3 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:07:35 ID:qcvTcyiI0


少年は願った


もし叶うならば、あの日、想い人が傷つく前に助けたかったと


少年は願った


もし叶うならば、あの日、共に立ち向かえる勇気があればと


少女は願った


もし叶うならば、あの日を、最高の一日にしたかったと



三人は願った


もし叶うならば―――――



.

4 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:08:17 ID:qcvTcyiI0




『マーケティング・レンタルコミックスのようです』



最終話






.

5 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:09:10 ID:qcvTcyiI0





『あの日をもう一度』




.

6 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:10:23 ID:qcvTcyiI0
クールがビルへとたどり着くと、既に戦いは終わっていた
もう少し粘るものだと思っていたばかりに、少し残念な気持ちになった
それだけ、村学生が強いと言うこともあるだろうが


川 ゚ -゚)「なんだ、もう終わったのか」

( ゚∀゚)「ああ…って、なんだその返り血?おめー何やってたんだ?」

川 ゚ー゚)「ん?んふふふふふふ…」

(;゚∀゚)「あー、やっぱ言わなくていいわ。こええし」


気が抜けるほど呆気なく、外の戦いは決着がついた
元より、決死の覚悟で戦いに挑んだ漢達と、遊び半分で人を甚振るような下衆の争い
数の差など関係なく、最初から勝負は着いていたのだ


川 ゚ -゚)「それで、あいつらは?」

( ゚∀゚)「サバゲー部の無線連絡から聞くに、苦戦中だそうだ…助けに行くか?」

川 ゚ -゚)「必要無い。事を成した後、歩けないほど負傷していたなら迎えに行ってやってもいいが」

( ゚∀゚)「即答かよ…大した信頼振りだぜ全く」

川 ゚ -゚)「…お前は、昔から強い人間だったか?」

( ゚∀゚)「あ?何だよいきなり…」

川 ゚ -゚)「いいから」

( ゚∀゚)「…ああ、強かったな。中坊の時は喧嘩ばっかして、高校で立石先生とラグビーに出会って、今じゃ学園のスターとして君臨している」

川;゚ -゚)「前から思っていたが、お前は自画自賛が過ぎやしないか…?」

(;゚∀゚)「どっ、どうでもいいだろうがそんなことは!!何が言いてえんだよ!!」

7 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:11:43 ID:qcvTcyiI0
川 ゚ -゚)「そんな強いお前も、あいつらに敗北した」

(;゚∀゚)「痛いとこ突いてくるぜ…」

川 ゚ -゚)「知ってるか?チーム『ロック・ユー』は、全員が『弱かったんだ』」

( ゚∀゚)「…瓜畑でもか?」

川 ゚ー゚)「中学まで虐められてたそうだぞ?体格は誰よりも優れているにも関わらず、な」

(;゚∀゚)「どんだけ気が小せえ野郎だったんだよ…」

川 ゚ -゚)「弱さを克服した人間は、初めから力を持つ人間より強い。何故だかわかるか?」

( ゚∀゚)「……」

川 ゚ -゚)「A strong man who has known power all his lfe may lose respect for that power,but a weak man knows the value of strength. And knows compassion.」

( ゚∀゚)「日本語喋れや」

川 ゚ -゚)「『産まれながらの強者は力に敬意を払わないが、弱者は力の価値を知っている。そして哀れみを知っている』」

川 ゚ -゚)「映画『キャプテン・アメリカ』から、アースキン博士の言葉だ。力を持たざる者だからこそ、それを手に入れたときに正しい行いをするのさ」

( ゚∀゚)「…ハッ、そりゃ結構なお言葉で」

川 ゚ -゚)「彼はそんな人物を『ヒーロー』と称したが、私はあえてこの言葉を使いたい」



川 ゚ -゚)「『漢』、と」



( ゚∀゚)「漢…ね」

川 ゚ -゚)「だから私は『必要ない』と言ったのさ。今あそこで戦っているのは、『産まれながらの愚かな強者』対『漢』」

川 ゚ー゚)「私が手を出さずとも、あいつらはハインを助け出すだろうさ」

( ゚∀゚)「……なるほど」

8 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:13:24 ID:qcvTcyiI0
( ゚∀゚)「そんじゃあ、俺ァ帰るぜ」

川 ゚ -゚)「待たないのか?」

( ゚∀゚)「こんなクソ寒い中で野郎をお出迎えなんざ御免だね。それに、何か『癪』だからな」

( ゚∀゚)「大っ嫌いな人間をヒーローとして認めるなんてよ」

川 ゚ー゚)「それが選手資格ほっぽり出してまで助太刀に来た奴のセリフか?」

(#゚∀゚)「るせえ!!借りを返したまでだ!!じゃあな素直!!気をつけて帰るこった!!」

川 ゚ー゚)「ああ、そうさせて貰おう」


ほんの三十分前は数百人がいた場も
今では数える程にまで減った
不良共は尻尾を巻いて逃げ去り
村人学園の面子は、警察が来る前に帰れという指示の元、次々と松千代へ戻っていった


<ヽ`∀´>「クー、ヒートちゃんはショボンさんが送ってってくれたニダ」

( ・∀・)「村学生も阿部さんの知り合いが学校まで送ってくれました。それと…」

川 ゚ -゚)「阿部の教師辞任の件だろ?心配しなくてもうちの耄碌ジジイが辞表をケツ拭く紙に使ってるさ」

(;・∀・)「そうだと良いんですけどね…」

川 ゚ -゚)「ああ、心配するな…全てうまく行く…全て…」


残った人間は皆、最後の戦いが繰り広げられているビルを見上げていた
秋から冬に移り変わろうとしていた夜空には、神話の愚かな巨人を司った星座が光り輝いていた

9 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:14:35 ID:qcvTcyiI0
―――――
―――



( う_ゝ;)「まだか!!まだ行っちゃダメなのか!?」

ミ,;゚Д゚彡「抑えろ流石兄!!合図があるまで待機だと言われただろう!!」

(´<_`#)「聞いてられるか!!全員で囲ってボコボコにすればいいだろう!!」

ミ,;゚Д゚彡「気持ちは分かるが落ち着け!!欝田達にも考えがあるはずだ!!それを俺たちが邪魔をしてどうする!!」


部屋の外では、一部始終を耳にした村学班が押し問答を繰り広げていた
中学からの長い付き合いだからこそ、流石兄弟にも怒りがこみ上げる
吉川は必死に、彼らが飛び出して行かぬよう押さえ込んでいた


(・∀ ・#)「吉川先輩、俺もサバゲー部に賛成です!!俺達は欝田達とは仲良くないけど、それでも奴の行いは許せない!!」

ミ,;゚Д゚彡「斉藤まで!!落ち着くんだお前達!!」

(・∀ ・#)「引田もそう思うよな!?」

(-_-)「…」


一人、いつも通りの表情を保った引田は
いつも通りの静かな口調で答えた


(-_-)「今、君たちがしようとしていることは、欝田先輩達に対する裏切りだ」

(-_-)「信頼してくれたからこそ、僕たちをここに置いた。『その時の実行者』として、ここに置いてくれた」

(-_-)「だから僕たちも信頼すべき、あの二人を。あの二人が奴に『裁き』を与えることを、願うべき」

10 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:15:57 ID:qcvTcyiI0
それっきり、引田は黙り込んでしまったが


( う_ゝ;)「うう…グスッ」

(´<_`;)「…」

(・∀ ・;)「……クソッ」


頭に血が昇っていた三人は、座して合図を待つようにした
それを見て吉川は


ミ,;゚Д゚彡「…本当に、ここ一番で頼りになる男だよ。お前は」


次期キャプテンの座はこいつにこそ相応しいと感心した



そんな外のやりとりなど露知らず



部屋の中の戦いは佳境を迎えようとしていた




.

