954 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 00:50:53 ID:5k7rYGnE0
( ・∀・)「」プルルルル

( ・∀・)「あ―もしもし?俺、俺―」

( ・∀・)「今ちょうど横浜駅着いたとこなんだけどさあ、あと15分くらいしたらそっち行くから準備しといて?」

( ・∀・)「あ―うん……うん」

(;・∀・)「ああ、うん、悪かったって。そんな怒鳴るなよ、うん」

( ・∀・)「いや、2人2人。お前は会った事ない人だけど、うん」

(;・∀・)「だ―か―ら―、ごめんってば―。チップは弾むからよ、うん」

( ・∀・)「うん、うん。はいは―い、後でな―」

( ・∀・)「」ピッ

川 ゚ -゚)「……大丈夫なのか?」

( ・∀・)「大丈夫大丈夫、散々文句言ってたけど何だかんだで許してくれるし」

955 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 00:51:54 ID:5k7rYGnE0
川 ゚ -゚)「ならいいのだが。しかし、バーテンダーの君がオススメするBARか。なかなか楽しみだな」

( ・∀・)「う―ん、まあ確かにオススメっちゃあオススメなんだけど……あんま期待はしないでね?カクテルの味とかは」

川 ゚ -゚)「しかし君もよく通う場所なんだろ?期待するなという方が酷じゃないか」

( ・∀・)「いや、確かに週に1度は通ってるけどね……何て言うか、色々と間違ってるというか」

川 ゚ -゚)「??」

( ・∀・)「って言うか厳密に言っちゃうとさあ」

( ・∀・)「店じゃなくて、個人の趣味でやってるとこなんだよね。あくまでも」

川 ゚ -゚)「趣味?」

( ・∀・)「まあ細かい事は着いたら分かる筈さ。とりあえず向かおうか」

川 ゚ -゚)「まあ色々と気になる事はあるが、とりあえず君のエスコートに従うとするよ」

( ・∀・)「はいはい。頑張らせて頂きますよ、お嬢様」

956 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 00:52:40 ID:5k7rYGnE0
………………………

…………………

……………

…………

………

……



957 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 00:54:47 ID:5k7rYGnE0
エントランス


( ・∀・)「あ―着いた着いた。ここだよ、ここ」

川 ゚ -゚)「……どう見ても普通のマンションなのだが」

( ・∀・)「まあ、アイツの家みたいなもんだからね―。とりあえずピンポーンと」ピンポーン

川 ゚ -゚)「……」

( ・∀・)「……」

川 ゚ -゚)「……」

( ・∀・)「……」

(# ・∀・)「」ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン

川 ゚ -゚)「……」

(# ・∀・)「」ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピン『うるっせ―――んだよ糞ったれがぁ!!とっとと入って来りゃいいだろうがタコォ!!』

ガチャ ウィーン


( ・∀・)「快く開けてくれたようだ」

川 ゚ -゚)「……そうかい」

958 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 00:56:28 ID:5k7rYGnE0
ガチャ カランカラーン♪



( ・∀・)「やあ、しばらく」

川 ゚ -゚)「これは……」

川 ゚ -゚)(これは驚いたな。マンションの部屋に入った瞬間、別世界じゃないか)

川 ゚ -゚)(どことなく官能的な薄暗い照明に、少し狭めなワンカウンターのシックな店内……実に雰囲気のいい店だ)

川 ゚ -゚)(酒棚、チェアー、カウンター。目につく全てのものが素人目にも分かる高級品だな)

川 ゚ -゚)(細かい一品一品に店主の拘りが見て取れる。これは期待出来そうな店だな)

川 ゚ -゚)(……ただ1つ)

川 ゚ -゚)(ただ1つ気になる事があるとするならば、だ)

( ・∀・)「いやあ、やっぱりこの部屋は雰囲気だけはいいね、雰囲気は」

川#д川「来る時ゃあ、1時間前に連絡しろっつっただろうがぁ……糞ったれがぁ」

( ・∀・)「いやいや、何だかんだ言って開けてくれる君の優しさに甘えただけさ」

川#д川「死んじまえ糞ったれぇ!!」

川 ゚ -゚)(……何で)

959 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 00:57:14 ID:5k7rYGnE0








川 ゚ -゚)(何でここの店主らしき男は貞子みたいな髪型な上にパジャマ姿で出迎えてるのだろうか)

960 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 00:58:02 ID:5k7rYGnE0







【糞ったれBAR NEETのようです】





.

