- 355 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:04:04 ID:30TWAJzM0
-
ζ(゚−゚;ζ「ここに来るのも、久々ね」
(;´・ω・)「あんたが物臭がるから……。
おい、トソン、チャ」
(゚、゚トソン「え?」
(;´-ω-)「チャだ、チャ出せ。
これでもVIPだぞ、キョクチョーだぞ」
(゚、゚トソン「……うーん」
(
;´゚ω゚)「悩むなてめー!」
.
- 356 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:04:52 ID:30TWAJzM0
-
ζ(゚−゚;ζ「いいわよ。
そんな事態じゃないし、そんな気分じゃないし」
(゚、゚トソン「ほら」
( ;´゚ω゚)「 『ほら』
じゃ――」
ζ(゚−゚;ζ「そんなことより! ……結局、脱走経路は?」
(;´・ω・)「ム……。
どうなんだ、トソン」
(゚、゚トソン「統括部と警備部で目下追求中……でも、望み薄ですよ」
(;´・ω・)「どうしてだ?」
(゚、゚トソン「警備部はもとより、統括部なんて部長も副部長も、現在席をはずしているじゃないですか。
.
警備部ほどじゃないですが、統括部もほぼ上の人の
.
カリスマ性で引っ張られている色が強いところなので」
(;´-ω-)「クソが……ブーンはどこをほっつき歩いてんだ!」
(゚、゚トソン「歯医者です」
(;´・ω・)「………歯医者だったら、連絡くらいつくんじゃないのか」
(゚、゚トソン「あ、ついてますよ」
( ´゚ω゚)
.
- 357 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:05:35 ID:30TWAJzM0
-
( ;´゚ω゚)「は、はやく言わんか! ……なんで隠してたんだ!」
(゚、゚トソン「隠してはないです。
聞かれなかったから……」
(;´・ω-)「も、もういい! で、アイツはなんだって?」
(゚、゚トソン「麻酔が効きづらくて苦戦しているみたいです」
(
;´゚ω゚)「歯医者捨ててコッチ来る選択肢はなかったのか!!」
(゚、゚トソン「普段の丸顔が俵型になるほどには腫れてましたしね。
苦戦もするでしょう」
(;´・ω・)「………メール?」
(゚、゚トソン「え? いや」
[]c(゚、゚トソン「ライ
(
;´゚ω゚)「ン、でしょうねーーーーー!!! ふざけんじゃねーぞてめー!!」
ζ(゚−゚;ζ「……アタシね、コント見に来たわけじゃないんだあ」
(;´・ω・)「そ、そうだ! ……トソン、僕が局に行ってた間で、なにか進展は!」
(゚、゚トソン「わかりません」
(;´・ω・)「……え? なんで?」
(゚、゚トソン「あたしも、病院に行ってたので」
(;´・ω・)「……」
(゚、゚トソン「?」
.
- 358 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:06:40 ID:30TWAJzM0
-
(;´-ω-)「厳しいことを言うようだが……」
(;´・ω・)「確かに、シィが重傷ってのは、心配するだろう。
だがな、それ以前の問題として、ワレワレは刑務所の人間なんだ」
(;´・ω・)「私情よりも【DDR】を優先させた行動をとるのが、ギムだ。
【DDR】より見舞いを優先させるってのは、言語道断………だ」
ζ(゚−゚*ζ「……」
(´-ω-`)「だからだな、トソン……」
(´・ω・`)「お前は、僕がいないときは刑務所の指揮をとるつもりで、いろ」
(´・ω・`)「これは、所長命令だ」
(´・ω・`)「わかったか?」
(゚、゚トソン「え? いやですよ」
(´゚ω゚`)
.
- 359 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:07:20 ID:30TWAJzM0
-
(
#´゚ω゚)「も……もー怒ったもんね! トソン、てめーは――」
TELLL....
TELLL....
≡≡≡(
;´゚'ω゚)「ぎゃーーーーーーー!!!」 ダッ
(゚、゚トソン「あっ……」
TELLL....
TELLL....
ζ(゚ー゚*ζ「……でないの?」
【c(゚、゚トソン「でますよ。
……ダイヤルインかあ」 ガチャ
.
- 360 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:08:23 ID:30TWAJzM0
-
【(゚、゚トソン「はい、こちら……」
『ジョルジュだ!』
【(゚、゚トソン「あ、どうも……。
あれ、現場ですか?」
『細かいことはアトだ! それより―――』
『
《アイアン・コックローチ》 、確保!!』
.
- 361 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:09:03 ID:30TWAJzM0
-
【(゚、゚トソン「!」
『いま、ソッチに連行している!
.
運んでるのはエクストだから、逃げられない……たぶん』
【(゚、゚トソン「よ、よくタイホできましたね」
『そりゃあ、シィがきてくれたからな』
【(゚、゚トソン「へー……、………え?」
『え?』
【(゚、゚トソン「………シィ、そっち、いるの?」
『い、いるけど。
病人姿で』
【(゚、゚トソン
『と、トソン?』
【(゚、゚トソン
.
- 362 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:09:56 ID:30TWAJzM0
-
】c(、
トソン「……」 ガチャン
ζ(゚、゚*ζ「……トソン、ちゃん?」
(
;´゚'ω゚)「な、なんだった!? 今度は新聞社!?」
(、 トソン「………」
(゚、゚トソン「……
《アイアン・コックローチ》
、確保」
( ´゚ω゚)「な、なにっ!?」
ζ(゚ー゚*ζ「ッ! よくやったわ!」
.
- 363 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:10:36 ID:30TWAJzM0
-
(゚、゚トソン「これで、約半数を逮捕することができたの……です、か?」
ζ(゚ー゚*ζ「そうね。
それも、厄介どころ三人、よ!」
(;´^ω^)「よ、よし、よし……ッ! これであとは蜂を捕まえれば、一息つける!」
ζ(゚−゚*ζ「なに言ってんのよ…」
TELLL....
TELLL....
(゚、゚トソン”
≡(;´^ω^)っ】「はいはーい!」 ガチャ
ζ(゚ー゚*ζ「へ?」
(;´^ω^)】「はい、はい、帝国中央刑務所、」
(
;´゚ω゚)】「所長の……、」
( ;´゚ω゚)】「……ッ! ッッ!!」
(
;´゚ω゚)】「そそッそのような事実は、ええ、メッソウも! メーーッソウも、ございませんッ!!」
ζ(゚、゚*ζ「……あーあ」
.
- 364 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:11:27 ID:30TWAJzM0
-
(;´^ω^)】「え、ええ、ウチもね、言われてるもんですから、ええ。
.
何度もなんども、チェックして、点呼もとりましたよ、モチロン」
(;´^ω^)】「結果、誰ヒトリとして脱獄囚とか、そういうんは……」
(;´^ω^)】「………写真を撮った人が、いた?」
(
;´゚ω゚)】「専門家が、それを 《アイアン・コックローチ》
と断定した!? ハアァ!?」
(゚、゚トソン「……代わったほうがいいかな」
ζ(゚、゚*ζ「代わったら黙認ってことになると思う」
(
;´゚ω゚)】「あああ、ありえない、万が一にも、億が一にもありえないことではありますが、
ねねね、念のため、念には念を、念を押して、もー一度点呼をとってみましょう!
けけけ、決してありえないと、いまココで断言しておきますがね! では!」
(
;´゚ω゚)っ【 ガチャン!
.
- 365 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:12:20 ID:30TWAJzM0
-
(゚、゚トソン「しょちょー」
(´゚ω゚`)「トソォォーーーーン! いま動けるヤツぁ誰だ!」
ζ(゚、゚*ζ「ゴキブリ捕獲隊とビロード、ベルベットね」
(゚、゚トソン「――ということだそうで」
(
;´゚ω゚)「蜂は出てくるまで無視! 先に “アイツ”
を拘束にいかせろ!」
ζ(゚−゚*ζ「もう、言ってることメチャクチャ…」
(゚、゚トソン「あいつ?」
(
;´゚ω゚)「【ゼロ級】の奇病ッ!」
( ;´゚ω゚)「 《アンチェイン・ボディ》
ッッ!」
.
- 366 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:13:05 ID:30TWAJzM0
-
(゚、゚トソン「!」
ζ(゚ー゚;ζ「ま、まあ……わからなくはない、ね。
いま、唯一手がかりがある相手だし……」 ppppp...
(´゚ω゚`)「なっなんだ!? 空襲か!? 空襲なのか!?」 ppppp...