11 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:16:59 ID:qcvTcyiI0
(ナ#'A`)「…」


(#^ω^)「…」


(#メω^)「…」


ドクオとブーンに挟まれた西川は、ここで初めて『構え』をとった
先ほどまでの余裕は、危機感と緊張に塗り替えられる
ここで初めて、西川はこの二人に対して『異常』を感じ始めたからだ
目の前の欝田と言う男など、特に


一度目は、『バンで撥ね飛ばした』時
満身創痍にも拘らず立ち上がり、抵抗の意志を見せた

二度目は、『散々殴り倒した』時
今度こそ始末したと思ったが、最初にここへ殴りこんできたのは奴だった

三度目は、『廃人寸前のハインを前に絶望した』時
今度こそ勝負は着いたと確信した。それなのに…


(#^ω^)(まだくたばらねえってのかッ!!)


幾度となく奈落に突き落としても、こいつは何度も這い上がり、目の前に立ちはだかる
西川の人生の中で、これほどまで執念を持った敵は初めてだった


(#^ω^)(だが、『四度目は無いッ!!』今度こそ徹底的に壊し尽して、ハインを俺の物にするッ!!)


敵に敬意を表すると共に、二度と立ち上がれない程の痛みと屈辱を与えることを決意する
今までの『遊び』とは違い、『本気』でこの二人を叩き潰すと決めたのだ



だが、西川は忘れていた


(ナ#'A`)


目の前の男は、既に『四度』立ちはだかっていることを

12 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:18:37 ID:qcvTcyiI0
(ナ#'A`)「おおッ!!」


(#^ω^)「ッ!!」


ドクオが西川に向かって突進
前後からの挟撃を警戒したが


(#^ω^)「バカがッ!!」

(ナ#'A゚)「グヌッ!!」


ブーンとのタイミングがズレていた
腹に強烈な蹴りを喰らわせ、部屋の隅まで吹き飛ばす


(#メω^)「この野郎ッ!!」


遅れてブーンが襲い掛かるが、回し蹴りで迎撃される
窓に叩きつけられ、皹が入る
あと少しでも衝撃を加えれば、粉々に砕け散るだろう


(#^ω^)「まずはお前からぶっ殺してやる!!」


ブーンごと押し出し、外に突き落とそうとした


(#^ω^)「死ッ…」


( メω^)「バーカはてめえだ。西川」



『パァンッ!!』


(#^ω^)そ「ッ!?」


西川にとって嫌な音が、動きを止めた

13 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:19:59 ID:qcvTcyiI0
(ナ'A`)「柔な鎖だぜ、ケツで千切れちまった」


ハインを繋いでいた鎖が、ドクオの『尻』によって破壊された


(;^ω^)「てっ…」

(#メω^)「隙ありだこの野郎オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」


ラリアットが、西川の首を綺麗に刈り取った
上下が逆転し、頭からもんどりうった


(; ω )「アアッ!?」


(#^ω^)「ドクオォォォオオオオオオオオオオオオ!!!!」

(ナ#'A`)「おおッ!!」


二人の追撃は終わらない
ドクオは飛び上がり、倒れた西川の顔に


(; ω )そ「!?」


尻から落下した
ドクオの体重が顔から頭に伝わり、床から鈍い音が響く
衝撃で飛びかけた意識の中で、西川の危機感が警鐘を鳴らした


『この尻はヤバい』と

14 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:20:51 ID:qcvTcyiI0
(ナ#'A`)「オラァッ!!」パァンッ!!


(; ω )そ「ムグウウウウウウウウ!?」


顔の両側に、一度にハンマーで殴りつけられたような強い衝撃が走る
今まで受けた攻撃の中で、一番強烈なものだった


(#メω^)「うおおおおおおおおおおおお!!!!」


続けて、ブーンが両膝から西川の腹へ落下


(; ω )そ「ブッ!!!!!」


鼻と口を尻に抑え付けられ、出所のない空気が肺で暴発する


(#メω^)「待機班ッ!!今だアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


二人にのしかかられ、西川の動きが完全に拘束した『この時』
ブーンは外で出番を待っていた待機班を呼び込んだ


ミ,#゚Д゚彡「行くぞッ!!目的は高岡さんの救出!!脇目を振らず迅速に実行するッ!!」


五人組が部屋へと突入する
サバゲー部が西川へ銃口を向け、ラグビー部をカバーし
ラグビー部はハインの拘束を解き、ビルの外へと連れ出す作戦だ


(・∀ ・#)「高岡さん確保ォ!!」

(-_-)「即、出る」


从メ∀从「……」


糸の切れた操り人形のように力の無いハインを、吉川と斉藤が担ぎ上げる
先等に立つのは、武術に心得がある引田。ビルに残る残党を処理する役割を任せられた

15 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:21:34 ID:qcvTcyiI0
(´<_`#)「ドクオ!!ブーン!!後は任せたぞ!!」

(#´_ゝ`)「俺達の分まで、そいつを懲らしめてやれ!!」

(#メω^)「任せとけッ!!ハインを頼んだお!!」

(ナ#'A`)「後は俺たちが…」


(ナ# A )∴「ガフッ!!」


突然の出来事だった
攻勢に出て、これから逆転という時に
ドクオが、喀血した


(ナ# A )(回復しきってない事故のダメージが…ここで来たか…)


ミ,;゚Д゚彡「欝田!?」

(ナ# A )「俺に構うなッ!!早くハインを連れ出せェェェーッ!!」


(# ω )「ラッ!!」


誰よりもハインに固執する人間が、それを許す筈は無い
顔の上に座るドクオを殴りつけ、退かした


(#メω^)「この…」

(#^ω^)「クソがッ!!」


腹筋に力をいれ、無理やり上半身を起こしブーンも退かす
そのままの勢いで、ダメージのある右目に頭突きを喰らわせた


(;メω )「ギャアッ!!」


先ほど切れた瞼から、新しい血が勢いよく吹き出る
もはや右目は使い物にならず、顔から胸にかけて血で染まっていた

16 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:22:57 ID:qcvTcyiI0
(# ゚ω゚ )「誰がその女を連れ出して良いと言った!?」