961 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 00:59:53 ID:5k7rYGnE0
( ・∀・)「ああ、こちら友人のクールさんだよ。クールさん、ここの部屋主のミルナだ」

川 ゚ -゚)「どうも、初めまして」

川д川「あ―はい、うん。いらっしゃいね―うん、そしてとっとと帰って下さいよぉマジでぇ」

川 ゚ -゚)「……あまり歓迎されてない用だが?」

( ・∀・)「いや、流行りのツンデレというやつさ。彼だって内心は君みたいな美女に会えて心底興奮してる筈さ」

川#д川「だぁれがツンデレだ糞ったれがぁ!!こちとらお昼寝中にテメェの電話で叩き起こされたんだから機嫌悪くて当然だろうがぁ!!」

(;・∀・)「いや、お昼寝ってアンタ。もう夜の10時なんだけども」

川#д川「外の時間なんか知るか糞ったれぇ!!俺が昼だと思ったら昼で夜だと思ったら夜なんだよバ――カァァ!!」

川; ゚ -゚)(いや、それはおかしいだろう)

962 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 01:01:14 ID:5k7rYGnE0
( ・∀・)「まあまあ、そう怒らずに。とりあえず客を連れてきた訳だから適当になんか出してくれよ」

川д川「チッ……後で覚えてろよぉ糞ったれぇ」

川; ゚ -゚)「なあ、本当に大丈夫なのか?」ヒソヒソ

( ・∀・)「大丈夫大丈夫。彼って基本的にあんな感じだから」ヒソヒソ

川д川「あ―かったりぃ……モララーの糞ったれはとりあえずこれでも飲んどけよぉ」スッ

(* ・∀・)「おっ!流石ミルナだね!!ここに来たらこれを飲まなきゃね!!」

川 ゚ -゚)「やけに薬草臭い酒だな」

(* ・∀・)「養命酒+アブサン+シャトルリューズのカクテルさ!名付けて『モララースペシャル』!!」

川; ゚ -゚)「……なんだ、そのとりあえずハチャメチャに薬草リキュールを混ぜてみましたって感じのゲテモノカクテルは」

963 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 01:02:51 ID:5k7rYGnE0
川;д川「最初は嫌がらせで作ってやったのによぉ、コイツ気に入りやがってよぉ、それから1杯目は絶対にコイツを飲みやがるんだよなぁ」

川; ゚ -゚)「相変わらず君は残念な味覚をしているんだな」

(* ・∀・)「いやいやこれが中々美味しいんだってば!いや―たまんないね―」チビチビ

川д川「んで、アンタは何を飲むんだよぉ?」

川 ゚ -゚)「そうだな。とりあえずジンを頼む」

川д川「あぁ?ジンだぁ?ちょっと待ってろぉ」スタスタ

川 ゚ -゚)「なあ、モララー。本当にこの店は大丈夫なのか?主に接客態度にかなり問題がある気がするんだが」

( ・∀・)「大丈夫大丈夫!酒の種類は馬鹿みたいにあるしね!ミルナはああ見えていいやつだからね!!」

川; ゚ -゚)「私には初対面の客にタメ口きいて、パジャマにスリッパで接客する髪の毛オバケがいいやつには見えないのだが……」

964 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 01:04:19 ID:5k7rYGnE0
川д川「ん―、ほらよ」スッ

川 ゚ -゚)「ありがとう。ちなみに銘柄は?」

川д川「あぁん?飲みゃあ分かるだろうがぁ」

川# ゚ -゚)(……なんて店なんだ)チビチビ

川 ゚ -゚)そ「!! これは!」

( ・∀・)「あれ? ミルナ、クーさんに何を出したの?」

川д川「あぁん、何だっけぇ? マッカナ? マッカラン?」

川; ゚ -゚)「マラッカジンだ! まさかここでこんな物が飲めるとは……!!」

( ・∀・)「マラッカ?」

川д川「ああそうだそうだぁ、マラッカだぁマラッカァ。名前忘れてたわぁ。ちなみにボトルはこれなぁ」コトッ

川; ゚ -゚)「リバイバル版じゃなく初代のボトルじゃないか!今ではかなり珍しいだろうに!!」

川д川「あ―そうなのかぁ?いっつもテキトーにネットで買ってっから気にした事ね―なぁ」

965 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 01:05:36 ID:5k7rYGnE0
( ・∀・)「そのマラッカって言うのはそんなに珍しいのかい?」

川; ゚ -゚)「何でバーテンの君が知らないんだ……10年以上前に発売されたがすぐに終売してしまったかなり有名なジンだよ」

川 ゚ -゚)「最近になってリバイバル版が販売されたとは言え、普通のジンとはやはり別格扱いされるほどの人気だな」

( ・∀・)「へぇ―。そう言えばウチの職場にもあったかも」チビチビ

川 ゚ -゚)「それは普通のタンカレーだろう、緑のボトルの。仮にもバーテンダーならもっと勉強したらどうだ?」

( ・∀・)「僕はまだ見習いだからいいんだ―い。それよりミルナ―、なんか食べ物ちょうだ―い」チビチビ

川д川「ん」コトッ

( ・∀・)「……なにこれ」

川д川「どん兵衛」

967 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 01:06:26 ID:5k7rYGnE0
(# ・∀・)「何でBARまで来て酒飲みながらどん兵衛食べなきゃいけないんだよ!!」