[]cζ(゚ー゚;ζ「今度はアタシね。
ちょっと失礼……」 ピッ
ζ(゚ー゚;ζ「もしもし、アタシよ」
(゚、゚トソン「……さっきの相手は、誰だったんですか?」
(ヽ´゚'ω゚)「…………新聞社」
(゚、゚トソン「嘘からでたまことってやつですね」
:(ヽ´゚'ω゚):「ぐ、ぐォォ………ッ……!」
ζ(゚Д゚';ζ「ええッ!!?」
.
- 367 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:13:50 ID:30TWAJzM0
-
(゚、゚トソン「ッ」
(´゚'ω゚'`)「うぎゃあああああああああああああッッ!!!」
ζ(゚−゚';ζ「なッ……なんで! ゼッタイに、ゼッタイに見失っちゃだめだって言っ―――」
ζ(゚−゚';ζ「………
“襲われた”
?」
ζ(゚−゚';ζ「…………と、とりあえず、探して! 捕まえるの!」
[]cζ(゚−゚';ζ ピッ
(
;´゚'ω゚)「今度はなに!?」
ζ(゚−゚';ζ「………やられた」
(;´・ω・)「え?」
ζ(゚−゚';ζ「オトジャに、撒かれた」
ζ(゚−゚';ζ「
“見失った” のよ」
.
- 368 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:15:14 ID:30TWAJzM0
-
.
( ´゚'ω゚)
,;゙∴
(゚、゚トソン「……襲われた、とか聞きましたが」
ζ(゚−゚';ζ「現場に捜査班を出して、オトジャ……の、分身を追わせてたの」
ζ(゚−゚';ζ「司令部と協力して、完全にマークしていた……はずだった、わ」
(
;´゚'ω゚)「お、 “襲われた” ってことは……!」
ζ(゚−゚';ζ「いや、捜査班のほうは、サイアク襲われても大丈夫なの。
問題は……」
ζ(゚−゚';ζ「内部……司令部のほうを襲われたら、監視が機能しなくなるってこと」
(;´・ω・)「な、なに? 監視されているほうは現場から動きを見せてなかったんだろ?
じゃあ、どうやって内部を襲………」
(
;´゚ω゚)「………う……ッ!」
ζ(゚−゚';ζ「オトジャ、言ってたじゃない!」
(
´_>`)『ここに忍び込むのは、簡単だった』
(
´_>`)『もっとも、争いごとがなかったとは言えないがね』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
.
- 369 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:16:02 ID:30TWAJzM0
-
(
;´゚ω゚)「……!」
ζ(゚−゚';ζ「オトジャは、アタシたちを狙いにきたんじゃあない!」
ζ(゚−゚';ζ「
“司令部を襲いにきた”
のよ、アイツは!!」
ζ(゚−゚';ζ「分身の、監視を解かせるために!!」
(
;´゚ω゚)「し、しまった……ッ!」
(
;´゚ω゚)「よりにもよって、争いごとってのは、ソイツのことだったってか……!」
ζ(゚−゚';ζ「………つまり、消息、不明」
ζ(゚−゚';ζ「イチから出直し、みたいね」
“<(
;´゚'ω゚)>”「う、うわああああああああああああああ!!!」 ジタバタ
.
- 370 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:16:58 ID:30TWAJzM0
-
(;´・ω・)「そ、そうだ! オサムは!」
ζ(゚−゚;ζ「!」
(;´・ω・)「よく考えたら、分身が残ろうが、オトジャ本体を捕らえれば問題ないじゃないか!」
(;´^ω^)「殺すのはよくないのだが、ま、まあ、緊急事態だ、なんとかなる……だろう」
(;´^ω^)「さすがのオトジャでも、オサムから逃げられるわけ―――」
/
,' 3「逃げられたがの」
.
- 371 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:17:41 ID:30TWAJzM0
-
(´゚ω゚`)「御老公ッ!!」
【+ 】ゞ゚)「……」
ζ(゚−゚;ζ「に……逃げられた、って?」
/
,'
3「デレシアよ、おぬし、一つ大きなカンチガイをしておるわ」
ζ(゚−゚;ζ「このアタシに限って、カンチガイなんて……」
/
,' 3「儂も結果論で知りえたのだが……」
/ ,' 3「結論から申そう」
/ ,'
3「ヤツは、オトジャじゃなかった」
/ ,' 3「 “ヤツこそが、分身だった”
のじゃ」
.
- 372 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:19:01 ID:30TWAJzM0
-
ζ(゚Д゚;ζ「!? まさか!!」
(;´^ω^)「………えっと、どーゆーことですかー…?」
/
,' 3「オサムは、霧散化攻撃できゃつめを仕留めた」
/ ,'
3「肉塊になって、室内にきゃつの残骸が飛び散った、まではよかったんじゃ」
ζ(゚Д゚';ζ「ぎゃあああああああああああああ!!! アタシの部屋なのに! アタシの部屋なのにぃ!!」
/
。゜3「いやっかましィィ!! 話はこッからじゃ!」
(;´^ω^)「えっと、肉塊になってから……?」
/ ,'
3「……、……」
/ ,' 3「 “動いた” 」
( ´゚ω゚)
/ ,'
3「肉塊が、血飛沫が、一つの塊に、戻った」
/ ,' 3「 “元の姿に戻った”
のじゃよ」
.
- 373 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:19:57 ID:30TWAJzM0
-
( ´゚ω゚)
( ;´゚ω゚)「そ、それって………」
(
;´゚ω゚)「あ、ありえない! “それは” 、 “そのワザは” 、」
(
;´゚ω゚)「オトジャ=フーンの分身!」
( ;´゚ω゚)「 《アンチェイン・ハート》 ッ!」
(
;´゚ω゚)「アニジャ=フーンじゃねえか!!」
.
- 374 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:20:49 ID:30TWAJzM0
-
ζ(゚−゚';ζ「………合点が、いったわ」
(;´・ω・)「え?」
ζ(゚−゚';ζ「監視されているのがアニジャだったなら、実は、簡単に撒けたのよ、監視なんて」
ζ(゚−゚';ζ「わざと躯がばらばらになるように自殺して、姿を消す」
ζ(゚−゚';ζ「あとは、肉塊のままでなるべく遠くに逃げてから元の躯に戻る……」
ζ(゚−゚';ζ「そうすれば、いやでも監視は見失わざるを得なくなるのだから。
でも、監視されている男は、それをしなかった。 なぜか?」
( ;´゚ω゚)「 “それをやったら、死ぬから”
」
ζ(゚−゚';ζ「もっとも、それだけじゃあ、考えてなかった〜〜で一蹴できたんだけど……」
(;´・ω・)「けど?」
ζ(゚−゚';ζ「いくらオトジャと言えど、ウチのセキュリティーをかいくぐって侵入するなんて、ムチャよ」
ζ(゚−゚';ζ「
“侵入手段” 。 それも、わからなかった。 けど、相手がアニジャだった、とわかれば、合点がいく」
( ;´゚'ω゚)「……
“躯をどろどろにさせれば侵入は容易だった” ……っ!」
.
- 375 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:21:29 ID:30TWAJzM0
-
(゚、゚トソン「えっと……」
( ;´゚'ω゚)「なにが 『えっと』
なんだよ! ちょっとはあんたも焦りなさい!」
(゚、゚トソン「あたし、アンチェイン兄弟のこと、よく知らないので……」
(
;´゚'ω゚)「だァァーーれがほんとうに焦れって言った! 空気を読めっつってんだよバーカ!」
ζ(゚−゚';ζ「誰が焦るのが先決って言ってんのよ! 何よりもまず拘束のこと考えなさい、ばか!」
(´゚'ω゚'`)「そ、そうだ! ま、まず、どーーやって逮捕すりゃーいいんだ!」
ζ(゚−゚';ζ「アイツらは、表立って動くような【ゼロ級】死刑囚じゃない! だと、すれば……」
(
;´゚'ω゚)「………打つ手なし、じゃんか!」
ζ(゚ワ゚';ζ「…………あはっ!?」
(
;´゚'ω゚)「笑って、ごまか―――」
ガチャ
.
- 376 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:22:09 ID:30TWAJzM0
-
(´゚'ω゚'`)「!!?」
ζ(゚Д゚';ζ「なに!? だれ!?」
/ ,'
3「………おぬしは、確か」
/ ,' 3「シュールんとこのモンじゃったな?」
/
,'
3「刑務所になんの用じゃ、ベルベット」
( <●><●>)「局長の誤りを、ただしに。」
.