立ち上がり、ハインを元の場所に戻そうとする
流石兄弟が発砲するが、BB弾如きの痛みなどお構い無しにラグビー部に歩を進めた


(;-_-)「下がれ!!」


引田がサバゲー部の前に躍り出て、顔狙いのハイキックで迎え撃つ


(# ゚ω゚ )「フン」


西川はそれを難なく掴み、脇に挟んで
引田の膝目掛けて踵を落とした


(;-_゚)「ギギッ…!!」


骨が嫌な音を上げ、本来なら向かない方向へと曲がった
筋肉と筋も断裂され、右足が使い物にならなくなる


(・∀ ・#)「てめえよくも!!」

ミ,;゚Д゚彡「よせ斉藤!!」


殴りかかろうとした斉藤を止めたのは、犠牲を増やさない為でもあったが
それ以上に、あの二人が


(ナ#'A`)「てめえどこ見とんのじゃあああああああああああああ!!!!!」

(#メω^)「俺達はまだくたばっちゃいねえぜええええええええええ!!!!!」


『まだ戦おうとしている』からでもあった
ハインを救う作戦は、まだ破綻してはいない
ドクオとブーンは二人して西川に飛び掛り、背中へとのしかかった


(#ナ'A`)「行けッ!!行けェェェェエエエエエエエエエ!!!!!」

(# ゚ω゚ )「グッ!!離せ!!くたばり損ないが!!」

17 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:24:30 ID:qcvTcyiI0
ミ,,゚Д゚彡「早く行くぞ!!俺たちがいても邪魔になるだけだ!!さぁ!!」

(;´_ゝ`)「引田、つかまれ!!」


怪我をした引田を流石兄弟が支え、ハインを連れた五人は部屋を脱出した



『クソがあああああああああああああああああああああああああ!!!!!』



西川の怨念の叫びと、打撃音が彼らの後に続く
二人が心配だったが、後ろを振り返るわけには行かなかった


(´<_`;)「聞こえるか!!こちらチームα!!高岡さんの連れ出しに成功した!!だが引田が右足をやられ重傷!!至急援護と応急処置の用意を頼む!!」


弟者が無線で外に連絡
二人が一人をカバーしている現状、自由に動ける人間がいない状態は危険とも言えた
加えて、外にくらべまだビル内には残党が残っている可能性もある
一刻も早い救援が望まれた


ミ,;゚Д゚彡「しっかりしろ高岡さん!!助かるんだ!!頑張れ!!」

从メ∀从「…」


足下が覚束ないハインを連れ出すには、行きよりも多くの時間を要する
吉川は必死にハインを励まし続けた

18 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:25:55 ID:qcvTcyiI0
从メ∀从「……ドッテ…」

ミ,;゚Д゚彡「? どうした!?どこか痛むのか!?」


ハインがか細い声で話したのを聞いて、吉川は耳を近づける


从メ∀从「戻って……ドクオが、ブーンが……戻って、戻って…」

ミ,;゚Д゚彡「ッ……」


吉川に嫌な汗が流れる
ブーンの負傷に、ドクオの喀血
それに、西川の怒気
敵の姿を目の当たりにして、二人が無事に帰れるのかと不安になる


ミ,;゚Д゚彡「大丈夫だ!!」


だが、今は足を進めなければならない
二人が戻ってくるのを、信じなければならない

19 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:26:38 ID:qcvTcyiI0
ミ,;゚Д゚彡「あの二人は、村学が誇る二大バカだ!!どんな敵が相手でも、大胆不敵に立ち向かう最高のバカだ!!」

(・∀ ・;)「このラグビー部を負かした連中が、あんなクソ野郎に負けるわけがねえだろ!!」


斉藤も、自らに言い聞かせるように話しかける


(・∀ ・;)「それによ!!欝田の奴言ってたじゃねえか!!『友達を差し出すことは、自分の身を斬るより痛い』って!!」

(・∀ ・;)「そん時に長岡先輩に見せ付けた啖呵、俺は今でも覚えてるぜ!!不覚にもかっこいいって思っちまった!!」

(・∀ ・;)「あんたがこんな目に遭ったんだ!!あいつら、すげーキレてるに決まってる!!だから今回も、学園祭の時みたいに勝つに決まってんだよ!!」


从メ∀从「……」


ミ,;゚Д゚彡「帰るんだ高岡さん!!二人が帰ってきたときに、笑って迎えられるように!!」


今まで引きずられていたハインの足が、床を蹴った
依然として弱々しいが、『歩く意志』を見せ付けた


ミ,;゚Д゚彡「よし、いいぞ!!帰るんだ!!帰るんだ!!」


ハインを、そして自らを励まし続けながら、五人はビルを下る

20 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:27:18 ID:qcvTcyiI0






(ナ# A )∴「ガボッ!!」


ドクオが、更に多量の血を吐き出す
怒涛の勢いでここまで昇って来たツケが回ってきた


(# ゚ω゚ )「死ねッ!!」


その結果、西川の蹴りにも反応できず、まともに喰らってしまう
固い壁の衝撃が背中を襲い、そのまま崩れ落ちた


(ナ; A )(頼む…動いてくれ…俺はどうなってもいい…)

(ナ; A )(西川と共倒れになるまでの猶予を……)


立ち上がろうとも、四肢に力が入らない
肺は酸素を取り入れようと激しく運動をするが、体に取り込まれていく実感が無い
内臓は更に血を吐き出そうと軋む


(#メω゚ )「おおおおおおおおおおおああああああああああああ!!!!!」

(# ゚ω゚ )「チィッ!!!」


ブーンと西川が取っ組み合いになる
互いに押し倒そうと力を込め、にらみ合う

だが、ここで西川の経験が活きた


(# ゚ω゚ )「フンッ!!」

(#;メω )「アグッ!!」


再び、ブーンの右目に向かっての頭突き
これまでの人生の中で身についた『弱点を攻める』戦い方を、西川の体は自然と実行していた

21 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:28:10 ID:qcvTcyiI0
(# ゚ω゚ )「このチンカス野郎がァァァーッ!!!!」


ブーンの腕を払いのけ、首に両手を掛けた
そして、殺すほどの勢いで絞める


(# ゚ω゚ )「てめえを殺して!!そこのくたばり損ないも始末して!!ハインを連れ出した連中も、お前らの仲間も!!全員ぶっ殺してやる!!」

(;メω )「カ……コ…」


抵抗をするものの、鬼気迫る勢いにブーンの意識は次第に薄れ始める
遂には膝を着いてしまい、西川は更に力を入れ始めた


(ナ; A )「ブ…ゥン…」


相棒の危機に、ドクオは壁に背を掛け立ち上がる
最早、突きも蹴りも繰り出せる状態ではなかったが
あと『二つ』だけ、彼にも出来る攻撃があった
その一つが、木戸から受け取った自らの『愛銃』