川#д川「どん兵衛バカにすんじゃねぇよ糞ったれぇ!!大体人の家を勝手にBAR呼ばわりしてんじゃねぇよぉ!!」

川 ゚ -゚)「ん? ちょっと待ってくれ。ここはBARじゃないのか?」

川д川「あ? モララーのタコから聴いて無いのかぁ? ここは俺の家だぞ?」

川; ゚ -゚)「いや、しかしこの雰囲気に、部屋中に飾られてるこの酒の数は、どう見てもBARそのものなのだが」

川д川「んなもん人の趣味だろうがぁ。金の使い道に困ったから適当に部屋を改築してありったけの酒を放り込んだらこうなったんだよぉ」

( ・∀・)「あれ?クーちゃんに言って無かったっけ?」

川 ゚ -゚)「私は君にオススメのBARに連れていくと言われたから連いて来ただけだぞ?」

968 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 01:08:24 ID:5k7rYGnE0
川д川「だぁかぁらぁ、ここは俺の家!酒は俺の趣味!それだけだっつぅのぉ!!」

( ・∀・)「まあこのフロアは丸ごとミルナのものだしね―」

川; ゚ -゚)「フロアごと!?君は一体何者なんだ?」

川д川「いや、ただのニートだけどぉ?」

川 ゚ -゚)「……ニート?」

( ・∀・)「そうそう、ちょっと運がよくてちょっとお金持ちなだけのニートだよ彼は」

川; ゚ -゚)「冗談だろう?」

川д川「何で初対面のアンタに冗談なんか言わなきゃならね―んだよぉ。つ―か俺も酒飲も」トクトク

( ・∀・)「あっ僕にもなんか頂戴よ。高いやつね」

川#д川「死んじまえ糞ったれぇ……ほらよ」スッ

969 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 01:09:46 ID:5k7rYGnE0
(;・∀・)「あの、なんかグラスにデッカイ芋虫が入ってるんですけど?」

川*д川「ケケケッ!テメェにゃお似合いだろうが糞ったれがぁ!!」

川 ゚ -゚)(メスカルか?)

( ・∀・)「あ―も―まあ飲むけどさぁ……あっ美味い」

川 ゚ -゚)「私もマラッカをもう1杯頂いていいかな?」

川д川「んあぁ?もうダルいから勝手にボトルから注いで飲んでくれぇ」

川; ゚ -゚)「いいのかそれで……いや、有り難く頂くが」トクトク

(* ・∀・)「あ!この芋虫美味しい!!今度モララースペシャルにこの芋虫も入れといて!!」

川;д川「な―んでお前にゃどんな嫌がらせしても効果ないのかねぇ」

川*゚ -゚)(……美味いな)

970 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 01:12:47 ID:5k7rYGnE0





川 ゚ -゚)「……結構な長居をしてしまったな」

(* ‐∀‐)「もっと芋虫持ってこ―い!ヒック!」

川 ゚ -゚)「全く仕方の無いやつだな。チェックを頼む」

川д川「ん―ああ、うん。何杯飲んだっけぇ?」

川 ゚ -゚)「私が5杯。モララーがその倍だな」

川д川「んじゃ1500円でいいや」

川 ゚ -゚)「……は?」

川д川「んん?高いかぁ? じゃあキリよく1000円で」

川; ゚ -゚)「逆だ逆!!安すぎるだろ!!なんでこんなに飲んでそんな値段なんだ!?原価より安いじゃないか!!」

川д川「いやあ、別に趣味でやってるしよぉ、宅飲みの延長みたいなもんだしこんなもんだろぉ」

川; ゚ -゚)「……もはや突っ込むまい。ほら」

971 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 01:13:59 ID:5k7rYGnE0
川д川「5000円?釣り持ってくるわぁ」

川 ゚ -゚)「要らないよ。その代わり次に来る時までマラッカをキープしといてくれよ」

川;д川「また来るつもりなのかよぉ」

川 ゚ -゚)「さて、ではそろそろ失礼するよ。ほら行くぞモララー」

(* ‐∀‐)「う―ん……芋虫がぁ……シャトルリューズの海に浮かぶ芋虫がぁ……」

川 ゚ -゚)「では、また今度」


カランカラーン


川д川「……あの女、絶対に家を隠れ家的なBARと勘違いしてるよなぁ」

川д川「……」

川д川「……」

川д川「……お昼寝するかぁ」

972 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 01:14:54 ID:5k7rYGnE0
…………………

………………

……………

…………

………

……



973 名前:名も無きAAのようです :2014/12/28(日) 01:17:59 ID:5k7rYGnE0
(*゚∀゚)「先輩、今日はどこに連れていってくれるんですか?」

川 ゚ -゚)「ああ、最近友人に紹介されたBARがあってな。そこに行こうと思っている」

(*゚∀゚)「BARですか!!初めて行きます!!」

川 ゚ -゚)「そうか。そこの家主はちょっと変わっているが、まあかなりの種類の酒があるし、悪くないところだぞ」

(*゚∀゚)「へ―楽しみです!なんて名前の店なんですか?」

川 ゚ -゚)(む……そう言えば店名をきいてなかったな。まあ彼の自宅な訳だから店名など無いのだろうが)

川 ゚ -゚)「あ―……確か、名前は……」






川 ゚―゚)「BAR NEETだったかな」


.


戻る




inserted by FC2 system