- 377 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:22:49 ID:30TWAJzM0
-
ζ(゚ワ゚'*ζ≡「ッ! ベルベットちゃん!」 ガシッ
((( <●><●>)))「急にいなくなったな、と思えば、……、……離れてください」 ブルンブルン
((ζ(^ワ^'*ζ))「あなたがいたら百人力ね! さすが特別班!」 ブルンブルン
.
- 378 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:23:39 ID:30TWAJzM0
-
(゚、゚トソン「 《パーフェクト・ロジック》
……」
(;´^ω^)「二つ名なんてどォォーでも……と、とにかく、おおお!」
(;´^ω^)「強い人なら歓迎するぞ! どうした、
《パーフェクト・ロジック》
!」
(゚、゚トソン「あっ、ひどい」
( <●><●>)「あいにく、私は戦闘要員ではないので。
……それより」
( <●><●>)「蜂や狐は置いておくとして、アンチェイン兄弟なら、あるいは」
( <●><●>)「交戦にこぎつけられる可能性が、あります」
( <●><●>)「……お二人の話を聞いていたのですが、どうも、申し上げたほうがよろしいと考えまして」
(゚、゚トソン「え? どうやって聞いたんですか?」
( <●><●>)
(゚、゚トソン「盗み聞き?」
( <●><●>)
(<●><●> )
(゚、゚トソン「あっ無視…」
.
- 379 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:24:21 ID:30TWAJzM0
-
ζ(゚−゚;ζ「つ、捕まえられるの!? オトジャのやつを!?」
( <●><●>)「捕まえられるかどうかは、戦闘に勝つ、しかない」
( <●><●>)「加えて、目下実行中の
“作戦” が成功するかも、あやしい」
(;´・ω・)「………一応、教えてくれ」
(;´・ω・)「なんだ、その…… “作戦”
って」
( <●><●>)「アニジャの話を、思い出してください」
( <●><●>)「なかなかに
“奇妙な” ことを口走っていたじゃありませんか」
ζ(゚−゚;ζ「奇妙なこと……」
(
´_>`)『 “俺” っつー【ゼロ級】が、いったいどう認識されているのか。 非常に、興味深い』
(
´_>`)『もっと、聞きたい話はあったのだが……な』
(´<_`
)『きたかー、もうちょっとしゃべってたかったんだがな』
.
- 380 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:25:14 ID:30TWAJzM0
-
( <●><●>)「いいですか?」
( <●><●>)「ほんとうに目的が襲撃のみだったならば、
このような話を、それも御三家を相手にする必要がありません」
( <●><●>)「逮捕されるチャンスを自らつくっているわけであり、実際に、オサムに攻撃されています。
冷静なアンチェインにしては、非合理的でいまいち腑に落ちないです」
ζ(゚−゚;ζ「それは考えたわ、でもね、ヤツはアニジャ――分身のほうだったの。
だから、オトジャという男のことが気になるのは、別におかしく……」
( <●><●>)「それは口実、もしくは
“ほんとうに聞き出したい内容を
スムーズに聞き出すための”
口実、もしくは前振りに過ぎないでしょう」
( <●><●>)「本体の話を聞きたいというのは、アニジャが本体と別個体のときに起こり得る発想です。
思考回路がカンペキに同一であるアニジャが、それを知りたがるはずがありません」
ζ(゚−゚;ζ「……………」
(;´・ω・)「ま、待て待て、待て」
(;´・ω・)「……ほんとうに聞き出したい内容、だと? どういうことだ」
( <●><●>)「それは、わかりません。
ただひとつわかっていることは、」
.
- 381 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:26:02 ID:30TWAJzM0
-
.
- 382 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:26:45 ID:30TWAJzM0
-
(´・ω・`)「!」
( <●><●>)「だからこそ、オトジャとの交戦は、望める」
( <●><●>)「奴が表立って行動しないというのなら、とる策は一つ」
( <●><●>)「ずばり、あぶりだすのです」
ζ(゚−゚;ζ「………一言にあぶりだすと言っても、そう簡単なことじゃないよ」
ζ(゚−゚;ζ「あいつは、光を好まない。
ツーみたいに、暴れたいがために接触を求めることはないから……」
( <●><●>)「だからこそ、今回の作戦がうまくいくかは、さすがの私でもわからない。
なんせ、この作戦を提案したのは、私ではありませんからね」
ζ(゚−゚;ζ「へ?」
( <●><●>)「いいですか? オトジャは、水面下にて我々と接触したがっている」
( <●><●>)「ならば、暗に我々の存在を示唆すればいいのです」
.
- 383 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:27:37 ID:30TWAJzM0
-
ζ(゚−゚;ζ「……そんな方法が?」
( <●><●>)「考案者によると、です」
( <●><●>)「存在感をそこらじゅうに振りまけば、
オトジャは花の香に惹かれる虫がごとくやってくるだろう、と」
(;´・ω・)「存在感〜〜? あのね、シュールみたいに存在感を消すやつはいても、存在感を振りまくやつなんて……」
(;´・ω・)「ンなやつ、いるはずない……」
(;´^ω^)「よ、ね?」
( <●><●>)「いません」
( ´^ω^)
( <●><●>)「が―――
“存在感があることを視覚的に知らしめるやつなら”
、いた」
ζ(゚−゚;ζ「………もう、ハッキリ聞くわ」
ζ(゚−゚;ζ「ダレ? そんなやつ、心当たり―――」
.
- 384 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:29:01 ID:30TWAJzM0
-
( <●><●>)「ビロードです」
ζ(゚−゚*ζ「!」
( <●><●>)「
《マニュアル・アニマル》 」
.
.
( <●><●>)「ビロードの体質を使えば、そこに異常が発生する」
( <●><●>)「たとえば………」
.
- 385 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:30:32 ID:30TWAJzM0
-
.
- 386 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:31:30 ID:30TWAJzM0
-
(;´^ω^)「そ、そっか……〜〜〜! その手があったか!」
(;´^ω^)「
《パーフェクト・ロジック》 のことだ、
オトジャがそれにおびき寄せられるのはもう読めているんだろう?」
( <●><●>)「発案者はビロード本人なのですが」
(;´・ω・)「……ダレだっけ、そいつ」
( <●><●>)
ζ(゚−゚;ζ「しゅ、シュールちゃんの班の一員よ。
一番ジミだけど……」
( <●><●>)
( <●><●>)「
《ティンクル・ポポ》
の飼い主です」
(;´^ω^)「あ、アイツか! ………、……」
(;´・ω・)「……アテになんの?」
( <●><●>)「わかんないんです」
.
- 387 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:33:41 ID:30TWAJzM0
-
/ ,' 3「なんじゃ、おぬし。 黙って聞いておれば」
/ ,'
3「ただ、それを申しにきただけか?」
( <●><●>)「違います。
……というより、いまのはただの寄り道です」
ζ(゚ー゚;ζ「え?」
( <●><●>)「私は、調べものに来たのです」
( <●><●>)「残念ながら、警察局にいても調べられそうにないことだ。
だから、そちらに協力を……」
(;´・ω・)「……残念だがね、ただいま調査部長のクール=ヴェーラーは集中治療中だ」
(;´・ω・)「下の連中を動かそうにも、そのほとんどが激務に追われている。
あんたの私事なら、手を貸せないぞ」
( <●><●>)「ワタクシゴトではなく、シゴトです。
それに、人の手を借りるつもりは、なかった」
(;´・ω・)「そ、そうか。
なにについて調べるつもりだ?」
(;´・ω・)「いくら戦闘要員でないからといって、あんたが【DDR】要員…… 『DDRer』
であることには違いない。
ただでさえ【DDR】に割いている人員が少ないんだ、並ならぬことでないと許可は出せないな」
( <●><●>)「調べること……決まっているではありませんか」
(;´・ω・)「なんだ?」
( <●><●>)「本件の事の発端」
( <●><●>)「つまり、黒幕ですよ」
.