(# ゚ω゚ )「つッ!?」


西川の右こめかみに鋭い痛みが走る
遅れて、ツーっと血が滴り落ちた
目だけをその方向へ向けてみると


(ナ; A )「ハァ…ハァ…」


壁に背を預け、ガスガンを此方へ向けるドクオの姿があった
最後のいたちっ屁と言うやつか、西川にはその抵抗が酷く惨めに見えた


(# ゚ω゚ )「…余程死に急ぎたいらしいな」


陥落寸前だったブーンを離し、ドクオの方向へと向かう
ブーンはそのまま崩れ落ち、立ち上がれずにいた

22 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 11:29:38 ID:qcvTcyiI0
(# ゚ω゚ )「いいだろう、先ずはお前を殺して、次は奴だ」

(ナ; A )「…」


向かってくる西川に、ドクオはまた一発撃った
弾は胸に当たるが、西川にとっては虫が刺した程度の、取るに足らないダメージ
勢いを失ったプラスチックの銃弾が、切ない音を立て床を跳ねた


(# ゚ω゚ )「フンッ!!」

(ナ; A )「ッ…」


尚もトリガーを引こうとしたドクオの腕を『目障りだ』と言わんばかりに払いのける
SIG P226は乱雑に床に叩きつけられ、衝撃でハンマー部分が損壊した


(# ゚ω゚ )「終わりだ」


(ナ; A )「…」


ダメージが蓄積されているであろう『胴体』へ拳を叩き込み、決着をつけようとした
この時、西川は警戒すべきであった
『何故二発だけしか撃たなかったのか』と


ここで、ドクオの経験が活きる


(ナ; A )「…」


最初の一発を撃ち、西川の目を引く
そして二発目を撃ち、ドクオは『マガジン』を抜き取り手の中に隠し持った
その後、西川の注意が向いていたガスガンは払いのけられ、マガジンだけが手元に残る

全て、ドクオの狙い通りであった

25 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 17:53:06 ID:qcvTcyiI0
サバゲー経験者なら分かるだろうが、ガスガンとは気化したガスの勢いでBB弾を発射する仕組みだ
トリガーを引くことで放出バルブが開き、本体にガスを送り込む
その放出バルブとは、マガジンの後方の『銀色の突起物』であり
それを『指で押してしまう』とガスが放出するので注意が必要なのである


ドクオは、そのガスガンの特徴を『今』活かした


(ナ; A )「…」


西川の目の前で、隠し持っていたマガジンの放出バルブを、まるで爆弾のスイッチを入れるかのように押した


(# ゚ω゚ )そ「なんッ!?」


白いガスが勢いよく放出し、西川は怯んで数歩後ずさった
ドクオは脚になけなしの力を込めて、壁を蹴って突進する


(# ゚ω゚ )「小細工如きで…ッ!!」


西川の体制は既に整っていた
低身で突っ込んでくるドクオの顔に膝蹴りを見舞う


(ナ; A )「ッ………オオッ!!!」


鼻が折れ、顔面の骨に嫌な軋みが走るも、ドクオは突進をやめなかった


(# ゚ω゚ )「なっ…!?」


西川の膝を抱え、自分の体ごと床へと押し倒す
そして、そのままの勢いを利用し、西川の体で前転


顔に、尻を乗せて止まった

26 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 17:54:55 ID:qcvTcyiI0
(#; ω )(しまった!!!またこの体勢かッ!!)


屈辱よりも、恐怖
ドクオの尻の威力は身を持って体験済みだ
下手をすると、命に関わる衝撃を喰らわされる

だが、今度は一人分の体重しかのしかかっていない
下半身は自由に動くのだ


(# ω )(クソがッ!!)


足を起こし、ドクオの頭を蹴りつける
それも一度ではなく、両足を使ってペダルを漕ぐように連続して蹴った


(ナ; A )「グッ…ギッ…」

(#; ω )(こ、こいつ…ッ!!)


何度蹴られても、西川の顔から動こうとはしなかった
西川に焦りが生じる。いつあの尻の攻撃が来てもおかしくはない
ハインを取り返す時間も惜しいのだ


(# ω )(何故だ!?何故動かねえ!?)


既に蹴った回数は十を越えた
息継ぎが殆ど出来ない今の状態では、西川の体力も激減する一方だ
持久戦に持ち込まれるのか?と思ったその時



(ナ; A )「…トム・シックスって映画監督、知ってるか?」


今まで沈黙していたドクオが、西川に語りかけた

27 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 17:58:22 ID:qcvTcyiI0
(; ω )(何を、何を言っている!?)


当然、西川は映画の事など詳しくも無いし
第一、顔を抑えられている現状では返事も出来ない
ドクオの言いたいことが読めなかった


(ナ; A )「『ムカデ人間』ってよぉ…とんでもない映画作った変態野郎さ…複数の人間の口とケツを縫合するっつー…キチガじみた発想をした人でね」

(ナ; A )「彼はメイキングでこう言ったよ。『単純な発想だった。テレビを見て冗談で友人にこう言ったんだ』」

(ナ; A )「『犯罪者の口を他人のケツに縫いつけろ。いい罰になる。』俺は感銘を受けたね。的を射ていると思うよ」


(; ω ) ゾワッ


西川の背中に悪寒が走った
死にかけの人間から出るとは思えない言葉の羅列。とてつもなく不気味であった
そして何より、ドクオが語る映画『ムカデ人間』と、今の自分の体勢が酷似していることにも恐怖を覚えた


(ナ; A )「ムショに行っても反省せず、ハインを二度も苦しめた…そんな奴をまたムショにぶち込んでも、同じ事を繰り返すだけだ」

(ナ; A )「『だから俺じゃないと駄目だった』。お前に、二度とハインに近寄りたくなくなるような、頭からつま先まで震え上がるような『罰と恐怖』を与えられるのは、俺以外にいねえ」

(; ω )(こいつ…最初からずっと『この攻撃しか考えていなかった』のか!?)

(ナ; ∀ )「さぁ、終わらせようぜ西川ホライズン。『地獄で会おう、ベイビー』」


最早、突きも蹴りも繰り出せるような状態ではなく
ガスガンも失ってしまった
残っているのは、『不可能すら陵駕する尻』だけだった


(ナ# A )「オラァッ!!」


一撃、破裂音と共に西川の顔を挟み込んだ

28 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 18:01:39 ID:qcvTcyiI0
(; ω )(ッッッ〜〜〜〜〜〜〜!!!!)


