、就職と進んでも、ツンはギラつくナイフのような気性を備えたままだった。
しかしそんな彼女もやがて人の親となり、「母親同士の関係が子供の教育に影響を」なんて話を聞いて、遂にその刃を収める。

ξ゚听)ξ 「とりあえず顔文字とか付けときゃいいんだろ? 私にだって出来るさ」スマホポチー

o川*゚ー゚)o 「ツンが顔文字wwwwwあいつアカウント乗っ取られてやがるwwwwwwwざまあwwwwwww」

ξ;゚听)ξ 「酷い!殺すぞ。ブーン聞いてよ、キューの奴がさぁ!」

( ^ω^) 「それよりツン、お前今携帯ちゃんと持ってる? ツンのアドレスから変なメール来たお」


ξ#゚听)ξ=○)ω)゚ ゚


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