- 388 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:34:46 ID:30TWAJzM0
-
/ ,'
3「!」
(´・ω・`)「―――ッ」
ζ(゚−゚;ζ「く、黒幕!?」
( <●><●>)「考えてもみてください」
( <●><●>)「脱獄したのが
《ラスト・ヴァンパイア》 や 《アンチェイン・ハート》
ならともかく」
( <●><●>)「強行手段もなしに、七人もの【ゼロ級】死刑囚が一斉に脱獄できるとは考えられない」
( <●><●>)「……どうやって連中は脱獄したのか。
それを、炙り出すのです」
( ;´゚ω゚)「ナメるな! いま部の連中がやってンのは、それの追求なんだ!」
(
;´゚ω゚)「担当者たちが集合しても判明できていないのに、まして部外者なんかにそいつがわかるわけ……」
「
なら、部内者だったらいいのかな? 」
.
- 389 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:35:32 ID:30TWAJzM0
-
(・ω・`;)彡「ッ!?」
川
r▼-)「部長として、私が責任をとりましょう」
川
r▼-)「臨時として、ベルベット=ワカッテマスを任務に加えたいと思います」
川r▼-゚)「………商売道具の眼を潰されて、私も現場には向かえなくなったので」
.
- 390 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:36:38 ID:30TWAJzM0
-
( ;´゚ω゚)「―――眼をつぶされた!!?」
(
;´゚ω゚)「よりにもよって、あんたの【ゼロ級】をか!?」
(゚、゚トソン「………二分の一に低下したわけですね」
川r▼-゚)「いや、十分の一だ」
(゚、゚トソン「……え?」
川r▼-゚)「両目が機能するからこそ、人間は三次元の世界を視ることができる」
川r▼-゚)「そんななか、私は、二次元の世界しか視ることができなくなったんだ」
川r▼-゚)「つまり、三乗が二乗になった。
千が百になったようなものだよ」
(゚、゚トソン「………十の三乗、 『サウザンド』
が………、」
川r▼-゚)「そう」
川r▼-゚)「さしづめ
《ワンハンドレッド・アイ》 といったところだな」
川r▼-゚)「皮肉なものだよ。
最初から、こうなることが予言されていたかのような名前だったなんて……さ」
.
- 391 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:37:31 ID:30TWAJzM0
-
爪 ー)「つまり、話には乗らない、と?」
(
〈::::::::〉「乗らなかったら、なんだ? 俺を殺すつもりか?」
爪 ー)「まさか。
どーして、【DDR】を手伝わなくちゃいけないんだい」
( 〈::::::::〉「………まさか、俺を放した理由は」
爪
ー)「ロマネスクとキュート以外で連中が血眼になる、一番の逸材だからね、君は」
.
- 392 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:38:26 ID:30TWAJzM0
-
( 〈::::::::〉「………」
爪 ー)「オトジャと君は、似てるからね」
(
〈::::::::〉「似てる、だと?」
爪 ー)「ああ。 陰に身を潜めるところが、実にそっくりだ」
(
〈::::::::〉「計画とやらにつきあわないってわかった途端、愚弄か」
爪
ー)「おっと、僕まで殺さないでくれよ? 僕にチカラはないんだ」
( 〈::::::::〉「無駄なコロシは、しない。
……俺が人を殺すのは、あと一度だけだ」
爪 ー)「義理堅いねぇ〜。
その馬鹿正直がなけりゃ、きっと捕まることも、まして死刑を喰らうこともなかったろうに」
( 〈::::::::〉「ご挨拶だな。
生きるために犯した罪より、娯楽のために犯した罪のほうが愚かしいとは思うがな」
爪
ー)「おいおい、僕と娯楽について語り合うつもりかい? 軽く一日はかかるよ」
(
〈::::::::〉「……とにかく、俺は」
爪 ー)「あーはいはい、なんだっけ。
やり残した依頼を……あれ、なんだっけ?」
(
〈::::::::〉「………つきあってられんな」 ジャリ
.
- 393 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:39:07 ID:30TWAJzM0
-
爪 ー)「せいぜい、丸一日くらいは逃げてくれよ」
爪
ー)「そうしないと、勝算がなくなりかねないからね」
(
〈::::::::〉「……あんたの言う終末論は、当たらないことがあるのか?」 ピタ
爪
ー)「おいおい、馬鹿言っちゃあいけないな」
( 〈::::::::〉「なに?」
爪
ー)「終世論……あれ、終末論だっけ?」
爪 ー)「ああいうのは、だね」
.
- 394 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:41:10 ID:30TWAJzM0
-
( 〈::::::::〉「……やっぱり」 サッ
爪 ー)「?」
(
〈::::::::〉「獄中で大勢の狂人を見てきたが……
. キュートのような真性を除けば、あんたが一番の狂人だったぜ」 スタ…スタ…
爪
ー)「僕がクレイジー、か」
爪 ー)「君は、個人個人を殺す。 僕は、国一つを殺す」
爪
ー)「ただ、規模が違うだけじゃないか」
( 〈:∩:::〉「やっぱ馬鹿だよ、テメェは」 スッ
爪
ー)「ん?」
「革命なんて、起こせるはずもないのによ…」 パサッ
爪 ー)「おや。
僕の聞くところによると、君は明るいのがニガテみたいだけど……」
爪
ー)「フードとっちゃって、よかったのかい?」
.
- 395 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:41:59 ID:30TWAJzM0
-
爪 ー)「 《ハニー・ホーネット》
」
爪'ー`)「………ギコ=ロワール」
(,,゚Д゚)「やっぱり、ご挨拶だな」
(,,゚Д゚)「フォックス=クロフォードよ」
爪'ー`)「のちの王の名だ。
覚えておいてくれ」
.
- 396 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:42:40 ID:30TWAJzM0
-
「こんな都市のど真ん中に、どうして鷲がいるかと思えば……」
「なるほど……
“お前が呼んだ” のか」
(´<_`
)「手厚い歓迎に、カンシャしないと………な。」
.
- 397 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:43:29 ID:30TWAJzM0
-
( ;><)「………」
(´<_` )「悪いな。
さっき、警察局を、襲った」
( ;><)「……襲ったのは、 “兄” のほうじゃなかったのか、な?」
(´<_`
)「はァ? 俺も、兄も、中身は一緒なんだぜ?」
(´<_` )「俺が襲おうがあいつが襲おうが、本質は一緒なのさ」
(
;><)「………」
( ;><)「それで、ついに本領発揮というわけ、か」
(
;><)「縛られない殺人鬼……… 《アンチェイン・ブラザーズ》 !」
.
- 398 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:44:16 ID:30TWAJzM0
-
(´<_` )「言ってくれるねぇ。 しかし、いいのか?」
(´<_`
)「見るからに細腕じゃねーか、あんた。 そんなんで 『DDRer』 が務まるのか?」
(
;><)「………」
(´<_` )「どうした? いま、目の前で突っ立ってるのは、脱獄囚だぜ?」
(´<_`
)「またとない、絶好のチャンスだ。 だというのに、どうして攻めない?」
( ;><)「………」
(´<_`
)「もしくは…… “攻められない” 、か?」
(´<_` )「あんたは、戦闘要員ではない。
だから、戦闘要員が来るまで監視する。
. そういう作戦だ……ということか、な?」
(
;><)「………そうだ、ね」
(´<_` )”
(
;><)「確かに、僕は戦闘要員じゃない」
( ><)「でも―――」
.
- 399 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:44:58 ID:30TWAJzM0
-
.
- 400 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:45:40 ID:30TWAJzM0
-
───────────────────────────
戦
闘 員 な ら 、 最 初 か ら い た
よ
───────────────────────────
.
- 401 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:46:21 ID:30TWAJzM0
-
.
- 402 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:47:02 ID:30TWAJzM0
-
(´<_`
)「な―――」 サッ
∧∧
( ;*'ω')≡⊃「おらあああああああああああっ!!!」 ブンッ!!
(
´_>`)彡「 ッ 」 スッ
( ;><) o
O(ぽぽちゃんの不意打ちを避けられる……速さはツー以上か!)
∧∧
( ;*'ω')「ぽゥ……」
(´<_`
)「……なんだ、このボディビルダーは……」
(´<_`
)「熊……いや、虎……?」
( ><)「お前が最期に戦う相手! 《ティンクル・ポポ》 だッ!」
(´<_`
)「最期……へー、最期、ねぇ」
(#><)「ぽぽちゃん!」
∧∧
≡( ;*'ω')「おらッ!!」 ダッ
「
時に、刑事――― 」
.
- 403 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:49:30 ID:30TWAJzM0
-
.
- 404 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:50:23 ID:30TWAJzM0
-
(><; )彡
「!!?」 サッ
( ´_ゝ`)「……なんちゃって」
(
;><)「なッ―――」
.