顔にあの衝撃を再び与えられると共に


(ナ# A )∴「ガフッ!!」


ドクオの口から血が吹き出る


(ナ# A )「ま…だまだぁああああああああああああああああああ!!!!!」


二発、三発、繰り返すごとに


(ナ# A )∴


ドクオの命が削られていく
それでも、ドクオは最後の力を全て尻に込めて、西川を追い詰めていく

29 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 18:02:58 ID:qcvTcyiI0
(; ω )(ふっ…ざけんなよ…俺は『西川ホライズン』だぞ…ヤクザの事務所潰して、警察を手中に収め、不良共の軍を作り上げた…)


今までの『武勇伝』が、西川の脳裏に蘇る
それが『走馬灯』だと、本人は気付いていなかった


(; ω )(この俺が…こんなバカな攻撃で…こんなザコに…)


耳も、目も、使い物にならなかった
顔の触覚すらも危うかったが、明確に痛みと衝撃を受けていることだけは分かる


(; ω )(こんな筈じゃ…ハインを……飼って…もっともっと…好き勝手に生きるつもりが…)


救いを求めるように手を伸ばすが
それを掴むものは誰もいない
その事に気付いたのかそうでないのか、定かではないが
糸が切れたように、腕がぱたりと力なく地面に落ちると


(メ)ω(メ)「」


西川は、考えることも出来なくなっていた

30 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 18:04:12 ID:qcvTcyiI0
(ナ A )「…」


(ナ A )「…」


(ナ A )∴「ケフッ…」


西川の抵抗が無くなり
ドクオの体も、限界を超えた
まるで眠りに就くかのように、ぐらりと
床へと倒れこんでいった





西川と違う部分があるとするならば





(;メω^)「ドクオッ!!」




『受け止めてくれる人間』がいることだろう

31 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 18:06:32 ID:qcvTcyiI0
( メω;)「ドクオ…お前この野郎!!やったお!!倒したお!!」

(ナ; A )「ああ…そのようだな…」


ブーンの目から大粒の涙があふれ出る
あの日出来なかったことが、今ここで、三年の時を経て
『ヒーロー』になることが、出来たのであった


(ナ; A )「悪い…もう目の前もロクに見れねえんだ…すまねえけど、肩貸してくれ…」

( メω;)「肩なんて言わずおんぶで運んでやるお!!死ぬなおドクオ!!絶対に死ぬなお!!」

(ナ; A )「ヘッ…フリにしちゃあ…ヘビー過ぎるぜ…」

( メω;)「フリなわけあるかお!!この野郎……」


まだ軽口を叩けるのならと、ブーンは安心し
ドクオを背中に乗せて担ぎ上げた


( メω;)「帰るお!!みんなが、ハインがお前の帰りを待ってるお!!」

(ナ; A )「おいおい…俺だけじゃないだろ…?」

(ナ; ∀)「『俺達』だろうが…」

( メω;)「その通りだお!!その通り……」




勝利の余韻に浸りながら、二人は部屋を後にした

32 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 18:07:46 ID:qcvTcyiI0




故に、気がつかなかった




あの部屋の中で




(メ ∋ )「…西川、さん?」




目を醒ました人物がいたことを



.

33 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 18:10:07 ID:qcvTcyiI0
(メ ∋ )「あ…?」


鳥岡は、西川にもっとも陶酔していた人物である
『怒髪天』の情報を流したのも彼であるし
西川の出所後にハインの情報を全て提供したのも彼だ
また、ドクオをバンで轢き飛ばしたのも彼である

西川にとっては最も使い勝手の良い駒程度にしか思われていなかったが

鳥岡にとって西川は神にも匹敵する存在だったのだ


(メ)ω(メ)「」


そんな西川が、顔をパンパンに膨れ上がらせ倒れている


(メ ∋ )「…」


憧れの存在に失望感を覚えると共に、鳥岡にある野望が芽生えた

『西岡を倒したあいつらを潰せば、自分の名前に箔がつく』と

小者らしい発想だったが、自分がやられた恨みもあってか
鳥岡の行動は早かった


落ちていたバタフライナイフを拾い、廊下をゆっくりと歩く二人を見据えた


(メ ∋ )「フ…へへへへ……」




(メ#゚∋゚)「死ねや欝田アアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

34 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 18:12:07 ID:qcvTcyiI0
( メω;)「ッ!!!!」




思わぬ伏兵に、ブーンの視界がスローモーションになる
背後から襲い来る鳥岡、手にはナイフ
そして自分の背中にはドクオがいる


決断は、一瞬だった




(;メω )「ッ!!」


(ナ; A )「ブーンッ!?」

35 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 18:13:15 ID:qcvTcyiI0
(メ;゚∋゚)「…あ?」


腹に深々と刺さっていくナイフを見て、ブーンは満足げに微笑んだ


(;メω )「俺も…成長したってことだな…今度は…に…げ……」


(ナ; A )「ブ……」





「ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウンッッ!!!!!」



.

51 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 23:51:01 ID:qcvTcyiI0
(メ;゚∋゚)「は…ハハ!!笑えるぜ!!欝田を盾にすりゃあいいものを自分から刺されにきやがった!!」


(;メω )「…」


(メ;゚∋゚)「お前をぶっ殺してサッサと欝田…を…」


鳥岡はナイフを抜こうとするが
まるで岩盤に埋め込まれたかのように、ピタリとも動かなかった


(ナ; A )「ブーン!!おいブーン!!」

(メ; ω )「…」


痛みで倒れてしまいそうになる体を、必死に支えた
何より、背中のドクオを投げ出すわけにはいかなかった


(メ; ω )「…」

(メ;゚∋゚)「このキモオタ野郎が!!サッサと死」


抜けないのなら、更に深く押し込もうとする
その瞬間


(メ; ∋ )「ガッ!?」


飛礫が鳥岡の顔面に直撃
視界が歪んだその一瞬の隙に


「やってくれたな、ゴキブリ野郎」


女の声が聞こえ、顔を鷲掴みにされた

52 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 23:51:46 ID:qcvTcyiI0





川#゚ -゚)「最後の最後に、水を差すような真似をしやがって」




.

53 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 23:53:33 ID:qcvTcyiI0
(メ; ∋ )「あががががが!!!」


万力のような力が、鳥岡の頭蓋骨を圧迫する
頭二つほど小さな女が出せるような力ではなかった


川#゚ -゚)「死ね」


そのまま腕を振り下ろし、頭を地面へと叩きつけた
コンクリートの床が陥没するほどの衝撃を受け


:(メ ∋ ): ビグッビグン


鳥岡は一撃で卒倒した


(,;゚Д゚)「ッ、ちょっとばかし遅かったか!!」

<ヽ;`∀´>「ドクオ!!ブーン!!」



礫を投げた猫田と、援護として同行したニダーが二人に駆け寄る


(メ; ω )「…」


ブーンは仲間が来てくれた安心感からが
尚もドクオを庇うかのように、前のめりに倒れた


川;゚ -゚)「っとと…」


それを、クールが受け止めた
すかさずニダーが、後ろから抱きしめるように支える

54 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 23:55:02 ID:qcvTcyiI0
川;゚ -゚)「ブーン、気をしっかり保て。直に救助が来る」


