- 318 名前:('、`*川食欲の秋のようです :2015/09/13(日) 03:10:44 ID:6APgPUTA0
秋、その言葉を聞くだけで心が踊る。
うだるような夏の暑さとようやくおさらばできる。
旬のものが他の季節より多い秋は食に走る人も多いはず。
多分に漏れずペニサスも食欲の秋に走って後悔した一人。
体重計に乗り、表示された数値を見るペニサスの眼差しは鋭い。
それもこれも、秋が行けないのだ。秋刀魚、栗、きのこ、一通りの旬の食べ物を堪能した。
後先考えずに。
('、`*川「それがこの結果ね……」
何度測り直しても変わらない数値。元の体重に戻すにはダイエットしかない。
そう決心した。
はずなのにーーー。
―――('、`*川食欲の秋のようです
* * *
ダイエットを開始してから数日後。
ご飯を食べても何時もの半分の量しか食べていないペニサスには物足りなかった。
ついついおやつに手が伸びるのを必死に堪えるている時に、知り合いが家に転がり込んできた。
こたつに向かい合うように座るペニサスと友人のシュール。
彼女はペニサスが何も言わないのをいいことに、こたつに置かれているみかんとを黙々と食べていた。
あのみかんたちはペニサスがスーパーで一つ一つ吟味して買ってきたものだ。ダイエットをしていなければ、シュールからみかんを即座に取り上げていたところだ。
買ってきたみかんを空にする勢いで食べる様子をシュールにペニサスは忸怩たる思いで何も言わずに黙って見ていた。
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- 319 名前:('、`*川食欲の秋のようです :2015/09/13(日) 03:13:12 ID:6APgPUTA0
ペニサスの思いを露知らず、みかんを完食したシュールは次の季節に思いを馳せる。
lw´‐ _‐ノv「みかんが甘い……。なら餅が美味しい季節まであと少し」
('、`*川「それは結構だが、何で私の方を見て言う必要がある?」
lw´‐ _‐ノv「え? それはペニサスが丸餅のようにまるっーーー、じゃなくてその立派な胸がつきたての餅のように柔らかそうだから」
('、`*川「取ってつけたような言い訳をしても無駄だからな。ほとんど言ってるからな」
lw´‐ _‐ノv「過ぎたことを気にしているとその豊満な胸を揉みしだくぞ!」
('、`*川「減らず口叩いてるとお前の口を縫い付けるぞ!」
lw´‐ _‐ノv「しかし中々焼けないな」
('、`*川「人の話を……、まあいい、お前は一体何を焼いてるんだ? いきなり家に押しかけてきてオーブンが壊れたからうちのオーブンを貸してくれって」
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- 320 名前:('、`*川食欲の秋のようです :2015/09/13(日) 03:15:28 ID:6APgPUTA0
lw´‐ _‐ノv「くさや」
('、`#川「そんな物を家の中で焼くな! 外で焼け!」
lw´‐ _‐ノv「冗談」
('、`#川「たちが悪い冗談はやめろ!」
lw´‐ _‐ノv「怒ってばっかりだと皺が増えるぞ」
('、`#川「お前がそうさせるからだろう?!」
lw´‐ _‐ノv「お? 焼けた焼けた」チーン
('、`#川「話を聞け!」
lw´‐ _‐ノv「うるさいな。糖分とカロリーが足りてないんじゃないの。そういう時は甘いものだよ。はい、焼き芋。好きでしょう? ペニサス」
('、`;川「やっ、焼き芋。いらない。私はダイエットしてるから……」
lw´‐ _‐ノv「頭で嫌がってても目線は芋に釘付け、体は正直みたいだね。 無理なダイエットして体を壊すより、旬なものを食べて、規則正しい生活する方いいと思うけど」
('、`#川「うっ、うるさい!」
シュールから焼き芋を引ったくったペニサスは焼き芋を口に頬張る。
焼き芋の甘みを感じながら、ペニサスのダイエットがたった一個の焼き芋によってご破算になった。
「秋高く馬肥ゆ」という言葉がある。ペニサスは秋が好きだが、今だけは秋が憎くて仕方なかった。
【―了―】
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