- 405 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:51:30 ID:30TWAJzM0
-
( ;><)≡「い……つの間、に……ッ」 シュタッ
(´<_` )「いいか、お前は警察で
“俺ら” は脱獄囚だ」
( ´_ゝ`)「全くの無防備をかましている、と考えられるのが不思議でしかたがない」
(
;><)「も、目的はなんだ! アンチェイン・ブラザーズ!」
(´<_`
)「目的?」
( ´_ゝ`)「何の話をしていると考える、 『オレ』 よ」
(´<_`
)「はかりかねる、こともないな、 『俺』 よ」
( ;><) o
O(う、うわさには聞いていたけど……確かに一緒だ!)
( ;><) o
O(声色、抑揚、息の吐き方から声紋まで、同一……っ!)
( ;><) o
O(………混乱しちゃいそうなんです)
.
- 406 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:52:25 ID:30TWAJzM0
-
(´<_`
)「だが、用もなくおたくらに会いに来たわけでは、ない」
( ><)「………!」
( ´_ゝ`)「一つ、頼みたいことがあってな」
( ><)「な、なんだ! 逃走用の車か?」
(´<_`
)「車なんてなくても逃走はできるぜ、刑事よ」
( ´_ゝ`)「なんのために、わざわざ俺らがおたくに会いに来たのか、わかってないようだな」
(
;><)「な、なんのため……」
( ´_ゝ`)「おたくら以外に頼める相手がいない」
(´<_`
)「つまり、おたくらにしか成し得ないこと、それが用件だ」
.
- 407 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:53:46 ID:30TWAJzM0
-
(
;><)「………い、言ってみろ」
( ´_ゝ`)「医者だ」
( ><)「―――…………え?」
(´<_`
)「おたくらが擁する病院に、【ゼロ級】の治療技術を持つ医者がいることは知っている」
( ´_ゝ`)「その医者を、こっちに引き渡すこと」
(´<_`
)「そうすれば、獄中に戻ろう、というわけだ」
(
;><)「ぜ、【ゼロ級】の治療技術って……つまり……!」
( ´_ゝ`)「 《ブロック・ジャック》
」
(´<_` )「奴の【ゼロ級】と、引き換えだ」
.
- 408 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:54:52 ID:30TWAJzM0
-
( ;><)「な……なんだと? どうして、 《ブロック・ジャック》
なんだ?」
( ´_ゝ`)「理由……理由ねえ」
(´<_`
)「カネのため、とでも言っておくか?」
( ´_ゝ`)「 『答えない』 が最善ではないのか」
(´<_`
)「それもそうだ。 そうしよう」
( ´_ゝ`)「時に刑事よ。 その質問には、答えない」
(´<_`
)「答えない」
( ;><) o O(……? な、なにが目的なんだ、こいつらは……)
(
;><)「………………………、」
( ;><) o O(……わ……わからない! どうして、 《ブロック・ジャック》
が……?)
.
- 409 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:56:10 ID:30TWAJzM0
-
( ´_ゝ`)「どうしたんだ、刑事」
(´<_`
)「大方、俺らの事情をさぐっているのだろう」
( ´_ゝ`)「さぐっても、仕方ないだろう。
黙って引き渡せばいいのだから」
( ;><) o O(―――む、無理だ!)
( ;><) o O(
《ブロック・ジャック》
はそんじょそこらの医者じゃない! 全世界最高峰の医師なんだ!
それに、クールさんといいシィさんといい、危篤の事態と戦っている最中でもある!)
(
;><) o O(……僕一人の判断でどうにかできる問題じゃあ、ない!)
( ;><) o
O(で、でも、逆に言えば、引渡しさえすればそれでこの二人は逮捕できたも同然……?)
.
- 410 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:56:59 ID:30TWAJzM0
-
(
;><)「………それは、いますぐ、か?」
( ´_ゝ`)「ああ」
(´<_`
)「タイムリミットは、一時間だ」
( ;><)「なっ………む、ムチャだ!」
(
;><)「せめて、彼を動かすにしても【DDR】が終わらないと………」
( ´_ゝ`)”「交渉決裂……か」 ユラ…
(;;><)「ま、待て!」
「
待 ち や が れ ! 」
.
- 411 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:57:45 ID:30TWAJzM0
-
( ´_ゝ`)「……?」
( ;><)「や、やっときた!」
_
(
;゚∀゚)「だから一人じゃ無理だっつったろ!」
( ;><)「一人じゃないです! 二人です!」
_
(
;゚∀゚)「片方人間じゃなくて超人じゃねえか!
……いまは漫才はいいんだよっ!」
(
;><)「一人でなにを……い、いいから、いくよ!」
( ´_ゝ`)「……二対三、というわけか」
(´<_`
)「これは劣勢を強いられるな」
,、_
;.'( ;゚∀゚): ; 「………」 バチバチッ
.
- 412 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:58:28 ID:30TWAJzM0
-
( ><)「ぽぽちゃんッ!」
∧∧
≡( ;*'ω')「ッ!」 シュッ
(´<_`
)「おっと」 サッ
( ><)「避けてばかりだと、勝ち目はないぞ!」
(´<_`
)「……体力切れを狙っているのでね、こちらは」
( ><)「………え?」
i!( ´_ゝ`)i!「はい、嘘です」 ヌッ
(
;><)≡「ぐッ!」 サッ
( ´_ゝ`)「囲え、『俺』 」
(´<_` )≡「チッ。
しかたない」 シュッ
(><; )「ジョルジュさん! ジョル――」
. . . . . . . .
.
: . . . . . . .
: シーン…
(;;><)「じょるじゅうううううううううううううううううう!!!!」
.
- 413 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 19:59:18 ID:30TWAJzM0
-
(メ;><)≡「ぐォッ!!」
(´<_`
)「……かすっただけ、か」
( ´_ゝ`)「だが…… “囲まれている”
ことを忘れるな……」
≡( ´_ゝ`)「よッ!!」
(メ;><) o
O(避けきれない―――)
“ (´<_` ) o O(………ん?)
.
- 414 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:00:00 ID:30TWAJzM0
-
(
メ_ゝ`)「………なに?」
(´<_` ) o O(……っ!)
.
- 415 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:00:41 ID:30TWAJzM0
-
( メ;> )「………」
(メ
><)「…! な、なにが……」
(´<_` )「おい、 “空” だ」
(
メ_ゝ`)「ソラ………?」
.
- 416 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:01:35 ID:30TWAJzM0
-
( メ_ゝ`)「あれはー……」
(´<_` )「…… “隼” 。
鷲の次は、ファルコンときたか」
(メ ><)「――――ッ!」
( メ_ゝ`)「そうか……。 “コイツ”
が、うわさの」
(´<_` )「 《マニュアル・アニマル》 ―――こいつは、面白い」
(
メ_ゝ`)「自然の力で戦う【ゼロ級】と、超自然の力で戦う【ゼロ級】……」
(メ
><)「――――」
,:( ´_ゝ`)゛。「急ぐぞ、 『俺』 よ。 この調子だと、そのうちヌーの大群がやってきかねない」
シュウゥ…
(´<_` )「ああ。
そうすることにしよ………う……、…?」
( ´_ゝ`)「どうした」
(´<_` )「……… “ソラ”
」
( ´_ゝ`)「?」
.
- 417 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:02:15 ID:30TWAJzM0
-
(´<_` )「空が……おかしくないか?」
(´<_`
)「……暗くなっているような……」
( ´_ゝ`)「……… “雨雲”
?」
( ´_ゝ`)「――!」
(´<_` )「まずい…ッ」 サッ
.
_
i!( ;゚∀゚)i!「………………………いまだ!」 ヌッ
(´<_` )「――ッ!」
(
´_ゝ )「いつの間に――――」
.
- 418 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:02:55 ID:30TWAJzM0
-
.
- 419 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:03:39 ID:30TWAJzM0
-
.
- 420 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:04:21 ID:30TWAJzM0
-
川;д川「こ、困ります! 許可が下りてません!」
川r▼-゚)「許可、許可……必要なのは、あのビリビリの許可か?」
川;д川「び、びりびり……?」
川r▼-゚)「だったら、あとでイヤというほど下ろさせてやる。
通してくれ」 スタスタ
川;д川「た、ただでさえ、こっちはその、非常事態……あ、ちょっと!」
.