クールは二人をニダーに任せると、着用していた学校指定のカーディガンを脱ぎ
腹に突き刺さるナイフを囲むように押し当てた


(,;゚Д゚)「瓜畑、欝田は俺が運ぶ!!内藤を頼む!!」

(ナ; A )「ブーン、おいブーン、なぁ、どうしたんだよ…答えてくれよ…」


ブーンから引き剥がされたドクオを、強引に外へと連れ出す
相棒が刺された事によるショック状態からか、現状を把握できずにうろたえていた


<ヽ;`∀´>「クー、救急車は!?」

川;゚ -゚)「わからない、もう着ても良い頃だろうが…」


その時、『バババババ』と空気を薙ぐ巨大な音が外から聞こえた


川;゚ -゚)「まさか…」


クールは割れた窓ガラスを強引に開けて、空を見上げる




/ ,' 3ノシ「おーい、クールちゃんやーい」




『ドクターヘリ』が上空に現れ
そこから顔を除かせた『ナースコスの荒巻校長』が手を振っていた

55 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 23:56:34 ID:qcvTcyiI0
川;゚ -゚)「あのっ…クソジジイ…」


流石のクールも、ヘリコプターの出動までは予想しておらず
珍妙な格好をした祖父が現れることまで考えもしなかった


<ヽ;`∀´>「校長先生…なんであんな格好を…?」

川;゚ -゚)「この際あんな変態の働きでもありがたく思おう!!ニダー、出来るだけ急いで、かつ慎重にブーンを運べ!!」

<ヽ;`∀´>「了解ニダ!!クーは?」

川 ゚ -゚)「私はまだ」


先ほどまで戦いが行われていた部屋を見る
部屋の向こう側に『男の足』が覗いていた


川 ゚ -゚)「やることがあるからな」


<ヽ`∀´>「…気をつけるニダ」

川 ゚ -゚)「ああ、そっちもな

56 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 23:57:56 ID:qcvTcyiI0
ニダーがブーンを連れて外へと出たのを見て、クールは携帯を取り出した
そして、ある番号へリダイヤルする


川 ゚ -゚)白「…もしもし」


『あら〜、クールちゃん。お疲れ様〜』


川 ゚ -゚)白「高岡ハインの救出、成功しました」


通話しながら、部屋を目指す


川 ゚ -゚)白「ヘリコプターは貴方達が?」


『違うよ〜。あなたのおじいちゃんが院長先生に土下座して頼んだんだって〜』

『…それで、息子達は?』


川 ゚ -゚)白「…ドクオ、ブーン共に重態です。ドクオは目立った外傷はありませんが、体内のダメージが深刻です」

川 ゚ -゚)白「ブーンは…右目からの大量出血と、腹にナイフが突き刺さり致命的な状況です」


『……そう』


電話の相手は、冷静を装っているような口調であったが
スピーカーからは携帯が軋む音が聞こえ、相当堪えているように感じ取れた


川 ゚ -゚)白「それで、肝心の西川なんですが…」


部屋の中に足を踏み入れる
割れたガラスが散乱し、血痕が多く残るそこには

57 名前:名も無きAAのようです :2013/12/12(木) 23:59:53 ID:qcvTcyiI0
( e )「」


頭から血を流し、気を失っている男が一人いるだけだった


川 ゚ -゚)白「…申し訳ございません。どうやら、逃げたようです」


『そう…』


川 ゚ -゚)白「思っていた以上にしぶとい野郎ですね…追いますか?」


『ううん、クールちゃんも疲れたでしょう〜?後は大人達に任せて頂戴な』


川 ゚ -゚)白「…わかりました。この事は?」


『う〜ん…秘密にしといたほうがいいんじゃないかな〜?』


川 ゚ -゚)白「わかりました。それでは、後のことはお任せします」


『は〜い、気をつけて帰りなさいね〜』


川 ゚ -゚)白「お気遣いありがとうございます。失礼致します」


相手が通話を切るのを待ち、携帯をポケットに仕舞った
そして、深く、深くため息を吐いた


川 ゚ -゚)「全く、大人って奴は恐いもんだ……」

58 名前:名も無きAAのようです :2013/12/13(金) 00:02:12 ID:xiSqK6KA0
―――――
―――




从´ヮ`从ト「はい、お話は終わりました〜」

(;<●><●>)「……」


『欝田たぬ』が通話を終えた携帯を両手で包み、指を口元に添えた
目の前では、『警察官幹部』が大粒の汗を流していた


(;ФωФ)「おお…良かった良かった。いやはや、三年前に取り押さえた少年が出所後すぐに事を起こすとは…」


ホっとため息を吐いたのは、ハイン暴行事件を担当したVIP市の刑事
彼と、彼の友人の活躍で、西川は一度逮捕されたのだった


( "ゞ)「さて、稚内署長。どうしますか?」

( "ゞ)「『弱みを握られた相手を徹底的に隠し通す』か『高岡ハインさんの逮捕令状を取り消し、今回の事件は全て西川ホライズンの仕業であった』と世間に公表するか…」

(;<●><●>)「い、いや…私はそもそも、西川とはなんの関係も( "ゞ)「稚内さん」


この期に及んでまだ言い逃れをしようとする稚内を黙らせる


( "ゞ)「こっちはね、大切な息子とその友人達を傷つけられたんですよ…わかりますか?この気持ち」

( "ゞ)「腸煮えくり返って、気が狂いそうになってるんです…ここに杉浦さんがいなかったら、私、アンタに何してたかわかりませんよ…?」

(;<●><○>)「…ヒッ、ハヒッ」


返事もロクに返せなくなるほどの『気迫』
稚内は失禁しそうになるのを必死に抑えた


(;ФωФ)「あー、流石に暴力は見逃せませんので、なんとか堪えてください」

59 名前:名も無きAAのようです :2013/12/13(金) 00:03:45 ID:xiSqK6KA0
从´ヮ`从ト「早くしてくださいな〜。私たちは早く息子の下へ駆けつけたいんですから〜」

(;<●><○>)「グ…グヌ…」


この稚内と言う男は、援助交際の現場を西川の手下に抑えられてから言われるがままの傀儡に成り下がった
西川の犯罪を見逃し、揉み消すだけではなく、弱みを握られて奴隷同然の扱いにされている女性を報酬として与えられていた
今回の主犯が明るみになれば、当然マスコミから警察に責任の追及が来るだろう
西川の関係を全て洗い出せば、稚内にもたどり着く
警察として築きあげたキャリアが、崩壊するのだ


( ФωФ)「署長、観念してくださいな。ここで駄々を捏ね続けても地獄は免れんのですから」

(;<●><○>)「きっ、貴様、杉浦!!誰の味方なんだ!?」

( ФωФ)「決まってるでしょう。『正義の味方』ですよ我輩は」

(#<●><○>)「クキキ…!!」

( "ゞ)「わかりました。こうしましょう」


往生際の悪い稚内に、欝田デルタが提案をする


( "ゞ)「我々は今回掴んだあなたの不祥事に全て目を瞑り、マスコミの追求を避けるよう尽力します」

( "ゞ)「その代わり、貴方は今ここで令状を取り消し、西川との関係を洗い流すことを宣言してください」

(;<●><●>)「んな、本当ですか!?」


目の前に差し出された『蜘蛛の糸』に、疑いもせず飛びつく


( "ゞ)「どうするんですか?」

(;<●><●>)「ああ、ああ!!すぐに令状を取り消し、私と奴の関係も終わりにしよう!!」


稚内が冷静なら、『誘導されたこと』に気がついただろう
その事に気付くのは、翌朝になってのことだった

60 名前:名も無きAAのようです :2013/12/13(金) 00:04:52 ID:xiSqK6KA0
( "ゞ)「上等です。これで、あなたの肩の荷も下りるでしょう」

