- 102 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:08:26 ID:mOF2Skv60
- ( "ゞ)「……」
从 ゚∀从「……」
( "ゞ)「……暇。ですねぇ」
从 ゚∀从「……だな」
( "ゞ)「開店前に笑角福さんが来たのを除けば、まだ客数0ですよ」
从 ゚∀从「給料日前の、平日ど真ん中だ。こんなもんだろ」
( "ゞ)「そんなものですかねぇ」
- 103 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:09:14 ID:mOF2Skv60
- ( "ゞ)(皆さんこんばんは。毎度毎度、暇で暇で仕方ないバーテンダーの関ヶ原デルタです)
( "ゞ)(ここ、バー『紅〜Beni〜』はオーナーの趣味によるラム酒専門に取扱いする小さなBARです)
( "ゞ)(バックカウンターには約500種類以上のラム酒が並んでいますが、逆に言えばラム酒以外のお酒は殆ど置いてありません)
( "ゞ)(現在の日本では洋酒と言えばウィスキーという風潮が大きいですから。やはり一般的なモルトバーと比べてしまうと敷居が高いのかもしれません)
( "ゞ)(しかし、そう敬遠する事はありません。例え普段愛飲しているお酒があったとしても)
( "ゞ)(気分転換にラム酒を1杯だけ飲んでみよう。そんな些細な切欠で新たな世界が見えてくるものなのですから)
- 104 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:09:47 ID:mOF2Skv60
- ガチャッ カランカラン
( "ゞ)「「いらっしゃいませ」」 从∀゚ 从
( "ゞ)(今宵もまた一人、甘味なラム酒の世界へとご招待します……)
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- 105 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:10:21 ID:mOF2Skv60
【ラム専門BAR 紅〜Beni〜のようです】
【OPEN】
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- 106 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:10:44 ID:mOF2Skv60
- 川 ゚ -゚)「やあ、しばらく」
从 ゚∀从そ「……!」
( "ゞ)「あれ? クールさんじゃないですか。お久しぶりです」
川 ゚ -゚)「ああ、久々だな関ヶ原君。最後に寄ったのは2年ほど前だったかな?」
( "ゞ)「一昨年のオーナーの誕生日イベント以来でしたね。お元気でしたか?」
川 ゚ -゚)「ああ、昨年は何だかんだ忙しくてね。なかなか顔が出せずに申し訳ない」
( "ゞ)「いえ、お気になさらず。確か最近ダイニングバーをオープンされたとか?」
- 107 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:11:29 ID:mOF2Skv60
- 川 ゚ -゚)「ヒー姉から聞いたのかな? 少し前に、ね。まあ、私の趣味を全面に押し付けたようなメニューの独りよがりの店だがね」
( "ゞ)「と、言うとメインの酒は……」
川 ゚ -゚)「言うまでも無いだろう。最高のスピリッツ、ジンだよ」
( "ゞ)「相変わらず、お好きなんですね」
川 ー -゚)「あれほど美味い酒はなかなか無いからな。メニューの8割はジンやそれをメインにしたカクテルさ」
(;"ゞ)「もういっその事、ジン専門バーにした方がいいのでは……」
川 ゚―゚)「なるほど。それも面白いな、検討してみよう」
- 108 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:11:55 ID:mOF2Skv60
- 从 ゚∀从「……ご注文は?」
川 ゚ -゚)「ん? ああ、そうだな。何を飲もうかな」
( "ゞ)「前回いらっしゃった時は確か、『パンペロ』をお飲みになってましたよね? オーナーのすすめで」
川 ゚ -゚)「ああ。生憎だがジン以外のスピリッツに関しては、とんと無知でね。以前に飲んだアレも、まあ悪くは無かったんだが」
从 ー∀从「……こちらは、いかがでしょうか?」
川 ゚ -゚)「ん? これは?」
从 ゚∀从「多分、クール……さん、なら。気に入るかと、思います」
( "ゞ)「あれ? 高岡さんってクールさんと知り合いなんですか?」
- 109 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:12:36 ID:mOF2Skv60
- 川 ゚―゚)「ああ、ハインは私にとって『とても親密な関係の女性』さ。特別な、ね?」
从;゚Д从そ「バッ、バカ!!」
( "ゞ)(?? よく分かんないけど随分と仲が良いんだな―)
川 ゚ -゚)「さて、ハイン。その銘柄の名前を教えてくれるかな?」
从;ー∀从「……別に、珍しい酒でも、無ぇけどよ。ほら」
从 ゚∀从「『バカルディ8』だ」ゴト
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- 110 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:13:10 ID:mOF2Skv60
【バカルディ・8】
アルコール度数…40°
原産国…バハマ
色…やや濃いめ
甘さ
★★★☆☆
香り
★★★☆☆
コク
★☆☆☆☆
アルコール感
★★★☆☆
著名なラムメーカー、バカルディの自信作。
コストパフォーマンスにも優れており、入手しやすいのも魅力的。
後味にまるで花のような、きらびやかな香りが残るのが特徴。
さっぱりした軽めの味わいなので、割らずに頂いて欲しい。
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- 111 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:13:35 ID:mOF2Skv60
- 从 ゚∀从「どぞ。常温ツーフィンガーの、ストレートで」
川 ゚ -゚)「ありがとう。頂くよ」
川 ゚ -゚)「」チビ
川 ゚ -゚)「……ほう」