- 421 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:05:18 ID:30TWAJzM0
-
川r▼-゚)「……こうなることは、わかっていたのか」
( <●><●>)「ええ」
( <●><●>)「私一人だと、いくら私が
『DDRer』 であろうと、門前払いをもらいますから」
川r▼-゚)「しかし、どうしてウチの部下たちに任せない?
.
これでもエリートが集うところなのだぞ、帝国中央刑務所というのは」
( <●><●>)「……逆に、あなたはわからないのですか」
川r▼-゚)「…?」
( <●><●>)「考えてもみてください」
( <●><●>)「この、七人という大脱走。
しかも、皆がみな【ゼロ級】死刑囚という、
刑務所内でも最もマークされているであろう連中」
( <●><●>)「大規模な破壊によるものでない以上、不可能なのですよ、本来は。
ここまでは、おわかりでしょうね?」
.
- 422 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:06:16 ID:30TWAJzM0
-
川r▼-゚)「………なにが、言いたい」
( <●><●>)「問題は、です」
( <●><●>)「未だに、脱走経路が割れていない……この一点にあります」
川r▼-゚)「歴史に残る大脱走だ。
よっぽどわかりにくく、
.
かつ隙を突いた画期的な脱走術だったんじゃあ――」
( <●><●>)「しかし、ここまで来ると、別の可能性が出てきます」
川r▼-゚)「……別?」
( <●><●>)「あなたも、おそらくは気づいているでしょう。
もしくは、もう可能性として捜査線上に浮かんでいるのかもしれない」
( <●><●>)「この、世紀の大脱走、【DDR】」
( <●><●>)「裏切り者―――が、必ずどこかにいます」
.
- 423 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:06:58 ID:30TWAJzM0
-
川r▼-゚)「………ッ」
( <●><●>)「あなたを疑っているわけではありません。
いや……むしろ、あなただと “ありえない”
」
川r▼-゚)「なに?」
( <●><●>)「いいですか?」
( <●><●>)「仮に、刑務所の内部の人間が大脱走に手を貸した、として」
( <●><●>)「さすがに、その原因を特定できない、なんてことはありえない」
( <●><●>)「必ず、迅速に脱走経路、もしくはその原因が突き止められるでしょう」
( <●><●>)「だというのに、それが未だに見つかっていない、というのが問題なのです」
川r▼-゚)「……お前は、わかっているのか」
川r▼-゚)「
“なぜ、それが未だに見つかっていないのか”
……その理由を」
( <●><●>)「裏切り者が、その原因箇所を隠しているのですよ」
.
- 424 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:08:09 ID:30TWAJzM0
-
川r▼-゚)「なに?」
( <●><●>)「たとえば、室内でかくれんぼをしたとしましょう。
鬼は、そうですね、三人いたとします」
( <●><●>)「その三人は、順調に隠れた人を見つけていった。
だが、一人だけ、どうしても見つけることができなかった」
( <●><●>)「もう考えられる――いや、隠れられる場所の全てを、三人は探した。
しかし、どこにもその子はいない、という」
( <●><●>)「はたして、この状況、ありえますか?」
川r▼-゚)「……言いたい意味がはかりかねるな」
( <●><●>)「先にこのたとえ話を終わらせましょう。
コタエは、ありえます」
川r▼-゚)「……なんだと? まさか、室外に出た、とかじゃあないよな」
( <●><●>)「いいえ、コタエはもっと単純です」
( <●><●>)「三人のうちの一人が、見てみぬふりをすればいいだけなのです」
.
- 425 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:08:49 ID:30TWAJzM0
-
川r▼-゚)「ッ!」
( <●><●>)「お気づきになったでしょう。
つまり、そういうことです」
( <●><●>)「たった一人の脱走でさえ、迅速に原因が究明され、脱走経路が明かされる刑務所です。
規模、リスクともにその何十倍もある今回の【DDR】の脱走経路が、どうして未だに見つからないのか」
( <●><●>)「もう、言うまでもないでしょう」
. . ..
( <●><●>)「 “裏切り者がその原因部分を調べて、異常なしと言えばいい”
のですよ」
( <●><●>)「そうすれば、第三者がそこを調べるまで、一向に原因が割れることはなくなる」
. .. .
...........
( <●><●>)「だからこそ、あなたではありえないのです」
( <●><●>)「【DDR】のため、外に駆り出されていたのだから……!」
.
- 426 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:09:32 ID:30TWAJzM0
-
川r▼-゚)「自分が事実を隠蔽しなければならないのに、
.
【DDR】に向かっていたらそのうち他の者に原因箇所が割れてしまう……か」
( <●><●>)「だからこそ、まったくの第三者が、
こうして圧力をかけて原因箇所を見つけないとだめだったのです。
……最初から」
川r▼-゚)「じゃあ、偶然にも私はその補佐に適任だったわけだな」
川r▼-゚)「裏切り者候補からはずれる管理職で、プラス戦場に向かうこともできない、と」
( <●><●>)「皮肉の謝罪は、終わってからです。
今からあなたには、人払いをお願いします」
川r▼-゚)「………そうか。 だが、いくら部長職だからといって、そんな権力はないぞ。
.
それに、いま警備部を止めると、さまざまな障害が生まれる」
( <●><●>)「責任は、黒幕を見つけてから、その人に全て押し付ければいい。
時間がおしている。
……頼みます」
川r▼-゚)「さらっとヒドいことを言っているが………、………気に入った」
川r▼-゚)「一度だけ、信じてやる。」
川r▼-゚)「お前の、
《パーフェクト・ロジック》 とやらを」
.
- 427 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:10:33 ID:30TWAJzM0
-
_
( ;゚∀゚)「どうなってんだ……!」
_
(
;゚∀゚)「俺の雷をモロに食らっておいて……」
_
(
;゚∀゚)「ど、どうして、立ってられンだッ!!」
:. .
, ::. ':. .:
;' ,:(,.
´_ゝ`)「…… “だって、生きてない” んだもの」 シュウゥ…
.
- 429 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:11:16 ID:30TWAJzM0
-
_
( ;゚∀゚)「なッ………」
(
;><)「ジョルジュさん! あいつは分身のほう!
. 《アンチェイン・ハート》 だ!」
( ;><)「本体……
《アンチェイン・ボディ》 には隠れられた!」
_
( ;゚∀゚)「…… “隠れ”
…!」
( ´_ゝ`)「……あのねぇ」
( ;><)「!」
( ´_ゝ`)「どうして、
“ただ分離するだけ” の俺らが【ゼロ級】指定されたか、わかってるの?」
( ´_ゝ`)「一度、本体、 《アンチェイン・ボディ》
を見逃したら、取り返しがつかないんだよ。
見た目じゃあどっちがどっちかなんてわからないし、捕まえても相手が俺だったら意味がない」
( ´_ゝ`)「迷惑さはあのゴキブリに負けるけど」
( ´_ゝ`)「
“俺らを一度こうさせたら” ………同じくらい厄介なんだぜ」
.
- 430 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:12:21 ID:30TWAJzM0
-
_
( ;゚∀゚)「……… “こうさせたら” ……」
( ;><)「本体、 《アンチェイン・ボディ》
が隠れて、
. 不死身の分身、 《アンチェイン・ハート》 が戦線に出てくる……」
(
;><)「………やっぱり、僕らの一番のミスは、本体の監視を解かせたことだったんだな……」
i!( ´_ゝ`)i!「はい、だーれもおたくの懺悔は聞いてなー……」 ヌッ
.
- 431 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:13:04 ID:30TWAJzM0
-
( ;><)≡「 ! ぅおッ!」 シュッ
_
( ;゚∀゚) o
O(いつの間に背後に……っ!)
.
- 432 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:14:51 ID:30TWAJzM0
-
ドガッ!!
∧∧
( ;*'ω')「チィ……」
( ´_ゝ`))),,
「……なーるほ、ど」 ヨロヨロ
( ;><) o O(やはり、攻撃をしてもまるで効かない!)
( ;><) o
O(この調子だと、ぽぽちゃんの体力が削られていく……!)
( ´_ゝ`)「……そうか」
( ´_ゝ`)「これは、持久戦を狙うしかないのかね」
(;;><)「ッ!」
∧∧
( ;*'ω')「…、」
_
(
;゚∀゚)「いいのか? 時間をとると、ほかの応援がくるぜ」
( ´_ゝ`)「逆に、いいのか? 俺には体力なんて限界も、生死って境界もないんだぜ」
_
(
;゚∀゚)「………っ!」
( ´_ゝ`)「応援が来ようがなにをされようが、」
( ´_ゝ`)「おたくら全員が地に突っ伏すまで、続けてやるつもりだぜ、俺は」
( ´_ゝ`)「忘れるなよ。
こちとら、【ゼロ級】死刑囚……なんだぜ」
.