(;<●><●>)「その…今回の西川の件は本当に…」

( "ゞ)「ああ、謝罪する必要などありませんよ。『貴方は何もしなかった』。そうでしょう?」

(;<●><●>)「は…ははは!!全く、その通りですな!!」

( "ゞ)「それでは、失礼致します」

(;<●><●>)「ええ、息子さんによろしく伝えておいてください!!」


差し出された手に見向きもせず、欝田夫妻は所長室を退出した


( ФωФ)「それでは、我輩も失礼致しますよ」

(;<●><●>)「杉浦、今回の件は他言無用だぞ?もし漏らそうものなら、その首が飛ぶと思え」

( ФωФ)「重々承知しておりますよ所長。『我輩は』何も口に出しません」

(;<●><●>)「よし……さぁ出て行け、いつまでもそこに立たれると目障りだからな」

( ФωФ)「失礼…」

61 名前:名も無きAAのようです :2013/12/13(金) 00:08:56 ID:xiSqK6KA0
薄暗い廊下では、欝田夫妻が杉浦を待っていた


( "ゞ)「惜しいですね、貴方ほど誠実な刑事があんなクズの下で働いているなんて」

(;ФωФ)「ハハ…我輩は世渡りが下手でね。現場を駆けずり回るデカの方が向いているんですよ」

从´ヮ`从ト「あの〜、『探偵』の件はどうなりました〜?」

( ФωФ)「ああ、既に西川を追い詰めているようです。あやつ、怒っておりましたぞ」

( ФωФ)「『まだ若いから見逃してやったのに、反省の色が見えない。中華の唯一王の名に懸けて地獄へ送ってやる』と」

( "ゞ)「『不死身探偵』でしたっけ…なんでも、悪人の魂を直接地獄へ送る能力者だとか」

( ФωФ)「能力と言うより、『罪滅ぼし』に近いと思われますがな…病院までお送りしましょうか?」

( "ゞ)「いえ、我々も車で来ているので。杉浦さんもこれから忙しくなるでしょうし」

(;ФωФ)「短期間で二度も警察から不祥事を起こしてしまいましたからな…しかも今回は幹部クラスですので、揉み消しも難しいでしょう」

从´ヮ`从ト「この『録音データ』は、此方から信頼できる機関にお送り致しますので〜」

(;ФωФ)「よろしくお願いします。今回は誠にご迷惑をお掛けしました」


杉浦は深々と頭を下げた


( "ゞ)「いえ、此方こそご協力戴きありがとうございました」


それに対しデルタは、手を差し伸べた


(;ФωФ)「はい…!」


杉浦は甲斐甲斐しく両手で、握手を交わした

62 名前:名も無きAAのようです :2013/12/13(金) 00:10:46 ID:xiSqK6KA0
( "ゞ)「もし、警察という仕事に嫌気がさしたらご一報ください」


デルタは帰り際に、一枚の名刺を手渡す


(;ФωФ)「これは…?」

( "ゞ)「我々の職場でね、『世界の超常を監視する機関』とでも言っておきましょうか」


名刺には、欝田デルタの名前と携帯番号
そして、組織名であろう『S.H.I.E.L.D.』の文字が刻まれていた


(;ФωФ)「ど、どうも…」


ふざけているのだろうか、と思ったが
彼らが友人である『不死身の探偵』を知っていたことが、このフィクションのような組織の現実味を増した


( "ゞ)「それでは、良い返事をお待ちしております」

从´ヮ`从ト「お疲れ様でした〜」


呆然と二人が立ち去るのを眺めた後
手元の名刺に視線を落とした


(;ФωФ)「世界の超常ねえ…」

(;ФωФ)「案外、身近にあるものかもしれんな」


その名刺を、警察手帳に仕舞い
杉浦は明日来るであろう膨大な仕事の準備に取り掛かった

84 名前:mkdHuman ◆XksB4AwhxU :2013/12/19(木) 02:19:23 ID:/hCoxvDg0
翌朝、『怒髪天事件』は大きく進展し、各メディアによって報道された

『真犯人の少年』及び『協力者』の一斉逮捕である

シラネーヨが所属している出版社の新聞の一面は、『真犯人』が廃ビルの窓から覘く写真で飾られていたし
朝一番のニュースからは、『VIP市警察署長』の不祥事についての音声データの一部始終が流され、キャスターと専門家による物議が交わされていた


(;<●><○>)「ち、違う!!私は、私は何も関係してない!!」


当の本人は必死に事件との関連を否認していたが
捜査していくうちに真犯人との接点が明るみになり
職は解任、刑に服すこととなった
事件解決の糸口については、捜査の内に明らかになったと報じられている
村人学園の生徒たちがこの事件に関わった事については、一切語られることは無かった


そして、数日振りに高岡ハインが救出されたことも合わせて報道された


この事に関しては、暴力事件の犯人で無い事を強く報道し、犠牲者であることを世間に知らしめた
そして、実名の公表はせず、村人学園は徹底的なマスコミ規制を敷いた
一度だけ開かれた会見で校長は


/ ,' 3「これ以上うちの生徒を傷つけないために、マスコミ関係者様や世間の方々にご理解とご協力をお願いしたい」


と、カメラの前で一言告げただけだった
その日以来、マスコミが学校へ近づくことはなかったが、その裏では『大きな組織』の動きがあったとか無かったとか


そして、この事件に最も深く関わった三人は―――――

85 名前:mkdHuman ◆XksB4AwhxU :2013/12/19(木) 02:20:33 ID:/hCoxvDg0
(;´∀`)「君らの生命力にはホトホト呆れるモナ…」


三日後、そこには元気に走り回る…とは言えないが
ベッドの上で元気に笑うブーンの姿があった


( ^ω^)「『ヘブンキャンセラー』って呼んであげるおwwwww」

(;´∀`)「いや、笑ってるけど君らほんとヤバかったモナよ?君はは出血多量に加え腹にナイフブッ刺さってたし、ドクオくんはほぼ全部の内臓ズタボロだったしで先生医者長いけどクラっときちゃったモナ」

( ^ω^)「筋肉って凄い!!改めてそう思いました」

( ´∀`)「今後の医療の為に解剖して調べてもいいモナ?」

( ^ω^)「いいわけねーだろふざけんなクソジジイそのフサフサの白髪毟りとって羅生門に捨ててくるぞ」

(;´∀`)「ええ〜…命の恩人にそこまで暴言吐く普通…まぁいいモナ。今度こそ完全に回復するまで退院させないモナよ」

( ^ω^)「先生、ハインの容態は?」


出て行こうとした院長は、ピタリと足を止めた


( ´∀`)「衰弱しているけど、徐々に回復に向かっているモナ。ただ……」

( ´∀`)「『心』ばかりは、どうしようも無いモナ。セラピストに加え、親や友人に対しても怯えているモナ」

( ´∀`)「唯一、顔を合わせていないのは君とドクオ君だけモナ」


( ^ω^)「…」

86 名前:mkdHuman ◆XksB4AwhxU :2013/12/19(木) 02:23:20 ID:/hCoxvDg0
( ´∀`)「人の心とは儘ならぬものモナね。どれだけ医療技術が進歩しても、『心に負った傷』までは完全に治療することは出来ない」

