942 名前:名も無きAAのようです :2012/12/15(土) 15:29:30 ID:awUaNHtc0
 
まったくやり残したこともなく死を迎えられる人間が、どれくらいいるだろう?

圧倒的大多数の人間は何かしらのやり残したこと、未練のひとつやふたつあるはずだ。


( ^ω^)「……ん、あれ……? ここは……」

( ・∀・)「おはようございます。あなたは死んだんですよ、内藤ホライゾンさん」

(;^ω^)「いや、誰だおアンタ。何でサッカーの審判の格好――って、え? 僕が? 死ん……えっ?」

( ・∀・)「おめでとうございます。あなたには『猶予』が与えられました」

[03:12]
∩ ∩
ミ,,゚Д゚彡

( ・∀・)「ほら、そこの彼が掲げてる電光掲示板に表示されている時間。それがあなたに与えられた時間です」

943 名前:名も無きAAのようです :2012/12/15(土) 15:30:36 ID:awUaNHtc0

(;^ω^)「ぼ、僕は、なんで死んで……?」
 
( ・∀・)「おや、それさえも覚えていませんか?」

( ・∀・)「列車事故ですよ。あなたの乗っていた電車が横転したんです。あれだけの規模の事故で死者があなた一人というのは、まぁ奇跡と言っていいでしょうね」

( ;ω;)「そ……そんな! 僕はまだ死にたくないお!!」

( ・∀・)「いや、だから死にたくないも何も、もう死んだんですって」


( ;ω;)「そんな……。現役で落ちて、浪人して、ツンも待たせて。この春やっと、やっと大学に受かって、苦しかった受験生活も終わって、人生、これから、だった、のに……」

( ・∀・)「ええ、あなたは何も悪くありません。ただ、運だけが悪かった。それだけです」

( ・∀・)「だが――それでハイお終いではあなたの人生は余りにも不憫だ。だからこそ与えられたんです」



( ・∀・)「人生のアディショナル・タイムがね」


.

944 名前:名も無きAAのようです :2012/12/15(土) 15:31:32 ID:awUaNHtc0
 
从 ゚∀从「あれ、兄ちゃんもう帰ってきたの? ツンさんとデートだとか朝張り切って出てったじゃん」

(;^ω^)「すまんハイン、今ちょっと急いでるんだお! お前は夜になったら僕の机の上に置いといたノートを開いて見るんだお!!」

从;゚∀从「……はぁ?」




[00:59]
∩ ∩
ミ,,゚Д゚彡

(;^ω^)「あ、あと一時間……!!」ダダダダダ

( ・∀・)「急いで下さい。彼女が『その事』を知るまでもう20分もありません」タッタッタッタ

(;^ω^)「クソッ! よりによってどうしてこんな時間の無い時に、電車が運休してるんだお!!」ダダダダダ

( ・∀・)「そりゃ列車が横転して死傷者まで出てますからねー。唯一の死者が他ならぬあなたな訳ですけど」タッタッタッタ

.

945 名前:名も無きAAのようです :2012/12/15(土) 15:32:16 ID:awUaNHtc0
 
(;^ω^)「ツン、落ち着いて聞くんだお。実は僕は死n――」

( ・∀・)「!」ピピー

(;^ω^)「え、ホイッスル?」

( ・∀・)つ□ ビッ

(;^ω^)「い、イエローカード!?」

( ・∀・)「言ったはずです。あなたが死んだ事を既に知っている人物に会ったり、死んだ事をまだ知らない他者にその事実を伝えるのはルールに抵触すると」
                         レッドカード
( ・∀・)「今もし完全に伝えきっていたら一発退場でしたよ」

ξ;゚听)ξ「ブーン、さっきから一人で何ブツブツ言ってんの?」

946 名前:名も無きAAのようです :2012/12/15(土) 15:33:31 ID:awUaNHtc0
.


――――かつて、ある人物はこう言った。



            ・ ・ ・ ・ ・
( ^ω^)「ツン……もう二度と言わないからよく聞いてくれお」

( ^ω^)「僕は――――」




――――『人生はサッカーであり、サッカーこそ人生』であると。






                設定借用−ドラマ『ロス:タイム:ライフ』(2008年) 



                ( ^ω^)アディショナルタイム:ライフのようです 



侍ジャパンがジュール・リメ杯を手にしたら投下予定


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