- 433 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:15:33 ID:30TWAJzM0
-
_
( ;゚∀゚)「………ッ、」
( ;><)「あ! そういや、エクストは……」
_
( ;゚∀゚)「ゴキブリを連行してるんだ、すぐには来れるはずがない」
_
(
;゚∀゚)「それに、本体を捕まえねーと、意味がないんだ!」
_
(
;゚∀゚)「これは………まずいことになったぞ」
( ´_ゝ`)「………」
(
;><)「……かくなる上は」
_
( ;゚∀゚)「?」
( ;><)「 『要求を呑む』
のも視野にいれないとだめかもしれません」
.
- 434 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:16:18 ID:30TWAJzM0
-
_
( ゚∀゚)「要求……?」
( ;><)「そもそも、おかしいと思いませんか」
_
( ゚∀゚)「?」
( ;><)「あのアンチェイン兄弟が、こうして僕たちとの対峙に臨んだことが、ですよ」
_
( ゚∀゚)「………………ま、まあ」
_
(
;゚∀゚)「でも、事情なんて関係ねえ! 機会がありゃあ逮捕するのが先決だろう!」
( ;><)「僕たちの世界では」
_
( ゚∀゚)「…?」
( ;><)「僕たちの世界では、ですね」
(
;><)「正義を掲げる裏で、司法取引というものが渦巻いているのですよ」
.
- 435 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:17:05 ID:30TWAJzM0
-
_
( ゚∀゚)「………買う、のか?」
( ;><)「売る、のですよ」
_
( ゚∀゚)「要求は、なんだ」
( ;><)「………医師」
_
( ゚∀゚)「へ?」
(
;><)「 《ブロック・ジャック》 を引き渡すこと、です」
_
( ゚∀゚)「……!」
(
;><)「当然、要求は拒否しましたが……」
(
;><)「下手に暴れられるくらいなら、最悪、取引に応じる必要が生まれかねません」
( ><)「たとえ、それで 《ブロック・ジャック》
が死ぬことになって……も」
.
- 436 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:18:06 ID:30TWAJzM0
-
_
( ゚∀゚)「……命の保証はない、か」
( ><)「本来こんなの、会議でも開いて、ウン時間とかけて交わすべきトピックです」
_
( ゚∀゚)「つまり、今すぐ用意しないと交渉決裂にさせられる、ってところか」
( ><)「はい。 ……だから………」
_
( ゚∀゚)「…………」
( ><)「サイアクの事態も、想定しておかなくては……」
_
( ゚∀゚)「………」
( ><)「……ジョルジュさん?」
_
( ゚∀゚)「おい、アニジャ……フーン」
( ´_ゝ`)「なんだ」
_
( ゚∀゚)「お前、どうして医者を要求するんだ?」
_ .
. .... . . ......
( ゚∀゚)「 “どうしてお前は、その【ゼロ級】の奇病を、治してもらおうとするんだ?”
」
.
- 437 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:19:04 ID:30TWAJzM0
-
( ><)「………!」
( ´_ゝ`)「用途は、おたくらには関係のな……」
_
( ゚∀゚)「いやね、ツラ貸させるのには建前ってもんが必要なんよ、わかる?」
( ´_ゝ`)「………」
_
( ゚∀゚)「ンなのはいいとして……だ」
_
( ゚∀゚)「ウチの医者をヤミに飛ばして金を稼ぐわけでもないだろう。
病気の妹が〜〜とかでもなけりゃあ、自分が危篤に陥っているわけでもねえ」
_
( ゚∀゚)「……どう考えても、おたくの目的は
《アンチェイン・ボディ》 を治すことだ。
違うか? アンチェイン」
.
- 438 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:20:48 ID:30TWAJzM0
-
( ;><)「ば……バカなっ!」
(
;><)「自らの強みにもなってる【ゼロ級】を、手放すだって!?」
(
;><)「さすがに、それは、………な、……、」
( ><)「……………………?」
_
( ゚∀゚)「ない、こたァ、ない。
むしろ、考えうる最大の可能性じゃねえか」
_
( ゚∀゚)「思い出せ。 こいつの【ゼロ級】は、体質でも特性でもない」
_
( ゚∀゚)「【ゼロ級】の、 “奇病” なんだ」
( ><)「…………、………。」
(
;><)「まさか………、もしかしたらもしかする、と……ッ…!?」
_
( ゚∀゚)つ「そして、ビロード……耳貸せ、耳」 グイ
つ<
;><)「いて、イデデデデ!! そこほっぺ!!」
( ´_ゝ`)「………」
_
( ゚∀゚)「そして、ビロード……こいつは、 “チャンス” だ」
“∩;><)「ちゃ……チャンス?」 スリスリ
_
( ゚∀゚)「考えてみろよ! あいつは、自分の【ゼロ級】を捨てたがっている」
_
(
゚∀)「………つまり、だ」
.
- 439 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:21:41 ID:30TWAJzM0
-
.
- 440 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:22:23 ID:30TWAJzM0
-
( ><)「……………………………」
( ><)「…………………」
( ><)「………」
( ><)
(
;><) o O(………せ、正義ってツラじゃねえェェェ!!)
(
;><)「そ、そうだとしても、どのみち戦いに勝たないとだめじゃないか!
君の電撃も、ぽぽちゃんのマッスルでもアニジャには勝てないんだよ!?」
_
( ^∀^)「……………………………………………」
_ :'
(#゚∀゚)つ「……………
《アンチェイン・ボディ》 を出せエエエッ!!!」 バチバチッ
'、 .、
(><;
)「結局無策かよ!! いけ、ぽぽちゃん!!」
∧∧
≡( ;*'ω')「おゥ!!」 ダッ
「
待 っ て ! 」
.
- 441 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:23:04 ID:30TWAJzM0
-
_
( ゚∀゚)「!」
(
;><)「!」
( ´_ゝ`)「!」
(;//−) ゼェ…ゼェ…
_
( ;゚∀゚)「し……シィ!」
( ><) o O(……… “病人姿” ……!)
.
- 442 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:23:49 ID:30TWAJzM0
-
(;//−゚)「間に合った!?」
(
;><)「間に合った、っちゃあ、間に合った……けど……」
(//−゚)「?」
_
(
;゚∀゚)「いま必要なのは、戦闘力じゃ、ない……」
_
(
;゚∀゚)「お前の兄のツラ、なんだよ」
(//−゚)「ど………どういうこと?」
( ´_ゝ`)「俺らがわざわざおたくらに会いにきたのは、それが理由だってことさ」
(//−゚)「………なるほど。
《ブロック・ジャック》 をよこせってことね。
どうも、腑に落ちない要求………ね」
( ´_ゝ`)「非合理だろうと不条理だろうと、応じないならこっちの好きなようにやらせてもらおうってだけさ」
(//−゚)「………」
(
;><)「シィさん……」
.
- 443 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:24:31 ID:30TWAJzM0
-
(//−゚)「なにも……アニキが必要ってわけじゃあ、ないよね?」
( ´_ゝ`)「…!」
_
( ;゚∀゚)「【ゼロ級】の奇病を治せるのは、
同じく【ゼロ級】の治療技術を持つ 《ブロック・ジャック》
以外にいない!」
_
( ;゚∀゚)「いや……そもそも、奴でさえ治せるかわからねえ病気だろ!
《アンチェイン・ボディ》
……その人智を超えた超自然の奇病は!」
_
( ;゚∀゚)「それともなにか……ほかに、いるのか?」
_
(
;゚∀゚)「【ゼロ級】の奇病に対抗できる、国内でも最高峰の医者が………」
(//−゚)「いるわよ」
_
(
;゚∀゚)「ほーら、いねェ。 だったら…………」
_
( ゚∀゚)「……………え?」
( ´_ゝ`)「…ッ」
(
;><)「いる……んです、か?」
.
- 444 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:25:12 ID:30TWAJzM0
-
( //−)「………………一人だけ」
.