( ´∀`)「それに、多くの傷は『人』によって負わさせる…心無い言葉や暴力で、簡単に傷がつく」

( ´∀`)「だけど、それを癒すことが出来るのは、同じ『人の心』だけモナ」


ゆっくりと振り返り、ブーンに微笑みかける


( ´∀`)「君にも、そういう経験がある筈モナよ」


( ^ω^)「…」


無力を嘆いたドクオは、ブーンがいたからこそ強くなれた
悪から逃げたブーンは、ドクオがいたからこそ救われた

そして今、二人に出来ることは


( ´∀`)「もう一度、彼女を救ってきなさい。それが出来るのは、君達二人だけみたいだけモナ」


そういい残し、ドアを静かに開けて退室した

87 名前:mkdHuman ◆XksB4AwhxU :2013/12/19(木) 02:25:09 ID:/hCoxvDg0
―――――
―――




从 ゚∀从「…」


コンコンコン、と規則正しく三回のノック
高岡ハインは窓の景色から目を離さず、『どうぞ』と応えた
それを聞いて、ドアが静かに開き、ノックの主が入室する


( ^ω^)「よう…五年振りだな…」


从 ゚∀从「…」


ブーン渾身のネタも、呆気なくスルー
怯えると言うよりは、冷たくなった、そんな印象を感じた


( ^ω^)「よっこら…セックス」


椅子に座り、戸棚に松葉杖を立てかける
その上には見舞い品の果物篭があったが、手を付けた様子は無かった


( ^ω^)「思ったより元気そうで何よりだお」


その中のリンゴに手に取り、齧る
しばらく、ブーンがリンゴを咀嚼する『シャクシャク』という瑞々しい音だけが病室を支配した


从 ゚∀从「…」


( ^ω^)「…なぁ、何でお前、『怯えた振り』なんてしてんだお?」


从 ゚∀从「…」


リンゴを飲み込むと、遠慮無しにブーンが話し出す
ハインはそれを聞いて、窓の外から膝へと視線を移した

89 名前:mkdHuman ◆XksB4AwhxU :2013/12/19(木) 02:29:12 ID:/hCoxvDg0
从 ∀从「……このまま、みんなに嫌われちゃえばいいんだよ」

(;^ω^)「は?」

从 ∀从「俺は昔から変わってねえ……『疫病神』みたいな奴だ」

从 ∀从「怒髪天だったころも、お前らを傷つけて、今回だって、沢山の人に迷惑かけた…お前とドクオだって、死に掛けた」

(;^ω^)「いや生きてるからいいじゃん」

从; ∀从「俺、今回の事件で思ったんだよ…このままみんなの許にいれば、また傷つけてしまうんじゃないかって…に、西川みたいな奴が、全部台無しにするんじゃないかって!!」

(;^ω^)「あんな野郎が二人も三人もも居てたまるかお…」

从; ∀从「だったらいっそ!!このまま嫌われてどっか行っちまったほうが( ^ω^)「おっと、そこまでだ」


ブーンはハインの手を力強く握り、言葉を遮った


( ^ω^)「それ以上は、お前の為に体張った連中に対する侮辱になる」

从; ∀从「ッ…」

( ^ω^)「お前は何もわかっちゃいねえんだお。俺らが傷ついたワケも、死に掛けたワケも」

( ^ω^)「これらは全部自分の所為だ?自意識過剰もいい加減にしろよお姫様よ」

(#^ω^)「全部全部、俺らがやりたいからやったんだ!!お前を助けるために、自分から頭つっこんだんだよ!!」

从; ∀从「!!」


強い叱責だった
みんな、優しい言葉を掛ける中で、ブーンは
ブーンだけは、『お前は間違っている』と叱りつけた

90 名前:mkdHuman ◆XksB4AwhxU :2013/12/19(木) 02:34:38 ID:/hCoxvDg0
( ^ω^)「…怒鳴っちゃってごめんお。一番辛いのはお前だろうに」

从; ∀从「いや…」


感情の昂ぶりから溢れた涙を、グイと拭って
今度は、ブーンをしっかりと見据えた


从 ゚∀从「こっちこそごめん…本当は、『ありがとう』って言うべきなのに」

( ^ω^)「礼も謝罪も、俺に言う必要はねーお。ただ、これまで見舞いに来てくれた人にはちゃんと言えお」

从 ゚∀从「ん、そうする」

( ^ω^)「…」

从 ゚∀从「…なぁ」

( ^ω^)「そう言えば」


ハインが最も気になっていたことを口に出す前に、ブーンは再び言葉を遮った


( ^ω^)「『あの日の約束』、まだ果たしてないおね?」

从;゚∀从「あ、ああ?」

( ^ω^)「『友達を紹介する』って約束。思えばあの日から、俺らの人生が激変した」

从;゚∀从「…」

( ^ω^)「お前にとっちゃ、思い出したくも無い忌々しい日だろうけど、俺はあえてもう一度、あの日を迎えたい」

( ^ω^)「『最悪の一日』ではなくて、『最高の一日』として」




( ^ω^)「そこで今日、今ここで、あの日をもう一度迎えようと思う」

91 名前:mkdHuman ◆XksB4AwhxU :2013/12/19(木) 02:37:17 ID:/hCoxvDg0
ブーンが『入ってこいお』と呼びかけると
病室の扉が開いた


从 ゚∀从「あ…」


从 ;∀从「あっ…」


ハインが最も会いたかった人物が、ゆっくりと室内に歩を進める
拭ったはずの涙が、また止め処なく溢れ出した


( ^ω^)「紹介するお。俺が最も尊敬し、信頼する『相棒』」


ブーンはそんなハインの姿と
少し照れくさそう笑う相棒の姿を見て、にっこりと微笑んだ
これから訪れる楽しい時間に、胸を躍らせながら

92 名前:mkdHuman ◆XksB4AwhxU :2013/12/19(木) 02:38:38 ID:/hCoxvDg0









(ナ*'A`)「う、欝田ドクオです。よろしくお願いします」








.

93 名前:mkdHuman ◆XksB4AwhxU :2013/12/19(木) 02:41:15 ID:/hCoxvDg0



最終話『あの日をもう一度』

おわり



.

94 名前:mkdHuman ◆XksB4AwhxU :2013/12/19(木) 02:43:25 ID:/hCoxvDg0
次回、『マーケティングレンタルコミックス』



エピローグ

『それから』


12月27日、完結予定


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