川*゚ -゚)「これは、仲々。悪くないな」チビ
从 ー∀从「っす。どうも」
( "ゞ)「バカルディの8年はダークラムににしては随分と軽い味わいですよね」
川*゚ -゚)「ああ、だがこの軽さがいいね。スルスルと入っていくよ」
- 112 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:14:11 ID:mOF2Skv60
- 川 ゚ -゚)「ブラウンスピリッツはどうにも味わいが重いものが多いからね。味は良くとも飲んでる内に疲れてしまうことが多いのだが」
川*゚ -゚)「この酒は美味いな。飲み口が軽いだけじゃなくて香りも良いし、この甘さが軽やかでありながら自然な甘さで好感が持てるよ」チビチビ
从 ー∀从「ん。なら、良かった」
川 ー―゚)「フフフ……流石ハインだな。私の好みなど、お見通しという訳か」
从 ーへ从「……うっせ」プイ
( "ゞ)「随分と仲が良ろしいんですね。まるで幼馴染みのようだ」
川 ー -゚)「さて、ね。付き合い自体は一年とそこらだがね」
川 ゚―゚)「私とハインは。かなり濃厚な付き合いをしてるからね、誰よりも彼女を理解している自信はあるよ」
- 113 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:14:42 ID:mOF2Skv60
- 从#//Д从「こんの、バカがっ……!」
(;"ゞ)(うわっ。高岡さんが赤面してるよ……全然キャラが違う二人なのになぁ)
川 ゚ -゚)「私がダイニングバーをオープンする時に、色々とバーテンダーとしての技術を教え込んでくれてね」
川 ゚ -゚)「ハインは言わば、私にとっての師匠みたいなものなんだ。彼女を紹介してくれたヒー姉さんには全く頭が上がらないよ」
(;"ゞ)「え!? 高岡さんがクールさんの師匠!?」
从;ー∀从「べ、別に大した事じゃ無ぇ、よ。クールに色々教えてる時にも、オーナーから給料貰ってたし……」
从;ーへ从「仕事の一環で、やっただけだっつうの」
川 ゚―゚)「フフ。ならそういう事にしておこう」
- 114 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:15:08 ID:mOF2Skv60
- ( "ゞ)(クールさんがバーテンダーかぁ。いつかお店にお邪魔してみたいなあ)
川 ゚ -゚)「ハインのお陰で、私もバーのオーナーとして恥ずかしくない程度の腕前にはなれたつもりさ。やはりハインは指導者としての素質があるよ」チビチビ
从 ー∀从「……うっせ」
川 ー -゚)「まあ、もっとも……」
从 ゚∀从「あ?」
川 ゚―゚)「『アッチ』の方の技術はまだまだ未熟なようだからね。私が色々と手解きしてやってる立場なのだがな」
从//∀从そ「んなっ!?」
( "ゞ)「?? アッチ?」
川*ー -゚)「分からないならそれでいいさ。フフフ……」
- 115 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:15:32 ID:mOF2Skv60
- 从#//Д从「こんの、大馬鹿クール!! とっとと帰りやがれ!!」
(;"ゞ)そ「ちょっ!? 高岡さん!?」
川 ー -゚)「おや? 少しからかい過ぎたようだな。嫌われ者は潔く退散するとしようか」チビチビ カラン
(;"ゞ)「え、あの。何か申し訳ありません。こちらお会計です」
川 ゚ -゚)「ふむ5000円でいいかな? 釣りはチップにでもしてくれ」
( "ゞ)「あっ、ありがとうございます」
川 ゚ -゚)「では、おやすみなさい」
从 ー∀从「……おい」
川 ゚ -゚)「ん?」
- 116 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:15:55 ID:mOF2Skv60
- 从 ゚∀从「外まで、送る」
川 ゚―゚)「フフ。ならお言葉に甘えようかな?」
从 ーへ从「チッ、行くぞ」
(;"ゞ)「えっ? ちょっ高岡さん!?」
ガチャッ カランカラン
(;"ゞ)「……高岡さんがわざわざお客さんを見送るなんて初めてじゃないか?」
( "ゞ)「本当に仲良しなんだな―あの二人って」
- 117 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:16:20 ID:mOF2Skv60
ガチャッ カランカラン
从 ゚∀从「戻った」
( "ゞ)「あっ、お帰りなさい」
从;ー∀从「ったく。あのエロ女め……」
( "ゞ)「?? 随分と仲良しなんですね、クールさんと」
从 ゚∀从「ん? ああ……」
从;ーへ从「まあ、な」プイッ
( "ゞ)(何か妙な反応だなぁ……ん?)
( "ゞ)(高岡さんの首もとに、小さな痣? あんなもの有ったっけ?)
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- 118 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:16:45 ID:mOF2Skv60
川 ゚ -゚)『ああ、ハインは私にとって「とても親密な関係の女性」さ。特別な、ね?』
川 ゚ -゚)『ハインのお陰で、私もバーのオーナーとして恥ずかしくない程度の腕前にはなれたつもりさ。やはりハインは指導者としての素質があるよ』
川 ー -゚)『まあ、もっとも……』
川 ゚―゚)『「アッチ」の方の技術はまだまだ未熟なようだからね。私が色々と手解きしてやってる立場なのだがな」』
( "ゞ)(……)
( "ゞ)(……)
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- 119 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:17:18 ID:mOF2Skv60
- (;"ゞ)(……いやいやいやいや!?)
(;"ゞ)(まさか……ね……?)
从 ゚∀从「……」
从 ー∀从「……」
从*ー∀从「……ふぅ」
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- 120 名前: ◆eOod7XM/js :2015/09/27(日) 14:18:12 ID:mOF2Skv60
【CLOSE】
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