- 445 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:25:53 ID:30TWAJzM0
-
(ヽ´゚'ω゚)「アンチェイン共を捕まえるには 《ブロック・ジャック》
が必要だとォ!?」
ζ(゚−゚;ζ「おかしい……どうして、自ら【ゼロ級】を手放す、というのかしら……」
ζ(゚−゚;ζ「それはそうと……この話、のるの?」
(ヽ´゚'ω゚)「のるワケないだろ!!! とっとと本体を見つけ出して逮捕する以外ない!!」
(、
トソン「………。」
.
- 446 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:26:44 ID:30TWAJzM0
-
ζ(゚ー゚;ζ「で、でも、治療するだけで自ら獄中に戻ってくれるんでしょ? だったら――」
(´゚'ω゚'`)「そォォれが敵の罠に決まってるだろ!!」
ζ(゚−゚;ζ「わ、ワナ?」
(ヽ;´・ω-)「自分たちのハンデを消し去って、カンペキな状態になる……
そうなったら、もうワレワレに勝機なんてなくなっちまうじゃないか!」
ζ(゚−゚;ζ「抵抗できないように治療室に 『DDRer』
を……」
(ヽ;´・ω・)「僕の知っているィシという男は、オペの最中は自分と患者以外部屋にいれない奴でね……
おそらくアンチェインも、そのことを知っているが上でこの話を持ちかけているに違いない」
ζ(゚−゚;ζ「そんな………まさか」
(ヽ;´-ω-)「トソン、現場の連中に伝えろ」
(、
トソン
(ヽ;´-ω-)「うまく時間を稼いで、そのスキにオトジャ本体を見つけ出せ……とな」
(、
トソン
(ヽ´・ω・)「……………トソン?」
ζ(゚−゚;ζ「?」
.
- 447 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:27:35 ID:30TWAJzM0
-
(ヽ´・ω・)「ど、どうしたんだ。 腹が痛いのか?」
(、
トソン「……」
(ヽ;´^ω^)「お、おい、いつものトソンはどこ行ったんだ? いつもみたいに失礼な口をきいてくれよ」
ζ(゚、゚*ζ o
O(なんだかんだでいいコンビ……かなあ?)
.
- 448 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:28:17 ID:30TWAJzM0
-
(、 トソン「…………シィ」
(ヽ;´^ω^)「シィ? シィがどうしたんだ?」
(、
トソン「あの子を、病院に戻してあげて」
(ヽ´・ω・)「な、なんだと?」
ζ(゚−゚;ζ「それはマズいわ……。
いまあの子が抜けると、オトジャを見つけ出しても捕まえられないもの……ウン」
(ヽ;´^ω^)「そ、そうだ。
どうしたんだ、なんでシィが………」
(、
トソン「シィが………動けなく、なる」
(´^ω^`)「………」
(´^ω^`)
(´・ω・`)
(;´^ω^)「………え、?」
ζ(゚−゚;ζ「どういうこと?」
.
- 449 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:29:43 ID:30TWAJzM0
-
(、
トソン「いま、シィは、外傷以上に神経へのダメージがはかりしれない状態にあるんです」
(;´・ω・)「神経…… 《ラピッド・ラビット》
か」
ζ(゚−゚;ζ「でも、いま、確かに彼女は動けて……」
(、
トソン「もって数分、なんです! いま、あの子は、む、むりやり………、」
(、
トソン「無理やり………チカラを、ふりしぼってるん、で……す。」
(;´・ω・)「バカな。 もし本当にそうだとしたら、あの男………
《ブロック・ジャック》 が、黙っちゃ、いない」
(;´・ω・)「どんな手を使ってでも、絶対安静を守らせる男だ。
だが、こうして現場に出られている以上は、おそらくは大丈夫………」
(、
トソン「シィが、勝手に抜け出したに決まってるじゃないですか!
いまの彼女を動かしてるのは、彼女の持ち前の空元気だけなんです!」
(;´・ω・)「だ、だが………」
(、
トソン「所長命令で、連れ戻してください! シィを、ころッ………」
(−
トソン「…………ころす、おつもり…… …ですか……ッッ!」
.
- 450 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:30:50 ID:30TWAJzM0
-
ζ(゚−゚*ζ「………っ!」
( トソン
彡「……ッ」 サッ
(;´・ω・)「…………」
.
- 451 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:31:35 ID:30TWAJzM0
-
(;´・ω・)「………トソン、お前は一つの言葉を知るべきだ」
(、
トソン「……?」
(;´-ω-)「 殉職 」
(、
トソン「―――ッ」
(;´・ω・)「その言葉を、よく、噛みしめておけ」
(;´・ω・)「この世界にいる以上……無縁の話では、ないんだ」
ζ(゚−゚;ζ「………」
(´-ω-`)「つまり、だ」
(´・ω・`)「ここでシィが、その……動けなくなっても、しかたのないことなんだ」
(Д
;トソン「いいからさっさと連れ戻して!! しょぼ眉毛のくせに!!」
(
#´゚ω゚)「こ、こいつ〜〜〜〜ッ!!!」
.
- 452 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:32:15 ID:30TWAJzM0
-
(
#´゚ω゚)っ】「だァァ〜〜ったら専門医に直談判しやがれってんだ! ちょっと待ってろ!」 ピッポッパ
ζ(゚−゚;ζ「ちょ、ッ……もう! くだらないコトしてないで、現場のこと考えてよ!」
(
#´゚ω゚)】「あーーもしもし! 僕だ! ィシを出せ!」
(
#´゚ω゚)】「しゅぢゅ……手術は終わっただろ! ……用件だけ言えェ!? 僕は刑務所長だぞ!」
(
#´゚ω゚)】「………〜〜〜ッ! わかったよ! シィだ、シィの容態についてだがね!」
( ´゚ω゚)】「……ハア!? シィはいま、現場に出てるぞ! なにシィにまで脱走され……、え?」
ζ(゚−゚;ζ「?」
(、
;トソン「…?」
( ´゚ω゚)】「え、えっと………」
(
;´゚ω゚)】「え? シィ、そっちにいるの? ベッドに横になって? え?」
(゚、゚トソン「 ッ!」
.
- 453 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:32:56 ID:30TWAJzM0
-
(;´・ω・)】「そんな、バカな……確かに、シィは現場に……」
(;´^ω^)】「え、えっと……ハッハハハ! すまないね、ちょっとあとでかけなおすよ」
(;´^ω^)】「いや、カンチガイとか、そんな……ええ、決して、そんな、ねえ? じゃッ!」 ピッ
ζ(゚−゚;ζ「……ど、どうしたの……?」
(;´・ω・)「………げッ、現場の状況は! シィはいるのか!?」
ζ(゚−゚;ζ「ちょっと待って……」 ピピッ
ζ(゚−゚;ζ「………いる、わ。
ちゃんと、病人姿で……」
(´゚ω゚`)「!!?」
ζ(゚−゚;ζ「ど、どうしたの!? 病院にも、シィがいるの!?」
(´゚ω゚`)「し……シィは、この世に二人いたのか!?」
ζ(゚Д゚;ζ「この期に及んでボケないでちょうだい! 緊急事態なのよ!」
(
;´゚ω゚)「こっちだってワケわかんないんだよ! どういうことだ、どうしてシィが……」
.
- 454 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:35:05 ID:30TWAJzM0
-
(゚、゚トソン「…………! 所長!」
(;´・ω・)「な、なんだ!」
(゚、゚トソン「いま、現場に出ているシィ……彼女は、シィじゃなかったのかもしれない!」
(;´・ω・)「ハア? ついにお前、頭がおかしくなったか?」
(゚、゚トソン「あなたと一緒にしないでください。
いま、現場にいるのは、おそらく―――」
(
#´゚ω゚)「あってめ―――」
(゚、゚トソン「【ゼロ級】の擬態能力ッ!!」
.
- 455 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:35:46 ID:30TWAJzM0
-
.
- 456 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:36:43 ID:30TWAJzM0
-
( //−)「出てこい、オトジャ=フーン」 フッ…
( ´_ゝ`)「‥‥!」
(
//−)「 『医師』 が、石のような意志で、お前の奇病を診てやろう」
( ´_ゝ`)「声が……変わった……?」
(
;><)「……? ………??」
_
( ;゚∀゚)「し………シィ? え、オトコ?」
( //−)「シィ? 『妹』
が、どうした」
( //−)「いま、ここにいるのは―――」
(//−゚)「
《ブロック・ジャック》 」
〈//−゚〉「――――医師だ」
.
- 457 名前:名も無きAAのようです
:2013/12/14(土) 20:37:24 ID:30TWAJzM0
-
.
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