793 名前:1/6 :2014/07/01(火) 10:34:04 ID:H8AK5mqs0
この流れで小ネタを思いついた
ので、投下



この世界には、自分とそっくりの人間が三人いる。
そんな伝説を聞いたことはないだろうか?


('A`)「………」

('A`)「………」


俺自体は普通の人間で、霊感もないし、オカルトも興味がなかった。
だからその話もなんとなく聞き流してしまった。

自分には関係のない話だと思っていたから。


( 'A`) ('A` )


こんな事になるならもっと真面目に聞けばよかった。
嗚呼、まさか自分と同じ顔をした人間と出会うなんて!

794 名前:2/6 :2014/07/01(火) 10:35:05 ID:H8AK5mqs0



('A`)と('A`)のようです

795 名前:3/6 :2014/07/01(火) 10:36:45 ID:H8AK5mqs0

(;'A`)「………」


いや、待てよ。まだオカルトだと決まったわけでない。
もしかしたら生き別れの兄弟とかかも。そっちの方が遥かに確率が高い。
まだ慌てるような時間じゃない、落ち着け……

そんなことを俺が考えていると、目の前の俺にそっくりの男が喋った。
俯きながら、ボソボソと。


('A` )「お前は俺のドッペルゲンガーなのか」


小さな声だったが、俺には何を言っているかはっきりとわかった。
自分と同じ声だからだろうか?


('A` )「……まさか、父さん?」

( 'A`)「違います」

('A` )「じゃあドッペルゲンガー?」

( 'A`)「たぶん……違います」

('A` )「おいおい、はっきりしてくれよ……」

( 'A`)「俺もよくわからないんだ!」

('A` )「怒鳴るなよ……」

( 'A`)「あ……スマン」


今の俺の声で、人が集まってきた。
もしこいつと俺が一緒にいるところを知り合いに見られたら非常に面倒なことになる。
俺は、俺とそっくりの男の手を掴むと人気のない裏路地まで引っ張っていった。

796 名前:4/6 :2014/07/01(火) 10:37:50 ID:H8AK5mqs0
('A`;)「お、おい」

( 'A`)「ここまでくれば誰かに見られることもないだろ」

( 'A`)「俺の名前は鬱田ドクオ、17歳だ。お前は?」

('A` )「……」

( 'A`)「なに?」


なんと言ったのだろうか、よく聞こえなかった。
さっきまでははっきりと聞こえていたのに。


('A` )「……た…かし」

('A` )「俺の名前は……たかし」

( 'A`)「たかし、か。いい名前だな」

('A` )「ああ。カーチャンがつけてくれた……自慢の名前だ」


そう言ってたかしは小さく笑った。
笑っているのに、俺には泣いているように見えた。

797 名前:5/6 :2014/07/01(火) 10:38:47 ID:H8AK5mqs0
J( 'ー`)し「あらあら、こんなところにいたのね。おうちに帰りましょう、たかし」

('A` )「カーチャン。もうここが……」

J( 'ー`)し「当たり前でしょう。カーチャンはたかしのカーチャンなのよ」

J( 'ー`)し「こちらの子はお友達?初めまして、たかしの母のカーチャンです。たかしと仲良くしてもらってありがとうねぇ」

(;'A`)「……」


おかしい。だってこの人はたかしの母さんなんだろ?
なら何故自分の子供と同じ顔の自分に普通に接するんだ?

たかしの反応もそうだ。普通の……自分の母に向ける顔ではない。


('A` )「………鬱田。逃げてくれ」


そう言うと、たかしは俺の背中を突き飛ばした。
結構大きな力で突き飛ばされたようで、俺は思いっきりつんのめる。
咄嗟に手を出したから顔から転ぶことはなかったけど、痛いものは痛い。

文句を言おうと立ち上がりたかしの方へ振り返ると、

798 名前:6/6 :2014/07/01(火) 10:39:35 ID:H8AK5mqs0
('A`)「!」


いなかった。
たかしとたかしのカーチャンは跡形もなく消えていた。


('A`)「…………」



あの後。俺はたかしを探したが、見つけることはなかった。
人気のないところだったから、二人を見た人を見つけるのは絶望的だろう。

何故たかしは俺と全く同じ顔をしていたのか?あの二人は何者なのか?
……たかしは何故自分の母にあんな悲しそうな顔を向けたのか?


俺は、未だにわからないままでいる………


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